著者
多田 好克
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.16, pp.25-32, 2005-02-22
参考文献数
6

本文章では、裸のIBM-PC上で稼働するUtiLisp処理系について議論する。汎用計算機上にLisp Machineのような専用処理系を動かすことにより、a) OSのオーバヘッドを無くし高速の処理系を作成する、b) Lispを中心とした汎用のOSを構築する、ことが最終目標である。今回の発表では、取り敢えずヨタヨタと動き出したLisp処理系の構築法、並びに、裸の計算機上で動かすために要した作業を総括し、報告する。In this paper, we discuss a UtiLisp interpreter which runs on a bare IBM-PC machine. The final goal of the research is going to make 1) a fast interpreter without the overheads of operating system, and 2) a Lisp-based operating system such as the Symbolics Lisp Machine. This time, we present the current status of our implementation, especially the porting methodology from a Unix to a bare machine environment.
著者
中島 秀之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.502-513, 2006 (Released:2006-09-14)
参考文献数
45
被引用文献数
3 5

As computer scientists, we have been trained in the methodology of natural science, which is analytic in its essence. Informatics, and particularly Artificial Intelligence, is not an analytic discipline. It is required to establish a constructive methodology.
著者
金 聖哲
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

北朝鮮の核外交は、その体制の不調和の結果であると同時に、まさに開放の寸前である体制をわずらわす対外的ディレンマの結果である。体制の内的分化は、非公式的領域(官僚腐敗、闇経済、個人主義など)を生み出して、体制運営全体に不調和をもたらす結果となった。こうした状況の中、北朝鮮は、これまでにない大打撃を被った経済の回復のための必死の翌力をして、その努力は、2002年7月に採択され、以降継続している新たな経済対策として結実した。しかしながら、(日本と韓国を通じて)回り道をして米国にアプローチするという外交が失敗に帰し、以来、北朝鮮は核のゲームに取り込まれてしまっている。2006年10月9日の核実験により絶頂に達した北朝鮮の挑発的な外交は、主要敵国である米国との交渉を目的としたものだった。朝鮮半島における米国の核のプレゼンスと、冷戦期に繰り返し脅威となった核兵器使用の可能性は、北朝鮮の核開発プログラムへの動機に火をつけたのである。しかしながら、北朝鮮の核保有国への道のりをすべて理解するためには、1990年代の決定的に重要ないくつかのターニング・ポイント、すなわちソ連の崩壊と北朝鮮の飢饉、についての分析が必要である。これらの事態に対処するために、国家の存続が最も緊急な事柄となり、次に、この状況が先軍政治を誕生させたのである。米国との戦争(朝鮮戦争)とその後の軍事力の増強の経験のために、北朝鮮にとって、厳しい状況に適応していく中で、軍の重要性を強調することは自然なことであった。先軍政治は、今や国内及び対外政策を貫き通すことになった。北朝鮮の核兵器開発と核実験は、このことがもたらした結果の頂点であると言える。北朝鮮の挑発的な政策は、外交ゲームの中で繰り返された損失への反応によって発生した生存目的の抑止力であると言える。合理的選択に関する心理学的分析によると、その認識した損失は、リスクを避ける選択の代わりにリスクを冒す選択を行為主体に強いる。このように、体制全般の不調和の中で発生した適応過程における失敗が、北朝鮮として「一か八か」(double-or-nothing)的な政策に依存させる役割を担った。同時に、金正日のリーダーシップの特性、すなわち、国内及び対外政策のすべてに面において細心過ぎるほどの関心を向けるような特性を考慮すると、間違いなく、核ゲームは彼の選択であったはずだ。政治家のリーダーシップをコンピューター・オペレーターになぞらえることが、この状況では適切であろう。様々なタイプのコンピューター・プログラムのオペレーターとしての金正日は、最高意思決定者であり、しかもなお、彼の決定は、ハードウェアと、より深い背景で行われでいるため外から見えないオペレーションの両方に依拠しなければならなかったのである。金正日はその背景要因に変化をもたらすため自分の影響力を発揮してきた一方で、その背景要因が今や直近の政策的選択の幅を制約しているのである。
著者
鳥谷部 桜 原口 雄一郎 村田 大 稲蔭 正彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. GN, [グループウェアとネットワークサービス] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.98, pp.43-47, 2001-10-18
参考文献数
5
被引用文献数
1

私達は友達など自分と近い関係を持つ人の近況を知ることで、行動や考え方に刺激を受けることが多い。しかし、日常生活では、友達とそれを共有する機会や、友達の友達と出会う機会はあまりない。そこで、ネットワーク上で知人と近況を共有するシステム「友達の友達は友達」(以下TTT)を実装した、本システムは、ユーザの近況を個々にデータとして蓄積し、知人に限定して公開し、さらに、ユーザに対しフィードバックを促しコミュニケーションを活性化させることで、継続的に多数の知人との近況の共有を支援する。また、ユーザが友達との会話に別の友達を呼ぶ仕組みを導入することで、初対面のユーザのコミュニケーションを共通の知人が仲介する、信頼感のある未知の人との出会いを支援する。
著者
石戸 教嗣
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育學研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.346-357, 2010-12-27

本稿は、多様に並立している教育諸原理を格差社会の文脈と関連づけることによって「教育」概念の再検討を行う。教育原理の並立は、労働の分化に対応する教育システムの自己調整活動としてとらえ直すことができる。格差=排除の現状は、単にアンダークラスを教育の対象層としているだけでなく、労働力の余剰の結果として、すべての市民の再教育の可能性を潜在的に示している。同時に、機能分化社会は、一般的な価値を志向するこれまでの「共通教育」を、「うまくいっていない」社会的事象について学ぶ「接合の教育」に転換することを求めている。
著者
日比野靖 渡邊和文 大里延康
雑誌
情報処理学会研究報告プログラミング(PRO)
巻号頁・発行日
vol.1980, no.9(1980-PRO-012), pp.105-111, 1980-06-19
著者
野口 正博 井上 祐一 小山 和宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.882-887, 1999-09-15
被引用文献数
1
著者
宗野 真弥 今泉 洋子
出版者
兵庫大学
雑誌
兵庫大学論集 (ISSN:13421646)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.41-51, 2008

1950〜2006年の人口動態統計を用いて、白血病死亡率の統計的分析を行い、以下の結果が得られた。年齢調整死亡率は男女ともに1950年から1987年まで上昇するが、翌年から減少している。男子の骨脂性白血病と男女のリンパ性白血病の年齢調整死亡率は年次とともに5%水準で有意に上昇していた。一方、単球性白血病とその他の白血病死亡率は男女ともに減少していた。白血病死亡率の地域格差をみると、男女ともに九州地方で高く、一方、関東地方、近畿地方、東海地方で低い値が得られた。平均死亡年齢は57年間で男子は42歳、女子は45歳伸びたが、男女の平均死亡年齢は同程度であった。