著者
KOVALEVSKII Alexander L. NEFEDEV Michail A. LANDA Will E.
出版者
The Society of Resource Geology
雑誌
資源地質 (ISSN:09182454)
巻号頁・発行日
vol.44, no.248, pp.429-438, 1994

潜頭貴金属鉱床ゾーン,南部タイガの丘陵地域の鉱床の探査や地質構造マッピングには,生地球化学,生地球物理学,地質考古学を組み合わせると大変効率的である.もっとも効率的な方法は,生地球化学的探鉱(NBE)と生地球化学的探査(NBP)である.ブルドーザーによって100-200mの長さをもつ16の溝を掘って調べた通常の土壌と地質の調査により詳しい探鉱の行われていたところで,これらの方法を用いたところ160の銀の生地球化学的異常(SOBA)と10の金と6つの白金属の強い生地球化学的異常が見いだされた.銀含有量が100-3,000ppmの15のSOBAを調べたところ3,300-6,000ppmのAgをもつ9つの鉱体, 1-50ppmの銀と,金,白金属を含む33の銀を含むゾーンが見いだされた. NBPを用いて100-3,000ppmのSOBAのところで, 4-10mの溝を掘って再調査をしたところ15の銀の鉱床が見つかった.植物サンプルを1-3m間隔で採集し, NBPを用いて51, 35と15の銀の異常(SOBA)をもつ3つの有望な銀鉱床が見つかり,植物の灰の中に70-3,000ppmの銀を含むことがわかった.最初の探査段階で生地球化学プロファイルとともに生地球物理学と地質考古学を共に用いることが推奨される. NBPは,鉱体の全体を知ることと,地表での地質構造調査に基づいて鉱床の様子を知るのによい方法である.
著者
三宅 正二郎 橋爪 剛 渡部 修一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.366, pp.25-28, 2003-10-10
被引用文献数
1

新しい固体潤滑膜を開発するため銀と金のナノ周期積層膜をRFスパッタリングで形成した。ナノインデンテーション試験によれば、ナノ周期積層膜は高硬度を示す。さらにボールオンディスク試験によると4-nm周期積層膜はμ=0.05の低摩擦を示し、銀、金単屠膜より長摩擦寿命を示す。また、摩擦による電気抵抗の変化は単層膜より著しく小さい。
著者
瀬戸 憲彦 橋本 信一 飯高 隆
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3/4, pp.195-208, 1994-03-30

南西諸島は,琉球海溝にほぼ並行に位置する弧状列島である。近年,南西諸島の西端に位置する西表島において群発地震活動がみられ,1992年9月17日からは西表島北西沖において活発な群発地震活動が発生した.そのため,1992年10月29日から同年11月7日にかけて,無線テレメータによる地震活動の監視と無線によるテレコントロールシステム(テレコンシステム)を用いた高密度観測をおこなった.その結果,観測期間中に1060個の地震が観測され,活発な活動状況を示した.震源分布においては,今回の活動はいくつかの群(クラスター)からなり,全体の傾向として北西-南東方向に分布していることがわかった.震源の深さは,おもに8kmから12kmであり,上部地殻の深部での活動であることがわかった.また,いくつかのテレメータの観測点で後続波が観測され,走時解析から,地殻内部に速度不連続面が存在することが示された.その地殻内速度不連続面は島の北西部から沖合いにかけて位置し,深さ13km程度に求まった.その地域の震源分布の鉛直断面図を見ると,深いところから浅いところに向かって鉛直方向にならぶ明瞭なトレンドが見られた.また,テレコンシステムを用いた解析では,初動の押し引きの重ね合わせによって,震央分布の北西-南東方向に走行を持つ正断層のメカニズム解か推定された.
著者
島田 周平
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.2_1-16, 2009
被引用文献数
2 1

脆弱性理論は,脆弱性概念の多義性のために未だ有効な分析概念とは認められていない.しかし,アフリカの貧困問題や農業の持続性の理解のための学際的研究分野においては,大きな可能性を持つと考えられている.本稿では,アフリカ農村社会の分析にとって適切な脆弱性の定義を試み,次に個人,世帯,社会集団という主体の違いによって現れる脆弱性の多様性を整理した.その上で,ナイジェリア,ブルキナ・ファソ,ザンビアで行った農村調査の結果をもとに,個人,世帯,社会集団の脆弱性がどのような過程で増大してきているのか考察した.その結果,個人,世帯,社会集団の脆弱性は,相互に密接な関連を持ち影響しあっていることが明らかとなった.たとえば,ブルキナ・ファソから南部諸国への出稼ぎは,干ばつ常襲地域の世帯の脆弱性を緩和するものであったが,2000年にコート・ジボワールで起きた外国人排斥運動に遭い,突然中止せざるを得なくなった.このことで国外追放された個人,世帯はもとより,彼らが帰った先の故郷の農村社会の脆弱性にも深刻な影響を与えた.このような複雑な脆弱性を理解するためには,主体間の脆弱性増大の影響やそのプロセスを明らかにした上で,次にそれらの間の相互関係を解析する必要がある.

1 0 0 0 OA 太平記

著者
国文学会 校
出版者
誠之堂
巻号頁・発行日
vol.2, 1901
著者
岡野 初枝
出版者
岡山県立大学短期大学部
雑誌
岡山県立大学短期大学部研究紀要 (ISSN:13404687)
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-11, 1997

社会福祉労働について一つの定義をあげれば,社会福祉の制度とか政策が住民に活用されるために,社会福祉に従事している人々により行われる労働ということができる。労働の分類では直接財貨を生産しないために,非生産的労働としてサービス労働に分類されている。しかし社会福祉労働は非生産的な労働ではなく,憲法にもとづく生存権を保障するために社会福祉行政に伴って現れる有用な労働である。 社会福祉労働は,生活に課題を持つ個人およびその家族に対して働きかける有用な労働であり,その対象は現実の社会的な諸関係に制約されている生きた肉体を持った個人の生活課題とそれに付随する精神的・人格的課題に対して行われる。そのとき社会福祉労働は個人の恣意として行われるのではなく,社会の責務として人問の社会権存在権を保障するために行われる。 社会福祉労働に従事する場所は,社会福祉事務所や児童福祉施設などが主であったが,高齢社会を迎えた現在では,老人福祉施設など高齢者を対象にした施設での従事者が増加している。また地域福祉や在宅福祉サービスの整備によりホームヘルパーの増加などその一端を示している。 社会福祉労働に従事する場合,基本理念としての倫理性が重視される。同特に,存在権を保障する方法については専門的技術を必要とする。高齢社会を迎えた現代の社会福祉労働の新しい課題は,社会福祉労働者によって住民の環境としての社会制度や政策を変革していくことである。