著者
日下部 眞一
出版者
広島大学大学院総合科学研究科
雑誌
環境科学研究 = Studies of environmental sciences (ISSN:18817696)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.13-41, 2012

A previous report (Kusakabe, 2011, in Japanese) warned about an interpretation of a scatter diagram with coordinates expressed in the percentages or per capita data. Since most of the social indicators obey the Law of Power Function (Kusakabe, 2011), the scatter diagram of such indicaters in terms of ratio (percentage or per capita) inevitably shows positive or negative spurious correlations in cross section data analysis, irrespective of the causation. These spurious correlations are induced by the population size effect. Here, I will critically examine Putnam's Social Capital Index (SCI) in "Bowling Alone, Part 4." Putnam's SCI is highly correlated with the population size (Fig.12; R=-0.487**). Path analysis shows clear effect of population size on Putnam's SCI (Fig. 15(2)). Thus, Putnam's SCI inevitably induces both spurious correlations with most of the various social indicators and strong bias in his estimates for Social Capital Index. However, if we exclude the population size effect from Putnam's SCI using a regression method,the resulting regression residuals (adjusted SCI or the Regression-based score, R-score, defined by Kusakabe 2002a,b,c in Japanese) almost coincide with a Regression-based score of the number of nonprofit organizations in the United States (Fig.16(1),(2), R=0.663**).Both of the Regression-based scores of Putnam's SCI(adjusted SCI) and those of NPOs significantly correlate with the Regression-based scores of murders (Fig.20(1),21(1); R=-0.776**and -0.605**, respectively). Path analyses on both Putnam's adjusted SCI and R-score for NPOs clearly show the strong effect on the R-score for murders (Fig.20(2),21(2); pass coefficient, -0.776** and -0.605**, respectively). These results disclose firm evidences for "cultural embeddedness" of Social Capital in the United States. Thus, Social Capital, indeed, can be measurable with these Regression -based scores for the number of nonprofit organizations or Putnam's adjusted SCI (Regression-based SCI score).The revised version of Putnam's barometric map of America's Social Capital (Figure 25) is successfully presented in this study in terms of R-score for nonprofit organizations in the United States of America.2013年12月17日PDFファイル更新

10 0 0 0 OA 日本美術の素性

著者
河野 元昭
出版者
尚美学園大学
雑誌
尚美学園大学芸術情報研究 (ISSN:18825370)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.37-63, 2010-11

日本美術の美しさはシンプリシティーに求めることができる。まず初めに、その理由を材質と形式の点から考え、次にシンフ゜リシティーの内容について、直観的、心象的、装飾的、詩歌的、諧謔的の五つに分けて論じたわけである。日本絵画の特質は、一言でいってシンプリシティーである。そのもとになった中国絵画と比較することによって、はっきりと理解することができる。しかし、このような日本美術のシンプリシティーは、同時に圧倒的迫力やモニュメンタリティーに弱いという欠点を生むこともないではなかった。明治時代の小説家二葉亭四迷が、日本人の大和魂というものは純粋であるけれども、徹底性を嫌うという欠点をも生んだと指摘していることは、きわめて興味深く感じられる。ところで、実をいうと、シンプリシティーは美術だけの特質ではなく、衣食住をはじめ技術・学問・文学・芸能・音楽・宗教など、日本文化全般にわたる特徴でもあるといってよいであろう。これらの場合も、単に簡潔純粋というだけではなく、複雑なものをそのように見せる意識が働いていたことを見逃してはならない。それでは、なぜ日本文化全体がシンプリシティーによって特徴づけられるのか、今後はこの問題を考えてみたいと思っている。その際ヒントになりそうなのは、近代の文豪島崎藤村が、日本に和歌や俳句の如く、ごく単純な詩形が発達してきた理由は、われらの心に経験することがあまりに複雑であるからではないかと指摘している点かもしれない。
著者
山本 善之
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
らん : 纜 (ISSN:09160981)
巻号頁・発行日
no.46, pp.58-65, 1999-12-30
著者
工藤 典代 花澤 豊行
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.89-92, 1992-04-01

妊娠早期の風疹ウイルス感染により,白内障,心疾患,難聴を主徴とする多彩な先天異常を伴なった先天性風疹症候群(CRS)が生じることは周知の事実である。しかし,妊娠中期の感染でも難聴が生じることはあまり知られていない。今回,妊娠中期に風疹感染の既往があり,出生児に先天性難聴が生じた症例を経験した。このような母体の風疹罹患が原因と思われる難聴児が,当院開設以来2年間に,7例来院している。これらの症例について,風疹罹患時の妊娠月数,難聴の程度,難聴の左右差につき検討を加え報告した。症例は1歳から7歳までの7例で,母体の風疹罹患は妊娠4か月から7か月末であった。難聴は両側性が6例,1側性が1例であった。難聴の程度は中程度から高度,ろうまでみられた。これらの難聴についてまとめると,(1)風疹罹患の時期が妊娠初期に近い程,難聴の程度は高い傾向にあった。(2)妊娠5か月以降の感染の症例は,聴力に左右差が認められた。一般にCRSの発生は妊娠初期が知られているが,難聴に関しては妊娠後期でも生じるため注意が必要である。また,CRSの予防には,ワクチン接種と風疹の抗体価検査が望まれ,広く一般に啓蒙する必要がある。
著者
田中 賢二 石綿 元
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.207-212, 2005

高等学校学習指導要領において,「素粒子」が登場したのは,平成元年(1989)改訂の要領である。科目<物理II>で,学習内容の最終テーマ(課題研究を除く)として導入されている。その後の平成11年(1989)改訂でも引き続き導入されており,高等学校物理における一つの学習内容として定着を見せている。「素粒子」の取り扱いに関する変遷を2回の指導要領改訂に対応した教科書でみると,新教科書は旧教科書に比べて言及されている「素粒子」が拡充し,未確認や研究中との言及が増加し,問題数が増えていることなどが判る。
著者
小谷 充
出版者
島根大学
雑誌
島根大学教育学部紀要. 教育科学・人文・社会科学・自然科学 (ISSN:18808581)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.127-142, 2012-12-25

本研究は、映画を主とした映像表現に展開するタイポグラフィの構造分析を通して、文字の視覚的な意味伝達機能を明らかにすることを目的としている。本稿では、グラフィックデザイナー・�良多平吉(1947-)がタイトルデザインを担当した劇場用アニメーション『銀河鉄道の夜』(1985年、監督・杉井ギサブロー)を対象作品として、組版の再現実験をもとにタイポグラフィの特質とそのコンセプトを考察した。対象作品のタイトルデザインやクレジットに見られる以下の特質、①混植を前提とした和文組版、②複数の欧文書体による画面構成、③精緻で極端な詰め組調整、④従属欧文の排除、⑤拗促音の小字、⑥罫線および記号類の使用などの「視覚表現の文法」は、�良多平吉が装丁を担当したますむら・ひろし(1952-)の原案本においてすでに構築されていたことを明らかにした。さらに、原案本から映画、関連書籍へと拡張する媒体の視覚的同一性を、組版技法によって保持していたと結論づけた。
著者
中村 豪 宇於崎 勝也 根上 彰生 小嶋 勝衛
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.634, pp.2803-2804, 2008-12-30

I am apologize that our study included a non-appropriate part. I will carry on a correction sentence in this paper.
著者
川井考子 堀 京子
出版者
和歌山信愛女子短期大学
雑誌
信愛紀要 (ISSN:03893855)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.19-23, 1991
被引用文献数
1

家庭にある鍋の実態を調べた。その結果の要約は,次のとおりであった。(1)鍋は,全体の約80%の家庭で,1日3回以上,1〜3時間使用されていた。(2)各家庭の鍋の保有数の平均は,17.8±6.2個であった。種類別の保有数では,両手深鍋が最も多かった。種類別保有率では,無水・文化・多層鍋は各々約30%,圧力鍋は53.8%,他は何れも80%以上であった。(3)よく使う鍋の1位は,両手深鍋,2・3位はフライパンが最も多く,よく使う理由は「大きさ・重さが手頃」であった。(4)使用していない鍋が「ある」と答えた人は全体の82.4%であり,その個数が5個以上の人が約50%を占めた。その理由は「予備なので」が最も多かった。(5)鍋の購入・入手形態は,「贈答品」が最も多かった。(6)使用頻度の高い鍋の材質は,アルミ,鉄,ホーロー,ステンレスの順であった。天プラ鍋,フライパンの材質は,全体の約44〜47%が鉄であり,すきやき鍋・中華鍋は,約80%が鉄であった。(7)鍋は,種類,量共に多く所有しているが,使用頻度の高い鍋は,比較的限定されていた。入手方法は贈答品が多く,その使用状況に影響を及ぼしている傾向が示唆された。