著者
吉田 雅裕 大坐畠 智 川島 幸之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.31, pp.49-54, 2008-05-08
被引用文献数
3

P2Pファイル共有ネットワークは,プロトコルにファイル流通制御機能を備えていない場合がある.そのような場合は,ポイゾニング手法を用いることが有効である.P2Pネットワークにおけるポイゾニング手法とは,制御用に加工したファイル情報,またはファイル本体をネットワーク上に拡散し,制御対象ファイルのダウンロードを困難にする方法である.しかし,国内で広く利用されているWinnyやShare等のP2Pファイル共有ネットワークは,ポイゾニング手法への対抗策となるように,ファイルIDによる検索が可能となっている.そこで本稿では, Winnyネットワークを対象にファイルID検索に対しても有効なポイゾニング手法を実装し,評価実験により効果を確認する.
著者
岸本 正司
出版者
日本法政学会
雑誌
日本法政学会法政論叢 (ISSN:03865266)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.111-132, 1997-05-15

1. Introduction I remarked the reason why I selected the theme, and the necessity of considering the system legally and culturally, which is described from a different point of view comparing with other postwar treatises on the Constitution of Japan. 2. The purpose, nature, and problems of this sytem I calssified some main interpretations of the Constituton focussing on the system. And then I showed the limitations of postwar explanations for consistency between the system and Japanese society's condition. Plus I wrote I and other specialists could not present a significant vision for the future from the postwar viewpoints. 3. The Judical Precedents of the Review of the Supreme Court I analized the precedent of the Supreme Court in 1952. And I looked over the background of the precedent which states the system of the review of the Supreme Court is that of recall. 4. The Origin of the system and the Revision from Japanese Conception I investigated throughly the process in which the legal system was added into the Constitution for the first time. And I researched into the reason why the original model of the review system has been changed into the present one. 5. Conclusion In conclusion, I specified three main points of legal culture or conception in Japan, which come from Japanese mentality. Second, I examined both the theory for retaining the system and that for abolishing the system. Finally, I concluded that the system should be abolished after these considerations.
著者
横山 浩
出版者
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

家畜排泄物の処理、及び資源回収法として水素発酵が注目をされている。水素発酵には単離された水素生産菌を種菌として接種する純粋培養系と、堆肥や活性汚泥、嫌気性消化汚泥などを純化することなく種汚泥としてそれらに含まれている微生物群を利用する複合培養系がある。複合培養系では、原料の滅菌が不要である利点があり、家畜排泄物などを原料とした場合に適している。近年、分子生物学的手法による有力な菌叢解析法として、16SrDNA領域の多型を利用したDenaturing Gradient Gel Electrophoresis (DGGE)法が開発されている。本研究は、DGGE法による乳牛糞尿スラリーからの水素発酵に関与する微生物群の菌叢解析を実施して、その水素発生のメカニズム解明を検討する。60℃と75℃で嫌気培養した乳牛糞尿スラリーとコントロールとして、培養前のスラリーをDGGE解析の試料とした。その試料から16S rDNAのV3領域をGC-341Fと534RプライマーでPCR増幅した。そのPCR産物のDGGEで分離して、バンドに含まれているDNA配列を決定した。60℃発酵させたスラリーからは、Clostridium thermocellumやClostridium stereorariumに類似した細菌が検出された。これら細菌種は、高温水素発酵での種菌として使われる水素生産菌であることから、スラリーの60℃発酵における水素発生に関与する可能性が示唆された。また、75℃発酵させたスラリーからは、Caldanaerobaeter subterraneusに類似した細菌が検出された。C.subterraneusは、海底の熱水噴出口などの高度高温環境に生育する嫌気性高度好熱細菌であり、水素を発生することが知られている。従って、C.subterraneusに類似性を示す細菌がスラリーの75℃発酵における水素発生に関与する可能性が示唆された。本研究から、乳牛糞尿に水素を産生する有用細菌種が明らかとなった。家畜排泄物は発酵の汚泥として有用であり、また、微生物資源としても貴重であること考えられる。さらに、70℃以上に至適増殖温度を持つ嫌気性高度好熱細菌が家畜糞に含まれていることは想定されておらず、本研究結果は新規知見であると考えられる。
著者
加藤 雅治
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
まてりあ (ISSN:13402625)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.256-261, 2008-05-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
7
被引用文献数
1
著者
宮野 勝
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.55-69, 1994

複数議席の選挙システムにおける、有権者の選挙結果への影響可能性を考察する。複数議席の選挙においては1議席の選挙では生じないいくつかの新たな問題が生じる。とくに選好の対象が候補者個人から候補者の組に変わるため、予想の役割が深化し、新たな戦略的な配慮が必要になる点を考察した。また、実際に、議席数2・候補者数3という最単純ケースをとりあげ、最も単純な計算方式である多項分布モデルで影響力の計算を試みた。<BR> シミュレーションの結果、この仮定の下では、1議席2候補の選挙に比べ、2議席3候補の選挙の方が、有権者の影響力は大きいことがわかった。選挙結果に対する影響可能性を考慮する有権者が多ければ、1議席2候補の選挙よりも2議席3候補の選挙の方が投票率が高くなることになる。<BR> また、2議席3候補の選挙において、1人1票の場合と1人2票の場合を比較した。直観的には1人2票の方が影響が大きいと予想したが、両者で大きな差はなく、予想とは逆にわずかながら1人1票の方が影響力が高かった。
著者
山名 淳
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育學研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.336-347, 2011-12-29

本稿では、ドイツの「新教育」に関して20世紀末に生じた論争に注目し、そこで提起された「新教育」を相対化する具体的な方法およびそのバリエーションを概観すると同時に、「新教育」の虚構性をめぐる争点を明らかにする。そのことをとおして、教育学的な〈カノン〉(=教育学において標準とみなされてきた知識やテキスト)を相対化するための方法およびその課題について検討を試みる。
著者
西口 照男
出版者
長崎大学経済学部研究会
雑誌
経営と経済 (ISSN:02869101)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.449-488, 1965-10

3 0 0 0 学園キノ

著者
時雨沢恵一[著]
出版者
角川書店 (発売)
巻号頁・発行日
2006
著者
大坂 友和 前田 良輔 坂東 敏博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.693, pp.41-48, 2002-02-28
被引用文献数
1

表情を伴った顔画像から感情を判断する際に,瞳孔径が及ぼす影響を調べた.喜び,怒り,恐怖の表情を持つ顔画像をもとに,瞳孔径を3段階(大,中,小)に変化させた顔画像の対を被験者に提示し,各感情の現れ方を順位付けしてもらった.その結果,喜びと恐怖の顔画像の感情評価では瞳孔径「大」の順位が高くなり,怒りの感情評価では一部の群で瞳孔径「小」の順位が高くなった.この結果は,顔の感情評価に瞳孔の大きさが影響していることを示し,各感情に伴う瞳孔径変化の特徴を反映した顔画像がより的確に感情を伝える可能性のあることを示唆している.