著者
佐藤 翔 吉田 光男 安蒜 孝政 逸村 裕
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.157-162, 2011-05-28
参考文献数
7
被引用文献数
1

本研究では情報探索行動の起点としてのWikipediaの有効性について検討することを目的に,日本語版Wikipediaの外部リンク約119万件について,URLの詳細やアクセス障害・リンク切れの状況について調査した.結果から,1)日本語版Wikipediaからのリンクの11%程度でアクセスに障害がある,2) edu,co.jp,go.jpドメインの外部リンクでアクセス障害が多い,3) 新聞社が運営するニュースサイトで特にアクセス障害が多いこと等を明らかにした.
著者
伊谷 原一 松沢 哲郎 山極 壽一
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.31-35, 2016-06-20 (Released:2016-08-05)
参考文献数
6
被引用文献数
2
著者
藤井 義博
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学QOL研究所紀要 (ISSN:18816274)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.13-26, 2014-03-31

西洋近代医学の草創期に活躍したドイツ人医師クリストフ・ヴィルヘルム・フーフェラント(1762-1836)は、「長生法」や「医学必携」を著し、その影響は広く、当時のみならず長く後世にも、医師のみならず一般人にも、西欧諸国のみならず日本にも、江戸の蘭学医から明治以降の医師・医学生にも及んだ。本研究は、フーフェラントが医学を統合する原理とし一般人の長生法を正す礎とした「生命ないしは生命力の原理」が、フーフェラントにおいて確立された内面主体である「正直で感性のある人間」と密接に関係していることを明確にする試みであった。「正直で感性のある人間」は、フーフェラントにおいて臨床実践と現象観察とが経験に転調する内面主体であり、フーフェラントが医師として医学を実践した主体であり、フーフェラントに長生法のアイディアを可能にした主体であり、長生法を通じてフーフェラントが一般人とくに若者に獲得させようとした人間のもうひとつの在り方としての内面主体であった。「正直で感性のある人間」は、新渡戸稲造における内的基準を持ったパーソン(人格)すなわちトワイス・ボーン・メンの誕生に伴う主体である。あるいはエマヌエル・レビナスにおける、全体性(totality)から分離され、孤独で利己的なそれゆえに幻想の世界に生き得る内的自己が、他者の顔との超越的な関係において、無限(infinity)の利他性へと深化し続けるようになる内面主体である。近代西洋医学における医師としての主体は万人に共有されている良識(lebonsens)を備えた主体であり、フーフェラントの「正直で感性のある人間」はその必要条件ではない。この良識を備えた主体者による実践が科学であるならば、医師に科学者と同じ良識の備えのみを要請する近代西洋医学は、医学の長い歴史における科学革命の成立を意味する。「正直で感性のある人間」は、良識を備えた主体者による科学や近代西洋医学の中にどのように再統合されるのかされないのか。身体運動習慣は、この両者の接点になり得ることをフーフェラントは示唆している。すなわち現代科学と現代医学とが健康長寿における有効性を実証している身体運動習慣は、フーフェラントの長生法では健康、修復の一貫性、身体の耐久において動物力が有効に行使される内容である。その内容を魂の喜びやユーモアなど人間の精神力が同時に行使されるものに転調するならば、良識を備えた主体者と「正直で感性のある人間」の活動の中庸が回復され得る。そのときこそ、動物力と精神力を行使する人間が、良識ある主体者かつ「正直で感性のある人間」として創造された目的を完全に遂行している状態ということができる。
著者
楢崎 修一郎
出版者
Primate Society of Japan
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.161-172, 1997 (Released:2009-09-07)
参考文献数
51

Since the study of mithocondrial DNA regarding the origin of modern humans, the fate of the Neandertal has been debated. Currently, two famous models are present such as the Out of Africa model and the Multiregional Evolution model.This papar reviewed the past and current studies of morphological research on the Neandertal and the new dating of the several sites in Europe and Mddle East. Also, tested the ecological theory of symbiosis hypothesis (mutualism and commensalism) and competition hypothesis (habitat segregation and food segregation). Only Out of Africa model is applicable to both symbiosis hypothesis and competition hypothesis.The present author favored the competition hypothesis.
著者
片桐 洋一
出版者
大阪府立大学日本言語文化学会
雑誌
百舌鳥国文
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-2, 2021-03-25
著者
高橋 英之 大森 隆司
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.138-157, 2011 (Released:2011-09-07)
参考文献数
60
被引用文献数
4

Human being can be called “social animal”. There are no other animals that can communicate with other individuals in common with human. Many researchers are interested in cognitive and neural functions that exist behind advanced human sociality. Most of these researchers break down human sociality into individual cognitive components, such as mirror neuron system, and try to reveal the stand-alone function of these individual components. There are no doubts that these reductionist approaches are valuable for the realization of human sociality. However, we also feel the limitation of these reductionist approaches for the realization of human sociality. In this paper, we propose the new framework “social belief effect” for the realization of human sociality. We define social belief as a subjective belief on an interacting agent (e.g. the agent is a human individual or not). And “social belief effect” means the preparation of executive functions driven by a social belief. In our framework, various cognitive components are dynamically configured by a social belief and this top-down configuration enabled a dynamical social adaptation. To evaluate our framework, we review related previous studies and our behavioral and fMRI experiments for the direct measurement of “social belief effect”, and discuss its feasibility. And we try to model the neural mechanism of “social belief effect" from these previous experimental studies.

5 0 0 0 OA 続教訓鈔

著者
狛朝葛 著
出版者
日本古典全集刊行会
巻号頁・発行日
vol.下巻(9-16), 1939
著者
江藤 裕之 岸 利江子 岩崎 朗子 坂本 ちより 頭川 典子 青木 三恵子 久保田 智恵 杉浦 絹子 八尋 道子
出版者
長野県看護大学
雑誌
長野県看護大学紀要 (ISSN:13451782)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.31-39, 2002-03-31

医療職者間の専門用語や隠語には外国語からの借用語,造語が多いことはよく知られる.特に,ドイツ語起源の隠語が使われることが多く,会話内容の秘密保持という点に一役買っている.しかし,頻繁に使われる隠語であっても,中には借用した語の原形をとどめていないものも多く,また,その起源がドイツ語であるとの認識がなされていない語も多く存在する.本稿では,日本における医療職者間で使われるドイツ語隠語研究の第一段階として,いくつかの隠語を取り上げ,それがどのような起源を持ち,またいかなる形で今日の日本の病院内で使われているの

5 0 0 0 OA 信濃史蹟

著者
福山寿久 編
出版者
信濃新聞社
巻号頁・発行日
vol.上, 1912
著者
堤 江美子 相原 多恵 飯岡 直美
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.31, no.Supplement, pp.127-132, 1997 (Released:2010-08-25)
参考文献数
8

人体の外形のから判断される体つきが、どのように生物学的妥当性をもった特徴と一致しているのか調べるために、成人女子68名の体幹部を対象に三次元計測と生体計測を行い、佐藤の「一般形状に関する5つの擬距離尺度」による体形分類と、生体計測直から計算できるように修正を加えたSheldonの「器官発生にもとづくソマトタイプ」による体型分類との関係を検討して視覚的な体つきの類型について考察した。佐藤の擬距離尺度のクラスタ分析からは、物体の垂直方向の長さの変異について体幹部の「細長/短厚」が、物体断面の局部的な大きさの相違については「肩部や胸部、胴部など局部的な発達の違い」が、物体の垂直軸からのずれ具合については「姿勢」が、そして「断面の形状の変異」もあわせて4つの特徴が外形より解釈された。また、ソマトタイプからは「多くの脂肪を蓄えた特有の丸みを帯びた体型」、「がっしりした肩部と胸部を備え、四肢は固い筋肉からなる体型」、「ほとんど筋肉や脂肪をもたず、神経系が発達している体型」が生体計測直から算出された。擬距離による各形状特徴について、クラスタ間のソマトタイプの平均値の差の検定を行った結果、外形の見え方と実際の生物学的な内容との間の関連性について以下のような結果を得た。(1) 細長/短厚に相当する特徴は、骨や筋、特に筋の発達と関連性があり、肩部や胸部の充実したがっちりした体つき、あるいは、その逆がこの特徴を印象づける大きな要因と考えられた。(2) 肩・胸・胴部のプロポーションの違いに相当する特徴は、脂肪・筋肉を合わせた充実度と関係があるようだ。(3) 姿勢の変異に相当する特徴は、骨や筋、特に筋の発達と関連性があり、一般に、姿勢の悪さは主として脊柱の前弯の強さと受け取られがちだが、背面における筋や脂肪の充実具合もその一因であることが理解された。
著者
辻 道夫 久米 雅 芳田 哲也
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.127-139, 2015-01-10 (Released:2015-01-29)
参考文献数
27

湿球黒球温度(Wet Bulb Globe Temperature, WBGT)28℃以上の輻射環境下において,四肢部露出の有無が運動時の温熱ストレスに与える影響を明らかにすることを目的として 7 名の被験者を対象に実験を実施した.輻射環境はスポットライト 2 基を用いて WBGT 28.3±0.1℃を設定し,着衣は長袖・長ズボン(L 条件)と袖なし・半ズボン(S 条件)の 2 条件で最大酸素摂取量の 20% と 50% 負荷の自転車漕ぎ運動を 20 分間,5 分間の休息を挟んで 3 回実施した.その結果,20% 時および 50% 時における食道温,平均皮膚温(Tsk),平均体温,衣服内温度・湿度,総発汗量,および運動後半の温冷感と主観的運動強度は着衣条件による顕著な差異は認められなかった.しかし,L 条件における Tsk の安静時からの上昇度(ΔTsk)や上腕,前腕,下腿の皮膚温は S 条件に比べて両運動時共に有意に低く,さらに 20% 時の心拍数は,L 条件が S 条件よりも有意に低くかった.したがって,WBGT 28℃以上の輻射環境下における中程度運動時の温熱ストレスは四肢部露出の有無による顕著な差異は認められないが,軽運動時には四肢を衣服で覆うことにより皮膚温や心拍数の上昇を抑制し,温熱ストレスを軽減できる可能性が示された.
著者
Kandai Doi Fumiaki Yamasaki Takuya Kato Shin-ichi Hayama
出版者
Arachnological Society of Japan
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.47-48, 2021-06-28 (Released:2021-07-05)
参考文献数
11

A pseudoscorpion was found in the underfur of a feral raccoon (Procyon lotor) captured in western Tokyo in December 2019. Based on the morphological features, we identified the specimen as Haplochernes sp. This arboreal pseudoscorpion rides other arthropods and small mammals for dispersion, but little is known that the species rides medium-sized mammals such as raccoons. To our knowledge, this is the first case report of Haplochernes sp. riding a feral raccoon. Given that raccoons are an invasive species in Japan, further records of pseudoscorpions riding feral raccoons may elucidate the relationship between feral raccoons and pseudoscorpions.