著者
大山 景詞 和泉 憲明 太原 育夫 橋田 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.429, pp.31-36, 2008-01-14

本稿では,ユーザが抱えるタスクやスケジュールの管理と連動した,サービスの選択・合成を行う機構を提案する.提案する機構では,制約処理系CBTOに基づいたモデル設計と処理により,スケジュール管理におけるコンテンツモデルを制約により一元管理し,コンテンツ作成の証明木構成過程に応じてサービスを連携させる.制約に基づいたモデルを構築することにより,軽量なモデル管理と,逐次的な処理によるユーザとシステムの双方向的な調整を実現することができる.本稿ではシステム実装により事例に基づいた動作検証を行い,考察を行う.
著者
中小路 久美代 山本 恭裕 大平 雅雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告.IM, [情報メディア]
巻号頁・発行日
vol.99, no.69, pp.31-36, 1999-08-20

本論では,Collective Creativity-他者が生成/外化した「表現」を利用することによって喚起される個人の創造性-を支援するための二つのシステムを紹介し,その理論的枠組みについて論じる.IAM-eMMaとEVIDIIはともに,他のデザイナが入力した知識(ルール)や関連づけを利用することによって,デザイナの創造性を喚起するようなグラフィックイメージ(画像)を検索するシステムである.前者は,画像の色とタスク要件を関連づけるルールを用い,後者は,人と画像,感性語という三つ組を可視化するインタフェースを提供する.これら二つのシステムのユーザ観察を通して,(1)システムが提供する知識や情報に十分なコンテキストが与えられていること,(2)その知識や情報がデザイナにとって信用できるものであること,そして,(3)人間とシステムとの間でタスクのバランスがよくとれ,デザイナがタスクに対して「appropriation(専有性)」を感じられるものであること,という3点が,Collective Creativityを支援するシステムにとって重要な要件であることがわかった.
著者
仙賀 裕 里見 佳昭 福田 百邦 絵鳩 哲哉 中橋 満 穂坂 正彦 田中 祐吉 三杉 和章
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1818-1823, 1988-11-20
被引用文献数
1

Neuron Specific Enolase(NSE)は神経細胞,神経内分泌細胞のマーカーとして用いられるが,最近正常尿細管細胞また腎癌細胞にも存在することが明らかにされたため,抗NSE抗体を用いた免疫組織化学的技法により腎癌におけるNSEの発現度を検索し,腎癌の組織像とNSEの発現の関係について検討した.全割面標本を作製した23例を対象とした.23例中17例70%に陽性反応を認め,腎癌ではかなりの頻度でNSEが出現することが明らかとなった.low grade群(G1,G2)は15例中9例,high grade群(G3,G4)8例中8例NSEの出現を認めた.high grade群はNSEの発現度が高いため,解糖系の代謝が亢進しているとも考えられた.NSEの発現と予後どの関連については,low grade群で陰性例は陽性例にくらべ若干良好であった.high grade群では全例陽性のため判断はできなかった.抗NSE抗体を用いた免疫組織化学的検索により,腎癌の組織像と臨床経過の関係の一端が明らかにできるものと考えられた.
著者
石塚 晴通 白井 純
出版者
北海道大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2001

研究計画に基づいて平成13〜16年度に以下の研究を実施した。1.シナ大陸の古印刷資料の原本調査を、大英図書館、フランス国立図書館、中国国家図書館、天津図書館、台湾故宮博物院、台湾国立中央図書館に於て実施した。2.朝鮮半島の古印刷資料の原本調査を、韓国誠庵古書博物館、同湖巖美術館、同延世大学校図書館、東洋文庫、京都国立博物館等に於て実施した。3.日本の百万塔陀羅尼及び古印刷資料の原本調査を、大英図書館、東洋文庫、京都国立博物館、高山寺、個人宅等に於て実施した。4.印刷資料及び関連する典籍をテーマとする「典籍の国際的交流・受容(訓読)」(平成14年度、於北海道大学)、「日本学・敦煌学・漢文訓読の新展開」国際学術会議(平成16年度、於北海道大学)の実行委員長として、国際会議を推進した。5.研究成果を国際会議及び国内学会に於て発表した。以上の如く、シナ大陸、朝鮮半島及び日本の古印刷資料の原本調査を実施して、東アジアに於ける正式印刷本の確認は9世紀後期まで下ること、日本の百万塔陀羅尼は「刷る」行程の無い集成印本であることを明らかにして、国際会議等の場に於て積極的に発表した。
著者
中島 耕太 佐藤 充 後藤 正徳 久門 耕一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.287, pp.1-6, 2006-10-06

大容量のデータ転送を伴うXen仮想マシンモニタの仮想マシン移動処理に10Gb Ethernet-NIC UZURAのRDMA転送を適用し,評価した.仮想マシン移動処理の高速化のためには,ネットワークハードウェアの高速化やプロトコル処理オフロードだけでなく,転送処理を制御するアプリケーション処理の最適化が必要である.そこで,RDMA転送の適用に際し,実際の仮想マシン移動における転送処理時間を解析し,アプリケーション処理の最適化について検討を行った.そして,検討した高速化を実際に適用し,評価した.その結果,10Gb Ethernetを用いても,通常のTCP/IP通信を用いた場合(98.4MB/s)やRDMA転送を単純に適用した場合(200MB/s)では,Gigabit Ethernetを用いた場合(82.9MB/s)に対して十分な高速化が実現できないのに村し,アプリケーション処理の最適化を適用した場合では405MB/sとなり,4.89倍の性能向上を実現した.