著者
大曽根 圭輔 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第26回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.14, 2010 (Released:2010-11-05)

本稿では,セブンカードスタッドポーカーにおいて、プレーヤと対話しながらゲームを攻略するパートナーエージェントの構築を目指す.セブンカードスタッドポーカーは不完全情報ゲームであるため,最適な戦略をとる事が難しい.そこで,パートナーエージェントが,ゲームに関するアドバイスを提示し,また,プレーヤからパートナーエージェントに対しても戦略を提示するという対話を通じて,協調し,ゲームを進めることを考える.パートナーエージェントはプレーヤに,ゲームの状況に応じた自身の意思決定および,顔表情を併せて提示し,アドバイスをする.そして,プレーヤが,パートナーエージェントの意見に反論がある場合にはプレーヤからの意見を事例という形で保存し,後のゲームに利用できるようにする.本稿では,評価実験を行い,提案したパートナーエージェントの有効性およびプレーヤから得られたルールについて検証する.
著者
太田 正夫
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.38, no.7, pp.36-49, 1989-07-10

第一次感想を自由な発想で書かせれば、そこには「読み」と「自己表現」という二つの傾向が出てくる。この自己表現的傾向がでることは、小説の対話的構造が誘引するものであるから、感想にそれを認めることが大事である。そしてこの自己表現的傾向を持った多数の感想は筆者の意図にかかわらず、それ自体対話的要素を内包している。だから作品という大きな他者に対して、また多数の他者と対話を行わせることは読みを深めると共に読み手の思想を作ってゆくのである。
著者
山崎 清子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.395-402, 1961

(1) 電気自動ホットプレート、鉄板、フライパンを2個重ねたものは、熱容量が大きく温度変化は比較的緩漫である。<BR>(2) ホットケーキは加熱器具の焼き面が高温のときに焼くよりも、130~140℃ぐらいのときに生地を流し、180℃をもって焼き上がりとするほうが間違なくよく焼ける。<BR>(3) 膨化率は130℃から180℃までの範囲の焼き温度では、温度の高低によってほとんど変化がない。<BR>(4) ホットケーキに適度の焦げ色がつく温度は160~180℃である。<BR>(5) 材料配合については、各材料が基準量以下のものは概して製品の成績がよくない。<BR>(6) ホットケーキの膨化効果に顕著に影響するものはB.P.のほか卵の量の多少で、量の多いほうが膨化が大である。砂糖は15gが最も膨化し、30gになると減少する。一般に行われるように、あとでシロップをかけて甘みを補うほうが合理的である。<BR>脂肪は添加すると膨化を減殺するが、味と口ざわりをよくする上には大きな効果がある。その使用量の増加によって膨化率が特に減少することはない。成績の上から10gぐらいが適量である。<BR>(7) ホットケーキの生地の流動状態は、小麦粉に水を120~130%加えたくらいがよく、砂糖、脂肪、卵は換水値により、牛乳はその水分を考えて割り出すと基準量では牛乳100~110ccくらいが適量である。<BR>(8) 生地は混合直後に焼くのが最もよい。混合後20minで膨化率は直後のものの87%に下がるが、生地の広がり方にはほとんど変りがないから、実用上はこの時間の範囲ならば一時に混ぜ合わせておいてもよい。

3 0 0 0 投資経済

著者
投資経済社
出版者
投資経済社
巻号頁・発行日
1933
著者
牧大 節子 相良 悦郎 中川 冨士雄
出版者
Japanese Society of Pharmaceutical Health Care and Sciences
雑誌
病院薬学 (ISSN:03899098)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.130-131, 1978

The study was made on prescribed doses of 317 drug products for oral use which appeared frequently in 6, 594 inpatient prescriptions filled at the University of Tokyo Hospital in 28 days purposively selected from a period of 4 months from March to June 1976. The prescribed doses were compared with usual doses stated in the Pharmacopoeia of Japan and package inserts. The drug products prescribed within usual dose range composed 19.6% of the total products used, the drugs within and above usual dose range 24.3%, within and below 30.5%, within and above and below 20.2%, and out of usual dose range 5.4%. The percentage distribution agreed with a conjecture of pharmacists in practice.
著者
スザ ドミンゴス
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.1-24, 2005-06-30

キリスト教の啓示には異なる領域に属する二つの側面、すなわち歴史的真理と宗教的真理が含まれる。この二つの比較し得ない領域から、信仰と歴史の問題が生じてくる。すなわち神は歴史的現実として現れたが、それは直接的に知られるものではないし、歴史的知識から証明できない。では、いかに歴史的事実に基づいて宗教的真理に達し得るのか。本稿は、この根本問題に関するキェルケゴールの見解を考察する。キェルケゴールによれば、神が特定の時に人間の姿として現れたという出来事は、単純な歴史的出来事ではなく、絶対的事実である。すなわち、歴史的要素と永遠的要素とを含んでいる。イエスという人物が存在したことは歴史的探究によって証明されるが、歴史的探究からは、イエスが神であるという結論は導き出せない。この点に関する歴史的不確実性は、信仰によってのみ乗り越えられる。しかし、信仰によって得られた確実性は主体的なものであり、客観的なものではない。個人がこの事実を信ずることを決意するとき、それが誤謬であるかもしれない危険を冒す。キェルケゴールにとって信仰とは、まさに危険を冒しながら、しかも信じることである。
著者
KAWASAKI Kenichi
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.16-27, 2017-01

地域統合の動向には深刻な不確実性が高まっている。英国は、EUからの離脱を決定した。米国の新大統領は環太平洋パートナーシップ(TPP)からの撤退に言及してきた。本論文の主な目的は、応用一般均衡世界貿易モデルを用いて、地域貿易協定(RTA)の代替的なシナリオの経済効果を定量的に比較することである。米国は、TPPから撤退すると、裨益しないばかりか、損失を被る可能性も推計される。日本との2国間の自由貿易協定(FTA)及び経済連携協定(EPA)の効果はTPPよりも小さくなる。中国やメキシコに対する米国の高い関税の課税は、中国、メキシコばかりか米国の経済厚生を著しく損なう。中国の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)からの便益は、合意内容によっては、米国の関税の影響に比べて相対的に限られたものとなる。英国は、EUからの離脱によって損失を被るが、EU離脱のコストは、TPP参加の便益に比べて小さくなる可能性がある。総じて、関税削減に比べて、非関税措置(NTM)削減による所得効果はより大きなものとなることが示される。より大きな経済的な便益を享受するため、RTAの高い水準を達成する最善の努力が世界的に行われることが勧められる。
著者
中野 健 田所 千治 前川 覚
出版者
(一社)日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.10, pp.313-318, 2012 (Released:2013-08-02)
参考文献数
27
被引用文献数
1 5

The deformation of sliding objects plays an important role for determining the characteristics of frictional vibration. Therefore, to understand the frictional vibration of elastomers comprehensively, in-situ observations of contact area are necessary along with force measurements. In this article, after explaining the basics of frictional vibration using a single-degree-of-freedom model, some optical methods of visualizing the contact area (i.e., methods using transmission or reflection of visible light) are introduced. In particular, methods using the total reflection are hopeful to realize sensitive observations of contact area under dry or wet conditions.