著者
川岸 舜朗
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.11, pp.741-745, 1993-11-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1
著者
澤根 美加 大田 正弘 山西 治代 本山 晃 高倉 伸幸 加治屋 健太朗
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.188-196, 2012
被引用文献数
1

皮膚には血管・リンパ管からなる微小循環系がはりめぐらされており,皮膚は全身の臓器と同様に,血管から栄養や酸素を供給され,リンパ管から過剰な水分や老廃物を排出されることで恒常性を維持している。皮膚の恒常性維持に微小循環系は重要と考えられるが,皮膚老化への関わりとその分子メカニズムについては未知な部分が多かった。本研究では,加齢による皮膚老化が循環系機能の低下によって引き起こされ,さらにその循環系機能を血管安定化にかかわる受容体Tie2 (endotheliumspecific receptor tyrosine kinase 2) が制御することを明らかにした。まず,ヒト皮膚組織を用いて循環系変化を解析したところ,加齢で血管およびリンパ管の構造が不安定化し,機能が低下していた。さらに,そのメカニズムはTie2の活性化の低下に起因していた。Tie2は血管と同様,リンパ管機能や成熟化にも寄与しており,Tie2の活性化が血管・リンパ管の安定化に重要であった。そこで,Tie2を活性化する薬剤を網羅的に探索した結果,ケイヒエキスを同定した。
著者
金田 康秀
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.278-286, 2014 (Released:2015-03-30)
参考文献数
60

Vogt-小柳-原田病(原田病)は,本邦では2番目に多いぶどう膜炎である。自己のメラノサイトに対する自己免疫性疾患と考えられており,汎ぶどう膜炎に加え,中枢神経症状,内耳症状,皮膚症状をきたすことが特徴的である。標準治療は全身的なステロイド大量療法である。更に不十分なステロイド剤使用は再燃や遷延化を招く。今回,B 型肝炎ウイルスキャリアに初発した原田病に対し,ステロイド剤を一切使用せずに竜胆瀉肝湯(一貫堂)と五苓散の併用が奏効した一例を経験したので報告する。症例:40歳男性。両)霧視を主訴に近医眼科を受診し,両)黄斑症を認め当科に紹介。原田病と診断し,和漢診療学的に軽度の水滞・瘀血を伴う足厥陰肝経の湿熱と捉え,竜胆瀉肝湯(一貫堂)と五苓散を投与した。結果,翌日から徐々に視力が改善し始め,ステロイド剤を使用することなく治癒した。原田病に漢方単独の治療が選択肢になり得ることが示唆された。
著者
相原 正男
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.233-240, 2012 (Released:2017-04-12)

発達障害は神経心理学的に前頭葉の機能障害であることが明らかになるにつれて、行動抑制やワーキングメモリモデルに基づく認知神経科学的研究が近年活発に行われてきている。発達障害の脱抑制が、サッケード、NoGo 電位、情動性自律反応などの神経生理学的手法から明らかとなってきた。さらに、将来に向けた文脈を形成するためには、適切な行動(抑制・促進)を随時意思決定する必要があり、その際情動性自律反応がbiasとして作用している。
著者
林 祐一 西田 承平 竹腰 顕 村上 宗玄 山田 恵 木村 暁夫 鈴木 昭夫 犬塚 貴
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.244-249, 2016-07-25 (Released:2016-08-18)
参考文献数
11
被引用文献数
1 4

症例は65歳女性.40年前,双極I型障害と診断され,リチウム製剤で治療を開始された.途中,数年の中断を経て,10年以上前から炭酸リチウム600 mg/日を内服していた.精神症状のコントロールは比較的良好であった.X年12月,高血圧の診断のもと,アジルサルタン20 mg/日の内服が開始されたところ,内服3週間後から動作時の両手指のふるえが生じるようになった.症状は進行性で,手指のふるえが強まり,内服4カ月後ごろからたびたび下痢,便秘を繰り返すようになった.経過観察されていたが,翌年10月下旬ごろから食欲の低下,認知機能の低下が生じ,2週間程度で進行するため当科に入院した.神経学的には,軽度の意識障害,四肢のミオクローヌス,体幹失調を認め,立位が困難であった.リチウムの血中濃度は3.28 mEq/lと高値を認めた.リチウム中毒と診断し,炭酸リチウムを含む全ての経口薬を中止し,補液を中心とした全身管理を行ったところ神経症状の改善を認めた.炭酸リチウムは長期間,適正な投与量でコントロールされていたが,降圧薬のアジルサルタンの投与を契機として,慢性的な神経症状が出現し,次第に増悪,下痢,脱水を契機にさらに中毒となったものと推定した.リチウム製剤はさまざまな薬剤との相互作用がある薬剤で,治療域が狭いという特徴がある.双極性障害は比較的若年期に発症し,リチウム製剤を長期内服している患者も多い.このような患者が高齢となり高血圧を合併することも十分考えられる.リチウム製剤投与者に対して,降圧薬を新たに開始する場合には,相互作用の観点から薬剤の選択ならびに投与後の厳重なリチウム濃度の管理が必要となる.現行の高血圧治療ガイドラインでは特にリチウム製剤投与者への注意喚起がなされておらず,このような高齢者が今後も出現する可能性がある.また,リチウム製剤投与高齢者の高血圧の管理において重要な症例と考え報告する.
著者
山口 利勝
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.422-431, 1998-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
22

本研究は, Schlesinger & Meadow (1972) に示唆を得て, 健聴者の世界との葛藤並びにデフ・アイデンティティが聴覚障害学生の心理社会的発達に与える影響について実証的な検討を行った。健聴者の世界との葛藤尺度 (山口, 1997), デフ・アイデンティティ尺度 (山口, 1997), エリクソン心理社会的段階目録検査 (中西・佐方, 1993) からなる質問紙を141名の聴覚障害学生に実施し, 健聴者の世界との葛藤が心理社会的発達に与える影響とデフ・アイデンティティが心理社会的発達に与える影響を重回帰分析により検討した。その結果, 対象全体では,(1) 健聴者の世界との葛藤が心理社会的発達に多様かつネガティブな影響を与えており, 障害の受容がアイデンティティ形成につながること,(2) デフ・アイデンティティが心理社会的発達に影響を与えており, 統合アイデンティティ'がアイデンティティ形成にポジティブな影響を与えていること, などが明らかになった。教育歴では,(1) ろう学校群においては, 健聴者の世界との葛藤が心理社会的発達に影響を与えていないが, デフ・アイデンティティが心理社会的発達に影響を与えていること,(2) 学校変遷群と普通学校群においては, デフ・アイデンティティが心理社会的発達に影響を与えていないが, 健聴者の世界との葛藤が心理社会的発達にネガティブな影響を与えていること, などが明らかになった。なお, 健聴者の世界との葛藤, デフ・アイデンティティ, 心理社会的発達の聴覚障害変数 (聴覚障害を被った時期, 聴力損失の程度, 教育歴, 発声の伝達度, 両親が聴覚障害者か否か) による差については, 健聴者の世界との葛藤とデフ・アイデンティティにおいては教育歴で, 心理社会的発達においては発声の伝達度で差がみられた。
著者
金井 寛
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.1, no.10, pp.806-811, 1987-10-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
6

本年5月, 関係者の努力が実って「臨床工学技士法」が成立した. これはクリニカルエンジニアリング (CE) 担当者の国家資格制度を定めたもので, 世界最初の制度として注目される. ここでは本法の概要と, その周辺における問題点について解説したが, 関係者各位の理解を深める一助となれば幸いである.
出版者
日本讀書新聞社
巻号頁・発行日
1937
著者
大神 訓章 児玉 善廣 野寺 和彦
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 教育科學 (ISSN:05134668)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.203-212, 2011-02-15

要旨:本研究は、2008年に開催されたY大女子バスケットボールチームの公式15ゲームを対象として、ゲームスコアを数学的に処理することにより、チーム及び個人のオフェンス力を分析したものであり、就中、オフェンス力を最大評価するシュート力及びキープ力の詳細分析を試みた。その手法は、キープ力及びシュート力の実際値に、巧さを加味し、それらを「大きさ(理想値)」という観点で捉えた。その結果、キープ力について、Y大は、高数値を示し、理想値と比較しても上回り、キープ力があるチームと評価できる。しかし、シュート力は、低値を示し、全15ゲームにおいて、理想値を下回った。キープ力、シュート力が同等の場合、大きさの大なるチームが勝利していることから、本稿で捉えた大きさは、勝敗を決する要素のひとつであることが認められた。

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出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.132-133, 2021-04-01 (Released:2021-06-01)