著者
Kazuhiro Machida Yoichiro Hirose Shinichiro Fuse Tohru Sugawara Takashi Takahashi
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.87-93, 2010-01-01 (Released:2010-01-01)
参考文献数
14
被引用文献数
26 36

In this paper we describe the development of a fully-automated solution-phase synthesizer, ‘ChemKonzert’ that can be used to prepare a wide variety of organic compounds. The automated synthesizer is ingeniously designed to perform most of the chemical reactions currently used by synthetic organic chemists and utilizes a centrifugal separator to efficiently achieve liquid-liquid extraction. The design of the hardware and software will be described in this paper, and several examples of organic reactions will also be presented as applications of the apparatus.
著者
田辺 裕 稲石 貴弘 森本 大士 直海 晃 田中 友理 柴田 有宏 高瀬 恒信 中山 茂樹 梶川 真樹 矢口 豊久
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第59回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.116, 2010 (Released:2010-12-01)

症例1 20歳代男性 H21年5月 祭りの最中に人を乗せた馬に腹部を蹴られた。救急病院入院したが翌日まで腹痛治まらず当院に転院。腹部は板状硬。CT上腹腔内遊離ガスと腹水を認め消化管破裂と診断。緊急開腹手術施行した。外傷性小腸破裂、汎発性腹膜炎に対し小腸単純縫合術、腹膜炎ドレナージ術施行した。術後経過は良好で11日目に退院した。 症例2 60歳代女性 H21年7月 馬の調教をしている時に後ろ足で上腹部を蹴られ、救急車で当院受診。右上腹部に軽度圧痛認めた。CT上肝内側区域に不整な低濃度領域あり。採血上GOT/GPT 279/223と肝逸脱酵素の上昇が見られた。外傷性肝損傷と診断し、安静目的に入院。入院翌日にはGOT/GPT 90/136と低下しており、CT上も血腫の増大なく退院とした。 症例3 30歳代男性 H21年10月 馬の世話をしている時に右鼠径部を蹴られ、救急車で当院受診。腹部は板状硬。CT上モリソン窩に少量の腹水を認めた。腹部所見から消化管破裂による腹膜炎を疑い緊急開腹手術を施行した。外傷性小腸破裂、汎発性腹膜炎に対し小腸部分切除術、腹膜炎ドレナージ術施行した。術後経過は良好で10日目に退院した。 馬に蹴られたことによって入院、手術が必要となった症例を続けて経験した。 馬に蹴られるという外傷は、狭い面積に強い力がかかり、内部臓器損傷のリスクも高くなると考えられる。このようなケースの診療に当たる際はそれを踏まえてアンダートリアージのないようにする必要がある。
著者
和田 崇
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.33, 2009

「セカンドライフ」は,従来のインターネット・サービスと比べて,表現の幅と活動の幅が大きく広がったとされる(山口,2007)。本研究は,「セカンドライフ」にみられる表現の幅と活動の幅の拡大が,従来のインターネット上でのコミュニケ―ションの方法や社会的ネットワークの構造や形成過程,さらにサイバースペースとジオスペースの相互関係をどのように変化させているかという点について論じることを目的とする。3D仮想空間は独自のコミュニケーション環境を持つ空間であり(山口・野田,2008),それを生み出す独自機能として,アバター,チャット,自己組織化,の3点をあげることができる。自己表現,変身願望,着せ替え人形としてアバターは,それ自体を話題にできることや文字以外に表情やしぐさで表現できることから,利用者間のコミュニケーションを活発にする働きがあるとされる。チャットはコミュニケーションの同期性は高いが,情報の蓄積性が乏しい。自己組織化とは利用者の行動と相互作用がその空間構造や社会規範を規定していくことをいう。2001年にプロトタイプが開発され,2003年6月に商用サービスとなった「セカンドライフ」では,上記に加え,仮想空間内の瞬間移動,持ち物の所有・管理,友達の設定,コミュニティの形成,土地の所有,オブジェクトの作成と著作権の付与,仮想通貨リンデンドルの付与および支給,仮想通貨リンデンドルとアメリカドルの交換などの機能・サービスが提供されている。「セカンドライフ」の利用者数は,2006年の約10万人から2007年5月には約650万人に急増した。そのうち日本人の利用者数は約4万人(2007年5月)と言われる。インターネットメディア研究所が2007年に実施した日本人の利用動向調査によると,利用者の年齢は20代後半から30代が中心である。利用者の居住地は関東地方が突出する。職業はほとんどが社会人で,しかもITリテラシーが高いと思われる層の利用が多い。しかし,継続的な利用は初期登録者の1/4程度といわれ,利用が定着しない理由として,全体像がつかみにくいこと,楽しみ方がわかりにくいことなどが指摘されている。その中で,継続的に利用するようになった者は,仮想街の見物,知人や初対面の人とのチャット,買い物,オブジェクトの作成,ダンス,イベント参加など,様々な方法により「セカンドライフ」で長い時間を過ごしている。また,日本人や日本企業の利用を支援する仮想市民ネットワークやコンサルタント企業も存在する。「セカンドライフ」は世界中からアクセス可能で,「セカンドライフ」内では国・地域の境を越えて利用者同士が仮想的に接近・接触したり,コミュニケーションしたりすることができる。そのため,ジオスペースとは無関係に思われる。しかし,次の5点において,「セカンドライフ」にも地理を見いだすことができる。第1は管理区域としての地域(「シム」)であり,設計者が設定したグリッド(緯度経度に相当)がその位置を規定する。第2は「セカンドライフ」内に形成される仮想都市の存在である。AKIBAやOKINAWAといった日本人街の形成も進んでいる。これらは仮想空間に形成される地理といえる。第3はジオスペースの地域コンテンツの発信である。自治体や観光協会などが観光情報を提供するとともに,仮想体験を通じて,集客や販売の促進に結びつけようとしている。第4は特定地域の課題解決に向けた国や地域の境を越えた協力活動である。新潟県中越地震に関する募金活動などがその例である。第5は「セカンドライフ」内での対人関係の形成とジオスペースでの地域単位でのイベント開催である。これらはジオスペースにおける地理を反映している。このように,「セカンドライフ」にみられる地理は,仮想社会(サイバースペース)と現実社会(ジオスペース)が入り交じったものとなっている。また利用者は,仮想経験とジオスペースでの行動,およびそれぞれをベースとした2種類のコミュニケーションを展開している。
著者
丸山 萌 田内 隆利 久保 光徳
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.3_41-3_50, 2020

<p>本研究の目的は,人形用キモノの形態学的特徴から衣服のデザイン要素としての「キモノらしさ」を明らかにすることである。人形用のキモノは,和裁の理論にとらわれない方法で,人のキモノをより特徴が際立つように簡略化し,再構成したものであると考えられる。人形用キモノの特徴を調査するため,1/6 スケールの着せ替え人形「ジェニー」用に作られた 17 点のキモノ作品例を収集し,分類した。実際にそれらの人形用キモノを再現し,制作過程の検証と形の観察を行った。各作品の特徴を人のキモノと比較し,材料と各パーツの構成の関係,制作の難易度,各部の幅の比率,人形の身体の形との関係に着目した。考察の結果,キモノらしさのデザイン要素は,人形用キモノ全体に共通する特徴としての一定の形の要素に加え,布幅に由来する各部の幅の比率,材料を無駄なく生かす使い方にあると結論づけた。また人形のキモノがこれらの要素を踏まえつつ,自由な解釈により制作された様子を示した。</p>
著者
ジョセフィン アグレバンテ 松井 年行 北川 博敏
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.235-238, 1990
被引用文献数
4

6lの容器当り5mlの40%か60%のエタノールを噴霧すると, 20℃で貯蔵したカーベンディッシュバナナの追熟が1~3日間早められた.処理した果実の追熟が早ければ早い程,コントロールと比較してより低いデンプン含量と,より高い全糖,ショ糖,還元糖含量となった. α-アミラーゼ活性は, 40%と60%エタノール処理の果実で一般に高かった.酵素活性の増大は,デンプンの加水分解の開始より明らかに遅かった.