著者
中野 学 田治米 純二 野村 俊之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J95-D, no.8, pp.1565-1572, 2012-08-01

本論文は,全停留点の直接計算に基づく一般カメラモデルのPnP問題に対する統一的解法を提案する.提案解法の特徴は,PnP問題を3変数の無制約最適化問題として定式化し,グレブナー基底を用いて全ての停留点を計算することである.目的関数のこう配をゼロとした連立代数方程式は,n3で互いに独立であり,方程式中の項は三次元座標の分布により変化しない.そのため,提案解法は,n=3の場合はP3P問題の複数解,n4の場合は大域的最適解が得られ,平面にも非平面にも適用可能な統一的解法である.また,提案解法の演算量はn点の入力に対し(n)である.n=100に対する平均実行時間は,内点法を用いる従来解法と比較して約14倍高速であることを実験により示す.
著者
佐藤 幸治
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.50-57, 2012-04-30 (Released:2012-05-25)
参考文献数
49

外界の化学物質は,五感のうち,嗅覚と味覚によって受容,識別される。この2つは合わせて化学感覚と呼ばれ,動物が最初に獲得した外界を認識する感覚系である。化学感覚が認識する化学物質は数十万ともいわれ,その多様性に対応するため,化学感覚受容体は遺伝子中で最も大きなファミリーを構成している。線虫から高等脊椎動物に至るまで,化学感覚受容体のほとんどはGタンパク質共役型受容体ファミリーに属しており,受容した化学物質の情報はGタンパク質シグナル伝達経路を経て,その下流のイオンチャネルが活性化されることで電気信号へと変換される。しかし昆虫の嗅覚受容体や味覚受容体はGタンパク質共役型受容体と共通の7回膜貫通構造を持ちながら,匂いや味物質で直接活性化されるイオンチャネルを構成することが明らかとなった。また神経伝達物質のイオノトロピック型受容体が,昆虫では化学感覚受容体へと進化していることも明らかになった。一方で,昆虫の化学感覚におけるGタンパク質シグナル伝達経路に関する知見は,断片的である。本稿ではこの昆虫にユニークな,化学感覚受容体として機能しているリガンド活性型イオンチャネルについて述べる。
著者
奈良崎 史貴 礒島 伸 薩摩 順吉
出版者
九州大学応用力学研究所
雑誌
応用力学研究所研究集会報告
巻号頁・発行日
vol.23, no.14, pp.96-101, 2012-03 (Released:2012-07-27)

符号が一定でない解を持つ方程式に対しては通常の超離散化を施すことができない. そうした方程式を超離散化する手法として, 「符号付き超離散化」が提案されている[1]. 本稿ではq-Bessel方程式の超離散類似を「符号付き超離散化」の手続きによって構成する. さらに, その初期値問題を解くことで得られる特殊解について議論する.
著者
門 英一
出版者
光画荘
雑誌
光画月刊
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.307-309, 1950-10
著者
根岸 善朗 三浦 純 白井 良明
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.690-696, 2003-09-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
15
被引用文献数
5 11

This paper describes a map generation method using an omnidirectional stereo and a laser range finder. Omnidirectional stereo has an advantage of 3D range acquisition, while it may suffer from a low reliability and accuracy in range data. Laser range finders have advantage of reliable acquisition of data, while they usually obtain only 2D range information. By integrating these two sensors, a reliable map can be generated. Since the two sensors may detect different parts of an object, a separate probabilistic grid map is first generated by temporal integration of data from each sensor. The resultant two maps are then integrated using a logical integration rule. An ego-motion estimation method is also described, which is necessary for integration of sensor data obtained at different positions. Experimental results on autonomous navigation in unknown environments show the feasibility of the method.
著者
河原 豊和 大野 和則 田所 諭
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp."2P1-C30(1)"-"2P1-C30(3)", 2006

Our research objective is localization and mapping for rescue crawler robot in unknown environment. The problem is well known as SLAM problem. For solving the problem, the robot position and environment shape are measured by odometry and LRF respectively. Odometry's error is corrected by matching these shape data. Map is constructed from these shapes and the modified robot position. However, odometry can not be used for measurement of our crawler robot's position because the crawler has crawlers and wheels as locomotion. In this paper, the authors present our approach for measurement of its position and construction of the map. Concretely, the authors measure its position by matching 2D scan data measured at different points. Moreover, we correct the scan's distortion caused by robot movement.
著者
吉澤 千夏 大瀧 ミドリ 松村 京子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.539-548, 2002-06-10
被引用文献数
1

2歳0ヵ月児とその母親45組のままごと遊びの分析を通して,2歳0カ月児のスクリプトの構造と特徴及びスクリプトの構造化に関する母親の関わりについて検討し,以下の結果を得た,(1)子どもの表出するスロットは,その種類数,出現ともに,母親と類似の傾向が認められる.(2)日常生活の主要行為である「食べる」「飲む」スロットは母子ともに多く表出し,子どもでは調理や供応に関するスロットの表出が多く,母親では飲食時のマナーや「おいしいという」スロットの表出が多い.(3)母親は,子どものスロットに対して,新たなスロットを付与し,統合させている.2歳0カ月時においても,母親はスクリプトの構造化に重要な役割を持つことが示唆される.(4)多くの子どもから表出された自発のスロットは,時系列的関係の中核をなしていることが明らかになる.
著者
Koichi Futakuchi Moussa Sié Kazuki Saito
出版者
日本作物学会
雑誌
Plant Production Science (ISSN:1343943X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.151-163, 2012 (Released:2012-06-29)
参考文献数
80
被引用文献数
23 3

Oryza glaberrima has mostly been used as a source to improve stress resistance of Oryza sativa. Improvement of this species could be an approach to use its adaptability to local environments in Africa such as multiple resistance to several indigenous constraints. The yield of O. glaberrima was inferior to that of O. sativa under favorable growth conditions but not under unfavorable conditions. Moreover, spikelet number before grain shattering was no less in O. glaberrima than in O. sativa at any fertilizer input levels, suggesting that the yield potential of O. glaberrima is as high as that of O. sativa. Inferior yield of O. glaberrima reported in favorable environments could result from grain shattering enhanced by such growth environments where higher incidence of lodging, which is another undesirable character of O. glaberrima, can occur. Regarding characteristics associated to yield generation, O. glaberrima seemed to possess: higher dry matter production and greater leaf area than O. sativa at least until heading; a lower photosynthetic rate per leaf area but a higher rate against the same leaf nitrogen content in a low content range; higher responsiveness of dry matter, leaf area and leaf photosynthesis to increases in nitrogen inputs; lower water-use efficiency on dry matter accumulation and gas exchange bases; faster progress of leaf senescence during maturity; and faster completion of grain filling during maturity than O. sativa.
著者
瀬田 拓 稲田 晴生 安保 雅博 杉本 淳 宮野 佐年
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.307-312, 2004-05-18
被引用文献数
1 1

健常成人109人の嚥下造影(40%バリウム5ml嚥下を1対象者につき3回,合計327回)を施行した.正面像を検討し上部食道の造形パターン分類を試みた.造影パターンは梨状窩通過直下での左右差より左(右)梨状窩のみ通過,左(右)梨状窩優位通過,両側梨状窩通過に大分類した.さらに上部食道内で左右に分かれて流れる造影剤の合流の有無から細分化し,合計13種類の造影パターンを定義した.両側梨状窩通過のパターンに分類された対象者が60%で,40%は左右差のあるパターンに分類された.左右差がある場合には,左優位の造形パターンに分類されることが多かった.左右差の生じる理由は,下咽頭への流入量差による感覚入力の左右差が,下咽頭収縮圧や食道入口部開口状態の左右差に影響を与えている可能性や,正中線よりやや左よりを走行する上部食道の解剖学的位置などが考えられたが,さらなる解剖学的・機能的な理由を踏まえた検討が必要である.
著者
山脇 三平
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.481-488, 1958-11-25

この報告は, わが国の山岳林のうち急傾斜でない山腹で運材につかわれている3 tonクローラ型トラクタ(Table 2参照)の牽引抵抗・燃料消費率・振動について実際測定してえられた2,3の結果について報告している。1. 伐採点からトラクタ道側まで数十mの林地上を, トラクタ後部に装備された小型1胴ウインチで玉切材や全幹材(樹種カラマツ)を集材するときの, 集材索にはたらいた張力, 負荷時・無負荷時の燃料消費率を測定した。この結果は, Table 3,Fig. 3のとおりである。2. 勾配=3〜16%のトラクター道上を, 運行速度=2.5〜6.0 km/hrで, 運材に従事しているトラクタの燃料消費率はFig. 4のとおりである。3. 走行中のトラクタおよびサルキーの集材索と牽引桿の双方に作用している張力については, Fig. 1に示した筆者の設計した測定方法によつて同時測定をすることができた。こういう丸太牽引の機構は, トラクタおよびサルキーによる運材をほかの運材方法とはちがつたものとして特徴づけているわけで, この測定の結果は, Table 4-a, b, Fig. 5のとおりである。4. これらの結果から, 牽引桿に作用する張力は集材索に作用する張力より絶対値は小さいが, より変動のはげしい繰返し応力がはたらいていることが認められる。この試験はさらに継続される必要があるが, これらの結果はこのサルキーの重心が高いために凸凹のひどい地面上ではバランスをうしないやすいことなどとともに, トラクタまたはサルキーの構造および作業方式について改良をくわえる必要があると, 筆者は考えている。5. このトラクタおよびサルキーでやわらかい土砂道上を運材するとき, あるいは林地の伐根をのりこえたりしたときでも, トラクタの運転台の振動には大きな加速度があらわれなかつた。ただしブルドーザ付のトラクタが単車で, 砂利で舗装したかたい林道上を, 2〜6.2 km/hrの速度で走行するばあいには, トラクタの走行速度がはやくなるほど衝撃回数は少なくなるが加速度の絶対値は大きくなり, 三成分別の衝撃回数はどの路面でも最高速走行のときに, 前後>左右>上下の成分の順の大きさになることが認めらる(Table 5参照)。