3 0 0 0 OA Abel函数論

著者
大西 良博
出版者
中央大学理工学部数学科
雑誌
中央大学数学教室講究録
巻号頁・発行日
vol.6, 2013-06-01
著者
伊藤 毅志
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ1999論文集
巻号頁・発行日
vol.1999, no.14, pp.177-184, 1999-10-15

将棋のような複雑な問題解決では,先読みしきれない膨大な局面に対する論理的思考を補うために,人間は経験に基づく直観や大局観を利用した思考をしている.本研究では,将棋におけるある局面において,人間がどのように考えて,次の一手を決定していくのかを詳細に調べて,人間の直感的思考のメカニズムを明らかにしていく.心理実験の結果,アマチュア5級程度になると,すでに上級者と同様の思考過程(将棋対局者スクリプト)を辿れることが明らかになった.また,上級者になるほど大局的に局面を見ることが出来るようになり,注目すべき箇所への言及が多く,深い先読みを行う以前に,有力な指し手であることが感じ取れるようになっていることがわかった.
著者
伊藤 潔志
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学キリスト教論集 = St. Andrew's University journal of Christian studies (ISSN:0286973X)
巻号頁・発行日
no.50, pp.85-112, 2015-03-23

The purpose of this paper is to examine and elucidate the distinctive features of the religious aspects of Ludwig Wittgenstein's philosophical thought. Few people generally regard Wittgenstein as a religious thinker, but research has been carried out on his views on religion and attempts have been made to apply his philosophical thought to theology. Wittgenstein's philosophical thinking is commonly divided into two phases ─ the early phase and the later phase ─ and even as it showed a certain consistency, it also underwent considerable transformation. Accordingly, in the early and later phases of Wittgenstein's philosophy there are both elements that are the same and elements that are markedly different. In this paper I will look at the early phase of Wittgenstein's philosophical thought, picking out certain ideas about religion that run throughout Wittgenstein's philosophy and elucidating the distinctive features of such ideas. Wittgenstein held that language has limits, and that accordingly there are also limits to thought. Further, he held that since language and the world exist with and through one another, the world also has limits. Accordingly, it is impossible to speak anything regarding what exists beyond the limits of language, and impossible to speak anything that lies outside the world. This means that though it is possible to speak of things when they have to do with facts, it is not possible to speak of things when they have to do with values ─ since values lie outside the world. Thus, it is not possible to speak things like religion, faith, revelations, and God (they are `unspeakable'). Nevertheless, Wittgenstein argues, even though it is not possible to` speak' these things, it is still possible to `show' them. According to Kierkegaard, `showing' is a particular state of affairs, and to `show' is a way of indirectly `speaking' something. We might perhaps call this showing a `religion of silence.' Wittgenstein was a philosopher who worked out a religion of silence, a religion that exists on the other side of the limits of language, thought, and the world.
著者
小野 純一
出版者
専修大学学会
雑誌
専修人文論集 (ISSN:03864367)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.241-264, 2018-11-30
著者
長谷川 成一
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.237-255, 1995-11-30

本稿では,近世十三湊に関して,いずれも今後の研究を進める上で基礎となる,次の3点にわたる課題を掲げ,それらについて解明する作業を実施した。第1は,十三湊は近世に果たして「とさ」呼ばれていたのか,あるいは「じゅうさん」と呼ばれていたのか,すなわち訓読みなのか音読みなのかについて,従来の通説と各史料を再検討した。その結果「十三」は中世以来の「とさ」の呼称が本来なのであって,近世に入って次第に音読みのそれと併用されるようになった。江戸幕府から命じられた享和3年(1803)「陸奥国津軽郡村仮名附帳」の作成に際して,弘前藩が音読みを採用したことから,音読み「じゅうさん」が十三の地名呼称として定着した。そこには近世国家における漢字文化の普及によって漢字表示地名が呼称地名を変改してゆく姿が看取され,十三も例外ではなかった。第2は,十三津波伝承について,藩政時代には前代歴譜などに掲載された「興国元年の海嘯」伝承と津軽一統志等に見える白髭水伝承とは別個のものであった。しかし,近代にはいって両者の伝承が広く知られるようになったことから,次第に同じものとみなされるようになり,その結果1940年代には現在における「興国元年の海嘯」=白髭水,いわゆる十三津波伝承が形成されるようになった。第3は,近年注目を集めている「慶安元年極月 奥州十三之図」(函館市立図書館蔵)の年代について考証した。はぼ同様の時期と手法で描かれたであろうと推定される鰺ヶ沢・深浦の湊絵図(同館蔵)との比較考証の結果,天和3年(1683)以前の絵図であることは間違いなく,さらに慶安元年の年記を正確なものであると立証はできなかったが,17世紀前半の十三・鰺ヶ沢・深浦の各湊を描写したものと見て支障はないのではないか,という結論を得た。以上の3つの主題はいずれも相互に密接な関連をもつものとはいえないが,今後の近世十三湊の研究に際して決して見落としてはならない基本的な問題であろう。また中世十三湊を記す中世史料が決定的に不足している現況からすれば,十三湊に関する近世の史料類や絵図,伝承の再吟味は中世十三湊の解明に手掛かりを与えることが可能なのでないかと考えるのである。
著者
山田 智輝 Tomoki Yamada
出版者
同志社大学人文科学研究所
雑誌
社会科学 = The Social Science(The Social Sciences) (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.117-149, 2023-02-28

本稿は、独領東アフリカをインドの植民地にすべきとの構想をめぐる議論と、同地がイギリス委任統治領タンガニーカとなったことにともなう、インド人からの委任統治当局および国際連盟への請願を検討する。それにより、第一次世界大戦期から1920年代後半までの、インド人とタンガニーカの関係と、国際連盟および委任統治制度をめぐる彼らの認識やかかわりを明らかにする。
著者
河村 英和
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 = JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF MANAGEMENT (ISSN:13481118)
巻号頁・発行日
no.34, pp.137-157, 2022-08

高度経済成長期の1960~70年代は、ホテル建設ラッシュで数々のホテルが日本各地で誕生したが、その屋号の命名には、ある種の傾向や規則性があり、ホテルの所在地の町名に「観光」「グランド」「ニュー」などの特定の単語を組み合わせることが多かった。町名や国名をホテル名に含める場合、それに相応するホテルの格式も命名の動機も、ヨーロッパのホテルと日本のホテルでは全く異なっている。そもそもヨーロッパの典型的なホテル屋号の派生期から、日本では一世紀近く遅れて同名の屋号が普及したので、同タイプの命名法のホテルでも、建設時のコンセプトやデザインにも日欧で大きな違いがある。本稿(パート1)では、18~19世紀ヨーロッパのホテルの屋号の命名法の歴史を踏まえ、国名の入った屋号や、「ロイヤル」と「国際」を含む屋号の傾向と派生期を日欧で比較する。なお、「ニュー」「グランド」「観光」「ビュー」「パーク」「プラザ」「パレス」等を含むホテルの名については次稿(パート2)以降で扱う。
著者
松島 拓路
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.246-250, 2022-04-15

2025年の大学入学共通テストから国立大学の一般選抜の受験生には原則として教科「情報」が追加されることになった. 情報入試の対策としては, 大学入学共通テスト「情報関係基礎」が大いに参考になる. 情報関係基礎の解説サイトを4年間運営してきた取り組みを紹介し, 情報科の教員が情報入試に向けてどのような対策をしていくべきか考えを述べる.
著者
モリネロ・ジェルボー ヨアン 上野 貴彦
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大学研究紀要 = 都留文科大学研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
no.97, pp.227-255, 2023-03-01

要旨 ここ数十年の間に、グローバルな「中核」で農作業を行う移住労働者が増加している。世界エコロジー論(世界=生態論)の提唱者たちは、この現象が食料価格を安定的に抑制するためのシステム戦略であり、資本主義の蓄積段階を支える柱としての食料生産のあり方を規定していると指摘する。そこで本稿は、この理論を米州・欧州・アジア太平洋地域の国際比較から検証する。公式統計に基づく分析の結果、20世紀半ばから顕在化した構造的変化としての農業労働の「移民化」が、不可逆的かつ全球的に進んでいることが明らかになった。訳者解題 本稿は、欧州における移民研究の主要拠点のひとつであるコミージャス教皇庁立大学移民研究所(スペイン・マドリード)のヨアン・モリネロ・ジェルボー常任研究員による、農業における外国人移住労働者の増加という先進国共通の趨勢に関するスペイン語論文(Molinero-Gerbeau, Y.( 2020). “La creciente dependencia de mano de obra migrante paratareas agrícolas en el centro global. Una perspectiva comparada.” Estudios Geográficos ,81(288).https://doi.org/10.3989/estgeogr.202046.026)の日本語訳である(日本語タイトルは訳者による)。農業分野は、日本における人口減少と少子高齢化を背景とした外国人労働者の受け入れをめぐる議論における主要領域をなす一方で、移住労働研究と農村・地域研究の接続は、日韓の比較研究(熊谷ほか 2022; 深川・水野編著 2022)が本格化してきたところであり、より広い視野に立った国際比較は今後の課題となっている。そのため、同テーマについて世界各国の公式統計を渉猟し、米州・欧州・アジア太平洋地域という広範な領域を見渡したグローバルな現状分析を行なっている本稿の学術的価値は高い。 加えて本稿は、資本主義と自然の関係をグローバルにとらえるためのパラダイムとして近年注目される「世界エコロジー(World-Ecology) 論(世界=生態論とも訳される)」の視角を導入している。世界エコロジー論は、グローバルな「不等価交換」に注目して世界的な資本主義の発展をとらえた I. ウォーラーステインの世界システム論を発展させつつ、その労働力への関心の偏りを自然への注目によって修正したものである。本稿はこれにのっとり、グローバルな「中心」に位置する国々がみな移住労働者への依存(農業労働の「移民化」)の度合いを高めていることを、食料価格を安定的に抑制するための政治闘争における戦略、そして資本蓄積を支える食料生産をめぐる重要な規定要因として、長期持続的な自然と資本主義の相互依存過程のなかにとらえている。20世紀半ばから顕在化した農業労働の「移民化」が、農業生産と人の移動の双方にとって周辺的な事例ではなく、むしろ農業と移民をめぐる不可逆的かつ全球的な構造的変化の核をなすという本稿の議論は、日本を含む東アジアにおける農業・移民・資本主義といったテーマについて考えるうえでも極めて示唆的である。 なお翻訳にあたり、日本語圏での議論の紹介に適さない原注をすべて取り除き、新たに補足すべき事項について訳注を加えている。この訳者解題と訳注の参考文献については、本稿末尾を参照されたい。
著者
中安 英彦 塚本 太郎 南 吉紀 石本 真二 藤井 謙司 栗田 充 青木 良尚 麥谷 高志 鷲谷 正史 山本 行光 石川 和敬 冨田 博史 元田 敏和 二宮 哲次郎 濱田 吉郎 舩引 浩平 津田 宏果 牧 緑 小野 孝次 廣谷 智成 LIFLEXチーム Nakayasu Hidehiko Tsukamoto Taro Minami Yoshinori Ishimoto Shinji Fujii Kenji Kurita Mitsuru Aoki Yoshihisa Mugitani Takashi Washitani Masahito Yamamoto Yukimitsu Ishikawa Kazutoshi Tomita Hiroshi Motoda Toshikazu Ninomiya Tetsujiro Hamada Yoshiro Funabiki Kohei Tsuda Hiroka Maki Midori Ono Takatsugu Hirotani Tomonari LIFLEX Team
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 = JAXA Research and Development Report (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RR-10-004, 2010-09-30

宇宙航空研究開発機構では,次世代の再使用宇宙輸送システムの様々なコンセプトについて検討してきたが,その中の有望なものの一つとしてリフティングボディ形状の往還システムがある.これは翼をもたず,胴体の形状によって揚力を発生するタイプの機体であり,構造の軽量化,高い容積効率,極超音速域での空力加熱特性の観点から優位性があるとされている.一方,リフティングボディ形状は揚抗比が小さく,また低速時の安定性/ 制御性が弱いため,ALFLEX(小型自動着陸実験1996)のような翼胴型の機体に比較して滑走路への進入/ 着陸時に困難がある.そこで,リフティングボディ形状の往還システムを実現するうえで最も重要な技術課題の一つとなっている自動着陸技術の蓄積を主目的とした飛行実験を,小規模で低コストな機体を用いて行うことを計画した.本報告では,飛行実験計画および実験システムの概要と,地上試験やヘリコプタを用いた懸吊飛行試験を含む開発のプロセスについて詳述する.
著者
田口 誠
雑誌
九州女子大学紀要 = Bulletin of Kyushu Women's University (ISSN:18840159)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.125-136, 2023-02-28

In this study, we focused on communication skills and mathematical perspectives and ways of thinking in the teaching of mathematics in the first grade, and attempted to clarify teaching methods for improving lessons in group pursuit situations. We placed a dialogue scene in the group pursuit scene, and examined the effect from the quality of the childrenʼs remarks. As a result, students can their mathematical perspectives and ways of thinking while arguing their with grounds, clarifying the effectiveness of teaching methods in “dialogue situations.” rice field.