著者
高田 哲司 小池 英樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.3265-3275, 2000-12-15
被引用文献数
21 30

計算機の運用管理においてログ情報の調査は必要不可欠である.この作業は,計算機への不正侵入の多発にともないその重要性を増しつつある.しかしログ情報の調査は退屈で単調な作業であるため,その作業を敬遠する傾向が高く,結果として種々の問題を見過ごす原因となっている.さらに,異常を表すログ情報の抽出が困難であることも調査作業を困難にする原因としてあげられる.そこで本研究ではテキストマイニングをログ情報に適用し,異常事象を表すログ情報の抽出を支援する.さらにそれらの情報を情報視覚化を用いて図化してユーザに提示することによりログ情報の認識を支援する.我々はこれらの特徴により人間によるログ情報の調査作業を支援するログ情報ブラウザ``見えログ''を開発した.本システムを利用することにより,システム管理者が異常事象を表すログに関する種々の規則を事前に定義しなくても異常を表すログ情報の抽出を可能にする.また抽出された特徴情報は,情報視覚化によって図化されるとともに文字による表示と連係して提示される.これにより個々のログ情報に関する種々の特徴を容易に把握することが可能となり,人間が様々な観点をもとに注目すべき情報か否かを判断をすることが可能となる.これらの特徴により人間によるログ情報の調査作業を支援することが可能となる.It is necessary for system administrator to investigate some log information. The reason is that log-files contain enormous information generated from an operating system and various programs and these information are useful to solve a variety of troubles on computer. Moreover, an intrusion to the computer becomes serious problem more and more.A system administrator, therefore, has to watch a log information periodically in order to find out the intrusion marks.In this research, we developed log information browsing system, which is called ``MieLog'', in order to support such task.MieLog extracts some characteristics from log information.An example of these characteristics is the number of log outputting in fixed time or the length of log text.MieLog, moreover, represents their characteristics visually with textual information.As a result, MieLog makes it easier for system administrator to investigate log information.
著者
亀井 理 水野 光子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
人間文化研究年報 (ISSN:09115250)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.1-7, 1994
著者
真鍋 祐子
出版者
「宗教と社会」学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.46-67, 1996

<p>1970年11月13日、ソウルにある零細裁縫工場の労働者であった全泰壹は、勤労基準法の遵守を叫ぶ示威の最中、抗議のための焼身自殺を遂げた。体制をはじめとする他者たちに向けて演じられた彼の死は、60年代以降の飛躍的な経済成長め裏側で生存権を剥奪された民衆が、初めて歴史の主体として登場した事件と評される。伝統的な儒教の孝倫理に背く自殺という手段が敢行されたにもかかわらず、むしろ「冤魂」をめぐる両義性のゆえに、彼は韓国の民衆運動において尊崇されるべき殉教者のモデル、すなわち「烈士」に祀られた。本稿はその神話化過程を分析する試みであり、趙英来著『全泰壹評伝』(1983年)を資料とする。著者の析出した全泰壹闘争の在り方からは自己スティグマ化による価値逆転の過程が見出され、また生と死に関する記述から「民族民主主義」のための供犠としての意味づけが示唆された。ゆえに、それは80年代へ通ずる殉教者神話となりえたのだろう。</p>
著者
田中 弥生
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.1143-1149, 2014 (Released:2014-10-20)
参考文献数
4

2025年開始を目指した地域包括ケアシステムは、地域住民のニーズに応じた住宅が提供されることを基本とし、「生活上の安全・安心・健康を確保するために医療や介護のみならず、福祉サービスも含めた様々な生活支援サービスが日常生活の場(日常生活圏域)で適切に提供できるような地域での体制」と定義されている。この定義の中には、「食生活及び栄養障害の改善、疾病の再発予防や疾病の予防ができ、地域住民が住み慣れたところでその人らしい生活を送ることができる」ということも含まれており、そのためには要介護高齢者は病院から施設、在宅に移り変わっても一連で適切な栄養管理が必要である。栄養ケアに関する情報の提供、ケアマネジャーを中心とした多職種の協力、地域社会に密接した全高齢者への主観的栄養アセスメントの徹底、地域家族も含めて多職種全てのスタッフが共通の概念をもつことが重要であり、科学的根拠に基づく栄養管理を地域包括ケアシステムで共有することが必務である。

3 0 0 0 OA [お伽噺]

著者
佐藤新太郎 編・画
出版者
佐藤新太郎
巻号頁・発行日
vol.桃太郎鬼ヶ島でん, 1885
著者
半田 知也
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.45-52, 2012 (Released:2013-03-15)
参考文献数
18
被引用文献数
2

アナログ映像からデジタル映像への技術進展、3次元(3D)映画の公開などを背景に、家庭用3Dテレビ、ゲームの発売、複数の放送局が3D番組放送を開始するなど、3D映像は映像文化として定着の兆しを見せ始めている。現在主流である二眼式3D映像は、2台のカメラで簡単に立体空間を再現できる反面、不適切な空間映像を作りやすく、生体安全性について懸念されている。近年の3D映像は、3D映像制作ガイドラインの準拠、映像編集における技術革新、小児に対する視聴制限などにより生体安全性を最大限考慮されて製作されている。しかしながら、3D映像の生体安全性の担保には視聴者の3D映像への理解及び3D映像の適切な視聴法が重要となる。両眼視機能の専門家である視能訓練士は、3D映像を含む映像技術に対する理解を深め、その効果と注意点を客観的に評価し、社会に啓発する必要がある。現在、3D映像は映像メディアとしてだけではなく、教育・医療応用が注目されている。特に3D映像技術そのものを応用できる眼科検査応用への展望が開けてきた。 本稿では3D映像の現状について概説し、視能訓練士の立場から3D映像の視機能への影響及び、3D映像技術の視機能検査・訓練応用について述べる。
著者
島田 貴仁 雨宮 護 菊池 城治
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
no.35, pp.132-148, 2010-10-01
被引用文献数
2

近年,日本では,近隣での防犯対策が広く行われるようになったが,これらの防犯対策が一般市民の犯罪の知覚へどう影響しているかの実証研究は少ない.本研究では,近隣での防犯対策として青色防犯パトロールと犯罪発生マップ掲示を実施している首都圏の1市で住民調査(回答数1,171名)を実施し,防犯対策の認知が犯罪の知覚に与える影響を階層的重回帰分析で分析した.犯罪の知覚を個人-地区,認知-感情の2軸からなると考え,個人の被害リスク認知と犯罪不安,地区の治安評価と満足感の4つを目的変数とした.各目的変数を回答者のデモグラフィックなど統制変数のみで説明するモデルと,統制変数に防犯対策の認知を加えて説明するモデルとを比較したところ,防犯対策の認知は被害リスク認知,地区の満足感に対して有意な影響を与えていた.青色防犯パトロールは,パトロール車両を見た回答者の被害リスク認知を高める一方,地区の満足感を低めていた.一方,犯罪発生マップの掲示は,その内容を確認した回答者の地区の満足感に影響していたが,被害リスク認知や犯罪不安には影響していなかった.近隣での防犯対策の選択への含意が議論された.
著者
矢野 久
出版者
慶應義塾経済学会
雑誌
三田学会雑誌 (ISSN:00266760)
巻号頁・発行日
vol.99, no.3, pp.507(155)-510(158), 2006-10

小特集 : 社会史の実証と方法
著者
大島 秀則 唐沢 潔 坂之井 和之 青井 透 大森 美香子 平野 景子
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境工学研究論文集 (ISSN:13415115)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.43-50, 2001-11-28 (Released:2011-06-27)
参考文献数
12

The Watarase reservoir is the maximum flatland rservoir in Japan, and is one of the main water resources of metropolitan area. But at this reservoir, musty odorproblem arises frequently by the eutrophication, and it becomes a serious problem in water usage. Though the reed field purification method is being tried as a purification countermeasure, it is also necessary to examine the other method. Kenaf is an annual tropical plant originated from Africa. It is known that kenaf can grow also in hydroculture and that the good activated carbon can be producedfrom the wood-base trunk which can be utilized for the removal of the musty odor. As a result, kenaf may be able to contribute to the water purification in the Watarase reservoir.Then, the author carried out the purification experimentby the kenaf hydroculture system using the reservoir water, and characteristics of the purification were examined.Next they tried to produce activated carbon for water treatment from the core of kenaf. It was found that good activated carbon which removes color and odor (2-MIB) as well as other activated carbons on the market can be produced from kenaf core. Information on the activated carbon was reported.

3 0 0 0 OA 郷土研究

著者
山形県女子師範学校 編
出版者
山形県女子師範学校
巻号頁・発行日
vol.第2輯, 1936