著者
山下 大輔 間 博人 松井 健人 三木 光範
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2015-HCI-165, no.4, pp.1-8, 2015-11-22

近年,コンピュータの直感的な操作としてジェスタ認識に注目が集まっている.専用のジェスチャ認識デバイスのみでなく,モバイル端末を用いたジェスチャ認識の研究も行われている.しかし,追加デバイスが必要であったり,カメラを用いることで消費電力やプライバシーの問題が発生するなどの課題点がある.本研究では,モバイル端末内臓の照度センサを用いてハンドジェスチャ認識する手法を提案する.端末表面の明暗変化を取得してハンドジェスチャ認識を行う.モバイル端末内臓の照度センサを用いることで,追加のデバイスを必要とせず,消費電力やプライバシーも考慮したハンドジェスチャ認識を実現した.提案手法における認識精度の検証を行い,正確なハンドジェスチャ認識が可能であることを確かめた.また,提案手法を用いたモバイルアプリケーションの実装を行い,ユーザビリティ評価実験を行った.作業効率や視線の動きなどの指標からタッチ操作と比較したハンドジェスチャ操作の有効性を検証した.想定した状況下において,ハンドジェスチャ操作は有効である.
著者
吉本 明平 下道 高志
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.2253-2264, 2015-12-15

プライバシにかかわる情報と個人の関係性を数学の集合論的記法を用いて表記する手法を提案する.これによってプライバシに関する客観的かつ合理的な議論を可能とする.「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」の施行や「パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱」の公表など,日本国内におけるプライバシの取扱いについての議論が活発化している.そこでは個人に関する情報と個人との関係性や情報の共有範囲の検討が不可欠である.しかし,これらの検討において情報の関連範囲を明確に記述し論理的,具体的な議論を行う方法論が未整備であった.本稿では集合論的記法を応用し,プライバシにかかわる情報と個人の関係性を具体的に表記し,明確に議論する方法論を提案する.さらに,この記法を用いて情報の共有範囲の表記,情報とコンテクストの関係表記,プライバシの状態遷移の表記を行い,この記法の効果を確認した.また,実際に課題としてプライバシに関する議論がなされた実例への適用を行いこの記法の有効性の検証を行った.
著者
原田貴史 石田剛朗 楠田哲也 神武直彦
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.495-496, 2012-03-06

防災時の情報配信については、被害によっては通常の通信インフラが利用できなくなることがあるということがひとつの課題である。また、被災状況は同じ市町村においても必ずしも同一ではないため、それぞれの場所に応じた適切な情報配信をする必要がある。これらの課題を解決するために、我々は、GPS衛星および準天頂衛星を用いた測位技術と准天頂衛星による広域同報小容量データを用いたリアルタイム防災情報配信システムを設計している。本論文では、そのシステムの概要を述べるとともに、構築したシステムがいかに実社会で有効であるかを評価するために行った実験計画の立案方法とその成果について報告する。(282文字)

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著者
古山 昭 フルヤマ A. FURUYAMA
雑誌
奥羽大学歯学誌
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.132, 2006-06-30
著者
上阪 彩香
雑誌
じんもんこん2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.15-22, 2015-12-12

本研究では,江戸時代前期の俳諧師・浮世草子作者である井原西鶴(1642?~1693)の作品の文章 の特徴について,数量的な観点から検討を行った.西鶴作品は我が国の文学史における重要性から, 多くの国文学者によって思想や記述内容の検討,成立に関する歴史的考証が続けられてきたが,西鶴 作品の中でも浮世草子には,著者や成立年代等について今なお疑問が出され,解明すべき問題が残さ れている.西鶴は浮世草子のほかにも作品を残しており,役者評判記『難波の貌は伊勢の白粉』,浄 瑠璃『暦』『凱陣八島』,地誌『一目玉鉾』の 4 作品は西鶴著である.これらの作品は浮世草子と同 じ散文で書かれていることから,浮世草子に提出されている著者問題を検討する際に有効な情報とな る可能性がある.本研究では,浮世草子,役者評判記,浄瑠璃,地誌とジャンルの異なる作品におい ても,著者が西鶴とされている作品であれば,同一の文章の特徴を示すのかを主成分分析を用いて検 討した.
著者
大向 一輝
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1204-1210, 2013-11-15

Webを通じたデータの積極的な公開・共有を目指すオープンデータを進めるにあたっては,ライセンスの選択やデータが作られる現場のワークフロー設計といった制度面における課題とともに,公開されるデータのフォーマットやアクセス方法などの技術面での検討が必要である.実際にオープンデータを利用するユーザの観点からは,入手が容易であり,処理のしやすいデータほど活用されやすい傾向にあると思われる.Web上に散在する多様なデータに対して統一的な手段でアクセスすることができ,そのデータが共通のルールに基づいて記述されているような環境の構築は,オープンデータの普及にとって重要な課題である.これに対して,文書の公開・共有手段として成功を収めたWebの技術的方法論をデータに適用するLinked Open Data(LOD)が注目されている.本稿ではオープンデータを支える技術としてのLinked Open Dataについて述べ,今後の展望について議論する.
出版者
立教大学ESD研究所
雑誌
福島の今と向きあう。 立教大学ESD研究所/立教SFR重点領域プロジェクト研究講演録
巻号頁・発行日
pp.37-67, 2013-03

日時:2013年1月22日(火)18:30~20:30会場:立教大学 池袋キャンパス 太刀川記念館3階 多目的ホール講師:國分俊樹氏(福島県教職員組合 書記次長)
著者
岡田 将吾
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.551-552, 2015-07-01
著者
ボレガラ ダヌシカ
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.709-712, 2015-09-01
著者
石塚 晴通 池田 証寿 高田 智和 岡墻 裕剛 斎木 正直
雑誌
じんもんこん2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.8, pp.339-346, 2011-12-03

漢字字体の各時代・各地域の標準と,その変遷を見る上では,漢字字体規範でデータベース(略称HNG)は有用な資料である。HNG は,初唐標準字体に至る中国南北朝・隋文献における標準字体の存在と中国周辺民族の漢字文献における標準字体を示し,また日本上代から近世初期に至る漢字文献における漢字字体を示す。HNGはそれ自体としては確固たる結論には結びつかないが,発展性のあるテーマの観点を示し得ることを,親鸞の著作と明恵の著作との対比を例として述べる。
著者
部谷 修平 久住 憲嗣 石原 亨 神山 剛 中西 恒夫 福田 晃
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2011-SLDM-149, no.2, pp.1-6, 2011-03-11

本論文では AndroidOS 上で動作するアプリケーションの省電力化のためのプロファイリング手法を提案する.従来の消費電力分析技術は分析のために対象システムを稼働させなければならなかったり,計算負荷が大きく手軽ではなかった.またシステム全体の電力しか分析できず,ソフトウェアのクラスやメソッドレベルでのボトルネックの発見には役に立たなかった.本手法はリソース消費ログから消費エネルギーを見積もる軽量な線形モデル式をもとにしているためシミュレーションで手軽にできる.またメソッド単位で電力を分析できるという特徴を持つ.本手法の中で電力分析のための侵襲性の異なる 2 種類のログの取り方を示す.本論文の最後で提案手法についてログの取得方法,誤差と侵襲性について評価した結果,それぞれのログの取得方法について精度と侵襲性の関係を明確化できた.
著者
中西 英之 Katherine Isbister
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.250-256, 2007-03-15

ビデオゲームとエージェント技術の典型的な接点はノンプレイヤーキャラクタである.そこで,本稿の前半ではAI的側面,すなわちキャラクタの動作生成について,後半では心理的側面,すなわちキャラクタのデザインについて述べる.キャラクタの動作生成は,インタラクティブなストーリーの生成と,移動・動作・対話などの行動の制御の2階層に分けられる.前半では各階層に関する既存研究を紹介する.キャラクタのデザインにおいては,キャラクタ間の社会的インタラクションやキャラクタの社会的アイデンティティを上手くデザインする必要がある.後半では心理学をベースにこれを議論する.
著者
中嶋 謙互
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.641-646, 2006-06-15

日本ではしばしば,楽観的な見通しを述べるよりも,さまざま問題点を並べて悲観的な発言をするほうが「賢い」行動であるとされる.しかし,自分たちの未来に夢を抱き,技術や社会の発展のために努力を続けていくには,楽観的な見通しが必要不可欠である.私は,現在の日本において「楽観的な物言い」が不足しているとつねづね感じている.本論文では,50年後の情報科学技術について,現在,日本において活発に研究・開発されているロボットやコンピュータなどが,人々の生活や社会や考え方がどのように変わっているかについて,手元の時計を2055年に設定し,幅広くそして楽観的に考えた.最終的には,ソフトウェアの力によってハードウェアの潜在力を最大に引き出すことによって,想像もできないほど大きな価値を創造できることを強調し,その後,日本人の「モノ」作りの能力を21世紀において活かしていく方法についても考えていく.日本の経済と産業が世界の中で誰にも認められる存在を維持するために,日本人としてできることは何なのかがイメージできるような内容を目指した.この論文を読んだ若い人たちが,将来,日本が国際的に貢献し得る分野があることを知り,職業選択の参考にすることができれば望外の喜びである.
著者
桑原 司 木原 綾香
出版者
九州地区国立大学間の連携に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
研究論文集-教育系・文系の九州地区国立大学間連携論文集- (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, 2012-03

本稿は、桑原司,木原綾香. シンボリック相互作用論の根本問題:ハーバート・ブルーマーを起点として. 経済学論集=Journal of economics and sociology, Kagoshima University/ 鹿児島大学法文学部 [編]. 2011, vol.77, p.57-70 に対する査読の結果、『研究論文集-教育系・文系の九州地区国立大学間連携論文集-. 2012, vol.5, no.2』に掲載されたものである。
著者
広渕 崇宏 高野 了成
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2015-OS-135, no.5, pp.1-9, 2015-11-17

次世代不揮発性メモリはリフレッシュ電力が不要である反面,書き込み時の消費電力が DRAM よりも大きいとされる.そこで,STT-MRAM と DRAM を搭載した計算機を想定して,仮想マシンに対して動的にメモリ割り当てを最適化するハイパーバイザを試作した.仮想マシンに対して透過的に,書き込みが頻出するページを DRAM に配置し,消費電力を抑制することを目指す.提案ハイパーバイザは,DRAM および MRAM から仮想マシンのメモリを割り当てる機構,軽量なメモリアクセスのトレース機構,ページマイグレーションを判断するアルゴリズム,DRAM と MRAM 間でページをスワップする機構からなる.Qemu/KVM に対して提案ハイパーバイザを開発している.本稿では Work-in-Progress として,現状のプロトタイプ実装を紹介する.簡易な実験を行った結果,提案機構が書き込みの多いページを DRAM へ動的に再配置できることを確認した.
著者
小田悠介 ニュービッググラム サクティサクリアニ 戸田智基 中村哲
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2014-NL-216, no.22, pp.1-8, 2014-05-15

プログラミングは人手による作業が主であり,最終的なソースコードそのものを生成する自動プログラミングシステムは実用化されていない.このような自動プログラミングシステムを学習,評価するためには,実際のプログラミングに関するタスクを切り出したコーパスの収集が必要である.我々はタスクとして 「自然言語による仕様文が与えられたとき,その仕様に対応する関数を出力する」 という問題を考え,仕様文・ソースコード例からなるパラレルコーパスを人手により収集した.また,得られたコーパスから自動プログラミングのために必要な言語処理の技術を考察した.