著者
四王天 正臣
出版者
茨城工業高等専門学校
雑誌
茨城工業高等専門学校研究彙報 (ISSN:02863391)
巻号頁・発行日
no.46, pp.51-56, 2011-03

"Quantum Mechanics that was formulated around 1925 can explain experimental results extremely well. It's leadingfaction advocates "Copenhagen interpretation" which takes the position standing on positivism. The possibility, however, that thereare "hidden variables" in an underlying theory based on realism has been explored since the birth of quantum theory. Accompanied bythe development of experimental methods over the recent years, the possibility of the realism can now be discussed on the basis ofexperiments, not just theoretically. Here we review the approach of realism and examine the implications of The Free Will Theoremwhich was presented lately."
著者
山口 邦夫
出版者
駒澤大学
雑誌
法学論集 (ISSN:04393287)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.127-142, 1995-03-10
著者
外園 康智 長谷川 貴博 渡邉 知樹 馬目 華奈 簗 有紀子 谷中 瞳 田中 リベカ Mart'ınez-G'omez Pascual 峯島 宏次 戸次 大介
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本稿では、日本語・英語のテキストを論理式に変換し、自動推論を行う意味解析システムccg2lambdaの基本的な機能を解説し、特にこのシステムを金融ドキュメントの処理へと応用する試みについて紹介する。ccg2lambdaでは、統語・意味解析から推論までの各モジュールが明確に区別されており、統語情報・意味合成・意味表現をCCG導出木としてグラフィカルに表現する機能をサポートしている。このため、処理プロセスのどの部分で解析エラーが起こったのかを容易に同定することが可能である。ccg2lambdaの意味解析と推論システムについて紹介した上で、特に金融ドキュメントを対象とした含意関係認識と矛盾検知について具体例に基づいて説明する。
著者
横田 智 山尾 僚 鈴木 信彦
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲. ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.252-263, 2012-10-05

ワーカー多型の進化とその生態学的意義を解明するために,ワーカーに二型(メジャーおよびマイナーワーカー)がみられるオオズアリの分業体制を定量的に解析すると共に,メジャーの重要性が高い餌条件下で,カースト比やメジャー形態の可塑的変化が生じるのかを検証した.室内でサイズの異なる餌(大きい餌:フタホシコオロギ成虫,小さい餌:大きい餌を凍結粉砕したもの)を与え,餌場に現れたワーカーの個体数やメジャー比,行動様式,餌の解体の有無などを観察した.大きな餌を与えた場合,メジャーが餌場に多く現れ,マイナーが運搬行動に従事し,メジャーが解体行動に従事するという明確な分業がみられた.メジャーがいるコロニーでは,ほとんど場合餌が解体されたのに対し,メジャー不在のコロニーでは解体が生じたのはわずかであり,いずれも女王によるものであった.63日間,大きな餌を与えたコロニーと小さな餌のみを与えたコロニーのメジャー比及びメジャーの頭幅を比較したところ,メジャー比には違いはみられなかったが,頭幅には餌の大きさに相関した違いが生じた.腹部に栄養を貯蔵したメジャーがいるサブコロニー,貯蔵していないメジャーがいるサブコロニー,メジャーがいないサブコロニーをそれぞれ飢餓条件に置いて生存率を記録した結果,貯蔵したメジャーがいるコロニーが最も生存期間が長かった.以上の結果から,オオズアリの採餌におけるワーカーの明確な分業体制とメジャーによる食物貯蔵機能が明らかになり,メジャー形態の可塑的変異も確認された.メジャーカーストは餌の解体や栄養貯蔵に重要な役割を担っており,餌資源の獲得や維持に大きく貢献していると考えられた.
著者
萬年 一剛
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

関東地震は相模トラフを震源とする巨大地震で、地殻変動の検討から再来周期が180年から400年と考えられている。この再来周期が正しければ、最新は1923年大正関東地震であるので、歴史時代に数回の発生があったはずだが、1つ前の1703年元禄関東地震より前のものに関しては発生時期に定説がない。定説を持つに至らない理由は大きく分けて2つある。1つは、関東地震によって相模湾沿岸は隆起するものの、地震間の沈降によって、地震による隆起がほとんど残存しないためである。海岸地域の隆起履歴の解明には、海岸段丘の解析がもっとも有力であるが、正味の隆起量がほとんど無いこの地域においては、海岸段丘がないか、あっても貧弱かつ不明瞭で、十分な解析が出来ない。もう1つは、地震の記録はたくさんあるものの、被害の拡がりを把握するには至らず、地震の大きさの評価が難しいためである。地震の被害が少なくとも南関東全域に認められれば、関東地震である可能性が高くなるが、近世より前の歴史記録はほぼ鎌倉における被害に関する記述に留まる。神奈川県では、2011年の東日本大震災による津波被害を受け、沿岸における津波堆積物の有無を3カ年にわたって調査したが、その結果、海岸低地が陸化するプロセスと、その年代が明らかになった。このうち、鎌倉・逗子地域の海岸低地は6ka前後の内湾堆積物の上に、歴史時代の干潟堆積物が直接載り、それが河川堆積物や砂丘砂に覆われる、また、内湾堆積物と干潟堆積物の境界は現在の海水準付近にあるという共通した層序を有していることが判明した。しかし、干潟堆積物の年代は3グループに別れ、それぞれ18世紀、13世紀、9世紀を示す。これらはそれぞれ、元禄関東、1257年正嘉および1293年正応、878年元慶に近接している。また、古い干潟堆積物ほど、内陸側で検出された。干潟堆積物の形成過程は先行研究が乏しいが、高潮や洪水により堆積物は比較的短期間で入れ替わっているものと考えられる。干潟堆積物が地層中に残存するためには、隆起して高エネルギーの環境から離れ、浸食を免れる必要がある。したがって、干潟堆積物が古地震の年代に近接しているのは、地震による一時的な隆起とそれにより上位に河川堆積物や砂丘砂が堆積して波浪による浸食から保護された為であると考えられる。本研究は、正味の隆起量がほとんど無い海岸低地においても、隆起を伴う地震の履歴を、大量のボーリングと年代測定を元に解明できる可能性を示唆している。一方、この方法の信頼性を向上させるためには、干潟堆積物中の年代試料の年代分布など、海岸低地の地層形成過程に関する研究も併せて進行させる必要がある。【参考文献】Mannen, K., Yoong, K. H., Suzuki, S., Matsushima, Y., Ota, Y., Kain, C. L., & Goff, J. (2017). History of ancient megathrust earthquakes beneath metropolitan Tokyo inferred from coastal lowland deposits. Sedimentary Geology. https://doi.org/10.1016/j.sedgeo.2017.11.014
著者
武田 昌一 桐生 昭吾 山本 誠一 吉田 友敬
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

人間の感性メカニズムを解明する研究の一環として、音楽や音声を聴くだけではなく音楽に合わせて手を叩く、百人一首かるた競技時に読手の発声を聞いてかるたを取るなど、能動的動作が伴うときの脳の情報処理に関するいくつかの新しい知見を脳血流や脳波計測、聴取実験などの方法により取得した。更に、感性に関する応用研究の一環として、感情の強さまで自由自在に表現できる日本語感情音声合成方式を初めて実現した。
著者
高田 宏史
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.1_38-1_59, 2013 (Released:2016-07-01)
参考文献数
27

This article examines Jose Casanova's theory of public religion which first appears on his Public Religion in the Modern World, and the reorganization of liberal secularism that Charles Taylor discussed in his Secularism and the Freedom of Conscience.   In Casanova's theory, public religion was expected to complement politics of liberal democracy. This theory affects many political thinkers including Charles Taylor. Then, Taylor set forth the ‘liberal and pluralistic’ secularism which assigns important political roles on (public) religion. But Casanova himself now criticizes his theory of public religion and ‘liberal’ secularism. This article would articulate why and how he criticizes his original position and liberal projects of reorganizing secularism.   In conclusion, I specify some limits of liberal and pluralistic kinds of secularism. They cannot flee from their inherent tendency to ‘violence’ and treat secular (or Christian) arguments and non-Western religious arguments, e.g. Islam, equally.
著者
富士栄 厚
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.56-69, 2004-06-30

I analyze the environmental sculpture of Michael Heizer's "trace" by his action in the desert and create the connection between Art and Archeology. The "Trace" has multiple meanings. The notion of "Displacement" which is related to "Trace", is defined as the displacement of the people, objects and matter. "Displacement" denotes the replacement or transfer. 1) I situate the historic context which has made the foundation for the interdisciplinary theory between actual art and archeology through the exchange of information of American art historians and anthropologists.2) I analyze the relation of the contemporary Land art and the notion of "Colossal", which also has multiple meanings, issued from 18th century philosophy of the Sublime, as evidence of connection between art and archeology. I also analyze "Diffracted Gestalt", the key concept in understanding the works of M. Heizer 3) I analyze the notion of "Displacement", in three cases: (1)Monument, (2)Connection of art and archeology, and (3)Copy. 4) 1 consider the actions of M. Heizer as ritual and analyze the meaning of his individual ritualistic action, referring the American Indian's ritual in the art context.
著者
口村 淳
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.148-160, 2010-02-28

本研究の目的は,高齢者ショートステイにおける生活相談員の業務を明らかにし,その特徴について検討することである.特養併設型ショートステイを利用した167人の既存臨床情報(16種類)から,「相談員が関与した業務」を抜粋した.Krippendorff,K.の内容分析の手法により分析した結果,業務内容について22個のカテゴリ,さらに「予約および入退所に関する業務」「円滑なケアの実施に関する業務」「具体的サービス内容の調整」「新規利用に関する業務」「緊急的,一時的な業務」という5個の上位カテゴリに分類できた.ショートステイにおける相談員業務の特徴として,(1)予約および入退所に関する業務が多い点,(2)連携・調整・相談というスキルを多用している点,(3)「利用期間外」における業務が大半を占めている点,(4)「施設ケアマネジメント」に関する業務を担っている点,が示唆された.
著者
吉田 聡 細田 滋毅
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

北西太平洋は冬季に爆弾低気圧が頻繁に発達する海域の中で最も深い海洋である。渦解像海洋大循環モデルによるシミュレーションは爆弾低気圧が急発達する際、海洋混合層内では強い発散が起こり、2000m深に達する湧昇流が励起されることを示している。しかし、通常の海洋観測網では爆弾低気圧に対する海洋応答を捉えることはできない。深い冬季混合層のため、衛星観測による海面水温では爆弾低気圧による変化は見えない。また、10日毎のアルゴフロート観測は1日程度の爆弾低気圧の急激な観測をするには長すぎる。そこで、爆弾低気圧に対する海洋応答を観測するため、北西太平洋でのアルゴフロートを用いた高頻度観測を2015/2016と2016/2017の2冬季(11月~3月)に実施した。今回用いたアルゴフロートは観測の時間間隔と観測深度を衛星通信によってリアルタイムに変更できる。気象庁の週間アンサンブル予報を元に、観測海域で爆弾低気圧が高確率で予測された場合には6時間毎、650m深までの観測を実施し、それ以外は1日毎、2000m深の観測を実施した。この観測で爆弾低気圧活動が活発な冬季北西太平洋域の1148本の水温・塩分プロファイルを観測し、そのうち73本が爆弾低気圧直下の海洋を観測していた。本講演では観測した爆弾低気圧のうち、発達率が最大だった2016年3月1日の事例についての解析結果を報告する。
著者
三浦 麻子 平石 界 樋口 匡貴 藤島 喜嗣
出版者
関西学院大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究計画は,心理学,特に社会心理学領域における,実験結果の再現可能性の検証を組織的に実施する世界規模の再現可能性検証プロジェクトに参画するために,日本における拠点を構築するものである.具体的には,追試研究の実施の拠点となる研究者ネットワークを形成し,標準化された刺激・手続きの日本語版を作成し,手続きの共有と結果の蓄積・公開をインターネット上で実現する.2017年度の研究実績は,以下の3点に集約できる.まず,自分たちの手で着実に再現可能性の検証を積み重ねるため,標準化された刺激・手続きを共有しうる追試研究を事前登録の上で実施し,その成果を日本社会心理学会の年次大会で3件報告し,参加者と活発な議論を行った.次に,心理学における実験結果の再現可能性検証の重要性に対する認識を普及させるための取り組みを行った.特に今年度は,心理学の関連領域の学会誌(ヒューマンインタフェース学会誌)特集号への招待論文の掲載や関連する内容を取り扱った著書や翻訳書の刊行,インターネットラジオ番組への出演など,心理学を超えた周辺領域や心理学に関心をもつ一般市民をも視野に入れた活動を展開した.そして,結果の再現性に疑念のある研究ばかりが追試されがち(そして,再現されないという結果が公表されがち)な現状を憂慮し,心理学の今後の発展のためには,頑健な再現性をもつだろう研究の再現可能性にも注目すべきという信念を持って,その追試マテリアルを作成することにも注力した.この作業は現在も進行中で,2018年度にはAdaptive Memoryに関する実験のマテリアルが完成する予定である.
著者
楊 麗雅
出版者
城西大学
雑誌
城西人文研究 (ISSN:02872064)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.45-58, 1992-01-25