著者
西沼 行博 代田 智恵子
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.55-64, 2007-08-30 (Released:2017-08-31)
被引用文献数
1

A brief survey of the main characteristics of French prosody is first presented. The intonation, accent rules, and rhythmic phenomena of French are described from the L2 leaner standpoint. The second section, which seeks to point out phonological transfer from LI to L2 during language acquisition, reviews typical errors for these characteristics made by Japanese learners of French and by French learners of Japanese. The last section is devoted to a concise discussion of the recent research trends and perspectives in French prosody.

2 0 0 0 OA 列聖全集

著者
列聖全集編纂会 編
出版者
列聖全集編纂会
巻号頁・発行日
vol.御製集 4, 1917
著者
菅原 祥
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.113-125, 2010

本論の目的は、旧ソ連・東欧の社会主義圏におけるユートピア的想像力が当時の人々の意識や実践とどのような相互作用を及ぼし合い、そこにはどのような思考や実践の可能性が存在したのかを明らかにすることである。この目的のために、本論は1950年代のポーランド・ドキュメンタリー映画を当時の雑誌記事などと合わせて分析することにより、社会主義のユートピア的想像力がいったいどのような形で映画のなかで映し出される「現実」をとらえようとしていたのかを考察する。分析から明らかになったことは、1950年代前半の「社会主義リアリズム」のドキュメンタリーにおける特異な時間意識をもとにした未来志向のユートピア的想像力が、1956年の「雪どけ」以後に現れた「黒いシリーズ」と呼ばれるドキュメンタリーにおいては、言わば「ポスト・ユートピア的」とでも言いうるような別の現実認識のありかたに取って代わられたということである。これら二種類の映画のありかたの違いは、単なる体制側のプロパガンダと反体制側による真実の暴露といったような、単純な政治的対立図式で理解できるようなものではない。むしろそれは、社会主義のユートピア的想像力における意識や知覚のありかたの変容をしるしづけていたのである。結論として本論は、一枚岩の抑圧的体制と思われがちな社会主義体制のプロジェクトのなかに、実は多様な想像力や実践のありかたが存在していたのだということを示唆する。
著者
黒田 悌且 今木 甚一郎 石橋 忠良 小林 明夫
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.27-33, 1982

本稿は,沿線火災によって被害が生じた鉄道の鉄筋コンクリートラーメン高架橋の復旧工事について述べたものである。設計の考え方, 復旧に伴って行ったコンクリートの配合試験, 新旧コンクリート及び吹付けコンクリートの一体化試験結果について報告する。
著者
Masamine TAKANOSU Katsushi SUZUKI
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.16-19, 2022 (Released:2022-01-07)
参考文献数
16
被引用文献数
1

The incidence of copper-associated hepatitis in Labrador retriever in Japan has not been examined. This study examined the genotype frequencies of ATP7B:c.4358G>A, a mutation responsible for copper-associated hepatitis, and ATP7A:c.980C>T, a modifier of this disease, in Labrador retrievers of guide dog associations in Japan. Genetic material was collected by buccal swabs from 253 Labrador retrievers and genotyping was performed for the ATP7B and ATP7A mutations. The gene frequency was 0.107 for ATP7B:c.4358A. For ATP7A:c.980C, the gene frequencies were 0.703 in females and 0.368 in males. In this study, we established genotyping methods for the ATP7B:c.4358G>A and ATP7A:c.980C>T mutations. Based on the genotyping results, the risk of copper-associated hepatitis in the study population was 0.80% in males and 1.05% in females.
著者
陳 足英
出版者
パーソナルファイナンス学会
雑誌
パーソナルファイナンス学会年報 (ISSN:18843328)
巻号頁・発行日
no.9, pp.51-59, 2008

中国の庶民金融は「合会」といい、台湾では合会や互助会を会仔(wheai)ともいう。「合会」は、庶民の相互扶助的な金融組織という点では日本の頼母子や無尽、沖縄の模合と性質を同じくする組織である。1990年以前の台湾の金融機関は、ほとんど日本植民地時代からの金融機関および国民党の台湾移動とともに中国本土から移転してきた金融機関から形成されていた。当時の台湾の銀行は保守的で、担保物件の少ない中小企業と零細企業に対しては冷淡で、銀行から融資を受けることが難しかった。そのため台湾では、民間の庶民金融の「合会」が普及していった。ある調査によると、台湾人が「合会」に参加する率は85%に達していた。1999年7月のアジア金融危機から台湾の金融構造が変化し、国内企業の資金調達は多元的になり、銀行の融資額が減少し業績は下降傾向となりその業務は消費者金融に移ってきた。近年、台湾ではプラスチック貨幣(信用カード【クレジットカード】)が急速に普及している。台湾の消費者信用産業の市場規模は2004年6月の6,631億(台湾元)から2005年7月の8,056億(台湾元)と急激に拡大した。そのうち無担保で小口現金(現金カード)を貸し付ける消費者金融市場は1,934億(台湾元)から3,067億(台湾元)となった。「現在台湾のクレジットカードの負債は400億台湾元、50万人がクレジットカードの負債でどん底に落ちている(永無翻身)」。
著者
加納 恒男 平山 晃康 片山 容一
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.344-348, 2003 (Released:2008-03-18)
参考文献数
18
被引用文献数
8 9

Thrombosed giant aneurysm (TGA) possesses a high growth potential. In patients with TGAs, clinical symptoms evolve most commonly from its mass effect. Surgical interventions are therefore required to prevent TGA growth. We analyze the clinical characteristics and histopathological findings of TGAs, and discuss possible mechanisms underlying their growth. We have treated 30 cases of TGA during the last 10 years. Of these, 10 underwent direct surgery and 20 were treated by endovascular surgery. Endovascular obliteration of TGAs frequently fails to terminate their growth when contrast-enhancement of the aneurysmal wall is demonstrated on CT or MRI. Incomplete endovascular obliteration of TGAs does not appear to reduce their growth potential. Complete thrombosis of TGAs, induced either spontaneously or by surgical modification of the blood flow, does not necessarily indicate termination of their growth. The growth of TGAs can be terminated when both the aneurysmal lumen and vascular channels of the aneurysmal wall are physically isolated from the blood flow through direct surgery: neck clipping or trapping. Together with the histopathological findings of TGAs, the above-mentioned characteristics suggest that 2 mechanisms may underlie their growth: intraluminal thrombus accumulation, and proliferation of vascular channels of the aneurysmal wall. Radical surgery to isolate TGAs from the blood flow, before they become too large to be operated on safely, may be advisable.
著者
鈴木 杏子 仲河 優里 西 まみか 野田 裕美子 高岡 素子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成20年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.95, 2008 (Released:2008-08-29)

【目的】 精進料理とは禅寺で修行に励む僧侶たちが食べる、殺生を禁じた粗末な食事で、動物性の食材を一切使用しない伝統的な料理である。現在、「精進料理」には2つの側面があり、1つはお寺に伝承され、調理される修行僧の食事と法要後に食される料理であり、もう一つは禅寺の近くに精進料理専門店で発達している。本研究ではカロリー控えめでヘルシーであると思われている精進料理メニューの実態調査を行い、現代における精進料理の栄養について明らかにし、また精進料理の食味に及ぼす油の影響について調べた。 【方法】 1.京都の精進料理専門店3店を選び、1食分のメニューを合計5点注文し、各食材の質量を測定、汁物の塩分濃度を測定した。栄養摂取量は各食材の重量を基に栄養価計算ソフト(エクセル栄養君Ver.4.0)を用いて解析した。2. 油脂の使用が精進料理の食味に及ぼす影響を知るために、3種類のメニューについて油添加・油無添加で調理し、官能検査を行った。 【結果および考察】 1. 1食分を成人女性の昼食と見積もり、各成分について食事摂取基準量の30%を基準量とした。エネルギーは967kcalで基準量の約1.57倍、食塩は6.4gで基準量の2.67倍であり、高カロリー、高塩分であることが明らかとなった。しかしながらPFCバランスは良好であり、ほとんどのミネラルやビタミン、食物繊維は基準量以上摂取できていた。 2. けんちん汁ではほとんどの項目で油添加の方が好ましいという評価が得られた。油無添加では塩味が強く感じられ、油の使用により味がまろやかになることが示唆された。切干ダイコンでは、全ての項目で油添加の方が好ましいという評価であった。白和えは油の有無による顕著な違いは見られなかったが、油を加えることによって塩味が抑えられる点では同様な傾向を示した。
著者
松村 真宏 三浦 麻子 小森 政嗣 平石 界
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.2B4NFC02b1, 2018-07-30

<p>東日本大震災の際、情報を得るためのインフラとして活用されたツイッターは、他メディアに流れた情報を共有する「メタメディア」としても機能していた。震災関連情報の中には真偽の明確でない情報、悪質なデマ、賛否の分かれる事柄など、議論や論争を呼び起こすものが多かった。本稿では、ツイートログを対象として、メディアが誘発した投稿者の感情を分析し、メディアが投稿者の心理的な側面に及ぼした影響について探る。</p>
著者
辻 英史
出版者
法政大学公共政策研究科『公共政策志林』編集委員会
雑誌
公共政策志林 = Public policy and social governance (ISSN:21875790)
巻号頁・発行日
no.2, pp.117-130, 2014-03

ドイツでは2000年代以降,市民参加を拡大する試みが続けられている。参加政策と総称されるこの試みは,市民の行政参加やボランティア活動を促進するため,法的条件整備だけでなく政治文化や社会福祉制度,国家の役割にいたるまで全面的に改革しようとするものである。本稿は,このようなドイツの現状を踏まえて,ドイツの市民参加がどのようなものであったのか,その実態を歴史をさかのぼって検証することで,現代の参加政策の立ち位置を探ろうとするものである。19世紀におけるドイツの市民参加は市民層を中心とし,社会福祉領域に中心があった。民間では社会改良主義的な関心の強い民間福祉団体が活躍し,都市自治体ではエルバーフェルト制度の名で知られる名誉職官吏による公的救貧事業が盛んにおこなわれた。このような市民参加の「古典主義時代」は,第1次世界大戦前後を境に大きな変化を遂げた。より教育と訓練を受けた専門職の比重が高まり,各民間団体や自治体は国家の社会福祉システムのなかに組み込まれる傾向が強まった。こうして市民参加の専門職化と組織化を特徴とする社会国家と呼ばれる社会福祉体制が形成され,その後のナチ期や戦後の西ドイツにおいても基本的に維持されてきた。1960年代から70年代にかけて,西ドイツでは新しい市民参加のスタイルが出現した。それは1968年に頂点を迎えた学生運動をはじめとする対抗文化や政治的批判運動の時期を経て,1970年代には,新しい社会運動と呼ばれる平和・環境・ジェンダーなどの問題を扱うオルターナティヴな志向を持つ市民グループが叢生した。このような「参加革命」と呼ばれる現象により,1980年代以降草の根民主主義型の政治文化が社会のなかに広まっていった。このような歴史的概観から見ると,現代ドイツの参加政策は20世紀初めから続いてきた社会国家型の市民参加のあり方を改め,1970年代以降の新しい社会運動に見られるような現状批判的・改革主義的なエネルギーを公的な領域に吸い上げることを目指していると考えられる。その試みの歴史的な評価はなお今後の課題である。
著者
岩部 直之
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.91-98, 1991-01-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

All extant organisms are thought to be classified into three primary kingdoms, eubacteria, eukaryotes, and archaebacteria. Based on the analyses of a pair of duplicated genes, elongation factors EF-Tu/l α and EF-G/2, and catalytic and noncatalytic subunits of ATPase (ATPsynthase), archaebacteria are more closely related to eukaryotes than eubacteria. While this relatedness is certified, phylogenetic relationship among several major groups of archaebacteria (extreme thermophiles, extreme halophiles, and methanogens) and eukaryotes is still unsettled because the phylOgenetic tree topologies among them vary with the genes analysed. The ambiguous situation suggests that archaebacterial major groups and eukaryotes were diverged during very short period in the long course of evolution.
著者
山之内 浩司
出版者
徳島赤十字病院
雑誌
徳島赤十字病院医学雑誌 = Tokushima Red Cross Hospital Medical Journal (ISSN:13469878)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.118-123, 2004-03-01

近年,若年者の間でボディーピアスが流行しており,口腔内においても舌ピアスの装着者が増加しつつある.これに伴い,舌ピアス装着に続発した重症感染症や金属アレルギーなど種々のトラブルが報告されており,今後,このようなケースに遭遇する機会が増加することが予想される.今回われわれは舌体深部にピアスが迷入したまれな1例を経験したのでその概要を報告する.患者は19歳男性で,舌の違和感と摂食障害を主訴に,近医からの紹介により当科を受診した.初診時,舌背正中部にわずかな腫脹を認め,触診で球状の硬固物を触知した.下顎咬合法X 線写真にて舌正中部に直径約3㎜,円形のX線不透過像を認めた.臨床診断は舌内異物で,局所麻酔下に異物の摘出術を行い,摘出物については元素分析を行った.術後2年11ヶ月経過した現在,舌の運動障害,味覚障害もなく経過良好である.
著者
平野 剛 那須 大毅 小幡 哲史 木下 博
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.27-36, 2014 (Released:2017-02-15)
参考文献数
13

ホルン演奏時の表情筋の制御様式と熟達度によるその違いを調べるために2つの実験を行った. 第1実験では熟達奏者にさまざまな音を演奏させ, 音が鳴る直前と音が鳴っているときの表情筋の活動と唇周りの皮膚表面の動きを計測した. その結果, 音が鳴る直前の活動強度と音が鳴っているときの活動強度の間に差はみられなかった. また計測されたほとんどの筋で演奏する音量が大きいほど, また演奏する音の高さが高いほど筋活動量は高くなった. 一方で口唇周りの皮膚表面の動きは, 演奏する音量, 音の高さにかかわらず一定だった. この結果から, 熟達ホルン奏者は意図した音に応じて, 音が鳴る直前から広範囲の表情筋の活動を共同的に制御し, 振動する唇の張力や質量を変化させていることが示唆された. 第2実験では熟達奏者と未熟達奏者の2群に分けて, 表情筋の活動の違いを検討した. その結果, 連続しない1つの音を演奏する課題では活動量に違いはみられないが, 異なる音の高さを連続して演奏する課題では, 上唇に付着する筋に活動量の違いが見られた. 上唇に付着する筋の活動は, 複雑な演奏を行うときに重要な役割を果たし, その制御には長期的な訓練を要することが示唆された.

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1950年03月28日, 1950-03-28

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1924年03月10日, 1924-03-10
著者
前川 孝昭 張 燕生 張 振亜
出版者
The Society of Agricultural Structures, Japan
雑誌
農業施設 (ISSN:03888517)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.69-75, 1997-09-25 (Released:2011-09-05)
参考文献数
15

嫌気性培養試験管を用いて酢酸分解系馴養メタン菌の回分培養を行った。初期菌体接種量の少ない場合において, 培養初期のメタン生成量は従来の微量金属塩濃度 (0.1mL/L) の時に最大であり, それより高い濃度ではメタン菌への阻害が見られた。しかしながら回分発酵の時間経過につれ, 最大のメタン生成量に対応する培地の微量金属塩濃度は高い濃度へ変化し, 16日後のメタン生成量は10mL/Lの微量金属塩液濃度の場合に最大になり, 従来の培地微量金属塩濃度の場合の2.2倍のメタン生成量が得られた。それと比較して接種量の多い場合には, 発酵の初期段階においてもメタン生成量は高い培地微量金属塩濃度 (15mL/L) の時に最大であった。時間の経過につれ, 15mL/L以上の高い微量金属塩濃度の場合のメタン生成量は, 15mL/L微量金属塩濃度の時の最大メタン生成量との差が小さくなる傾向が見られた。回分培養開始後2日目から7日目までの間のメタン生成速度を見た場合に, 微量金属塩濃度15mL/Lの時のメタン生成速度は従来の培地微量金属塩濃度の場合の3.7倍になった。