出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.120, no.1, pp.Cover01_1-Cover01_3, 2011-02-25 (Released:2011-05-20)
参考文献数
4

(表面)大陸は異なった時代につくられた造山帯のモザイクであるが,平均するとTTG組成をもつ.その大陸地殻は太平洋型造山運動でのみつくられ,現在までに地表面積の1/3を占めるまで増加している.そのほとんどは太平洋型造山運動によってつくられた.大陸の衝突による造山運動は既存の造山帯を変形再結晶させるだけで増加させることはない.大陸の造山帯のモザイクは,大陸の歴史を直接反映し,大陸地殻の形成プロセスを記録している. (裏面)第1大陸と第2大陸はTTGで構成されるが,第3大陸はアノーソサイト組成である(Kawai et al., 2009).第2大陸の分布はアジア大陸の下で最大のサイズに発達している.それは遷移層最下部(520-660km)だけでなく,下部マントル最上部にも漂移している.太平洋とアフリカ大陸直下の2つのスーパープルームとアジア直下の大下降流が地球内部の大局的なマントル対流である(Maruyama, 1994; Maruyama et al., 2007a, b).(丸山茂徳)
著者
小林 伸行 都築 隆 萬造時 知子 渡部 洋行 竹澤 三代子 土屋 敦 土屋 章
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.34-41, 2014 (Released:2014-09-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1

目的:脂肪肝の線維化の指標としてのFIB4 Indexの有効性を検討する.方法:複数回受診の脂肪肝症例について,初回と最終回受診時のFIB4 Indexを算出した.線維化のcut off値を2.67とし,初回受診時2.67未満の12,059例を対象とした.初回から最終回受診までの期間,FIB4 Indexの変化を求めた.最終回受診時にFIB4 Indexが2.67以上へ上昇した症例について,性別,アルコール性/非アルコール性の脂肪肝種類別に比較した.FIB4 Index算定式の各因子(年齢,AST,ALT,血小板数)および超音波画像の変化を検討した.結果:最終回にFIB4 Indexが2.67以上に上昇したものは161例(1.3%)であった.この上昇群では初回からFIB4 Indexが有意に高値であった.観察期間5年未満のFIB4 Index上昇群の頻度1.1%に対し,5年以上では1.6%と有意に多かった.男女間やアルコール性,非アルコール性によるFIB4 Index上昇群の頻度には差を認めなかった.算定式の4因子のうち,ASTの変動が最も大きくAST/ALT比も初回0.86から最終回1.18と上昇した.初回から最終回の超音波画像上の変化は,161例中3例に肝辺縁の鈍化を認めたのみであった.結論:FIB4 Indexの変化に要する期間や,AST優位への変化から,線維化の予測指標としての可能性が示唆された.
著者
吉本 治一郎
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2008

農博第1721号

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1925年11月30日, 1925-11-30

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1926年10月20日, 1926-10-20
著者
吉見 俊哉
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.557-573, 2015 (Released:2016-03-31)
参考文献数
47

デジタル革命は社会的記憶の構造を持続的に変化させる. デジタル技術は同じ情報が大量複製されていっせいに伝播・流通し, 大量消費されていくというマス・コミュニケーションの回路に介入し, <生産→流通→消費> の空間軸の組織化を, <蓄積→検索→再利用> の時間軸の組織化へと転換させる. もはや <過去> は消えなくなり, 無限に集積されていく情報資源となる. ここで必要なのは, 文化の創造的「リサイクル」である. 古い記録映像は, 音や色を与えられて新しい教育の貴重な「資料」となり, 古い脚本のデータは新しいドラマ作品を創造していく基盤となる. この転換には, まず散在するさまざまな形態のメディア資産の財産目録を作成し, 原資料を安定的な保存環境に集めていく取り組みを進める必要がある. また, アーカイブ化されたデジタルデータについて, 共通フォーマットにより標準化を進め, 公開化と横断的な統合化を進めることも重要である. さらに, デジタルアーカイブ運用のための人材育成, 教育カリキュラムにアーキビスト育成を取り込んでいくことも必要となる. デジタル時代のアーカイブでは, 保存の対象はけっして政府・行政機関の公文書に限定されない. アーカイブ化される資料や情報には, 地域の人びとによって撮影されたり語られたりした情報が大量に含まれるし, マスメディアやインターネットの情報がともに保存されていく. それらの情報全体が, 国境を越えて結びついていくのである.
著者
南 憲治
巻号頁・発行日
vol.17, pp.A67-A80, 1984-02-01

本研究では,性役割に対する考え方が大きく異なると思われる2つの地域の小学生に質問紙調査を行い,児童の性役割の受容度に地域差がみられるか否かを検討しようとした。具体的には男尊女卑の傾向が根強く残っており,これと結びついて男女それぞれに望ましい行動様式が決まっている沖永良部島の1小学校と,男女を差別的に扱う伝統的な性役割観から男女の役割の違いを強調しない方向へ変わりつつあると考えられる兵庫県の2小学校を取り上げた。沖永良部島は鹿児島市から約500km南にある,人口,約17,000人の離島である。調査を行ったO小学校の児童の大半は農家の子どもたちである。田畑において男は主に農機具を使い,力を要する作業に従事しているのに対して,女は補助的な仕事(草を取ったり,花を摘むなど)をするだけであり,男女の役割は明確に区別されている。家庭でも男女の仕事は異なり,母親が炊事をしている間,父親は牛などの家畜の世話をしている。そして,男子は父親,女子は母親の仕事を手伝いながら大きくなり,男女それぞれに期待される役割は小さい時からはっきりと異なっている。これに対して兵庫県の2小学校は,大阪のベッド・タウンに当たる宝塚市のN小学校と,神戸市近郊に位置する三木市のM小学校で,ともに新興住宅地にあり両小学校ともサラリーマン家庭の児童が多い。また,共働き家庭の児童も多く,「男は仕事,女は家庭」といった伝統的な性役割観にも変化がみられ,男女の違いが強調されることは比較的少ないと考えられる。ところで,従来の調査によると,小学校の中学年頃から性役割の受容度において男女差が現れ,女子の性役割の受容が困難になることが指摘されている。たとえば,高橋(1968)は,小学校の1年生から中学3年生までの子どもに,自分の性に生まれてよかったか否かを尋ねた。それによると,男子は一貫して自分の性に対する評価が高いのに,女子の場合は,自分の性に生まれてよかったと回答する者の割合が,小学校の4,5,6年から急速に減少している。そこで,本調査では,性役割の受容において男女差が生じてくると思われる小学校の4,5,6年生を調査対象に選び,前述の性役割の受容度における地域差と同時に,男女差もあわせて明らかにしようとした。
著者
宮本 英美 李 銘義 岡田 美智男
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.78-87, 2007-04-20
被引用文献数
4

近年,人間とロボットの社会的関係に注目したロボットの研究開発が進められるに伴い,ロボットを用いた自閉症療育支援も提案されてきている。これまでの研究では自閉症児がロボット等の無生物対象に興味をもち社会的反応を示すことが報告されているが,ロボットが他者のような社会的主体として扱われていることを評価するのは容易ではない。本研究では,ロボットが社会的主体としてどのように関係性を自閉症児と共に発展させるかを検討した。養護学校の児童とロボットの相互作用場面を縦断的に観察し,ロボットの意図的行動に固執した二名の自閉症児のパフォーマンスを分析した。その結果,対象児はロボットの意図に対して鋭敏であり,ロボットと相互作用を続ける中で固執していた行動パターンを修正していたことが示された。以上の知見は,ロボットが自閉症児と社会的関係を発展させられると同時に,彼らの社会的反応の促進に有効である可能性を示唆している。

3 0 0 0 OA 酸素富化膜

著者
山路 禎三
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.187-192, 1981-03-01 (Released:2011-09-21)
参考文献数
34
被引用文献数
1 2
著者
熊谷 広子 渡辺 弘子 神津 登志枝 野口 ひろみ 高橋 元次
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.9-21, 1989-06-25 (Released:2010-08-06)
参考文献数
6
被引用文献数
8 13

Using noninvasive measurement techniques, parameters representing skin characteristics were measured in a total of 117 Japanese females ranging in age from 3 to 65 years. The parameters measured were sebum secretion rate, transepidermal water loss, skin surface conductance, skin color, skin surface temperature, corneocyte surface area, and skin surface microtopography. Measurements were taken twice for each subject, once in the summer (July) and again in the winter (December). Polynomial regression analysis was used to quantitatively assess age-related trends associated with changes in shin parameters. Also, to evaluate the progression of the aging phenomena in adults (i.e., physiological aging), multiple regression analysis was carried out with age as the criterion variable and the above parameters as predictor variables.The results of these analyses established the following facts: Most physiological skin parameters undergo changes that can be characterized by curves which attain peak values during the third decade of life, whereas morphological parameters tend to vary linearly with age. Until the third dacade of life, the physiological functions of female skin remain in the developmental phase and are extremely prone to fluctuations. However, during the third decade, the physiological development of the skin reaches a stage of completion and becomes comparatively stable, and thereafter commences a gradual transition to senescence concomitant with chronological aging. The degree of skin aging can be estimated by a quantiative assessment of age-related physiological phenomena and a comprehensive analysis of the relevant data.
著者
小長谷 幸平 藤野 正也
出版者
富士山科学研究所
雑誌
富士山研究 = Mount Fuji Research (ISSN:18817564)
巻号頁・発行日
no.13, pp.1-16, 2019-02-01

本研究の目的は、明治時代から戦後にかけて、駿河湾を隔てて富士山を見る視点はいつ、どのようにして変化していったのかを明らかにし、富士山を見る視点の変化を論じることにある。明治後期から戦前の期間に発行された絵葉書を対象に、画面構成要素を記録してデータベース化し、クラスター分析と主成分分析を実施して絵葉書を分類し、富士山を見る視点および三保松原を含む景観を見る視点の変化を検証した。 その結果、駿河湾を隔てて富士山を見る視点は、「富士山を含む俯瞰景」という意味では衰退することなく評価されてきたと考えられた。その理由として、俯瞰景としての清見潟のエリアは視対象として衰退することがあったとしても視点場として損なわれることはなかったこと、また同様の俯瞰景を享受できる日本平エリアの視点場が開拓されていったことが要因として考えられた。一方、低地からの三保松原を前景とする富士山の景観は失われてきたことが示唆された。要因としては清水港湾内の開発・工業化が考えられた。