著者
植田 勇人
出版者
メディカルレビュー社
雑誌
Pharma medica (ISSN:02895803)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.176-178, 2003

レンノックス症候群は多彩なけいれん発作症状を示すてんかん症候群であり, 従来の抗てんかん薬(anti-epileptic drug ; AED)に対して治療抵抗性である場合が多い。今回クロバザムの追加投与が奏効し, けいれん発作頻度の減少に成功した2症例を経験したので報告する。症例はいずれも, 点頭てんかんで発症, 某小児科においてウエスト症候群と診断され, ビタミンB6・ACTH療法およびAEDの治療が行われたが, 点頭てんかん発作を完全にコントロールできず, レンノックス症候群に移行した症例である。当科において長年発作減少を試みていたが, 発作はきわめて難治性で, 各AEDを増量しても発作回数を減少させることはできなかった。そこでクロバザムを追加投与し漸次増加させたところ, 投与して間もなく発作頻度は著しく減少した。レンノックス症候群における発作抑制はきわめて困難な場合が多いが, 同症候群にクロバザムの追加投与が著効した症例を紹介する。
著者
宮脇 正一
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.16-20, 2006-10-30

ブラキシズムとは,咀嚼筋群が何らかの理由で異常に緊張し,上下の歯を無意識にこすり合わせたり,くいしばったり,連続的にカチカチとかみ合わせたりする習癖で,歯科医学の分野では,異常機能活動(parafunction)と考えられている.また,睡眠医学の分野では,睡眠時ブラキシズムは睡眠時随伴症(parasomnia)に分類されている.ブラキシズムは,歯ぎしり音による同居者への睡眠妨害の他に,歯の咬耗や楔状欠損等に起因する知覚過敏,補綴物の破損,歯周病の悪化,歯根吸収,歯肉退縮,咬筋肥大,咀嚼筋の疲労感やこわばり,一時的な頭痛および顎関節症等の様々な口腔疾患を引き起こすことが報告されている.さらに,ブラキシズム患者は子供に多く認められ,その後経年的に頻度が低下すると報告されている.ブラキシズムの関連因子として,これまで,微小覚醒などの睡眠時の覚醒現象,睡眠時無呼吸,脳内神経伝達物質,喫煙,カフェイン摂取,ストレス,遺伝的・家族的要因,身体運動ならびに体位などが報告されてきた.これらに加えて,私共はブラキシズムが嚥下や胃食道酸逆流と関連があるかもしれないことを報告した.本稿では,このようなブラキシズムに関する基礎的なことに加えて,新たな消化器内科学的考え方について記す.
著者
渡辺 大剛 北条 公伸
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
M&M材料力学カンファレンス
巻号頁・発行日
vol.2012, pp."OS0811-1"-"OS0811-3", 2012-09-22

This paper introduces an example of structural integrity evaluation for Light Water Reactor (LWR) against excessive loads on Design Extension Condition (DEC). In order to assess the design acceptance level of DEC three acceptance criteria, stress basis of the current design code, strain basis and Load and Resistance Factor Design (LRFD) of strain basis were applied. As a result the acceptance level was increased by changing the acceptance criteria from the current stress based design code to strain based or LRFD. This means that there is possibility of practical sustainability of LWR on DEC.
著者
Toshirou Ono Atsushi Usami Satoshi Nakaya Keisuke Maeba Yasunori Yonejima Masanori Toyoda Atsushi Ikeda Mitsuo Miyazawa
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
Journal of Oleo Science (ISSN:13458957)
巻号頁・発行日
pp.ess15098, (Released:2015-09-15)
被引用文献数
3

Enterococcus faecalis is one of the major lactic acid bacterium (LAB) species colonizing the intestines of animals and humans. The characteristic odor of the volatile oils obtained from both the liquid medium after incubation (MAI) and liquid medium before incubation (MBI) in the cultivation process of E. faecalis was investigated to determine the utility of the liquid medium. In total, fifty-six and thirty-two compounds were detected in the volatile oils from the MAI (MAI oil) and MBI (MBI oil), respectively. The principle components of MAI oil were 2,5-dimethylpyrazine (19.3%), phenylacetaldehyde (19.3%), and phenylethyl alcohol (9.3%). The aroma extract dilution analysis (AEDA) method was performed using gas chromatography-olfactometry (GC-O). The total number of aroma-active compounds identified in the volatile oil from MBI and MAI was thirteen compounds; in particular, 5-methyl-2-furanmethanol, phenylacetaldehyde, and phenylethyl alcohol were the most primary aroma-active compounds in MAI oil. These results imply that the industrial cultivation medium after incubation of E. faecalis may be utilized as a source of volatile oils.
著者
戸田 勝巳
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

エストロゲン合成遺伝子欠損マウス(Ar^<-/->マウス)とエストロゲン受容体α遺伝子欠損マウス(ERα^<-/->を用いてエストロゲンの精巣における生理作用を解析した。Ar^<-/->マウスとERα^<-/->マウスはともに精子形成に異常を呈する。しかしERα^<-/->マウスでは2ヶ月齢で異常が観察されるのに対して、Ar^<-/->マウスでは5ヶ月齢を過ぎないと病態が現れないという違いが見られる。Ar^<-/->マウスを17β-estradiol(1ppm)を混入した餌で飼育すると精子形成の異常を完全に抑制できることから、精子形成が正常に進行するためには、あるいはそれを維持するためにはエストロゲンの作用が必要であると考えられる。そこで、エストロゲンが作用する生体部位を解析した。ERα^<-/->マウスでは精巣輸出管における精巣分泌液の再吸収機能の障害が原因で輸出管腔が拡張することが報告されている。 Ar^<-/->マウスで解析したところ、そうした形態的な変化は観察されず、精巣輸出管の機能と精子形成の障害との間には相関関係は見られなかった。 精巣輸出管の微細構造を解析したところ、ERα^<-/->マウスの輸出管には細胞内で小胞のリサイクルに関係しているapical tubuleが存在しないことが判った。このことから、精巣輸出管の上皮細胞でERαは小胞のリサイクルの制御をとおして分泌液の再吸収機能をコントロールしていると考えられる。また、その機能発現にはエストロゲンが不要であると解釈しなければならない。エストロゲンの欠乏が原因で、精子形成異常を起こす分子機構を明らかにするためには、野生型マウスと精子形成が形態的に正常な時期のAr^<-/->マウスの精巣で発現量に差のある遺伝子群を同定することが必須と考えらる。
著者
本田 沙耶香 高山 誠 後藤 正美
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.53, pp.87-90, 2010-07-18

発泡ポリスチレンを構造材とした球形シェルが開発されたが、その力学的性状は不明確な点がある。また、軽量構造では積雪荷重による影響が大きくなることが予想される。そこで、発泡ポリスチレン製球形シェルが積雪荷重を受けた場合の力学的性状の把握を目的とし、数値解析と模型実験を行った。その結果、変形性状では、シェル頂部が沈み込み、その反動でシェル側面が押出される変形をみせることや、主応力では経線方向に圧縮応力が働き、周方向に引張応力が働くことなどが明らかになった。また、シェルの力学性状に与える開口の影響が大きいことがわかった。
著者
風俗研究会 編
出版者
芸艸堂
巻号頁・発行日
vol.第2, 1922
著者
Suguru Yoshida Takamitsu Hosoya
出版者
(社)日本化学会
雑誌
Chemistry Letters (ISSN:03667022)
巻号頁・発行日
pp.150839, (Released:2015-09-12)
被引用文献数
173

Recent developments in aryne chemistry are reviewed with a particular focus on synthetic methods. This includes an overview of the precursors of arynes and their activators; the generation of arynes with functional groups and their ensuing reactivities; and the novel transformations achieved via aryne intermediates. These newly developed methods have enabled the synthesis of a variety of previously inaccessible aromatic compounds, allowing the construction of a diversity-enriched chemical library that will further facilitate future drug discoveries.
著者
吉田 静代
出版者
金城学院大学
雑誌
金城学院大学論集. 家政学編 (ISSN:02868237)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.15-21, 1980-03-30
著者
沼田 里衣
出版者
神戸大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

障害者を含む様々な参加者のための音楽コミュニティにおいて、音楽の創造性や即興性がどのような役割を果たすのかについて、実践と理論を往復することにより考察した。実践における調査からは、メンバーの異なる参加動機や価値観を捉えることができた。この知見を領域横断的に考察した結果、即興演奏や創造的活動が個人や社会の課題と有機的に結びつき、コミュニティの維持・発展が導かれていることが見いだされた。