著者
浜田 穂積
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.521-526, 1981-11-15

2進法を基礎とする計算機そのほかのデータ処理装置のための実数値表現方式を提案する.形式はデータの長さに依存せず 精度変換操作が単純で オーバフロー アンダフローが発生しない 十分大きい数も小さい数も表現できる方式であるこれらの条件を満たす一般的な表現法と その中で最も単純な規則を持つ形式とを示し 後者を標準案として推奨する.後者によると ±1の近くでの分解能が低下しないように極力努めたので 同じピット数で表現する固定小数点表現と比べ 1ビット分の分解能の悪化に止まり かつ浮動小数点表現の持つ 小さい数も 大きい数も表現できるという長所も併せ持っている.実数値表現法として前記の目的を達するため 内部表現のビット列に次の3つの性質を持たせる.(i)すべてのビット列が実数に対応する.(ii)あるビット列の右に1ビット連結する時 元のビット列に対応する区間が2分され 左の区間はピット0 右の区間はビット1を連結したものに対応する.(iii)正数の場合 1から無限大あるいは0に向かって 区間の両端の値の比が 二重指数的に増加する値となるよう分割されている.これによって実現される表現法を用いると 短いデータでもそれなりにバランスよく実数値を表現できる.また長いデータをう処理系と容易に結合できるため ミニコンピュータ マイクロコンピュータのための実数値表現法としても適している.
著者
Sho YOSHIMOTO Daiki KATO Satoshi KAMOTO Kie YAMAMOTO Masaya TSUBOI Masahiro SHINADA Namiko IKEDA Yuiko TANAKA Ryohei YOSHITAKE Shotaro ETO Kohei SAEKI James CHAMBERS Yuko HASHIMOTO Kazuyuki UCHIDA Ryohei NISHIMURA Takayuki NAKAGAWA
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.20-0026, (Released:2020-04-03)
被引用文献数
6

Human epidermal growth factor receptor 2 (HER2) overexpression has been reported in various human cancers. HER2-targeted therapies showed clinical responses in humans with HER2-positive tumors. The incidence of canine primary lung cancer (cPLC) is increasing, but there are no effective systemic therapies for dogs with late-stage cPLC. HER2-targeted therapy could be an option for cPLC, but HER2 expression in cPLC remains unknown. We evaluated HER2 expression in cPLC. Immunohistochemical analysis revealed that 3 samples (19%) scored 3+; 8 (50%), 2+; 5 (31%); and 1+ and 0 (0%), 0. Of the cPLC tissues, 69% were HER2 positive (scored ≥2+). These data would lead to further evaluation of the role of HER2 in cPLC as a mechanism of malignancy and therapeutic target.
著者
堀 素子
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
関西外国語大学研究論集 (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
no.84, pp.57-74, 2006-09

英語の法助動詞(modals)は日本では文法事項として指導されているが、語用論的機能については英会話の中で触れられる程度で終わることが多く、真にそれらがどのような使われ方をしているかにまでは及んでいないと思われる。 本論文ではブラウンとレビンソンのポライトネス理論に基づき、ネガティブ・ポライトネスの代表とされる「慣用的間接表現」に使われる法助動詞をコーパスのデータによって分析する。特に「依頼表現」に焦点を当てて、それらの表現がもつ意味と機能を日本語の敬語と比較しながら議論する。英語母語話者は「依頼」を「フェイス侵害行為」(FTA)と捉えているために、相手の「領土への侵害」を緩和することを第一の目標として、modalsを含む慣用的間接表現を使用している。日本語の敬語にも類似の表現があるが、それは対話者間の上下関係を明示するためで、行為自体を問題としない点で、英語の敬意表現とは鋭く対立する。
著者
山口 希世美
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
no.48, pp.163-180, 2020-03-01

本論は、院政期天皇の乳母の役割の歴史的変化を論じる。そのためには、乳母が何を目的として任命されたかを明らかにし、任命された時期に注目する必要がある。その視野に立ち、第一章において天皇それぞれの乳母を考察する。その過程で明らかとなった天皇の乳母の定員化・官職化、及び、皇子の乳母から天皇の乳母への分断についてを第二章で論じる。それが顕著に表れる、乳母の交代や践祚後に任命される傾向として、特定の行事がきっかけとなっている。第三章では、乳母典侍が行うことが多い、八十島祭使、賀茂祭女使、即位時の褰帳命婦、立后時の理髪役について検討し、乳母典侍が行うことの意義を論じる。乳母典侍乳父八十島祭平安時代鎌倉時代
出版者
信州大学人文学部
雑誌
信州大学人文科学論集
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.45-58, 2020-03-15

本稿は、2019年5月31日(金)に「信州大学の人文学部今昔」と題して開催された「懇談会」記録である。信州大学人文学部ホーム・カミングデー懇談会『信州大学の人文学部今昔』開催日時:2019年5月31日(金)14:40-16:10開催場所:人文ホール(信州大学人文学部棟1階)ファシリテータ:速水香織(信州大学人文学部准教授)ゲスト・スピーカー:中島 森利 氏(昭和44年卒業 国文学)、中山 洋子 氏(昭和53年入学 国文学)、唐澤 達志 氏(昭和62年入学 英米文学)、小口 房子 氏(昭和31年卒業 国文学)、五十嵐 譲介 氏(昭和46年入学 国文学)
著者
大崎 敬子 春木 宏介
出版者
杏林大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

研究代表者の大崎はセファランチンのマラリアに対する薬剤排出機能に関して薬剤排出ポンプの相同性に着目し、薬剤排出機構を持つ緑膿菌を用いた実験を行った。結果:セファランチンは緑膿菌のポンプを抑制しなかった。研究分担者の春木の行った主な実験内容および結果は以下のとおりである。1 クロロキン感受性変化とマラリア細胞内への蓄積に関する研究。結果:各種アルカロイドによるマラリアのクロロキン感受性変化とクロロキンの細胞内蓄積は正の相関を示し、クロロキンの作用は薬剤蓄積量に依存することが確認された。2 セファランチン存在下でのマラリア原虫へのクロロキン蓄積の経時間的変化。結果:コントロールに比べ明らかにクロロキンの蓄積量が増加した。3 セファランチン存在下でのマラリア原虫からのクロロキン排出量の経時間的変化。結果:マラリア原虫からのクロロキン排出量はコントロールに比べ明らかに減少した。4 セファランチンの膜電位に対する影響。結果:セファランチンによりマラリア原虫の膜電位はコントロールに比べ低下した。5 これらより膜電位に影響を与える物質としてTTP(tetraphenylphosphonium)を選出して同様の実験を行った。結果:TPPによってセファランチンがマラリア原虫に示した結果と類似した結果が得られた。6:薬剤のスクリーニング結果:既存薬であるH203が抗マラリア作用を示した。まとめ これらの結果よりセファランチンはマラリア原虫からの薬剤排泄を抑制し、蓄積を増加させた。TPPをモデルとした実験より、膜電位変化とクロロキン排出抑制の関連が示唆された。本研究の経過中既存化合物のなかで抗マラリア作用を示す物質を見出した。
著者
藤田 次郎
出版者
医学書院
雑誌
呼吸と循環 (ISSN:04523458)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.505, 2014-06-15

「呼吸と循環」の巻頭言として,「肺炎と心不全との接点」というテーマを考えてみたい.私は呼吸器内科医であり,胸部画像診断にて心不全であると考えられる所見が得られても,循環器内科医より,「心臓の動きはよい」,というコメントをしばしばいただいた.現在ではこの病態は「拡張不全型の心不全」として認識され,特に高血圧や糖尿病を合併する高齢者の女性に多く,左室駆出率は正常であることが知られている.肺炎と心不全とを鑑別することは治療方針の選択に直結することから,両者の鑑別点を示したい. 1) 肺炎と心不全との関連 心不全の悪化の原因として重要なものが感染症である.心不全患者が呼吸器感染症(気管支炎,肺炎など)にかかると,発熱や頻脈,低酸素状態によって心仕事量が増大し,心不全の急性増悪が誘発される.また炎症性サイトカインは心機能に対して抑制的に働くため,心不全を悪化させる.一方,心不全患者が呼吸器感染症にかかりやすいことも知られている.その要因として,心拡大に伴う気管支の圧迫による換気障害に加え,肺がうっ血状態になり細菌が繁殖しやすくなることによる.
著者
長井 真理
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.p465-472, 1981-05
被引用文献数
1
著者
栗田 秀法 KURITA Hidenori
出版者
名古屋大学大学院人文学研究科附属「アジアの中の日本文化」研究センター
雑誌
JunCture : 超域的日本文化研究 (ISSN:18844766)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.170-173, 2018-03-23

町田市立国際版画美術館 2017年4月22日–6月18日, 横尾忠則現代美術館 2017年9月9日-2018年2月4日(10月12日–11月17日 臨時休館)
著者
田中 大輔
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.130, no.3, pp.315-323, 2010 (Released:2010-03-01)
参考文献数
19
被引用文献数
4 5

Fragment-Based Drug Discovery (FBDD) has been recognized as a newly emerging lead discovery methodology that involves biophysical fragment screening and chemistry-driven fragment-to-lead stages. Although fragments, defined as structurally simple and small compounds (typically <300 Da), have not been employed in conventional high-throughput screening (HTS), the recent significant progress in the biophysical screening methods enables fragment screening at a practical level. The intention of FBDD primarily turns our attention to weakly but specifically binding fragments (hit fragments) as the starting point of medicinal chemistry. Hit fragments are then promoted to more potent lead compounds through linking or merging with another hit fragment and/or attaching functional groups. Another positive aspect of FBDD is ligand efficiency. Ligand efficiency is a useful guide in screening hit selection and hit-to-lead phases to achieve lead-likeness. Owing to these features, a number of successful applications of FBDD to “undruggable targets” (where HTS and other lead identification methods failed to identify useful lead compounds) have been reported. As a result, FBDD is now expected to complement more conventional methodologies. This review, as an introduction of the following articles, will summarize the fundamental concepts of FBDD and will discuss its advantages over other conventional drug discovery approaches.