著者
半藤 一利
出版者
文芸春秋
雑誌
諸君 (ISSN:09173005)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.p80-93, 1986-01
著者
永井 由美子 野島 久雄
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.38-43, 2011-03-01

現在、ブログやソーシャル・ネットワーキング・サービスのように誰もが簡単にメディア表現や情報発信できるような技術的な環境が充実しつつありるが、自分たちの手で地域に根ざした「パブリック」なネットワーク作りができるようには十分にデザインがなされてはいない。また高度な技術も個人で手に入れられる。本稿では誰もが直面する問題としてパーソナルな「思い出」を残す方法を考える「思い出を記録するワークショップ」講座を対象とした。講座を経験することで、個人の段階での次の新しい表現活動をしたいという気持ちが個人の段階に生じ、またグループでもやりたいと思えることが、継続する表現活動につながっているようである。そして「思い出」というプライベートなものを「パブリック」な表現とするためには講座という小さな他者のいる共同体ができあがり、そこから家族、知人、と表現物を共有する範囲が広がっていく。ここでの講座で主催者が提供したものは、講座のプログラムと空間であり、参加者と主催者が相補的に関係性をつくりあげていった共同体である。ここで大切だったのは、全員に表現形式の提案をすることとそれを共有することであった。
著者
山田 奨治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.14, pp.21-30, 1995-01-27
被引用文献数
6

古文書かな文字(変体かな)を自動認識する際に特有な諸課題(文字のくずし、散らし書き、連綿体など)を整理した。そしてこれらの課題に有効な特徴抽出方式である、高次局所自己相関特徴について述べ、それを利用した文字認識実験を行なった。高次局所自己相関特徴は、文字の位相的な特徴を反映し、位置に関して独立で、画像内での加法性を持っており、これらの特性を利用することで、変体かなを厳密に文字を切り出すことなく認識することができる。本方式は文書を限定した上で、システムが文字を学習しながら専門家の読解を支援してゆくシステムへの応用が期待できる。We arranged the problems of machine recognition of Japanese old Kana characters. The higher order local autocorrelation features, which is efficient to solve these problems, was described. We conducted some recognition experiments using this feature. The higher order local autocorrelation features reflects the topological features of characters. It is independent for position, and satisfies the low of addition. Using these features, old Kana could be recognized without strict character segmentation. Our method can be applied for specialists support system with auto character feature learning for single document.
著者
堤 裕昭 岡村 絵美子 小川 満代 高橋 徹 山口 一岩 門谷 茂 小橋 乃子 安達 貴浩 小松 利光
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.291-305, 2003-05-05
参考文献数
33
被引用文献数
27

九州西岸の有明海奥部海域において,近年夏季に発生する底層水の貧酸素化現象および頻発する赤潮の発生メカニズムを解明するため,2001年8月より2002年2月まで毎月1回,水質調査を行った。本調査期間中,8月上旬に底層で貧酸素水塊が,11月に珪藻赤潮がいずれも大雨の後に発生し,その発生過程を次のようにまとめた。1.夏季の貧酸素水塊 梅雨期の大雨→河川からの大量の淡水の流入→表層の塩分低下による成層構造の発達・夏季の気温上昇に伴う水温の成層構造の発達→底層水の貧酸素化 2.秋季の珪藻赤潮 秋季の大雨→河川からの大量の淡水の流入・大量の栄養塩の供給→低塩分・高栄養塩濃度の表層水の形成→赤潮の発生 1998年以降,秋季の赤潮は大規模化する傾向が認められる。有明海奥部海域では,塩分や水温による成層構造が発達した時に,海水交換に大きな変化が生じ,海水が滞留しがちになることで赤潮が発生している可能性が指摘される。
著者
石丸 紀興
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
no.312, pp.115-122, 1982-02-28
被引用文献数
1

当時計画担当者たちも市民も確かな展望を持ち得たわけではなかった。従って時に悲観的となったが, それでいて悲愴感はなく, むしろ期待のようなものを持って, 都市の基本的な面での計画思想を展開した。未曽有の大戦災を受け, あまつさえ軍都としての将来が絶望に見えたとき, そこから必然的に芽生えたのは小都市思想であった。そして, とにかく生産に従事しながら復興を図ろうという工業都市思想であった。都市の性格としては, 明快に一つの結論が導びかれたわけではないが, 総花的で核のない総合都市とか文化都市, 観光都市とかいうよりも, 工業都市が最も現実的と評価されたようである。それは実際に政策を進める実務担当者の考え方が, いわば工業都市思想によって支えられていたからである。とはいえ, 何度も繰り返すように, それは確信ではなく, 願望から出発しているところに, 戦災復興時の特徴がある。小都市思想は2つの異なる根拠から形成されていた。もはや望んでも大都市になり得ないだろうという悲観論と, 本来都市のあり方としての理想論である。被爆後の状況は, それらの2つの根拠がともに強く共存し得たという特徴があった。また, 都市移転思想が原爆の惨禍に対する恐怖や記念性を訴えた点で極めて特異であった。このような計画思想は存在を確認するだけでもそれなりの意味を提起するであろう。戦災復興計画の物的計画に関して, あるいは復興計画全体に関しては, 稿を改めて展開することとする。なお研究に当っては, 財団法人「トヨタ財団」による研究助成金(昭年54年度, 55年度)が交付されたことを記し, 感謝の意を表します。
著者
関戸 英紀
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.7-14, 2001-03-31

「いってきます」「ただいま」「ありがとう」(以下、あいさつ語とする)の自発的表出に困難を示す、CA13歳0か月、MA3歳9か月の自閉症男児に対して、「買い物」ルーティンを用いて、あいさつ語の自発的表出を目的とした指導を約3か月間(31セッション)行った。その結果、あいさつ語の自発的表出が可能となり、またある程度の日常場面での般化および指導終了5か月後の維持が確認された。以上のことから、対象児にとって、"出かける""帰宅する""物をもらう"という3つの場面の文脈の理解が可能になったこと、あいさつ語の習得には聴覚的プロンプトの提示よりも視覚的プロンプトの提示のほうが有効であったこと、文脈の理解と言語の表出との間に相互に関連する傾向がみられたことなどが検討された。
著者
西村 崇
出版者
日経BP社
雑誌
日経systems (ISSN:18811620)
巻号頁・発行日
no.220, pp.54-59, 2011-08

「じゃあ帰るよ。頑張ってくれ」。まだ外が明るいある日の夕方6時、システム構築プロジェクトのサブリーダーを務めていたA氏は、この言葉をかけられ唖然とした。現場で指揮を執るプロジェクトマネジャーのM氏がこう言って、30人ほどのメンバーを残し、そそくさと退社したのだ。なにやらプライベートな用事があるとのことだった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1077, pp.78-81, 2012-03-05

2011年10月、誤差±20%で測定可能な放射線量計が9800円という破格の安さで発売された。しかも、開発元は測定器とは縁もゆかりもない、消臭剤などの日用品を手掛けるエステーである。その製品名は「エアカウンター」─。 まずは福島県限定で発売するや、瞬く間に売れ、2012年2月上旬時点で7万3000台を出荷済みである。
著者
小畑 隆資
出版者
岡山大学大学院文化科学研究科
雑誌
文化共生学研究 (ISSN:18809162)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.83-106, 2007-03-31

本稿は、「国憲案」について、冒頭で確認した三つの大きな特徴、および、二点につき確認した二元的構成に着目して、枝盛に即してのその意味と連関を解明することを課題とするものである。そのために、本稿は次の順序で検討をすすめていく。まず、枝盛の「天賦自由」論、「民権自由」論、「憲法」論等の骨格が明らかにされた枝盛の主著『民権自由論』(1879〈明治12〉年4月)5の議論を検討する。次いで、枝盛が中心となって編集・執筆に携わった『愛国志林』『愛国新誌』(明治13年3月―明治14年6月)において、それらの議論がどのように展開していったのかをフォローする。そして、『民権自由論』および『愛国志林』『愛国新誌』で展開された議論の一つの総括として、1881(明治14)年8月の枝盛起草の「東洋大日本国国憲案」があることを明らかにする。以上の検討は、同時に、枝盛の「国憲案」の構想が、西南戦争後の、板垣退助=立志社を中心とする、愛国社、国会期成同盟の国会開設運動と密接不可分の関係において形成されてきたものであり、枝盛が関係した政治運動そのもののなかに位置づけられるものであることを明らかにするはずである。
著者
梅野 健
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.856-864, 1996-08-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
大東 宏 小野 祐幸 冨永 茂人 森永 邦久 工藤 和典
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.331-346, 1980

ウンシュウミカンの栽植様式. 樹形. 整枝並びにせん定などの樹形管理技術の合理化と品質向上対策を図るための基礎資料を得る目的で, 1977年の7月から同年12月にかけて, 開心自然形と柵仕立ての杉山系普通ウンシュウミカン成木の異なる着果部位における受光量, 気温及び果実温の日変化を調査した. 結果は以下のとおりである.<br>1. 各月の1日の総全周短波放射量は, 開心自然形樹では樹冠の南側上部において最も高く, 他の着果部位でも概して上部において南側とほぼ同じであったが, 柵仕立て樹では樹冠上部でも少なかった. この相違は, 柵仕立て樹が南北方向の生垣状樹形で, 日射程度が午前と午後とでかなり異なるためであり, 開心自然形樹では半球状樹相のため, 終日平均的に日射を受けることによるものであろう. 樹冠下部の1日全周短波放射量はかなり少なく, 特に北側下部では, 秋季には南側上部の2%程度に落ち込み, 夏季においても45%程度となった. 樹冠内部における1日の総全周短波放射量は低く, 特に柵仕立てでは南側上部の10~20%程度であった.<br>2. 開心自然形樹の着果部位ごとの気温は, 樹冠南側, 東側上, 下部, 内部では, 日の出から正午過ぎにかけて西側上, 下部, 北側上, 下部よりも早く昇温したが, その後日没まで, 西側上, 下部よりも低くなって徐々に下降した. 西側上, 下部では14時頃までは, 昇温が遅れぎみとなったが, その後16時頃までにかなり高くなり, 更に日没まで他の部位よりも高く, 特に東側上, 下部よりも明らかに高温で推移した. 北側上部では日の出から時期にもよるが16~18時頃まで昇温は遅れたが, その後日没まで東側上, 下部よりも高くなった.内側では午前中西側上, 下部, 北側上, 下部より昇温は早かったが, その後16~18時頃まではほぼ一定気温で推移し, 概して16時以降東側上, 下部よりも高かった.<br>柵仕立て樹の着果部位ごとの気温は, 午前中は樹冠の東側上, 下部の昇温が顕著であり, 西側上, 下部では東側よりも遅れて昇温した. 正午になると, 西側上, 下部において高くなり, その後日没に向って下降するものの, 他の部位よりも明らかに高く, 特に, 東側よりも西日の影響が強く現れ, 長く高温が持続するものと思われる. 樹冠内側では東西から太陽の影響を受けているため, 各部位の同時刻の気温の昇降変化のなかで常に中間的な推移を示した. ところが, 東側上, 下部では時期にもよるが14時頃から気温の低下が速くなり, 日没まで各部位中最低の気温を示した. このように, 柵仕立て樹では午前と午後とで気温分布がかなり異なっていることが明らかである. その理由として, 同樹形樹は南北方向の壁様樹相を呈し, しかも樹冠幅は狭いものの枝葉の着生密度が高いため, 大気が枝葉間を流れにくい状態となっていることから, 午前中は東側が, 午後は西側の気温が高まりやすくなると考えられた. そのため, 特に西側では西日の受熱量が貯えられやすいものと思われた.<br>3. 開心自然形樹の果実温は, 午前中, 東側上, 下部の温度上昇が早く, その後西側上, 下部が高くなった. 南側の果実温は午前中は, 東側よりも, また, 午後には西側よりもそれぞれ低くなった. 北側上部の果実温は, 午前中低かったが, 午後かなり過ぎると, 南側よりもむしろ高くなった. 北側下部では果実温の昇温は著しく遅れ, 日中は低かった. 内部でも北側下部とほぼ同様に果実温の上昇は遅れ, 午後も低くなった. 柵仕立て樹では午前中, 東側上, 下部, 西側上部の果実温は早く上昇し, 東側下部ではその後急下降したが, 正午以降再び上昇した. そして, 日没に向って下降した. 西側下部, 内部の果実温は正午過ぎまで他の部位よりも上昇は遅く,しかも最高温度も低く, 更に, 夕刻近くなると, 内部の低下は特に早かった. 西側下部では西日を受け, しかも地表面温度の影響を受けるためか, 果実温度の下降は遅れぎみとなった.