著者
有山 達郎
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.105, no.6, pp.567-586, 2019 (Released:2019-05-31)
参考文献数
81
被引用文献数
4 16

Global warming has been regarded as a crucial issue in every industry. Since long term global goal was set on the basis of Paris Agreement, a considerable evolution toward CO2 mitigation in 2050 is desired even in steel industry. Until now, many various technology developments were carried out in the ironmaking area; however, the innovative progress beyond the past progressive developments is required to attain the long-term goal in 2050. This review focuses on the current technology development on CO2 mitigation to date and the design of an ambitious ironmaking process for the future. In particular, the directions for low carbon and decarbonization are discussed from the viewpoints of technological aspects and the comprehensive consistency with sustainability in steel industry. Moreover, the perspectives on CCU (CO2 Capture and Utilization) and hydrogen ironmaking process based on the renewable energy aiming for carbon direct avoidance are described.
著者
中山 誠二
出版者
日本植生史学会
雑誌
植生史研究 (ISSN:0915003X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.33-42, 2015 (Released:2021-03-17)

本稿では,レプリカ法によって確認された縄文時代のダイズ属種子圧痕を集成し,比較することによって,それらの大きさや形態の時間的変化を明らかにした。その結果,中部日本において縄文時代早期中葉(紀元前8 千年紀後半)から存在するダイズ属の種子が,縄文時代を通じて大型化し,特に紀元前4 千年紀後半の縄文時代中期以降,栽培型ダイズの種子が顕在化することが明らかとなった。この現象は,植物の栽培化に伴う一つの特徴である種子の大型化現象を示している。さらに,縄文時代のダイズ属種子は4 つの形態に分類され,野生種の利用から栽培化の過程で形態的な変化が生じ,複数の品種に分化した可能性を指摘した。
著者
桃川燕林 講演
出版者
三新堂
巻号頁・発行日
vol.巻1, 1898
著者
安元 健 NOELSON Raso NORO Ravaoni 佐竹 真幸 NOELSON Rasplofonirina RASOLOFONIRI ノエルソン RAVAONINDRIN ノロ
出版者
東北大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

マダガスカルにおける現地調査の結果、近年になって高死亡率の魚介類食中毒が多発していることが明らかになった。サメを原因とする食中毒は1993年以降に6件発生し、980名の患者と65名の死者の発生が判明した。ウミガメによる食中毒は1993年以降に5件発生し、414名の患者と29名の死亡者を出している。ニシン科に属する小型魚のミズンを原因とする食中毒(クルペオトキシズム)では、1名が中毒し死亡している。中毒原因となった有毒試料の入手は極めて困難であり、サメ、ウミガメ、ミズンのそれぞれについて1検体ずつ、数十グラム以下の試料しか得られなかったが、入念に解析を行い、以下の成果を得た。[サメ中毒]原因毒はシガトキシンと同様にNaチャネル活性化作用を有するものの、マウスの症状及びHPLCの挙動が異なることを明らかにし、主要毒2成分を単離してカルカトキシンAおよびカルカトキシンBと命名した。僅か数十ミクログラムの量であるが、化学構造の追究を継続している。[ウミガメ中毒]アオウミガメの内臓と推定される部位90グラムを得た。ヒト中毒症状及び毒のクロマトグラフィーにおける挙動から、らん藻の有毒成分であるリングビアトキシンとの類似性を指摘し、さらに追究を行っている。[クルペオトキシズム]中毒検体の頭部1個から微量の毒を検出し、クロマトグラフィーにおける挙動、細胞毒性、溶血性、抗体反応の結果からパリトキシンと同定した。
著者
須永 吉信 田中 哲治 黒沢 元博 根本 俊和 笛木 隆三 小林 節雄
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.655-659, 1985-06-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
20

アスピリン喘息 (AIA) では, アスピリンなど多くの非ステ言イド性解熱鎮痛剤により呼吸困難発作が惹起される. このためAIAの発熱, 疼痛時にいかなる薬剤を投与すべきか問題となっている. 著者らは, 古来より解熱鎮痛剤として用いられている地竜 (ミミズ, Lumbricus spencer) がAIAにいかなる影響を与えるかを検討し, 以下の成績が得られた. 1) AIAに地竜エキス500mgを投与し自他覚症状とFEV1, FVCを観察したが, 喘息症状に変化は認められなかった. 2) AIAに地竜エキスを1日1,500mg連続3日間または7日間投与し喘息症状とPEFRを観察したが, 投与前後にほとんど変化は認められなかった. 3) AIA発熱時に地竜エキス500mgを投与したところ喘息症状の悪化なく解熱効果が認められた. 以上の結果より, 地竜はAIAに対し安全に使用できる解熱剤であると考えられた.
著者
市場 洋三
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.346-351, 1997-08-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
10

腸管出血性大腸菌O157: H7感染症は軽症では下痢であるが, 重症では鮮血便を伴う出血性大腸炎となり溶血性尿毒症症候群HUSや脳症を併発し死に至ることもある. 1996年5月から6月にかけて岡山県では2つの大きな集団食中毒が学校給食を原因として発生し, 800名以上の児童が症状を呈し, 16名の子供にHUSの合併症を起こし2名が脳症にて死亡した. 学校給食の食材が原因と推定されたが同定はできなかった.
著者
飯森 豊水
出版者
学校法人 開智学園 開智国際大学
雑誌
開智国際大学紀要 (ISSN:24334618)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.5-18, 2017 (Released:2017-11-20)
参考文献数
26

ウィーン古典派の作曲家J. ハイドンの研究においては、20世紀終盤に明確な変化があったことが一部で指摘されている。 ハイドン研究史を概観すると、19世紀後半にC.F.ポールによってハイドンに関する学問的研究が始まり、1930年代のデンマークの研究者J.P.ラールセンを先駆として、戦後には活発な資料研究が展開された。20世紀の後半は、組織的で体系的な資料研究と、その成果としての学問的校訂楽譜による「ハイドン全集」をはじめとする諸資料の刊行が中心的課題となった。その課題が一段落する世紀の終盤になって明確な変化が起こり、新たな研究の地平が拓かれた。しかしその目指すところはまだ明らかとはいえない。小論では、この変化を分析し、従来のハイドン研究にはなかった新しい研究の可能性を検討する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.10, no.12, pp.38-41, 2011-07-05

「日本語には、人から賢く思われる魔法のような言葉があるんです」と、就職・敬語・面接コンサルタントの唐沢明さんは言う。例えば「ひとかたならぬ」「畢竟」といった、どちらかというと年齢層が高めの人たちが使う言葉だ。このような、やや古風な香りが漂う日本語を唐沢さんは「賢語」と呼んでいる。 どことなく品格が漂うこれらの言葉は、使いこなせてこそ意味がある。
著者
岩野 君夫 伊藤 俊彦 中沢 伸重
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.7, pp.526-533, 2004-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
9
被引用文献数
4 8

1, 吟醸酒, 純米酒, 本醸造酒及び普通酒のアミノ酸組成を調べ平均値の差の検定を行った結果, 製造区分間に全アミノ酸含有量と組成に大きな違いが認められ, 醸造法の違いが製成酒のアミノ酸組成に影響することを知った。2, アミノ酸を甘味,酸味,苦味,その他の4区分にグルーピングし, 各種清酒間の有意差を調べた結果, 吟醸酒は他に比べて甘味アミノ酸, 酸味アミノ酸の割合が高く苦味アミノ酸が少ないなど, 製造区分によって構成比が異なることが明らかとなった。3, アミノ酸を変数とする変数選択型判別分析を行った結果, グルタミン, プロリン, リジン, グルタミン酸, アラニン, ヒスチジンの6個のアミノ酸を変数として吟醸酒, 純米酒, 本醸造酒及び普通酒を高精度で判別できる判別関数を得た。
著者
Osamu Yanagisawa Hidenori Taniguchi
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.32, no.9, pp.578-583, 2020 (Released:2020-09-01)
参考文献数
23
被引用文献数
8

[Purpose] To evaluate the relationship between stride length during a pitch and maximal ball velocity and define the determinants of stride length in collegiate baseball pitchers. [Participants and Methods] Eighteen collegiate baseball pitchers participated in this study. Using a standard tape measure, the distance between each participant’s legs was measured after maximal abduction of both hip joints in a standing position. The pitchers threw fastballs on an indoor pitching mound at an official pitching distance. The throwing motion was recorded with four high-speed video cameras (240 Hz), while the ball velocity was measured using a radar gun. The stride length at foot contact was calculated at the maximal ball velocity using a three-dimensional motion analysis system. [Results] The maximal ball velocity (mean 129.8 km/h) had a significant positive correlation with the absolute stride length during a pitch (r=0.55), but no correlation with the relative stride length (% body height, % lower extremity length, and % maximal open legs’ width). Stride length during a pitch did not significantly correlate with the pitcher’s body height, lower extremity length, and maximal open legs’ width. [Conclusion] A longer stride length contributes to a higher ball velocity in collegiate baseball pitchers.
著者
中野 晋 小野 悟 冨永 数男 村上 仁士
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.1331-1335, 2005

2004年9月5日に発生した紀伊半島沖地震, 東海道沖地震の2回の地震の際の自治体の対応状況をまとめた. 徳島県では概ね震度3, 高知県東部では震度2程度, 来襲した津波高も室戸港で最大0.5m程度であり, 被害は発生していない. しかし, 職員の非常参集体制, 情報収集と伝達方法, 海面監視の方法などの点で検討すべき事項が見出された. これを契機に複数の自治体で津波注意報発令時の配備動員体制を再検討するなど津波防災体制の見直しが行われつつある.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1927年07月08日, 1927-07-08
出版者
国士舘大学外国語外国文化研究会
雑誌
外国語外国文化研究 = Studies on foreign languages and cultures (ISSN:1884944X)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.30-45, 2018-03-31

日本の英語教育では、中国語や韓国語やスペイン語等他の言語教育と違って、英語の全ての音素を学習者に見せ、発音体系の全体像を把握させる指導が定着していない。本稿では、まず先行研究から、中学英語教科書6種類の内、1種類しか全ての音素を取り上げていないことを述べ、次に英和辞典や発音教材の発音記号の一覧表、特に母音記号の一覧表には余剰なものや方言差を含んだものが多く、実際の1方言の音素数よりはるかに多くの記号がリストされているため、全体像を極めて把握しづらくなっているという問題点を示す。そして、一般米語の13母音24子音に絞り、日本語の五十音表のようにシンプルに整頓された、英語の母音と子音の一覧表を提案する
著者
仲 真紀子
出版者
人文書院
巻号頁・発行日
2009-01

テクストと人文学 : 知の土台を解剖する, 齋藤晃編, ISBN: 9784409040959, pp.244-263