著者
和田 洋一郎 桂 真理 石崎 梓 秋光 信佳 ウィロックス ラルフ
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、甲状腺がんなどに見られるBRAF V600E点変異を効率的に検出する方法を開発し、放射線被ばくによる変異メカニズムを研究しようとした。デジタルPCRシステムを駆使することで、10万個に1個の変異を検出することができた。放射線照射またはアリストロキア酸添加をおこなったHCT116細胞で変異が少数検出されたが、刺激を与えない場合にも検出されるケースがあり、これらの放射線照射やアリストロキア酸がBRAF V600E変異の誘因であるとは断定できなかった。今後放射線等の影響による遺伝子変異の検出にあたっては、特定の部位をさらに高効率で検出する手法の開発を優先すべきであると考えた。

2 0 0 0 OA 東洋之佳人

著者
柴四郎 (東海散士) 著
出版者
博文堂
巻号頁・発行日
1888
著者
東京府 編
出版者
東京府
巻号頁・発行日
1920
著者
秦 和寿
出版者
家屋害虫研究会
雑誌
家屋害虫 (ISSN:0912974X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.22-28, 2000
参考文献数
5
被引用文献数
1
著者
小宮 京
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.5-13, 2010 (Released:2017-05-08)
参考文献数
20

2009年9月,1955年の結成以来,ほぼ政権の座にあり続けた自由民主党の一党優位体制が崩壊し,民主党を中心とした鳩山由紀夫内閣が発足した。政治報道も変化した。とりわけ派閥という存在は,従来の自民党政権と,新しい民主党政権の断絶あるいは連続性を考える上で,興味深いテーマである。本稿は,この問題を考える前提作業として,自由民主党における非公式組織である派閥の機能について歴史的に検討する。その際,総裁選出過程における派閥の役割を,1920年代,1945-55年,1955年以降の三つの時代に分けて, 分析した。その結果,派閥のあり方を規定したのは,第一に,大日本帝国憲法や日本国憲法のもとでの運用,第二に,総裁選出方法との強い関連が明らかにされた。そして,派閥は,非公式の組織でありながら確固たる存在となったことが判明した。
著者
内山 香 山下 亮 鈴木 海渡 田上 翼 塙 一晃 乾 健太郎 小宮 篤史 藤村 厚夫 町野 明徳 楊井 人文
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.4Pin126, 2018-07-30

<p>国内外を問わず誤情報の拡散が社会的な問題となっており,情報の真偽検証の必要性が急増している. そこで本研究では情報の真偽検証を効率的に行うための支援システムの構築を行った. 本システムではニュース記事に対して言及しているSNS上の投稿をもとに人手の検証を必要とするニュース記事を推定する. 作成したシステムを用いることで検証を必要とする記事の探索作業の効率化を期待できることが確かめられた.</p>
著者
澤 聡一 姫島 源太郎 増田 健太郎 田嶌 誠一
出版者
日本コミュニティ心理学会
雑誌
コミュニティ心理学研究 (ISSN:13428691)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.45-61, 2016-08-31 (Released:2019-04-11)
参考文献数
30

This study aimed to describe the activities of the counseling office (non-profit organization)“Kyushudaigaku kokoro to sodachi no sodanshitsu”, and discuss the social significance. This office is established to practice the new clinical psychological community approach, by using the accumulating knowledge from a university. The office is not only providing the services based on clinical psychology for individual profit. Carrying out the training for the professional staff in human service organizations and graduate students of clinical psychology, group approach, psychoeducation, and psychological research, the office continues multiple community approaches. Today, social intersts in clinical psychological approaches are increasing. By noting the office’s establishment and organization processes, and discussing from the community psychological perspective, the clinical psychological services are expected to expand further. When founded, the office provided services that just based on the individual needs and theory. However, as needs from the community were increasing by degrees, various and multifunctional projects are created. And now, this office is providing the practice that organically integrated various projects. In addition, the relationship between the office and the university is changing, as management become stable. We discussed clinical psychological community approach through these practices and management processes.
著者
桑原 章 檜尾 健二 山野 修司 苛原 稔
出版者
JAPANESE SOCIETY OF OVA RESEARCH
雑誌
Journal of Mammalian Ova Research (ISSN:13417738)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.59-63, 2005 (Released:2005-06-04)
参考文献数
25

子宮外妊娠は補助生殖医療(ART)による妊娠の約5%に起こることから,その予防が重要な課題である.近年,胚盤胞移植により子宮外妊娠の頻度が減少する可能性が指摘されている.初期胚移植に比べて,胚盤胞移植では移植から着床までの期間が短いこと,また子宮の収縮が胚盤胞移植時期に少ないことから,移植胚が卵管へ輸送される可能性が低い胚盤胞移植は子宮外妊娠予防に有利とされる.一方,不妊原因である卵管因子の有無は子宮外妊娠の発生頻度に影響を与える.ART症例で卵管因子を有する症例の子宮外妊娠率は卵管因子の無い症例に比べて高い.胚盤胞移植と子宮外妊娠の関連を検討した報告では,卵管因子をもつ症例では初期胚移植に比べ胚盤胞移植で子宮外妊娠の発生が少ないが,卵管因子を持たない症例ではこの傾向は認められない.卵管因子をもつ症例にARTを行う場合,移植時期を胚盤胞期にすることで子宮外妊娠の予防が期待される.
著者
Kampei SHIMIZU Mika KUSHAMAE Tomohiro AOKI
出版者
The Japan Neurosurgical Society
雑誌
Neurologia medico-chirurgica (ISSN:04708105)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.257-263, 2019 (Released:2019-07-15)
参考文献数
48
被引用文献数
6 13

Considered with a poor outcome of subarachnoid hemorrhage due to rupture of intracranial aneurysms (IAs), treatment interventions to prevent rupture of the lesions are mandatory for social health. As treatment option is limited to surgical manipulations, like microsurgical clipping, endovascular coiling or deployment of flow diverter, and these surgical interventions have a potential risk of complications in nature, a proper selection of rupture-prone IAs among ones incidentally found is essential. Today, a rupture risk in each case is estimated by several factors like patient characteristics and morphological ones of each lesion. However, unfortunately, an IA without treatment sometimes unexpectedly ruptures resulting in a devastating outcome or an IA surgically treated is turned out to have a thick wall. To achieve more efficient treatment interventions, the development of a novel diagnostic modality is required. Here, mainly through the accumulation of experimental findings, the crucial contribution of macrophage-mediated chronic inflammatory responses to IA progression have been revealed, making macrophage being a promising target for a diagnosis. If we could non-invasively visualize accumulation of macrophages in lesions, this imaging technique ‘macrophage imaging’ may enable a qualitative evaluation of IAs to stratify rupture-prone ‘dangerous’ lesions among many stable ones. Thereby, a development of macrophage imaging makes an indication of surgical interventions being more accurate and also greatly facilitates a development of a novel medical therapy if used as a surrogate marker.
著者
山本 美奈子 宗像 恒次
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.10, 2012 (Released:2012-03-05)
参考文献数
42
被引用文献数
5

労働者のメンタルヘルスと行動特性の影響―共分散構造分析による因果モデルの検証―:山本美奈子ほか.筑波大学大学院人間総合科学研究科ヒューマン・ケア科学専攻―目的:労働者のメンタルヘルスの諸要因を明らかにし,また行動特性とメンタルヘルスとの因果関係を検証した.対象と方法:民間企業と地方自治体の労働組合に加入する労働者1,425名を対象に無記名自記式質問紙調査にて分析した.結果:労働者の行動特性とメンタルヘルス不調の関連を共分散構造分析により調べた.その結果,自己抑制型,対人依存型などの行動特性で示される他者報酬型自己イメージ変数は,直接メンタルヘルス不調に影響していることが示された.情緒的支援認知は,行動特性である他者報酬型自己イメージ変数とストレス源認知に直接影響し,メンタルヘルス不調に間接的に影響していることが示された.さらに,多母集団同時分析の結果,集団による違いは認められず,因果モデルは同じ構造を持っていることを確認した.考察:他者報酬型自己イメージは,メンタルヘルス不調に直接影響し,その影響力は最も大きかった.そのため,メンタルヘルス不調を予防するには,自己報酬型自己イメージにシフトしていくことが重要であると示唆された.さらに,職場の情緒的支援認知を高め,自己表現力や自己価値感を高める取り組みは,自己報酬型自己イメージ変容を促し,メンタルヘルス不調を予防する可能性が期待できると示唆された.
著者
安藤 和雄
出版者
京都大学ヒマラヤ研究会; 京都大学ブータン友好プログラム; 京都大学霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院
雑誌
ヒマラヤ学誌 : Himalayan Study Monographs (ISSN:09148620)
巻号頁・発行日
no.15, pp.155-168, 2014-03-28

東ヒマラヤは地理的にはブラマプトラ水系の東西に伸びるカンチェンジュンガからカカボラジまでのシッキム、ブータン、アルナーチャル・プラデーシュ、ミャンマーの範囲である。本稿では、東ヒマラヤの地域的特徴を湿潤モンスーン農業の焼畑と水田の存在、無床のモンパ犂、冬季森林放牧の農業から論じた。つぎに、具体的な調査事例としてモンパ社会を紹介した。そして、東ヒマラヤが「地域としての単位性」を特徴として有し、高地文明を構成する「文明単位」となりうることを示唆した。
著者
廣瀬 丈洋
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

地震活動によって断層から発生した水素が、その水素をエネルギー源にして有機物をつくり出す地下微生物圏を育んでいるという仮説を検証するため、地震時の高速断層すべり運動を再現できる摩擦実験によって地震時に発生する水素量を見積った。その結果、 地震によって含水断層帯で生じうる水素ガス濃度は大変高く(数mmol/kg)、地震断層起源の水素ガスを「えさ」とする地下生態系が存在しうる可能性があることがわかった。
著者
酒井 弘憲
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.1002-1003, 2014

少し暑さも納まり,過ごしやすい季節になってきた.サマージャンボに続き,オータムジャンボ宝くじが発売される.当たらないとは分かっていても先日のサマージャンボのように1等前後賞合わせて6億円などと言われると,ついつい買ってしまうのが人情である.銀座数寄屋橋の宝くじ売り場などは毎回,長蛇の列である.しかし宝くじは,言ってみれば某銀行や地方自治体が胴元の公認/公営ギャンブルみたいなものである.<br>皆さんはそのテラ銭,つまり胴元の取り分の割合をご存じだろうか? 競馬などの公営ギャンブルで25%くらい,パチンコでもせいぜい12%程度なのである.ところが,宝くじのテラ銭は何と54%にも上るのである.売り上げの半分以上が懐に入る仕組みで,胴元の某銀行は笑いが止まらないであろうと思われるかも知れないが,このお金はご存じのように公益事業に使われるので,公共団体などへの寄付のようなものとも考えられなくもない.4月に消費税が8%に上がって不平不満たらたらのはずだが,宝くじなら炎天下に2,3時間並んでも買おうというのであるから,著者も含め,まったくみんなおめでたくできている.<br>統計の連載なので少しそれらしい話に戻ると,皆さんは,宝くじの当選確率はいったいどのくらいになると思われるだろうか? 確率の世界では,「期待値」という考え方がある.取らぬ狸の何とやらで,宝くじ1枚あたりでいくら自分の手元に戻ってくるかという金額である.ジャンボ宝くじの場合,1ユニットあたり1,000万本が発行され,その中で1等はわずかに1本のみ.つまり1等を手にする確率は,1,000万分の1の確率なのである.当選金の期待値は,当選金額×当選確率で計算されるので,1等3億円の期待値はわずかに30円ということになる.この計算を1等から6等まですべてに当てはめて合算すると,ジャンボ宝くじ1枚の期待値は140~150円程度なのである.1枚300円なのでその半分以下しか期待できないというのが現実なのである.<br>その事実を知ったうえでも,なお,宝くじをお買いになるかどうかは皆さんの判断次第であるが,あまりにも分の悪い勝負というよりほかはない(と偉そうに講釈しながらも著者自身,まずは買わなければ当たらないと,毎回購入しているのだが…).<br>勝負というと,医薬品の開発も勝負には違いない.1つの医薬品を開発するのに,いまや1,000億円以上の経費を費やし10年もの歳月を重ねることになるが,最後の最後で安全性で問題が見つかり開発中止になるなどといった事例は枚挙に暇がない.製薬企業にとっては,まさに真剣勝負なのである.