著者
桐山 勉 川島 順 藤城 享 栗原 健一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第19回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.55-60, 2022 (Released:2022-07-01)

Open Science & Citizen Science時代において、IP Patent Information Scientistとして社会的なニーズテーマにて何かしらの社会貢献をしたい。具体的には国連が定めたSDGsテーマに沿う社会的テーマとして、「台風の制御技術の特許分析」を通して、社会貢献をしたい。更に具体的には、台風の制御技術を10個の詳細技術領域に分けて特許分析を行い、新たな社会的な知恵を纏めて提言を捻りだし、アイディア的ではあるが改善技術の進歩的な効果を狙う新規特許出願ができないか検討した。予稿集の配布前までに特許出願したい。先ずは、過去の学びの王道に沿って、官庁関連から報道・公開されている資料を学び、実際に関連する特許情報を調べて、その分析を試みた。そして、INFOSTA-SIG-PDG部会としてCitizen Scienceとして何かお役に立つことができないか、研究してみた。「台風の制御技術の特許分析」に対して、台風の膨大な自然エネルギーから1~3%のエネルギーを吸収し、それを社会に役立つ電気エネルギーに変換し、二次電池に蓄電する電気船の技術に的を絞り、研究を行った。これからのIP Landscape研究会にては、SDGsに沿った具体的な社会的ニーズテーマに沿って市民技術者勉強会を運営し、何らかの提案型・ビジネスモデル型提言を行うことこそ、IP Patent Information ScientistとしてCitizen Scienceを実践することだと、実感できた。当PDG部会の活動報告も兼ねて、発表する。研究成果として、Backcast-IPL法にて将来を先読みした台風のビジネスモデルに関する提言を行う。
著者
小林 慶行
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.76-87, 2012-03-30 (Released:2012-06-29)
参考文献数
10

ラニナミビルオクタン酸エステル(イナビル®)(1)は吸入型インフルエンザ治療薬として第一三共で見出され、2010年10月に販売を開始した。その構造上の特徴はノイラミニダーゼ阻害剤・ラニナミビル(2)の側鎖C-9位の水酸基にオクタン酸を導入したプロドラッグという点である。このプロドラッグ化は薬効の劇的な改善を生み、"治療が1回で完結"するという大きな特徴を生み出した。本稿では、ラニナミビルオクタン酸エステル(1)の創製までの道のりと、その薬効プロファイルについて紹介する。
著者
Amaly Fong Lee Adan Vega Saenz
出版者
Fuji Technology Press Ltd.
雑誌
Journal of Disaster Research (ISSN:18812473)
巻号頁・発行日
vol.17, no.7, pp.1192-1198, 2022-12-01 (Released:2022-12-01)
参考文献数
28
被引用文献数
1

The work performed by the urban search and rescue (USAR) teams is, from every standpoint, difficult to exactly define, since their main mission, which is to save lives, is joined by a series of tasks typical of disaster risk management, which makes them one of the most complex professions and therefore, with the strictest training requirements. Within these requirements, the fact is that USAR teams must be trained to serve a wide population diversity, which also involves the skills to manage critical situations where an inclusive approach is vital. To face this challenge, it is necessary to develop inclusive strategies according to the reality of these teams. In this article, the authors perform a deep analysis to the existing literature and by means of an exhaustive evaluation get to propose an inclusive model for the USAR teams. This model allows to define not only the reach of the inclusion term in these teams, but also helps to establish strategies to reformulate the training plans and programs of recruiting and retention of new members.
著者
月岡 耕太郎 岡崎 朋彦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.41-45, 2024 (Released:2024-01-01)
参考文献数
25

自閉スペクトラム症(ASD)は、社会性やコミュニケーションの障害、強いこだわりなどを示す脳機能障害であり、その発症率は近年増加の一途を辿っている。発症原因の約半数は遺伝要因では無く環境要因に起因すると考えられており、特に妊娠中の病原体感染によって引き起こされる母体免疫活性化(MIA)がASD発症のリスクを増加させる可能性が疫学及び動物実験により示されている。本項ではMIAによるASD発症メカニズムについて最近の知見を紹介する。
著者
田口 瑞穂 川村 教一 澤口 隆
出版者
防災教育学会
雑誌
防災教育学研究 (ISSN:24359556)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.67-74, 2022 (Released:2023-11-07)

日本国内の国公私立大学8 大学の大学1 年生720 人を対象とした自然災害に関する認識についてのアンケート調査結果を再分析した。高校生時代の地理A および地学基礎の学習歴と自然 災害に関する意識の関係では、地理A の履修者の方が地学基礎選択者よりも、地震、津波、洪 水について意識が高かった。教科書における自然災害に関する記述量を比較したところ、地学基 礎よりも地理A の方が多かった。地理A 履修者の自然災害に対する怖さの意識の差は、高校時 代の自然災害に関する学習量の多さと関係がある。
著者
立部 知保里 宮本 匠
出版者
日本災害復興学会
雑誌
日本災害復興学会論文集 (ISSN:24354147)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.46-57, 2021 (Released:2021-11-05)
参考文献数
26

本稿は、平成30年7月豪雨で被災した広島県坂町の住民福祉協議会(住民協)を対象に、既存の住民自治組織が災害時に果たした役割を明らかにし、その強みと限界、およびそれをどのように補完していくべきかを考察したものである。発災後、住民協は避難誘導や安否確認、避難生活で助け合いの主体となっただけでなく、復旧・復興の過程で外部支援と地域をつなぐ役割を担った。ただし、年代や居住年数などの地域性によって、各住民協の災害時の対応にも違いがみられた。住民協には自立性の強さや平時から機能する体制があるといった強みがある一方で、住民協に加入していない世帯は排除される、住民協間の横のつながりが薄いなどの限界がある。それらの限界を補完するためには、地域内外のボランティアや内発的な新たな住民組織とのかかわりが重要である。

2 0 0 0 OA 法政と社会学

著者
宮永 孝
出版者
法政大学社会学部学会
雑誌
社会志林 (ISSN:13445952)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.216-50, 2017-07
著者
吉谷 かおる
出版者
北海道大学宗教学インド哲学研究室
雑誌
北大宗教学年報 (ISSN:24343617)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.38-41, 2019-08-31

宗教とかかわる女性の課題に取り組む活動の一端を報告するため、日本聖公会というキリスト教の団体に所属し、フェミニスト神学を学ぶ者として、今日教会の現場で議論になっている「結婚」をどうとらえるかという問題を取り上げたい。私は聖職ではなく一信徒であるが、日本聖公会の管区女性に関する課題の担当者(女性デスク)と神学教理委員会委員を務めている。英国国教会の流れを汲む教会、Anglican Churchを日本では聖公会と呼ぶ。カンタベリー大主教のいるカンタベリーの主教座との交わりをもつゆるやかな繋がりの教会をAnglican Communion と呼び、世界におよそ160か国、40の管区がある。日本は日本で1管区をなし、国内は11の教区に分かれている。分類上プロテスタントであるが、典礼はローマ・カトリックと近いかたちで行われている。女性デスクのポストは、Anglican Consultative Council(全聖公会中央協議会)による各管区への要請を受けて、日本聖公会では2006年に設置された。そのタスクは、女性のエンパワメントを目的とすることの企画・運営と、国内・国外の女性団体との連絡・調整である。日本聖公会では20年前に法規が改定され、女性の司祭按手が実現されたが、いまでもそれに反対するグループが活動を続けている。そうした中で女性の権利を中心にジェンダーの平等が求められてきたが、しだいに多様な性のありかたが強く意識されるようになり、最近では性的少数者についての講演会や学習会を開きたいという信徒の要望も増えている。