著者
小林 暉子
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
岩石鉱物鉱床学会誌 (ISSN:00214825)
巻号頁・発行日
vol.81, no.10, pp.399-405, 1986-10-05 (Released:2008-08-07)
参考文献数
4
被引用文献数
3 3

Existence of uvarovite has not been reported so far in Japan. Specimens labeled uvarovite crystals from 19 localities in Sakurai Collection were analysed by an electronprobe microanalyser, confirming some uvarovite crystals. Uvarovite and Cr-bearing andradite occur in a fine vein in aggregate of chromite or magnesiochromite. In serpentine with diopside or talc occur uvarovite, Cr-bearing andradite and Cr-bearing grossular.
著者
新川 治子 島田 三恵子 早瀬 麻子 乾 つぶら
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.48-58, 2009 (Released:2009-08-26)
参考文献数
27
被引用文献数
8 13

目 的 本研究は最近の妊婦におけるマイナートラブル(以下MSとする)の種類,発症時期,発症率,及び発症頻度を明らかにすることを目的とした。対象と方法 全国から抽出した11医療機関に通院中の623名(初期56名,中期201名,末期366名,平均28.1±8.0週)の妊婦を対象に質問紙調査を行った。調査票は先行研究,MSに関連する症状,及び妊産褥婦から聞き取った症状から95の不快症状に関する質問項目で作成した。結 果 50%以上の妊婦に発症している症状が95の不快症状のうち45症状あった。発症率が高い(50%以上),または発症頻度の高い(「たびたびある」から「いつもある」)47症状をMSとして抽出した。易疲労感,頻尿,全身倦怠感は,妊娠全期間を通じて90%以上の妊婦に発症するMSであり,有症者における発症頻度も高かった。妊婦1人あたりのMS発症数は2から46症状で,平均27.0(±10.4)症状であった。初経産別での1人あたりのMS発症数に有意差はなかった。未就労妊婦の方が就労妊婦より1人あたりのMS発症数が有意に多く,特に未就労初産婦の発症数が多かった。妊娠時期により1人あたりのMS発症数に有意差はないが,発症率の高い症状は異なっていた。 因子分析により「胎児の発育に関連する筋関節症状群」,「上部消化器症状群」,「睡眠関連症状群」,「便秘関連症状群」,「ネガティブな精神症状群」の5症状群が抽出された。結 論 MSに関する実態調査を行った結果,妊婦の生活習慣や環境の変化,就業状況の変化に伴って,従前のMSに無い症状や発症率の異なる症状が明らかとなった。対象の属性や妊娠時期により好発症状にも違いがあることから,適切な時期に妊婦の状況にあった助言することが重要である。
著者
竹村 瑞穂
出版者
現代文化人類学会
雑誌
文化人類学研究 (ISSN:1346132X)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.2-11, 2021

<p> 本稿では、競技スポーツ界が要求する競技者の身体の自然性にまなざしを向け、そこに浮かび上がる矛盾や問題性について指摘したい。</p><p> スポーツとは、じつに長い歴史をもつ人間の身体文化であるが、その過程で、科学技術の恩恵を受けながらさまざまな変貌を遂げてきた。トラック環境一つ取り上げてもその変化には驚かされるものがあり、科学技術による外的環境の改変が、スポーツ・パフォーマンスを向上させてきたことは事実である。このようなスポーツの高度化の過程において、外的環境の改変とともに注目に値するのは、スポーツをする人間の身体に向けられた改変への志向、すなわちドーピングの問題である。</p><p> ドーピング問題に対する倫理・哲学的研究の中では、ドーピングを禁止する直接的な根拠は見当たらないという議論も展開されてきた。ドーピング禁止理由の一つの論点に「身体の自然性」という視点があるが、しかし、この自然な身体こそが競技スポーツ界で排除の対象となる場合も生じている。先天的にテストステロンの値が高い女性アスリートの場合は、この身体の自然性こそが問題視され、ナチュラル・ドーピングとして人為的にその自然性を治療しなければ競技に参加できないような事態が生じているのである。</p><p> 競技スポーツ界において求められる身体の自然性とは、いったい、どのような自然性なのだろうか。生殖細胞や体細胞を操作する遺伝子改良は"自然"なのだろうか。先天的にテストステロン値が高い女性アスリートは先天的に"自然ではない"のだろうか。このような疑問を背景に、競技スポーツ界が求める身体性をめぐる揺らぎと、要求する"恣意的な"自然性の在りようを読み解くこととする。</p>
著者
小笠原 敦 松本 陽一
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.26-39, 2005-12-20 (Released:2022-08-05)
参考文献数
11

薄型テレビやDVD機器を代表とするエレクトロニクス産業では,急激な価格低下によって収益獲得が困難になりつつある.本稿はテレビにおけるイノベーションの展開を観察することで個別企業の取り組みに触れ,ブラックボックス化による利益獲得の難しさを指摘する.そして,より高度な利益獲得方法を模索するため,近年の収益獲得に向けた取り組みからハード以外(ソフトウェア,サービス)のイノベーションの重要性を指摘する.
著者
窪山 達也 森吉 泰生
出版者
一般社団法人 日本燃焼学会
雑誌
日本燃焼学会誌 (ISSN:13471864)
巻号頁・発行日
vol.58, no.183, pp.20-26, 2016 (Released:2018-01-26)
参考文献数
20

A low speed preignition (LSPI) is one of the critical issues in recent supercharged direct injection SI gasoline engines. LSPI is strongly demanded to be solved because knocking with high intensity which is called “super-knock” or “mega-knock” follows it, and sometimes provides severe engine damage. LSPI is occasional phenomena and is often occurs in a sequential manner intermittently including normal SI combustion cycles. Though some possible sources inducing LSPI have been found and reported, chemical and physical mechanisms of LSPI phenomena have not been cleared in detail, yet. This report reviews some studies and discussed about mechanisms of LSPI in supercharged DISI engines focusing attention on the effects of lubricant oil and its additives on LSPI and the LSPI induced by hot deposit fragments detached from the wall.
著者
平林 裕
巻号頁・発行日
vol.36, no.1/2, pp.180-194,
著者
嶋津 拓
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.163, pp.17-31, 2016 (Released:2018-04-26)
参考文献数
9

海外に対する「日本語の普及」は,今日,国際文化交流事業の「重点領域の一つ」とされている。しかし,この「日本語の普及」という営みに対する日本国民の意識に関しては,それに焦点を合わせた総合的かつ大規模な調査が,過去に一度も実施されたことがない。 このような状況を踏まえ,筆者は日本国籍を有する成年男女約5,400人を対象に,彼らの日本語普及事業に対する意識に関し,インターネット調査を行った。その結果,日本語学習者を「増やす」という営み(日本語普及事業)は,国際文化交流事業全体の中で必ずしも優先度の高い事業とは見なされていないこと,また,とくに若い世代において,日本語学習者が「増える」という現象に比べて高くは評価されていないこと等がわかった。さらには,日本語普及事業のみならず,日本語学習者の増加という現象に対しても,世代間で意識の違いがあることがわかった。本稿では,この調査結果の概要について報告する。