38 0 0 0 OA 猿楽の説話と鬼

著者
岩崎 雅彦
出版者
法政大学
雑誌
能楽研究 (ISSN:03899616)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.37-82, 2002-03-30
著者
中島 善人
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.p540-586, 1992-01

地球内部物理学は現在、地磁気の原因やマントル対流のモード(2層対流か1層対流か)など多くの未解決問題をかかえている。これらの多くは地球深部への直接探査によって容易に解明できるであろう。そこで我々は、Core Projectという名称の地球内部の直接探査計画を提案する。Core Projectでは、探査船が地底を進み、地球深部の情報を地上に送信しながら、100年かかって地球中心核(the Earth's Core;地下2900km以深)に到達することを想定している。Core Projectを実行するにあたって発生する原理的な問題として、耐圧耐熱、推進、通信、エネルギー供給の4つがある。耐圧に関しては、最も効果的な耐圧原理を明らかにし、たとえば完全結晶のダイアモンドを使用すると耐圧球殻の外径内径比を2程度に抑えられることを示した。耐熱に関しては、肉厚100mの岩石で船を囲めば、マントルからの熱の侵入を100年間防ぐことができる。目標推進速度(2900km/100yr=1mm/s)は、船を半程数kmの鉄球にすると船の自重によるStokes沈降によって達成できる。通信に関しては、P波を使ったパルス幅10sの線形PCM通信を使うと0.1bit/s=3x10^6bit/yrの通信速度が可能である。また、探査活動(通信や観測など)のエネルギー供給手段としては原子力の他にも、船自身の一部を低温熱源、マントルを高温熱源とするカルノーサイクルが有望である。マントル物質のサンプリングを行わなければ、Core Projectは、原理的に実現可能である。その場合は、船内に搭載した地震計・重力計・磁力計・温度計・電気伝導度計などで情報を獲得することになる。それでも「マントル対流は、2層対流か1層対流か」「ダイナモモデルの検証」「外核対流の揺らぎ」「D"層の空間分布と組成」などの重要問題解明に貢献する貴重な情報を獲得できる。本研究は数百年後に行なわれるであろう地底探査に、必要不可欠な理論的基礎と展望を与えようとするものである。
著者
川合 敏雄
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.p227-235, 1986-03
被引用文献数
1

最近では工学者もしきりにハミルトニアンを口にします. それは物理学者の使い方と同じ場合もありますが, 制御工学者のいう〓はより広い意味をもっています. 最適制御の理論は最大原理という大きな枠で, これを特殊な対象に適用すると力学をはじめとする自然法則が出てきます. この文では最大原理を日常の言葉で理解しながら, 物理法則を制御の目で眺めなおしてみます.
著者
二木 立
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.12-21, 2009

小泉政権の医療改革の新しさは,医療分野に新自由主義的改革方針を部分的にせよ初めて閣議決定したことである。それにより政権・体制内の医療改革シナリオが2つに分裂し,激しい論争が戦わされたが,最終的には「骨太の方針2001」に含まれていた3つの新自由主義的医療改革の全面実施は挫折した。他面,小泉政権は1980年代以降続けられてきた「世界一」厳しい医療費抑制政策をいっそう強め,その結果日本は,2004年には医療費水準は主要先進国中最低だが,患者負担は最高の国になった。安倍政権は大枠では小泉政権の医療費抑制政策を継承したが,ごく部分的にせよ,行き過ぎた医療費抑制政策の見直しも行った。さらに,政権・体制内での新自由主義派の影響力は急速に低下した。日本の医療制度の2つの柱を維持しつつ,医療の質を引き上げるためには公的医療費の総枠拡大が不可欠であり,そのための主財源としては社会保険料の引き上げが現実的である。
著者
野口 晃菜 米田 宏樹
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.95-105, 2012-03-30

米国では、障害のある児童生徒に対する通常教育カリキュラムの適用がIDEA・NCLB法において義務付けられている。その方法として、通常教育カリキュラムの修正が挙げられる。本稿では、カリキュラム修正範囲の用語を整理し、類型化した。筆者によって使用する用語及びその定義が異なることから、修正範囲によって整理をした結果、(1)教育方法の変更、(2)教育内容の変更、(3)個別のカリキュラムの作成の3種類に類型化をすることができた。通常教育カリキュラムを基盤とした上で、(1)から(3)は連続体を成し、障害種や教育の場ではなく、個々のニーズに応じてカリキュラム修正がなされていることが明らかとなった。我が国のインクルーシブ教育システムにおけるカリキュラムに関しては、障害特性に応じた独自の教育内容・方法を含む形で、通常教育と特別支援教育を連続体として捉え、その上で個のニーズに応じた教育内容・方法を選択する方法を考える必要がある。