著者
竹上 栄治 樋口 幸治 中野 和司 富岡 聡 渡辺 一史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.724-736, 2005-09-01
被引用文献数
6

情報通信ネットワーク機器や高速サーバにおいては, 広範囲な負荷変動及び入力電圧変動に対して過渡応答特性が劣化しないロバストなDC-DCコンバータが必要とされる. 筆者等は, DC-ACコンバータの近似的2自由度ディジタル積分形制御器の設計法を提案した. このディジタル制御器はスタートアップ特性として一次モデルを近似的に実現し, ロバストなものとなっている. DC-DCコンバータにこの近似的2自由度ディジタル制御器を適用するには, ロバスト性をより高める必要がある. そのためには十分な近似度を得る手法を確立しなければならない. 本論文では, 制御帯域幅をより広くし, 同時に出力電圧の変動を抵抗負荷や入力電圧の突然の変化に対して十分小さく抑える近似的2自由度ディジタル積分形制御器の新しい設計法を提案する. 本設計法では, スタートアップ特性の目標モデルに二次モデルを用いる. この二次モデルへの十分な近似と外乱から出力電圧への伝達特性の十分な近似を得るための制御器の設計法とそのパラメータの決定法を示す. 提案された方法によって得られたディジタル制御器は, DSPに実装され, 与えられた仕様を満たすことを実験によって検証する.
著者
田中 由紀子
出版者
京都女子大学・京都女子大学短期大学部
雑誌
京都女子大学生活福祉学科紀要 (ISSN:13495984)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.51-55, 2005-01-10

本稿の目的は,現在の訪問介護(ホームヘルプサービス)施策における「生活援助」のサービス提供内容を明らかにし,今後のあり方について示唆を得ることにある。ホームヘルプサービスの援助内容は援助対象を異にしてはいたが,1956年長野県上田市で開始以来,「家事援助」「身体介護」「相談助言」の3区分のいずれかを担ってきた。 2000年の介護保険制度の創設,サービスの開始に至って介護支援専門員(ケアマネージャー)が,訪問介議員の提供する介護サービスについて「相談助言」を行い,アプランを作成することになり,訪問介護の内容は「家事型」「介護型」と両方が混在した「複合型」の3区分で進められるようになった。 2003年の介護報酬の見直しにあたり訪問介護の適正なアセスメントを図る観点から,「複合型」を廃止,「家事援助」は,自立支援,在宅生活支援の観点から「生活援助」に名称を改めることになった。介護保険制度は個人を対象としており,サービスは時間と内容により細分化され報酬は単位化されている。「家事援助」も調理,掃除,洗濯等行為を算定基準としている。本稿では生活の主体者の基本的欲求を充足し生活を活性化する自立支援の実現を図るための「生活援助」のあり方について考察する。
著者
三谷 誠之 三沢 幸史
出版者
青海社
雑誌
臨床作業療法 (ISSN:18816339)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.63-65, 2007-04
著者
香月 欣浩
出版者
四條畷学園短期大学
雑誌
四條畷学園短期大学紀要 (ISSN:18811043)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.59-62, 2008-05

暮らしはどんどん便利になっていく一方で、人間はどんどん余裕を失っていっている。洗濯機や掃除機が発明され、自分に使える時間が増えたはずなのに、全く余裕なく逆に忙しくなっている。学校も同じで、昔は『読み書きそろばん』ができればよかった。なの今は、日本語もろくにできていない子どもに英語だ、コンピューターだとせかす。芸術と勉強どちらが大切?迷うことなく勉強を選ぶ世の中だ。だからこそ、芸術の存在は重要だ。学生に美術は好きか?と聞いたことがある。するとクラスの半分は『嫌い』もしくは『苦手』に手を挙げた。しかし人間は本来、ものを作り出す事や表現する欲求を持っている。生まれ育っていく環境のどこかで、苦手意識を植え付けられていると考える。今からそれを分析し、美術という表現を楽しく行える手だてを考えていこうと思う。
著者
Mizuhira Vinci Hasegawa Hiroshi Akagi Takumi Nagai Noriyuki
出版者
日本組織細胞化学会
雑誌
Acta histochemica et cytochemica (ISSN:00445991)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.217-230, 1998
被引用文献数
6 5

We have seen reporting on the calcium ion distribution in cells and tissues with X-ray microanalysis (EDX) since 1978 [9] and with electron energy-loss spectroscopy (ESS) imaging since 1983 [10, 17], under various fixing conditions [12-16, 18-24]. Almost ten years ago, we tried a fixative containing NHA (N,N-naphthaloylhydroxamine) as a chemical precipitant for Ca<2+> ions under microwaved conditions [12, 19]. However, the data did not seem to be as sensitive or useful, under conventional electron microscopy and computerized X-ray microanalysis, compared to the two-step replacement method combined with microwave fixation using potassium (K) oxalate followed by potassium (K) antimonate, for the detection of Ca<2+> ions [12, 19-21]. Recently, however, we used ESS to analyze same tissue sections which were fixed with NHAcontaining fixative with microwave fixation ten years previously. We discovered with ESS analysis that NHA is a sensitive and ideal chemical reagent for calcium ion deteclion in a cell giving the same view as that of frozen dried or freeze-substituted tissue sections. Calcium was clearly seen and widely distributed in developing chondroblast endoplasmic ultrastructures: ribosomes, cell and endoplasmic membranes, mitochondria, Golgi, and nucleus. However, free mesen-chymal cells which were not involved in calcifying functions had only a very small amount of calcium. Calcium was widely distributed in the lacunae of the surrounding space of the chondroblasts and inmature matrix, but the exoplasm of the chondroblasts was almost calcium-free. Other elemental images in the young chondrocytes or osteoblasts, i.e.. P・L, S・L, O・K, and N・K, were seen clearly superimposed on the cell ultrastructures, i.e.. the cell membranes, ribosomes, endoplasmic reticula, mitochondria, Golgi, and nucleus [24].
著者
中井 専人 岩本 勉之
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.863-869, 2006-11-30
被引用文献数
1

2005/2006冬季は,広範囲にわたり多量の降積雪が観測され,顕著な災害をもたらした豪雪年となった.この冬季の積雪分布の特徴について,各地点の冬季最深積雪を23冬季の平均値と標準偏差で規格化し,年々の変動を考慮した解析を行った.規格化した2005/2006冬季最深積雪は,いくつかの地域に集中して多くなる分布を示すとともに,山形・宮城両県以南においては内陸部で多くなる傾向が見られた.雪氷災害の多く発生した地域は,平均値より顕著に多い積雪のあった地域である.2005/2006冬季は,23冬季平均最深積雪の多い地点で最深積雪の正偏差が大きくなる一方,それ以外では顕著な負偏差となる地域が見られた.2005/2006冬季は最深積雪分布の偏りも大きかった.
著者
中山 光幸 浅香 貴幸 粕谷 陽介 清水 康敬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-08-13

本研究の目的は、自律神経の1日の変動を分析して環境の評価を行い、その結果を学習環境の改善に役立てることである。そこで生体信号の24時間計測を行い、環境変化が自律神経にどのような影響を及ぼすのかを検討した。その結果、交感神経は起床時前後に、そして副交感神経は就寝中に活発化することがわかった。
著者
竹本 淳 高橋 宏和 唐沢 好男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.386, pp.85-90, 2009-01-14

地上デジタル放送の移動体受信環境並びに室内での受信においては,直接波の受信が期待できず,一般に弱電界エリアになるために,伝搬環境,特に受信所望波の到来方向及び遅延時間の定量的かつ高分解能な把握が重要となる.到来方向推定にはアレーアンテナが有用であるが,一般的手法では複数の到来波を判定するために波数と比べアレー素子数を十分大きくする必要があり,かつ,全てのブランチの信号を同時に取得しなければならない。また、遅延時間の推定には受信側において既知の広帯域信号が必要になることから,実放送波を利用する到来波・遅延時間推定には有用かつ簡便な手法が確立されていない.そこで,本稿では,高SN比の信号が受信される場所と被測定環境との2点で同時収録を行い,高SN比信号を基準信号として目的信号を精密に解析する新しい測定法を提案する.本手法では,トータルレコーダ(1台)を用いて,被測定信号と高品質信号を各アレー素子について同時収録し,オフライン処理により基準・被測定双方の受信データから相関行列を作成,ここから固有値解析を行って,到来波の角度特性や遅延特性の精密な測定が可能であることを述べる.
著者
田宮 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.111, pp.37-44, 1999-06-11

大規模回路の遅延を改善する新しい手法を提案する。これは、回路に"paddingノード"をクリティカルでないエッジに挿入する。そして、ネットワークフローアルゴリズムで分離集合を求め、回路に適用すべき局所変換の最良の集合を見つける。この手法は、メモリ使用量と計算時間が、それぞれ、回路サイズに対して線形、多項式オーダになるため、大規模回路の遅延最適化に適している。 本手法と"選択関数"を用いるK. J. Singh法との比較実験を行った。本手法は適用した全ての回路について最適化できたのに対し、Singh法は3つの回路についてメモリ不足で最適化できなかった。また、遅延改善能力は両手法で同じ程度であった。
著者
山内 豊聡
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, 1977-03-15

本文は, 最近のシラスに関する調査, 研究に基づき災害を起こしやすい特殊土の一つであるシラスの特性と問題点を述べ, さらに, シラスの豪雨災害と地震災害についての災害の実態からみて, 自然斜面と切土斜面の崩壊の特徴を指摘している。シラスの斜面崩壊は, 地表水, 浸透水などによるガリ侵食洗掘の影響が非常に大きいこと, 斜面全体の回転スベリを起こさないこと, 流末崩壊が連鎖的に起き"浮きシラス"となって流下することによって被害が広範囲に及ぶこと, また, 地震時には, "よい粒度"のシラスでも液状化が発生しやすいことが特徴であることを指摘している。さらに, 災害の原因と防災対策確立の観点から, シラスの侵食特性, セン断強さ特性(セン断特性, 液状化), 有限要素解析による静的, 地震時における地山斜面の応力分布, シラス地盤の動的特性およびそれらの問題点に関する最近の地質学的, 力学的基礎的研究のあらましを論述している。