著者
川中 翔 佐藤周行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.61, pp.25-32, 2008-06-25

我々は新しいものや概念が新たに創られた場合それを創造と呼ぶが,実際にはそれ以前に既に成立していた概念が下地にあって創られる.これらは解析すべき重要な依存関係であるが,既存の関係性解析の研究は時系列的に静的なものが多くを占めている.本研究では,ソーシャルブックマークにおける概念を記述するタグを解析することで,時系列的な概念の依存関係を抽出する手法を提案する.この手法は,共起率が高いタグ同士は依存関係を持ち,出現順が早い方が依存関係の親となるタグである,との仮定に基づいている.さらに本研究では実験によって手法の評価を行ない,直観的に有用な結果を抽出することに成功した.Creation can be defined as making something exist that has not existed before. However, in many cases, something new is derived from something old. These are essential to analyze, but previous work mainly concentrate on chronologically static relations. In this paper, we propose a method of extracting these chronological concept dependency by analyzing tags that describe concepts in Social Bookmark. This method, is based on the hypo high cooccurent tags have dependency and the first emergence time of tags determines order of dependency.
著者
池田 純起 柴田 智広 池田 和司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.298, pp.21-26, 2012-11-09

これまでの先行研究において,音読時と黙読時における脳活動の空間的分布がfMRIを用いて調べられた.そして,音読時と黙読時に活動する皮質領野はほぼ一致することが明らかとなっている.しかし,これらの皮質領野が音読時と黙読時に同じ機能を果たしているかどうかは曖昧であり,明らかとなっていない.この理由として,これまでの先行研究では,脳活動の空間的分布を調べることを中心としており,音読時と黙読時の皮質領野におけるボクセルパターンの違いを評価してこなかったことが考えられる.本研究では,fMRIを用いて,日本語音節の音読時と黙読時の皮質領野の機能類似性を調査した.機能の類似性を評価する方法として,ボクセルパターン同士の線形相関を計算した.この結果,音読時と黙読時に活動する皮質領野において,ボクセルパターンに類似性が存在することが示唆された.
著者
首藤 裕一 波戸 邦夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.206, pp.13-18, 2013-09-05

仮想化技術およびブロードバンドネットワークの普及に伴い,クラウドコンピューティングの商用利用が進んでいる.これまでに多くの研究でパブリッククラウドが提供する仮想マシン(VM)の性能分析がなされているが,そのほとんどが代表的なクラウド事業者1社のVM性能についての分析であり,得られた知見がクラウド一般に成立するかどうかは未検証である.本研究では,5つのパブリッククラウドの性能を1か月間測定することで,パブリッククラウドの一般的な性能特性を分析する.既存研究の結果と同様に,本測定の対象とした5つのクラウドにおいても,VMの発揮する性能が非常に不安定である(測定値の分散が大きい)こと,および,測定値の分布に複数のまとまりが生じ得ること示す.また,既存の研究では見られなかった特性として,多くのクラウドでVMの性能特性に中長期的な時間変動が現れることを示す.
著者
山本 鉄雄 小林 文隆
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.696-703, 1995-08-01
被引用文献数
16

マウスプロテクターはボクシング,アメリカンフットボール,アイスホッケーなど様々なスポーツの選手に装着されている.その目的とするところは,選手どうしの衝突などによって引き起こされる偶発症の予防あるいは軽減にあるが,もう1つ,筋力の向上を目指すことがある.しかし,この点に関する見解は,マウスプロテクターが有効であるとするものと,そうでないとするものがあり一定しない.本研究ではこの点を明らかにするため,安定した筋力を発揮できる被験者を選別し,マウスプロテクター装着前後の筋力を測定した.その結果,上肢より下肢の筋肉で効果がでやすいなど興味深い知見が得られている.
著者
吉川 宏
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.459-551, 1963-03
著者
吉川 宏
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.203-234, 1963-12
著者
池内 淳
出版者
三田図書館・情報学会
雑誌
Library and information science (ISSN:03734447)
巻号頁・発行日
no.46, pp.1-36, 2001

Although the problem of library size is one of the classical issues in the field of libraryscience, there has been very little direct discussion on it. Then, the purposes of this paper areto suggest methodologies for defining optimal library size in the viewpoint of efficiency, and toverify the applicability of those. In this study, two different methodologies were conducted using the statistical data ofJapanese public libraries past four years (1997-2000). Actual analysis was performed in twolevels, which is municipal-level and service point-level. lt was found that the concept oflibrary's efiiciency isn't consistent one. Because optimal library size also differ, when thecombination of variables are differed, even if it used the same methodology.
著者
世一 秀雄 小久保 秀之 原口 鈴恵 山本 幹男
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.195-201, 2002-03-01

人が大勢集まり何かに集中するとき、その場所に設置された物理乱数発生器が、集まった人々が意識しなくても、統計的有意な乱数出力の異常を示したり、世界的な事件が起こり世界中が注目するとき、世界各地に設置した物理乱数発生器が出力異常を示すという報告がある。本研究は、スピリチュアルヒーリングの科学国際会議(ハワイ)と年末年始(日本)における、物理乱数発生器出力の累積偏差を測定し、どれくらいの偏りが生じるのか実験を試みた。その結果、対照実験が偶然範囲に留まったのに対し、国際会議における累積偏差のZ値はZ=2.32(p=0.020,両側)、年末年始におけるZ値はZ=2.11(p=0.035,両側)となり、統計的に有意な結果となった。今後、物理乱数発生器出力の偏りの原因を調べるために、複数の物理乱数発生器による同時測定や、世界意識計画などの世界各地の物理乱数発生器データとの比較により、広域な視点で原因を追及する必要がある。
著者
鮫島 充 ランディゴメス 李晃伸 猿渡 洋 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.2295-2304, 2006-07-15
被引用文献数
2

子供の音声は,声道長や基本周波数が成人音声と異なるだけでなく,発声スタイルが自発的で年齢や個人による声の変動も大きいため,通常の成人用音韻モデルでは認識精度が著しく劣化する.また,子供が正確に文章を読み上げることは多大な労力が必要であり,大規模な整った音声データベースの作成が難しい.本研究では,子供の自発的な発話の高精度な認識を目指して,音声情報案内システムによる子供の実音声の大規模収集,年齢層別子供用音韻モデルの構築と評価,および教師なし話者適応の検討を行った.大語彙連続音声認識実験より,実環境で収集した子供音声を用いることで,単語認識精度が71.1%と既存の読み上げ音声モデルに比べて絶対値で23.9%の改善が得られた.また,年齢層別の傾向では,特に幼児の音声において年齢層依存モデルによる大幅な精度改善が見られた.次に,自動収集した話者ラベルなしの大量データに対する,自動話者クラスタリングを用いた十分統計量に基づく教師なし話者適応を提案した.提案法により59 966個の発話データをクラスタリングし,近傍話者クラスタを用いて音韻モデルを適応することで,クラスタ数200の条件において,年齢層依存モデルに対してさらに幼児で2.2%,低学年子供で1.7%,高学年子供で0.5%の認識性能の改善が得られた.Child's utterance has totally different property from adult's speech, not only by their acoustic property, but by their incorrect pronunciation and totally ill-formed speaking style. The rapid physiological changes during the growth also prevent accurate speech recognition using a single model. However, collection of child's read speech is difficult in natural, since forcing them to read a sentence precisely will make the utterances far from spontaneous one. In this research, we evaluated acoustic models and an unsupervised adaptation method based on a large number of real spontaneous child speech automatically collected through an actual spoken dialogue system. Acoustic model trained by an actual spontaneous speech achieves the word accuracy of 71.1%, which outperforms one trained by read speech by 23.9%. Detailed investigation is carried out for child's ages (infant pupils, lower-grade elementary schoolers and higher-grade elementary schoolers), and accuracy of the infant pupils was greatly improved by using the age-dependent model. Then a speaker clustering method is proposed to perform unsupervised speaker adaptation based on HMM Sufficient Statistics on automatically collected database where no user tag is available. Clustering the 59,966 utterances to 200 speaker clusters, and selecting the neighbor one for each input to construct the adapted model has resulted in a further improvement of recognition accuracy by 1.5% as compared with age-class dependent models.
著者
米澤 嘉康
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.1085-1091, 2007-03-25

1999年7月,大正大学綜合佛教研究所の写本調査チームは,チベット自治区ラサ市のポタラ宮において,『維摩経』と『智光明荘厳経』という両文献の梵文写本がそれぞれ完本として同じ帙に収められて所蔵されていることを確認した.筆者は,幸運にも,ポタラ宮での写本調査に参加し,その後の文献学的基礎研究に携わることができた.しかしながら,その過程で若干気にかかっていることがある.それは,『維摩経』と『智光明荘厳経』とでは知名度に差があるためか,貴重な両文献がセットで発見されたという事実がそれほど注目されていないのではないかということである.そこで,本稿は,『維摩経』と『智光明荘厳経』という両経典が,同一の寄進者シーラドヴァジャ,同一の筆写者チャーンドーカによってほぼ同時期に筆写され,同帙に収められて保存されてきたという事実を再確認して,彼らの意図がどのようなものだったか,考察するものである.状況証拠から導かれる暫定的結論は,シーラドヴァジャおよびチャーンドーカにとって,『智光明荘厳経』のほうが『維摩経』よりも優先度が高かったのではないかというものである.その背景には,写本筆写当時,さらにそれ以降,流行していた密教の思想・文化的影響もあったのかもしれない.