著者
石渡 明弘 伊藤 幸成
出版者
社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.382-394, 2012-04-01
被引用文献数
9

1,2-cis Glycosidic linkages are prevalent in natural glycans. Although key factors that control stereoselectivity of glycosylation have been largely understood, stereoselective synthesis of 1,2-cis glycosides is potentially problematic. To achieve exclusive formation of desired isomer, approaches based on intramolecular aglycon delivery (IAD) are of special promise. In the last two decades, various mixed acetal linkages and a number of glycosyl donor moieties have been making much progress to develop novel IAD strategies, mainly based on formation of the acetal linkages.The methodology toward the strereoselective 1,2-cis glycosylation using naphthylmethyl (NAP) ether-mediated IAD has been developed. Namely, 2-O-NAP protected donor was cleanly converted to the mixed acetal upon oxidative activation with DDQ. Subsequent activation of thioglycosidic linkage initiated the rearrangement of an aglycon from mixed acetal moiety to give a desired 1,2-cis glycoside. Stereospecific constructions of various 1,2-cis linkages, which are not only β-mannopyranoside but also other linkages such as β-L-rhamno-, α-glucopyrano- and β-arabinofurano-sides, were achieved through NAP-IAD. This methodology was successfully applied to the synthesis of various fragments of natural glycans.
著者
瀬田 祐輔
出版者
中部図書館情報学会
雑誌
中部図書館情報学会誌 (ISSN:21851743)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-11, 2011-03

『小学校件名標目表:第2版』の評価が然るべく求められている。旧版からの問題点でもある維持機能を評価する際の客観的な指標の一つとして、付与実績にみる新設件名の占有率が考えられる。本稿においては、全国学校図書館協議会選定図書への付与実績(5年度分)から、新設件名の占有率を求め、また、その分析を通して新設作業の難易についての検討を試みた。その結果、『小学校件名標目表:第2版』を典拠とした件名の新設作業は容易であるとはいえず、維持管理についても難しいことが推測された。
著者
中村 修二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.96, no.445, pp.31-36, 1997-01-17
参考文献数
21

InGaN多重量子井戸構造レーザーダイオードで初めて室温連続発振で27時間の寿命が達成された。しきいち電流と電圧はそれぞれ80mA、5.5Vまで減少させることができた。しきいち電流密度は3.6kA/cm^2とまだかなり高い。レーザー発光スペクトルではきれいに縦モードが室温連続発振の状態で観測された。縦モード間隔は0.0.42nmであり、これは計算値よりも少し小さい。発光ピーク波長は405.83nmであった。これは現存する室温連続発振する半導体レーザーの中では最短波長である。発振スペクトルの温度変化を測定すると大きなピーク波長のモードホッピングが観測された。キャリア寿命としきいちキャリア密度はそれぞれ10nsec、1-2×10^<20>/cm^3と見積もられた。
著者
江端 義夫
出版者
広島大学教育学部
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要 第二部 文化教育開発関連領域 (ISSN:13465554)
巻号頁・発行日
no.49, pp.93-100, 2000

This paper attempts to prove the proper grounds of the Social Geodialectological study on the word atlas of the accent in Japan. We should discuss positively about the word-accent atlases in future, although the comparative dialectology had been maintained the systematical method for a long time. The following 4 points are discovered: l.Tsu┌rubega┐, as the Tokyo dialect accent, has covered over the Central Japan since 1960. 2. ┌Tsu┐bega, which is a special accent, has been increased suddenly among the youth since 1980. 3. Because we became not to use the "tsurube" in daily life, the youth had confused the name of the comedian with "Tsurube" as a well bucket. 4. ┌Tsu┐bega, which was different from the big two accents of East and West Japan, happend to emerge according to these complex reasons. Comparing with the dialect atlases of several decades, we can promote to study the accents geodialectologically.
著者
坂東 忠司 谷川 幸江 櫻井 真由美
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学環境教育研究年報 (ISSN:09193766)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.85-99, 2001-03-31
被引用文献数
1

巨椋池干拓地の植物相を調査し,404種を確認した。干拓前に報告されている167種のうち91種はすでに見られなくなったが,残る76種は現在も生育していることが明らかとなった。この70年間に植物の種数は2.4倍に増加したが,これは干拓地の乾燥化によって水分環境が多様化したことに加え,鳥を中心とした動物や道路建設に伴う客土,あるいは耕作に伴う種子の持ち込みなどに起因するものと考えられる。中でもキク科,マメ科,イネ科のように,多くの帰化種を含む分類群の増加が著しい。現在,巨椋池干拓地およびその周辺の環境は加速度的に変化しつつある。現在の植物相を記録しておくことは,今後の環境変遷を考える上で重要な基礎資料となるものと思われる。
著者
鈴木 宏子
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.518-511, 2012-03

紀貫之は、最初の勅撰和歌集である『古今集』の編纂作業の中で多くの歌を収集し、またそれらの歌を理解し分類・配列することを通して、和歌についての知見を深めていった。そして得られた知見を自分の歌において確認し、『古今集』に随時反映させていったことは想像にかたくない。貫之は表現の〈型〉についてきわめて意識的な文学者であったが、そのような資質は歌集編纂作業の中で培われたものと見ることができる。先に稿者は歌集編纂の問題を念頭において『古今集』四季歌の表現分析を行なったが、本稿では恋歌をとりあげて、万葉相聞歌以来の〈型〉を継承する歌、『古今集』よみ人知らず歌の新たな動向を捉えた歌、紀貫之から始まる新しい〈型〉を用いた歌のそれぞれについて具体例を挙げて論じる。
著者
鈴木 宏子
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.518-511, 2012-03

紀貫之は、最初の勅撰和歌集である『古今集』の編纂作業の中で多くの歌を収集し、またそれらの歌を理解し分類・配列することを通して、和歌についての知見を深めていった。そして得られた知見を自分の歌において確認し、『古今集』に随時反映させていったことは想像にかたくない。貫之は表現の〈型〉についてきわめて意識的な文学者であったが、そのような資質は歌集編纂作業の中で培われたものと見ることができる。先に稿者は歌集編纂の問題を念頭において『古今集』四季歌の表現分析を行なったが、本稿では恋歌をとりあげて、万葉相聞歌以来の〈型〉を継承する歌、『古今集』よみ人知らず歌の新たな動向を捉えた歌、紀貫之から始まる新しい〈型〉を用いた歌のそれぞれについて具体例を挙げて論じる。
著者
Damrosch David
出版者
現代文芸論研究室
雑誌
れにくさ = Реникса : 現代文芸論研究室論集 (ISSN:21870535)
巻号頁・発行日
no.3, pp.133-155, 2011

特集 世界文学へ/世界文学から : 比較・翻訳・日本と世界The Brave World Literature Revisited : Contemporary Approaches to Literary Studies, November 12, 2011, the University of Tokyo国際シンポジウム「世界文学とは何か?」, 2011年11月12日, 東京大学私の著書『世界文学とは何か?』で中心的に扱ったのは、文学作品が元来の環境の外へ出て、翻訳され世界文学のグローバル空間に入って新しいものになるとき、作品に何が起こるのかという問題だった。しかし、ここで私が論じたいのは、異質な伝統間に見られる断絶をどう考えるべきということだ。その断絶は決して絶対的なものではない。そして今日のグローバル時代にあっては、各伝統の持つ共約不可能性こそが、新たな重要な役割を果たすということを示したい。(1)まず、東アジアとヨーロッパで、詩作がどのように捉えられてきたかを比較しよう。西洋の伝統では、文学は詩人や作家が「作る」もの(ポイエーシス)である。他方、中国や日本では、杜甫や芭蕉の詩を見ればわかるように、文学は現実に深く根ざしたもので、詩人は自分の観察と経験をありのままに書くとされた。しかし、この違いを強調しすぎるべきではない。それは本質的な差というより、程度の問題である。杜甫や芭蕉の詩もまた緻密につくり上げられた構築物という側面を持つのに対して、ワーズワースは<詩人=フィクションの作り手>とする西洋の伝統の内部で詩作しているにもかかわらず、その作品の背後には伝記的要素が秘められている。(2)17世紀から18世紀にかけて、世界の様々な場所で、商人階級が新たな力を得て自らの声を響かせはじめ、19世紀に至り旧来の貴族制を決定的に退去させた。文学はこうした推移を、初期段階からいち早く取り上げた。まったく異なる文化圏が、同様の推移を経験したため、そこから生まれた作品どうしの興味深い比較が可能になる。格好の例として、フランスの劇作家モリエールの『町人貴族』(1670)と近松門左衛門の『心中天網島』(1721)を挙げよう。日仏の演劇の伝統はまったく別のものだったが、これら二人の戯曲家は勃興しつつあった新たな社会秩序への関心を共有していた。そのおかげで、二人の作品の間には興味深い一致が見いだせるのである。(3)現在多くの作家たちにとって真の「外国文学」とは、外国の同時代の文学よりも、自分の伝統における古典作品のほうではないだろうか。日本の近代作家のなかで三島由紀夫ほど、前近代の失われた過去に深い関心を持ったものもいないだろう。『豊饒の海』四部作は、前近代アジアの過去と、グローバルな近代性とを織りあわせる方策の百科事典と言ってもいい。三島は平安時代の世界を新しく蘇らせるためにプルーストを用い、さらにプルーストを脱構築するために紫式部を用いた。この二重のプロセスのおかげで、三島はどちらの伝統に対しても、深く依拠しながら、単なる模倣に終わらずに済んでいる。近代世界文学に対する三島の最大の貢献の原動力となっているのは、古代と近代、そしてアジアの伝統とヨーロッパの伝統の共約不可能性である。そして共約不可能性の比較こそは、今日の世界文学研究の新しい一面なのである。
著者
井上 力
出版者
電力社
雑誌
電力 (ISSN:04170245)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.4-15, 1966-11
著者
大野 徳衛
出版者
火力発電技術協会
雑誌
火力発電 (ISSN:03870987)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.349-358, 1971-04