著者
野平 慎二
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.356-367, 2008-12

1990年代半ば以降、教職の脱専門職化を促進する教員政策が次々と打ち出されている。国民の高学歴化、消費者化とも相俟って、教師の社会的地位は相対的に低下し、教師の仕事は多様化、教職の専門性の基礎は不明確化している。ひるがえって、教職の専門性研究の主題は、地位や制度への問いから、専門的実践の内実への問いへと移行してきた。その背景には、専門性の制度的保障が権威主義に転化することへの疑義がある。本論では、学校教育の公共性が変質しつつある現状を踏まえ、学校教育の公共性の整理とそこでの教職の性格づけの検討をとおして、あらためて教職の専門性の基礎を問い直す。結論として、対話を基礎とした非権威主義的な教職の専門性の概念を提示する。それは、国家と社会からの教育要求に対して一定の自律性をもち、当事者のニーズを対話的に媒介することで、子どもの学習権を保障するものである。
著者
中平喜義
雑誌
防衛衛生
巻号頁・発行日
vol.32, pp.325-326, 1985
被引用文献数
1
著者
茂木 美智子 深井 康子 赤羽 ひろ 川染 節江 品川 弘子 日比 喜子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.268-273, 1988-12-20
被引用文献数
1

1949年から1986年に発行された料理書76冊より、511件のすし調理法を対象にファクトデータベースを作成し、構成要素の整理を行った結果、次の結果を得た。(1)すしの種類は、ちらしずし系25.2%、にぎりずし系13.9%、押しずし系19.8%、巻きずし系18.4%、いなりずし系18.4%、その他4.3%に分類された。(2)すし飯の炊飯方法は、湯炊き15.1%、水炊き78.3%、記載なし6.7%であった。(3)すし飯の加水比平均値は、米重量に対し1.27を示し、やや堅めであることが確認された。(4)合せ酢の酢・砂糖・塩の平均値は、それぞれ米重量に対し13.2%、4.5%、1.85%であった。寿司の種類によって味つけに差が見られた。(5)合せ酢の酢・砂糖・塩の量を料理書発行年と共に回帰分析の結果、酢と砂糖、酢と塩、砂糖と塩の間に有意の相関がみられ、すし飯の調味にバランスが保たれる機構が確認できた。また、年と共に酢の使用割合が増加し、塩の使用割合が減少している傾向が見られた。(6)具の平均材料数は5.7個であったが、ちらしずしの平均数は7.7個と最も高い値を示した。ちらしずしの具の出現頻度は、しいたけ、しょうが、錦糸卵、のり、はす、かんぴょう、にんじん、さやえんどうの順に上位8位占めた。
著者
福浦 厚子
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.116-130, 2017

<p>本研究の目的は、軍隊と社会との関係についてのこれまでの研究を概観したうえで、個別的日常的な民軍関係に着目し、社会学や文化人類学での成果を紹介し、近年の研究の特徴をみていく。そのうえで、日常に埋め込まれた軍隊と社会や個人との関係性を文化人類学的な視点からみることで、軍隊研究に新たな議論の局面を示したい。その一つの例として、自衛隊を取り上げ、これまで行われてきた自衛隊研究を、1:政軍関係その1、自衛隊を取り巻く政治状況の視点から検討する研究、2:政軍関係その2:医療や災害・メンタルヘルス対策として自衛隊でどんな対処が可能かについて検討する研究、3:ノンフィクション・ルポ、自衛隊員の視点に近い立場からの提言や報告、4:民軍関係の4つに大別し、そのなかの民軍関係について概観する。自衛隊の普通化、ソフト路線に注目し、その例として自衛官の婚活に着目し、雑誌MAMORや実際の自衛隊婚活のなかで語られる自衛官像や希望する交際相手や配偶者像がどのように表象されているのか検討する。その結果、従来の軍人妻研究にみられるダブルの役割期待が婚活にも存在するにも関わらず、言及されないままになっていることが明らかになった。</p>
出版者
巻号頁・発行日
vol.[1],
著者
小俣 謙二
出版者
名古屋文理大学短期大学部
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.41-51, 1998-04-01

犯罪の環境心理学的研究は, 従来, 犯罪者の人格特性などの主体的要因の分析を主におこなってきた.とくにわが国の場合こうした傾向が強いように思われる.しかし, 行動は通常主体と環境の相互作用の結果として生じるのであり, 犯罪もその例外ではない.このような立場から本研究ではまず, 従来の犯罪研究において環境の関与がどの程度明らかにされてきたのかを概観した.その際, 環境を巨視的環境と微視的環境の二つに分け, それぞれについて概観した.その結果, 所見の不一致や犯罪の分類の不十分さなど, 多くの課題が残されていることを指摘した.次に, わが国の場合, 実証的な研究そのものが不足していることから, 犯罪環境として最もしばしば言及される人口密集と犯罪の関係を都道府県単位で検討した.とくに, 今回の分析では密集を周辺環境の密集と住居内の密集に区分すること, 社会変動の影響の検討も含めて継年的な分析をおこなうことに主眼をおいた.その結果, 人口密集でも, 周辺環境の密集の指標である人口密度は犯罪認知総数, 窃盗, 強盗, 粗暴犯と関連するのに対して, 住居内密集の指標である一人当たりの畳数は殺人と強盗と関連するという違いがみられた.また, 人口密集や求人倍率, 都市公園面積, 転入率などの環境要因は年とともに相関関係が強くなること, 住居内密集度では1980年代後半以降に総数や窃盗との関係が弱まること, 知能犯はバブル景気の時期に当たる1980年代後半の一時期に密集の二つの指標や求人倍率と関連することなど, 年による変化もみられた.これらを踏まえて, 犯罪と環境の問題に関する今後の研究の課題と問題点を指摘した.
著者
大槻 洋二
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.63, no.507, pp.205-212, 1998-05-30 (Released:2017-02-02)
参考文献数
19

In this study I make clear the spatial condition of amusement quarter in Japanese modern city, paying attention to it's autonomic aspect. In the previous paper I attempted to analyze the urban space of Kobe Shinkaichi in terms of the city structure of Kobe. As the result I pointed out some opportunity of it's formation. In this paper I discuss the actual condition of Shinkaichi as the amusement quarter itself. So there are some difference between two areas in Shinkaichi from the point of view of the spatial construction and the function of building. However they disappear, uniting two areas along the center street gradually.

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1944年03月17日, 1944-03-17