著者
廣川洋一 [著]
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1999
著者
大久保 賢一 福永 顕 井上 雅彦
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.35-48, 2007
被引用文献数
1

通常学級に在籍する他害的な問題行動を示す発達障害児に対して、大学相談機関と小学校が連携し、学校場面における行動支援を実施した。対象児に対する個別的支援として、(1)適切な授業参加を促すための先行子操作と結果操作、(2)課題従事行動を増加させるための結果操作、(3)問題行動に対する結果操作を段階的に実施した。また、校内支援体制を整備するために、(1)発達障害の特性や問題行動の対応に関する校内研修の実施、(2)支援メンバー間における情報の共有化と行動の継続的評価、(3)全校職員に対する情報の伝達といったアプローチを行った。その結果、対象児の適切な授業参加や課題従事行動が増加し、問題行動は減少した。また、大学スタッフと保護者の個別的支援を実施する役割を学校職員へ移行することが可能となった。対象児に対する個別的支援と校内支援体制の構築に関して、その成果と課題について考察を行った。
著者
北本 朝展
雑誌
じんもんこん2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.9-16, 2014-12-06

遷画とは画像の収集と並べ替えに基づく参加型キュレーションシステムである.クラウドソーシングの観点から見れば,遷画は文脈依存的なアノテーションを通して画像に対する人々の多義的な解釈を引き出し,そのキュレーションを通して仮想展示「ツアー」を共有するシステムと位置づけることができる.2011年10月に遷画が東洋文庫ミュージアムに常設展示された後は,来館者が無料のお土産制作ツールとして遷画を利用する場合も増えたため,既に仮想展示の制作数は2600件を越えている.本論文はこうしたツアーが形成する集合的な文脈について,画像やツアーのレベルから分析を進めるとともに,展示の数学モデルを複雑ネットワークの手法などで分析し,展示の自動生成の可能性についても検討する.最後に遷画がミュージアムに対して与えるインパクトを,実例とともに議論する.
著者
早川 尚志
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科「地域と環境」研究会
雑誌
地域と環境 = Region and environment (ISSN:13440985)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.91-108, 2014-12-26

日本の都城プランが中国の長安を模倣したものであるのに対し,恭仁京のプランは都を貫く大河,内在する港,偏在する内裏と「朱雀大路」,左右京に山地が介在する狭隘な甕原の選地,と例外だらけであったが,その原因は長らく究明されてこなかった。そこで筆者は恭仁京を隋唐のもう一つの都洛陽と比較検討することで,その例外性の原因に迫り,恭仁京が他の日本の都城と違って洛陽を模倣して成立したものである可能性が浮上した。
著者
松崎 浩之 村松 康行
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集 2013年春の年会
巻号頁・発行日
pp.653, 2013 (Released:2013-07-31)

原子力発電所事故当時、住民に深刻な被ばくを引き起こす可能性の高い大量のヨウ素131(半減期8.02日)が放出されたが、半減期が短いため空間分布に関するデータが不足している。そこで本研究では、同時に放出されたヨウ素129(半減期1570万年)を測定することによってヨウ素131の沈着量を再構築することを目的とし、以下の三つの課題に取り組んだ:1)第1次調査で平成23年6月に採取された土壌試料のうちヨウ素131が測定されているものについてヨウ素129を測定し同位体比を求めること。2)第1次調査で採取された土壌のうち30km以内と線量が高い地域の試料を選び、ヨウ素129を分析し、ヨウ素131マップの精緻化を図ること。3)ヨウ素129の土壌中での深度分布や時間変化などを評価し、事故時ヨウ素131濃度マップの精度を上げると共に、ヨウ素129の環境中での長期的移行挙動に対する知見を得ること。
著者
大久保 立樹 室町 泰徳
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.573-578, 2014-10-25 (Released:2014-10-25)
参考文献数
18
被引用文献数
2 5 2

本研究では,海外版旅行ガイドブック(lonely planet)と旅行口コミサイト(tripadvisor)を対象に,その言語内容を解析し,有用な計画情報を抽出する手法を示した.その結果,ガイドブックにおいては,宿泊施設紹介ページの影響が大きく,観光地へのアクセス情報が豊富である一方,形容詞は少ないことが示された.口コミにおいては,買物,食,アニメ・ゲーム関連語が多く,観光客がこれらの内容に対して関心を持っていることが示唆された.さらに,旅行ガイドブックと口コミの観光地ごとの傾向には類似性があることがわかった.観光地ごとにみてみると,"temple"はAsakusa,"maid"と"anime"はAkihabara,"tuna_auction"はGinza-Tsukijiといったように,各観光地のイメージの特徴を抽出することができた.また,Akihabaraに関しては,ガイドブックと口コミのプロットの間にやや距離があることから,ガイドブックに記載されている情報とは異なる特徴を観光客はイメージしているものと推察された.
著者
原野かおり 桐野 匡史 藤井 保人 谷口 敏代
出版者
日本介護福祉学会
雑誌
介護福祉学 (ISSN:13408178)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.163-168, 2009
被引用文献数
1

介護福祉の仕事は多種多様で多忙であるにもかかわらず報酬も低いこと等から,離職率が全労働者の平均を上回っている.本研究では,介護福祉職員が介護福祉の仕事を継続している動機と離職意向が生じたときに離職を踏みとどまった理由を明確にすることを目的として7人の介護福祉職員に半構造化面接を行った.その結果,仕事を続けられる理由には,「労働条件」「職場のよい人間関係」「利用者からの信頼」「やりがい」「理想とする介護との出会い」「介護への自信」「仕事に対する価値」「人が好き」の8カテゴリーが抽出された.踏みとどまった理由は,「労働条件」「職場のよい人間関係」「やりがい」「介護への自信」「仕事に対する価値」「負けたくない」「損得勘定」の7カテゴリーが抽出された.これらの結果から介護福祉職が仕事を継続する肯定的要因の概要が明らかになった.
著者
金 相集
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 (ISSN:09151249)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, 2003-03-31

近年の情報技術を用いた電子メディアの飛躍的な発展は,われわれのコミュニケーション環境を一変させている。また,電子メディアがもたらす社会や文化は益々複雑にその様相を変えており,それをある一定の枠組みのなかで論じることはかなり困難な作業になっている。これらの問題を乗り越えるためには,変容しつつあるメディア空間を様々な観点から観察し分析する努力が求められている。本論文では,2000年の韓国国会議員選挙中に高まった「不適格な政治家を落選させようとした」市民運動としての「落選運動」に焦点をあて,この運動をめぐる新聞報道とインターネット(BBS)上での発信内容を分析しつつ,既存メディアとしての新聞とニューメディアとしてのインターネットの関係を明らかにすることを目的とした。第2章では,まず,われわれの社会が今まで経験し,そしてこれから経験していくメディアコミュニケーションの変化の位相を明確に捉えることを目的とし,各メディアの持つ特性について考察した。次に,メディア間で生じつつある融合やミックス,そして相互作用といったメディアコミュニケーションの変化の要因について述べた。最後に,メディアコミュニケーションの変化に欠かせない要因として,メディア環境の地域的特性を取り上げて論じた。第3章では,韓国における新聞とインターネットの特性について考察した。特に,新聞とインターネットを取り巻く環境を社会・政治的な面に注目しながら,主に両メディアの発展過程を中心に述べた。新聞においては,まず,日本による植民支配から解放後の新聞の発展過程を述べた後,その過程から生じた政治との癒着問題と政治権力から独立しようとしたマスメディアの改革運動を中心に韓国社会における新聞の特性を概観した。一方,インターネットにおいては,インターネットが韓国で急速に普及した原因と韓国社会におけるインターネットのもつ意味について論じた。第4章では,落選運動の期間中報道された新聞の内容と同期間行われたインターネット上での議論の相互参照の関係に着目し,1)新聞とインターネットの間に,言説の相互参照の関係はどのように行われるのか,2)メディア間の相互参照の結果,各々のメディアの発する言説はどのような変化をみせるのか,3)このようなメディアコミュニケーションの変化は,世論形成にどのような影響を及ぼすのか,という3つの観点で分析を試みた。その結果,新聞はインターネット空間で交わされる議論の主な情報源として用いられており,逆にインターネット上での議論及び話題も新聞に影響を及ぼしたという結論が得られた。また,このようなインターネットと新聞の発する言説の相互参照関係によって,一部の新聞においてその報道内容に変化が生じていることが確認された。第5章では,本論文の要約と今後の課題について述べた。本論文で分析した結果の全体的な考察を通して,メディア間の相互参照の関係がどのように地域社会の世論形成過程に影響を及ぼしているのかについて議論した。
著者
小林 正法 池田 賢司 服部 陽介
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第12回大会
巻号頁・発行日
pp.81, 2014 (Released:2014-10-05)

本研究では,解釈レベルの違いが検索誘導性忘却に影響するかどうかを検討した。検索誘導性忘却とは,ある記憶の検索が他の関連する記憶の抑制を導く現象である。解釈レベル理論から,高次解釈(e.g., Why思考)では関連付け符号化,低次解釈(e.g., How思考)では項目特定的な符号化を導くとされている。学習項目を関連付けることが検索誘導性忘却を減少するという知見から,本研究では高次解釈を行った場合,検索誘導性忘却が生じないと予測した。実験1,2を行い,得られた検索誘導性忘却効果を統合したメタ分析を行った。分析の結果,低次解釈群では検索誘導性忘却が生じたが,高次解釈群では生じなかった。このように,本研究は学習に直接影響しない操作である高次解釈(Why思考)が,検索誘導性忘却を減少させることを初めて明らかにした。
著者
海軍省 編
出版者
海軍省
巻号頁・発行日
1931