著者
織田 修平 水島 昌英 古家 賢一 羽田 陽一 片岡 章俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.388, pp.41-46, 2004-10-21
参考文献数
7
被引用文献数
3

聴覚障害者支援を目的として,日常生活における様々な警告・報知音を,鳴動パターンを保持したまま振動で伝達する方法の検討を進めている.この方法の特徴は従来のように機械が音を識別して文字などでユーザヘ伝達するのではなく,ユーザ自身が音の種類をその鳴動パターンを手がかりにして判別することにある.聴覚障害者が振動の鳴動パターンのみで判別が可能かどうかを検証するため,まず最も鳴動パターンから判別がしやすいと思われる家電製品等で用いられるビープ音による「報知音」を対象に,健聴者,聴覚障害者それぞれを対象とした実験を行った.その結果,聴覚障害者は健聴者が音で報知音を聞く場合と同程度の判別力をもつことがわかった.さらに事前に情報を与えると判別力が向上することを確認した.
著者
近藤 忍 西尾 昭彦 中川 徹 北川 一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06

人工ニューラル・ネットワーク (ANN) の異常とも思えるブームがバブルの崩壊とともに過ぎ去り, 今は真に実用性が問われる時代になっている. ところが, 従来の電子技術応用製品等に比べてANN応用製品の種類と数が未だに少なく, 実用的な見地からの研究・開発がなお一層必要と思われる. その際, 得られた技術を世に広く普及させるため, ANNの学習過程で必要となる計算機資源は普及型PC程度に, また, 実際の応用製品に組込むCPUは安価な量産型μ-CPUに押えられることが望ましい. 本稿では, モザイク状の荒い動画素と, ホルマント周波数に基づく音声波形とを共通の識別器に直接入力する方式を考案し, 基本形ANNを二段重ねにしただけの単純な識別器でも, 学習データを工夫することで, 動画と音声の識別が行えることを示す.
著者
岡本 尚紀 米澤 朋子 山添 大丈 安部 伸治 服部 文夫 萩田 紀博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.35, pp.7-12, 2010-05-07
参考文献数
12

超高齢社会の到来に伴い,一人で生活する高齢者の割合が増加する昨今,日々の生活を支援する仕組みづくりが求められている.本研究は,家族の不在や独居といった状況下において,簡略化された音センサデータを複数用いて,通常生活時・不在時・異常時などの状態識別情報を取得し,関係者に識別結果を伝えることによって,居宅における日常生活支援を目的とする.また簡略化により,音情報のデータ量を削減するとともに,プライバシー保護を考慮しつつ,高齢者が生活している様子を見守ることが可能となる.本稿では,実現のための第一段階として録音データから周波数と時間を単純化した音データを用いることで,簡単な状況識別ができることを示す.
著者
小川 純平 林田 亘平 中山 雅人 森勢 将雅 西浦 敬信 山下 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.47, pp.167-172, 2012-05-17
参考文献数
10

近年,高齢者を狙う悪質犯罪の増加に伴い,家族が遠隔地から高齢者の危機的状況を確認するために環境音を利用した異常検出システムが注目されている.従来,環境音識別において,環境音を音の種類ごとに分類して音響モデルを構築し,その音響モデルにより環境音を識別する手法が用いられてきた.従来法では,非日常音に対しても日常音と同様に個々に音響モデルを構築している.しかしながら,非日常音は,観測可能なサンプル数が少ないため,音響モデルの学習が不十分だという問題と類似音の識別が困難であるという問題が存在する.また,従来法では残響の存在しない音(ドライソース)を学習環境音として用いていたため,残響下の環境音を頑健に識別することが困難であった.そこで本研究では,非日常音を高精度に識別するためにマルチステージ非日常音識別法を,残響下の環境音を高精度に識別するために模擬インパルス応答を用いた残響マルチコンディションモデルを提案する.
著者
板垣 達也 松本 哲也 竹内 義則 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.472, pp.13-18, 2012-03-02
参考文献数
4

本研究では車外の警告音を認識してドライバーに伝えるシステムを提案する.システムは警告音の倍音構造の存在を示す倍音らしさという特徴量を用いて基本周波数の推定を行う.そして基本周波数の推定値を用いて音を識別(クラクション,救急車,消防車,パトカー)する.クラクションとサイレン音を予め録音し,それらを単独あるいは合成した音を入力して実験した.SNR0dBの環境において,クラクションと救急車(高音),消防車とパトカー(一定)において約80%以上の正解率で基本周波数を推定できることを示した.また,屋外を実際に走行している救急車のサイレン音を録音した信号でも実験を行い,ドップラー効果によって基本周波数が変化しても,推定可能であることを示した.
著者
柘植 康彦 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.575, pp.1-6, 1999-02-02
参考文献数
10
被引用文献数
1

音源が何であるかを識別することは, 聴覚によるシーン解析の基本であり, 次に何をするかを決定する上で大変重要である. しかし, 聴覚障害者は音源識別が困難なため, 何か音がした時すぐさま回りの状況の変化に対処することができない. 特に, もしそれが踏切の音や非常ベルの音といった警告音の場合には命に関わる問題となる. そこで本研究では, 多変量解析の手法を用いて, 環境音の中から警告音を識別するシステムの研究開発を行なった. 本システムでは、全部で5種類(車のクラクション, 踏切, 非常ベル, 電車の警笛, サイレン)の警告音を識別でき,CDと実音からの音源での識別実験を行ない, 平均99%の識別率を得た.
著者
柘植 康彦 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.98, no.573, pp.1-6, 1999-02-02
参考文献数
10
被引用文献数
2

音源が何であるかを識別することは, 聴覚によるシーン解析の基本であり, 次に何をするかを決定する上で大変重要である. しかし, 聴覚障害者は音源識別が困難なため, 何か音がした時すぐさま回りの状況の変化に対処することができない. 特に, もしそれが踏切の音や非常ベルの音といった警告音の場合には命に関わる問題となる. そこで本研究では, 多変量解析の手法を用いて, 環境音の中から警告音を識別するシステムの研究開発を行なった. 本システムでは、全部で5種類(車のクラクション, 踏切, 非常ベル, 電車の警笛, サイレン)の警告音を識別でき, CDと実音からの音源での識別実験を行ない, 平均99%の識別率を得た.
著者
柘植 康彦 大西 昇
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, no.8, pp.1-6, 1999-02-02
参考文献数
10

音源が何であるかを識別することは, 聴覚によるシーン解析の基本であり, 次に何をするかを決定する上で大変重要である.しかし, 聴覚障害者は音源識別が困難なため, 何か音がした時すぐさま回りの状況の変化に対処することができない.特に, もしそれが踏切の音や非常ベルの音といった警告音の場合には命に関わる問題となる.そこで本研究では, 多変量解析の手法を用いて, 環境音の中から警告音を識別するシステムの研究開発を行なった.本システムでは、全部で5種類(車のクラクション, 踏切, 非常ベル, 電車の警笛, サイレン)の警告音を識別でき, CDと実音からの音源での識別実験を行ない, 平均99%の識別率を得た.
著者
楊 〓叡 堀田 明裕
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.29-36, 2005-11-30
参考文献数
21

報知機能に関するサイン音の意味を調べるため, 音要素(高さ, 長さ, 大きさ)が生起する印象について評価実験を行った。被験者22人に41の実験音を提示し, 5つの報知機能(位置, 誘導, 通報, 案内, 規制)を想定した25の評価語対によって, 7段階の印象評価を行った。評点平均値の結果から音の高さが位置の高低と関わりのあることがわかった。また, 音が短ければ, 緊張感が強くなる傾向がみられ, 音が大きければ, 威圧感が強いという効果があった。因子分析では, 1強制, 2判別, 3緊張, 4象徴, 5持続, 6確認, 7方向の7因子が抽出された。規制機能に第1因子, 位置機能には第2因子, 通報機能には第3, 6因子, 案内機能には第4, 5因子, 誘導機能には第5, 7因子が含まれていた。実験音と評価語から抽出した印象と音の物理的特性, 因子の対応関係は, 新たなサイン音をデザインする時に有効と考えられた。
著者
福森 隆寛 森勢 将雅 西浦 敬信 山下 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.4, pp.712-720, 2011-04-01
参考文献数
19
被引用文献数
6

近年,雑音及び残響下における音声認識手法に関する研究が盛んに行われている.それに伴い雑音環境下で音声認識性能を頑健に予測可能な指標も多数提案されている.一方,残響環境下における音声認識性能の有力な予測指標は提案されておらず,残響下音声認識性能の頑健な予測指標の策定は急務である.これまでに残響下音声認識性能の優劣を判別する残響指標として同一室内で固有の値となる残響時間が提案されているが,仮定する拡散音場と実環境との差異から他の残響特性が変化することにより同一環境でも計測箇所によって音声認識性能が変動する.そのため残響時間は音声認識の難しさを表す指標として不十分であることが問題視されている.そこで本論文では,ISO3382 Annex Aで提案されている室内音響指標を用いた残響下における頑健な音声認識性能の予測法を提案する.提案法では初期反射音と後続残響音の関係を表す室内音響指標の中でも特にDefinition(D値)に着目し,事前に様々な環境で複数箇所計測したインパルス応答をもとに算出したD値と音声認識性能の関係を一次直線や二次曲線で近似することで残響指標RSR-D_nを策定する.策定した残響指標RSR-D_nと性能予測を行う残響環境の発話位置におけるインパルス応答をもとに残響下音声認識性能の予測を試みる.評価実験の結果,従来の残響時間に基づく手法と比較して残響指標RSR-D_nは,より頑健に残響下音声認識性能を予測できることを確認した.
著者
水谷 春菜 板井 陽俊 安川 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.28, pp.61-65, 2011-05-05
参考文献数
19

人間の歩行足音は歩行のくせなどから固有の特徴を有し,我々はその特徴から個人や歩行者の状態を認識することがある.近年,歩行足音を用いた個人識別や歩行者数推定に関する研究が進められており,様々なサーベイランスシステムヘの応用が期待されている.我々はたびたび歩行者の性別を歩行足音から識別することがあり,その自動判別が可能となれば映像情報を伴わない客層の自動収集システムが実現できる.本研究では新たなサーベイランスシステムの構築を目指し,歩行足音を用いた男女識別に関する基礎検討を行なう.