著者
森田 健宏
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.39-44, 1999-08-20
被引用文献数
4

幼児向け教育テレビ番組(NHK教育)をサンプルに, その中で用いられている映像技法2種(カット技法・ズーミング技法)の実態を明らかにした.その結果, カット技法については, 幼稚園教育要領の5領域のうち, 「表現」領域を主なねらいとした番組では, 同時カット技法が多く含まれ, 「環境」領域を主なねらいとした番組では, カット自体は少ないが継時カットの比率が高いことが明らかになった.また, ズーミング技法については, 「表現」領域の番組が最も多用されており, 秒間拡大率・縮小率も高い値を示していた.
著者
市川 裕介 田中 明通 川村 亨 中村 俊郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.30, pp.99-104, 2005-03-18
参考文献数
8
被引用文献数
1

我々は独自開発した自動レコメンド手法によるレコメンドエンジン"AwarenessNet"をオンラインショッピングサイトbk1に導入し、レコメンドサービスについての実証実験を行った。従来、レコメンドエンジンのアルゴリズムの有効性はシミュレーションによる予測精度の評価やサンプルユーザへのアンケート調査によって評価される。しかし、その評価結果から実際のオンラインショッピングサイトへ導入した際の導入効果を見極めることは困難である。本報告では、実運用サイトでのレコメンドシステムの実証実験を行うことにより、従来の評価手法では評価することができなかった、レコメンドエンジンのビジネス面での導入効果についてその事例を示す。We introduced the recommender system "AwarenessNet" by the automatic recommendation technique for developing originally into online shopping site bk1, and did the demonstration of the recommendation service. The effectiveness of the recommender system is evaluated by the evaluation of the predictive accuracy by the simulation and the questionnaire survey to the sample user so far. However, it is difficult to ascertain the introduction effect when introducing it from the evaluation result to an actual online shopping site. This research shows the case about the introduction effect on the business side of the recommender system where the recognition cannot have been done by doing the demonstration of the recommender system in the real operation site in a past evaluation technique.
著者
伊沢 正実 坪田 博行
出版者
Journal of Radiation Research 編集委員会
雑誌
Journal of Radiation Research (ISSN:04493060)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.120-129, 1962
被引用文献数
5

To evaluate hazards of environmental contamination due to fission products from nuclear weapon test explosions, determination of body burden of the radionuclides taken in human body is essential. Because urine analysis is one of the practical methods to estimate body burden, Cs-137 concentration in human urine has been surveyed in Osaka and Ishikawa Prefectures since the fall of 1959. From the results of analyses, time variation of Cs-137 concentration and difference between two sampling sites were discussed with respect to the fallout rate. Cs-137 body burden was estimated from the analytical results by assuming the exponential equation for continuous exposure : In November 1959 the values were 8.4 mμc in Ishikawa and 6.0 mμc in Osaka respectively. And they decreased to 3 mμc in October 1961 in both areas. These values were consistent with the results obtained by other methods. Cs-137 gonad dose could be calculated with these values assuming uniform distribution of Cs-137 in a human body. Gonad dose rate due to internally deposited Cs-137 at present is about 0.7 mrad/y, and gonad dose up to the present is in the range of 5 to 8 mrad.
著者
橋本 良子
出版者
近畿産婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.p83-86, 1976-01
被引用文献数
1
著者
山県 登
出版者
日本放射線影響学会
雑誌
Journal of Radiation Research (ISSN:04493060)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.158-169, 1962-09
被引用文献数
1 7

Measurements were made of potassium, rubidium and cesium in a variety of Japanese diet samples to know the fate of these elements in food chain. Each component of the diet contributes potassium evenly to the diet, however, almost a half of cesium is estimated to be contributed by meat, eggs and milk products. Thus, the daily intake of cesium varies greatly depending on the dietary intake of this component. The daily intake by the Japanese adults as a whole is estimated as 1. 4 g of potassium, 1. 5 mg of rubidium and 0. 01 mg of cesium per person. The biological half-lives are estimated as 54, 140 and 76 days, respectively, for potassium, rubidium and cesium on the basis of the balance between the human body and diet assuming a single exponential function of excretion.
著者
長田 博
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.603, pp.86-89, 2002-11
著者
岩田(井上) 未来
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要 社会学研究科篇 (ISSN:18834000)
巻号頁・発行日
no.37, pp.37-54, 2009-03

トランスジェンダーについて,近年「性同一性障害」という診断名によって説明がなされるようになった。その治療は,「彼らは心と体の性別が食い違い,心の性を強制することは不可能なので,体の性を変えて男女どちらかに一致させる」というものである。しかし「トランスジェンダー」として自己表明する人々の語りを詳細に見ていけば,「女」と「男」の二元論では語り得ない人々の存在が明らかになる。トランスジェンダーは性別を移行するだけではなく,性別を乗り越え,否定し,無化し,撹乱する可能性を秘めている。性別が一貫した本質的なものとして捉えられる理由について,Sedgwickのホモソーシャル理論から解釈した。すなわち男性中心社会によって,性の自然性についての言説は支えられていると考えられる。故に「心にも性がある」とする主張もまた,男性中心社会の性別規範に則ったパフォーマンスである。トランスジェンダー性別二元論男性中心社会インタビュー
著者
内田 力
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 = NIHON KENKYŪ (ISSN:24343110)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.195-213, 2018-11-30

日本中世史家の網野善彦(生没年一九二八~二〇〇四年)は、一九七〇年代ごろから新しい歴史学の潮流(「社会史」)の代表的人物として注目されるようになり、のちに「網野史学」・「網野史観」と称される独自の歴史研究のスタイルを打ち立てた人物である。かれの歴史観は、とくに大衆文化の実作者への影響が大きく、映画監督の宮崎駿や小説家の隆慶一郎、北方謙三の作品にその影響がみられる。 では、網野はなぜこれほどまで個性的な歴史研究者になったのか。そう考えて網野の自伝を読むと、一九五三年の夏に左翼政治運動から離脱したことが重大な転換点として語られている。本論文では、網野自身が研究上の重大な転換点として語っていた一九五〇年代の網野の活動を、同時代の左翼政治運動の潮流とつきあわせて検証した。 本論文ではまず、日本の敗戦直後における網野と共産党の関係について確認した(第一節)。そのうえで、一九五三年以降の共産党分裂期を対象として、網野をとりまく政治的状況を分析するとともに(第二節)、網野が歴史をめぐっていかなる活動を展開していたのかを分析した(第三節)。最後に、一九五〇年代後半、つまり網野が左翼政治運動から離脱したあとに、いかなるかたちで歴史研究を再開したのかを検討した(第四節)。 以上をとおして本論文では、一九五〇年代前半の一時期、国際共産主義運動の一部分に組み込まれて翻弄されていた網野善彦が、左翼運動離脱後に、政治的に否定された学説の検証に向かったことを示した。くわえて、一九五〇年代の段階ですでに、歴史を表象するメディアの問題に接していたことを指摘した。
著者
島岡 まな
出版者
慶應義塾大学大学院法務研究科
雑誌
慶應法学 = Keio law journal (ISSN:18800750)
巻号頁・発行日
no.37, pp.19-37, 2017-02

井田良教授退職記念号#論説一 はじめに二 性犯罪規定の大規模改正三 性犯罪の保護法益に関する議論の進歩四 刑法改正骨子への批判的考察五 おわりに
著者
木下 眞二 小田切 正
出版者
北翔大学
雑誌
人間福祉研究 (ISSN:13440039)
巻号頁・発行日
no.5, pp.147-158, 2002

サッポロ・オリンピックの直前に完成した,札幌の地下鉄「南北線」も,30周年を迎えた(2001年12月)。その頃は,札幌の人たちは皆,「なんぽく」線と呼んでいた。地下鉄の標識も"Nanpoku Line"であったと思っている。ところが,二年ほど前,地下鉄大通駅の標識が"Nanboku Line"となっていることに,偶然気付いて,びっくりした。初めは,交通局の間違いと思ったが,こちらの間違いであることが,分かった。何十年も,疑うことなく「なんぼく」と信じ,その間違いに気が付かないことに,二度びっくりしたのである。私だけの錯覚なのか。そこで,周りの同年輩の札幌出身の人たちに聞いてみる。皆,「なんぽく」である。しかも,私と同様に,何十年も「なんぽく」と信じて疑うことがなかった。この,まことに不可思議な,札幌の方言「なんぽく線」のことを,同窓会誌などに(資料1, 2),エッセーとして載せたところ,札幌だけでなく北海道,東北地方,関東,関西の,沢山の方々から,意見をいただいた。とくに,俳人の嵩文彦氏,国文学の工藤芳雄氏,英文学の久末弘氏,ケセン語研究者の山浦玄嗣氏,文筆家の遠間昌平氏からは,貴重な資料が寄せられた。ここに,これらの資料の一部と,私たちのその後の調査を記録しておきたい。この「方言」の不思議な現象の実体が,かなり見えてきたように思う。しかし,まだ分からないことが沢山あるようである。以下に述べることは,これらの資料をもとに,私たちの考えをまとめたものである。間違っているところは,また,ご指摘いただきたい。(資料の中で,[]の部分は,私たちが後から加えたものである。)