著者
川瀬 和也 Kazuya KAWASE 宮崎公立大学人文学部 Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1-12, 2021-03-10

本稿の目的は、行為者性に関する階層理論を整理し、その射程を明らかにすることである。現代行為論においては、心的態度の階層によって自律を説明し、これを通じて行為者性とは何かを明らかにしようとする階層理論が影響力を持っている。本稿では、H. G. フランクファートの階層理論、M. E. ブラットマンの計画理論、C. M. コースガードの実践的アイデンティティに訴える理論の三つを、心的態度の階層性に加えて何が必要だとされているかという観点から整理する。また、特にブラットマンの計画理論と、コースガードの実践的アイデンティティに基づく理論を比較し、両者において人格の同一性についての理解の違いが問題となっていることを示す。また、人格の同一性の捉え方によって、「操作の問題」への応答が変わることを明らかにする。これを通じて階層理論にとって人格の同一性をめぐる問題の重要さが増していることを明らかにする。
著者
久保田 晃生 波多野 義郎
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.43-51, 2006

近年,日本ではQOLに関する研究が多くの分野で行われている.QOLは,人の生活を分析的にとらえるための枠組みが必要なときに有効であるとされる.そのため,社会福祉のように対象者の生活を援助することが多い場合,QOLを重視する考え方は,比較的受け入れやすいことと考えられる.そこで,本稿では,社会福祉学におけるQOL研究をより推進していくための基礎資料となるよう,これまでのQOLの概念と定義,QOL研究の他の学問を含めた近年の流れを解説するとともに,社会福祉学におけるQOL研究の課題についても検討を行う.
著者
奥村 幸彦 渡部 弘達 岡崎 健
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集B編 (ISSN:18848346)
巻号頁・発行日
vol.79, no.799, pp.465-476, 2013 (Released:2013-03-25)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

The purpose of this study is to clarify the fundamental and general features of N2O formation during the combustion of pulverized biomass under low temperature. First, the effect of various important factors, i.e., combustion temperature, volatilization process (i.e., either slow or rapid dispersion), and nitrogen content in biomass on N2O formation were investigated by numerical analysis. The analysis of the effect of combustion temperature on the formation of nitrous oxide showed that N2O emission level increases with the decrease in combustion temperature, and both N2O and NO levels are strongly dependent on the combustion temperature. In other words, there is a trade-off relationship between the formation of NO and that of N2O. The analysis of the effect of the slow/rapid volatilization process on the formation of nitrous oxide showed that the conversion ratio of biomass-N to N2O increases with the decrease in the dispersion of volatile matter per unit time; it means that biomass-N is effectively converted to N2O during slow volatilization. Further, the gasification reactions among CO2, O2, and C occur simultaneously on the surface of biomass particles during combustion. With respect to the effect of nitrogen content in biomass, the N2O emission level increases with the increase in N-content of the biomass, while the NO emission level remains constant during low-temperature combustion.
著者
田坂 健
出版者
岡山大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2017

研究目的本研究は抗菌薬によるせん妄メカニズムを解明し手術後あるいは感染症患者におけるせん妄管理に資する基盤データの構築を目的とした。方法実験にはICR系雄性マウスを用いた。マウスにLPS(300μg/kg)を腹腔内投与し、その24時間後に行動薬理学的検討を行う。行動薬理学的検討は、ジアゼパム(0.3mg/kg, DZP)およびペントバルビタール(40mg/kg, PB)を腹腔内投与し、PB誘発睡眠の睡眠潜時および睡眠持続時間を評価した。本研究では抗菌薬としてミノサイクリン(50mg/kg, MINO)を用い、LPS投与前および投与後にMINOを投与することによる睡眠潜時および睡眠持続時間への影響を評価した。なお、本研究は申請者所属施設の動物実験委員会の承認を得て行った。主要な研究成果LPS投与マウスに単独で無作用量のDZPおよびPBを投与した場合、DZP非投与マウスあるいはLPS非投与マウスと比較して有意に睡眠持続時間が延長した。このLPS、DZPおよびPB投与マウスの睡眠潜時および睡眠持続時間に対するMINOの影響を評価した。まず、MINO後投与としてLPS投与直後、1、2および4時間後にMINOを投与した場合、ペントバルビタールによるマウスの睡眠潜時に影響はなかったが睡眠持続時間は有意に短縮した。一方、前投与としてLPS投与48, 36, 24, 12時間前、投与直前およびLPS投与12時間後にMINOを投与した場合、睡眠持続時間が有意に延長した。MINOは中枢および末梢神経に存在するグリア細胞のうち、ミクログリアの活性化を抑制することが知られている。ミクログリアは神経の炎症にも深く関与することから、現在ミクログリアの活性化に着目して行動実験後の摘出脳サンプルを用いて検討中である。
著者
小泉 真理子 濱野 保樹 萩野 正昭 佐伯 知紀 櫻井 英里子
出版者
京都精華大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

戦後、連合国総司令部(GHQ)は日本を統治する手段として文化を用いた。映画演劇を通じて日本人の民主主義の意識形成に関わった人物に、民間情報教育局の映画班長であったデヴィッド・コンデがいるが、その人生については明らかになっていないことが多かった。本研究では、彼がカナダのブリティッシュ・コロンビア大学図書館に自己の大量の記録を寄贈していることを発見したため、本資料を入手、整理し、デジタル化して公開した。本研究は、米国による対日文化政策の全貌解明に寄与することが期待される。
著者
近藤 剛
出版者
関西学院大学
雑誌
神學研究 (ISSN:05598478)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.127-142, 2004-03-31
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.9, no.8, pp.212-215, 2000-09

「JR品川駅の周辺で、5000万円くらいの中古マンションねぇ。3LDKで広さは70平米台?ちょっと待ってよ」。飛び込みでやって来た顧客からこんな要望を聞いた「ヒラカワ不動産」のA社長はパソコンに向かって、顧客の希望条件を入力した。 「ざっと20件ほどあるけど、駅との位置関係はこんな感じだよ」。
著者
吉岡 正晴
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.g23-g24, 1994

筋の収縮によって骨が変形するという実験結果が報告されているので, 咬合および咀嚼時には, 頭蓋や顔面を構成する骨は歯を介しての咬合力および咀嚼力, あるいは咀嚼筋の収縮力などによって複雑に変形していると考えられる. また, 咬合および咀嚼時には, 頸部から背側部の筋, すなわち胸鎖乳突筋や僧帽筋まで活動していることも近年明らかにされている. さらに, 下顎運動の中心は顎関節だけでなく頸椎の環椎と軸椎とで構成される環椎歯突起関節にも存在し, むしろこの部位が顎運動の中心的な役割を果たしているという説が発表されている. 頸椎はかなりの重量の顔面頭蓋を支えているし, 咬合, 咀嚼および発音・発声時には, 頸椎にこれらの影響が及ぶことは十分に考えられる. しかし, 頭部における各種の運動と頸椎の力学的反応との関係についての研究はほとんど見当らない. そこで, 咬合時の頸椎の力学的反応を解明するために, 立位に固定した麻酔下の成熟日本ザルの両側の咬筋中央部を電気刺激して, 咬合させたとき, 片側の犬歯あるいは第一大臼歯で 3, 7 および 10mm の木片を噛ませたときの各頸椎の作業側および非作業側の椎弓板のひずみを三軸ストレンゲージ法で測定した. 木片を犬歯あるいは第一大臼歯のどちらで噛ませても, 頸椎の作業側よりも非作業側のほうが, 咬合させたときに比べて主ひずみ量の増加する割合が高くなる傾向がみられた. このことから, 作業側では犬歯で木片を噛ませたときには第二頸椎が, 第一大臼歯で噛ませたときは第四頸椎が, 非作業側では, 木片を犬歯で噛ませても第一大臼歯で噛ませても, 第三および第七頸椎は頭部が片側に傾斜するのを防ぐ支点としての役割を果たしていることが示唆された. 頸椎の主ひずみの方向を観察することによって, 犬歯で噛ませたときには, 頸椎の上部は収縮して下部は伸展し, 中間部は上部と下部との変形のバランスをとるために作業側が伸展して非作業側が収縮する傾向があることが, また, 第一大臼歯で木片を噛ませたときには, 頸椎の作業側ではほとんどが垂直方向に伸展し, この傾向は開口度が大きくなればなるはど強くなり, 非作業側では頸椎の多くが水平方向に伸展 (圧迫) することがわかった. さらに, 頸椎においては, 各軸のひずみが最大の値をとる時間が, 三軸ともわずかにずれていることを示す波形が多くの部位で認められた. このような波形は顔面や頭蓋を構成する骨でもみられるが, 頸椎においてはとくに多く認められた. 以上, 咬合および咀嚼時には, 頸椎には非常に大きなカが加わるが, 頸椎は顔面や頭蓋を構成する骨よりもさらに強く変形して, 頸椎に加わる応力を巧妙に分散できるような機能的構造になっていることを明らかにした.
著者
宮田 敏則
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.631-645, 1990-06-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
62
被引用文献数
7 5

The purpose of this study is to reveal the relation between stomatognathic system and the systemic condition.In the present study, experimental occlusal interference was given to the first molar on main mastication side of 6 healthy subjects and the influence on the upright posture was evaluated through simultaneous measurements of changes in activity of antigravity muscles via electromyography, other than the measurement of loci of the gravity fluctuation for stabilograph before and after the interference was provided.The following results were obtained, 1. Loci of gravity fluctuation1) All parameters tended increase 24 hours after the interference was provided.2) The decreasing trend was noted 24 hours after the interference was removed.3) At one week after the interference was removed all analysis items tended to restore to the normal range.2. Activity of antigravity muscles In some of the subjects, the muscular activity showed the same trend as the changes of analysis items of gravity fluctuation.3. The above results suggest that the evaluation of the loci of the gravity fluctuation may be helpful to assess the therapeutic effect of malocclusion.

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1917年08月01日, 1917-08-01

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1914年05月04日, 1914-05-04

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1914年03月07日, 1914-03-07