著者
野中 公子 永田 俊明
出版者
九州看護福祉大学
雑誌
九州看護福祉大学紀要 = The Journal of Kyushu University of Nursing and Social Welfare (ISSN:13447505)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.115-124, 2012-03

現代のいじめは、大人社会の反映であるといわれて久しく、30年以上は続いていると言われる。社会の複雑さや核家族化少子化などは家族の機能を変化させ、さらに受験戦争や格差社会は、社会全体の関係性の希薄さや個人主義の傾向を生み出した。親から自立していく過程において、児童期~思春期~青年期の友人関係は重要な意味を持つと考える。いじめ体験は、その後の生涯発達における青年期後期の適応状態とも関連してくることが予測できる。これらのことから本研究の目的は、大学生を対象とした質問紙調査をもとに、いじめ体験の時期とその後の影響との関係を明らかにすること、さらに現在の自尊感情と友人関係にどのような影響を及ぼしているのかを発達の観点から検討することにある。青年期の男女396人を対象とし質問紙調査を実施した。質問紙は、妥当性信頼性が標準化されている尺度、①友人関係②自尊感情③いじめの影響尺度を用い、統計ソフトSPSS(12.0)を使用した。本研究で以下のような結果が得られた。1.小学校以前・小学校時期のいじめ体験の影響“同調傾向”は、その後の自尊感情に影響を及ぼす。 同調傾向が増せば増すほど他者に同調しようとすることにより、自尊感情も高くなる。2.中学校時期の、いじめ体験の影響“他者評価への過敏“は、その後の友人関係に影響を及ぼす。 他者への評価が過敏になればなるほど友人関係は深まる。3.複数時期の、いじめ体験の影響“他者評価への過敏”は、その後の友人関係に影響を及ぼす。 他者への評価が過敏になればなるほど友人関係は深まる。 本研究結果は、体験の時期ごとに分類し、過去のいじめ体験が現在の自己に及ぼす影響を検討できた点は意義があったと考える。
著者
池上 重弘 上田 ナンシー直美
出版者
静岡文化芸術大学
巻号頁・発行日
2016-02

浜松市は多文化共生先進都市として広く知られ、行政や民間団体等による先駆的な取り組みが展開しています。本シンポジウムでは、多文化共生をめぐる代表的研究者・実践者をお招きし、現在の浜松の状況はどの面で多文化共生のフロンティアであり、どの面に取り組むべき課題があるかを明らかにします。
著者
杉本 洋輝 光来 健一 山口 実靖
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2016-OS-136, no.3, pp.1-7, 2016-02-22

仮想化環境下において,HDD へのアクセスは二重のキャッシュ (ホスト OS ページキャッシュ,ゲスト OS ページキャッシュ) を介して行われる.このような二重キャッシュ環境ではホスト OS ページキャッシュへのアクセスに通常とは逆向きの負の参照の時間的局所性が存在することが実 OS を用いた検証で確認されており,ホスト OS にて通常の参照の局所性を期待している LRU は効果的に機能しないことが確認されている.また,キャッシュ管理手法としては LRU より FIX (キャッシュ内容固定) の方が性能が高いことがシミュレーションにより確認されている.本稿では,仮想化環境においてキャッシュ対象領域を固定化するファイルシステムを構築し,仮想化環境における I/O 性能の向上手法について考察する.
著者
中川 岳 川田 裕貴 追川 修一
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2016-OS-136, no.15, pp.1-6, 2016-02-22

プログラムの実行単位であるプロセスは,CPU 時間,メインメモリといった種々のリソースを消費する.その中でも,利用可能なメインメモリ量はシステムの安定性に与える影響が大きい.そのため,ユーザは大量にメインメモリを使用するプロセスを把握し,必要に応じてリソース制限を行うなどして,利用可能なメインメモリを一定以上に保つことが望ましい.しかしながら,プロセスはときにユーザの意図しない,大量かつ急速なメモリ消費を行う.既存のオペレーティングシステム (OS) のリソース管理機構では,このような大量のメモリ消費によるシステムの不安定化を未然に防ぐことは難しい.システムでメモリリソースの枯渇が起こった場合に,動作中のプロセスを停止することによって,利用可能なメモリ量を確保するメモリ管理戦略も存在する.しかしながら,この戦略には,不安定化の原因ではないプロセスを誤って停止する問題もある.そこで本発表では,プロセスのメモリ消費のふるまいに基づいた,プロセスのリソース管理を提案する.この提案手法では,プロセスのメインメモリ消費の速度に着目し,問題のあるメモリ消費の予兆を検出する.問題のあるメモリ利用を行ったプロセスについては,スケジューリングから一時除外し,それ以上のシステムの不安定化を防止する.この手法を用いれば,これまで対処が難しかった,ユーザが意図しない,大量かつ急速なメモリ消費を検出することができる.また,その問題のあるメモリ消費に伴うシステムの不安定化を未然に防止することができる.本発表では,その提案手法の設計について議論する.
著者
杉山 英子 中沢 ひとみ 中澤 公美 渋沢 明希子 高橋 実沙登 中村 真理子 永下 祐衣 前角 みちる 松本 秀樹 石尾 さゆり 小澤 里沙 横山 伸
出版者
長野県短期大学
雑誌
長野県短期大学紀要 = Journal of Nagano Prefectural College (ISSN:02861178)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.13-17, 2011-12

The present study investigated the stereotypes of the ideal male and female face shapes depicted in Japanese comics (manga) and their influence on body image. General trends of face shapes in male and female figures (n=1381) were analyzed in manga published during 2006-2008. In manga for female readers, both males and females have a thinner cheek-jaw silhouette, while in manga for male readers, they have a natural cheek-jaw silhouette. Moreover, compared with females’ face shapes of males depicted in all the manga categories have more variation of face shape. Interestingly, males in manga stories for adult female readers are depicted with the highest frequency of thin cheek-jaw silhouette. The meaning of the thinner cheek-jaw silhouette in manga is discussed.
著者
矢野 香代 大浜 敬子 産田 真代
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.175-183, 2007

都市社会の夜型化は地域の大人の生活にも波及し,その影響を受けて子どもの生活の夜型化が問題視される.母親の睡眠に関する実態・知識・意識及び地域背景が子どもの睡眠習慣にどのような影響を及ぼすかを明らかにし,子どもの睡眠習慣についての基礎資料を得ることを目的に調査を行った.A県B市の2保育園に幼児を通園させている母親180人を対象に睡眠行動・意識等に関する無記名式質問紙法を行った.回答を得た115人(回収率63.9%)を分析対象に,SPSS Ver.12を使用し解析した.その結果,母親の睡眠行動と子どもの睡眠行動は有意に関連していることが認められた.母親の睡眠行動が子どもの睡眠に及ぼす影響を母親が理解することで,双方にとっても良好な睡眠環境が形成されることが期待された.子どもの心身の健康の向上や子どもの望ましい生活リズムの確立のため,母親が求める情報を明らかにし,保健活動の一環として必要な知識を提供していくことが重要であると考えられ,地域看護活動の支援課題としての重要性が示唆された.
著者
早川 智一 疋田 輝雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.573-582, 2016-02-15

本論文では,HTML5とJavaScript関連技術とを用いた仮想Webブラウザ(以下,仮想ブラウザ)の提案を行う.仮想ブラウザの目的は,悪意のあるコンテンツを含むWebページ(以下,悪意のあるWebページ)から閲覧者を保護することにある.仮想ブラウザは,閲覧者が要求したWebページを外見が等価な画像に透過的に変換することで,悪意のあるWebページの脅威を低減させる.仮想ブラウザのネットワーク転送量や応答時間の評価結果は,仮想ブラウザが閲覧者の利便性を大幅に低下させることなく悪意のあるWebページの脅威を低減できることを示した.我々は,この評価結果から,仮想ブラウザが悪意のあるWebページから閲覧者を保護する有用な手段たりうるという結論を得た.
著者
脇坂 洋祐 柴田 直樹 北道 淳司 安本 慶一 伊藤 実
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.657-668, 2016-02-15

マルチコアプロセッサを搭載した計算機が広く利用されるようになり,また様々なタスクスケジューリング手法が利用されている.マルチコアプロセッサの処理性能を向上させるため,ターボブーストおよびハイパースレッディングと呼ばれる処理高速化および並列処理技術が開発され,搭載されるようになった.これらはそれぞれ一部のコアが使用されていないときに使用されているコアの動作周波数を向上させる技術と,1つの物理コアを複数の論理プロセッサに見せかける技術である.既存のタスクスケジューリング手法は,これらの最新技術を考慮しておらず,多数のタスクを1つのプロセッサに集中させる傾向がある.本研究では,ターボブーストおよびハイパースレッディングによる実効動作周波数の動的変更とネットワークコンテンションを考慮し,より計算機資源を有効に活用するためのタスクスケジューリングアルゴリズムを提案する.実機実験を通してターボブーストおよびハイパースレッディングによる動作周波数モデルを作成し,タスクの処理時間を正確に推定することで両技術を考慮したタスクのスケジュールを行う.シミュレーションと実機実験による評価の結果,提案手法は全体の処理時間をシミュレーションで最大43%,実機実験では最大で36%短縮できることを確認した.
著者
杉本 千佳 河野 隆二
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.606-611, 2013-05-15

情報通信技術の医療への応用が進む中,体外や体表に装着する生体センサだけではなく,人体内に埋め込む,あるいは一時的に留置するインプラントセンサにより生体内外で無線通信ネットワークを構築し,低侵襲☆1に体内環境の監視や各種治療を行う技術の研究・開発が進められている.医療やヘルスケアに利用するこうした生体内外ネットワークは,人体特性を考慮した高い信頼性と安全性の確保が必要であるが,医療に新たなパラダイムを創生するものとして期待される.本稿では,これらを実現するための先端技術と最新研究開発動向について紹介する.
著者
立石 孝彰
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.669-669, 2016-02-15
著者
兼本 雅章
雑誌
総合政策論叢
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.47-80, 2015-03-15