著者
小原 久治
出版者
富山大学日本海経済研究所
雑誌
研究年報, 富山大学日本海経済研究所 (ISSN:03851958)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.55-74, 1992-03

小論の目的は,パシネッテイの所得分配理論(パシネッテイ・モデル)の帰結を端的に表象した「パシネッティ定理」を解釈し,その理論構造について吟味検討することによって,パシネッテイ・モデルの修正と拡充を図った所得分配モデルを構築する点にある。
著者
池田 智恵
出版者
関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)
雑誌
東アジア文化交渉研究 = Journal of East Asian Cultural Interaction Studies (ISSN:18827748)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.225-237, 2012-02-01

At the end of the Qing period, there was a boom in the translation of mystery novels; however, the writing of mystery novels by Chinese authors did not become popular until the 1920s. Beginning in the late 1910s, mystery-writing contests were announced in the newspaper readers’ columns, and many of the submissions resemble the earlier translated works all being set in overseas locations. At the same time, Chinesenewspapers were overfl owing with reader submissions, known as “black curtain” articles, that disclosed the darker side of society, that were extremely popular. With the appearance of mystery novels, it was believed that imagination was necessary for the appreciation of the newspaper article as a form of entertainment. In the 1910s, however, the writing of mysteries and “black curtain” articles had yet to fuse, but in analyzing the works of the 1920s, it is possible to discern that they were written based on the imagination used for the “black curtain” articles. From this point, “black curtain” article and mysteries fuse, and mystery novels that problematise China begin to be produced.
著者
木村 由美
出版者
北海道大学大学院文学研究科北方研究教育センター
雑誌
北方人文研究 (ISSN:1882773X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.43-71, 2018-03-31

本稿では国立公文書館所蔵『引揚者在外事実調査票』を基本資料とし、戦後、樺太深海村から北海道への引揚げについて分析した。これにより、樺太南部の漁村である深海村から北海道への引揚げについて実態を明らかにし、「樺太-北海道の上陸地-最初の住所-昭和31(1956)年現在の住所」と長いスパンで引揚者の動向を分析し、職業等と関連付けて定着地への軌跡を検証した。深海村では樺太全体と比べて「公式引揚」以前の、「緊急疎開」と「脱出」で引揚げた者の割合が高かった。また引揚出発港が、「公式引揚」で使用された真岡ではなく、大泊が最多であったことも特徴といえる。北海道では引揚げの最初の上陸地である稚内、函館、枝幸に定着した者が多く、また炭鉱都市へ定着した者も多かった。引揚げから昭和31年までの間に、6割以上の世帯が転居をしていることも明らかとなった。引揚後は漁業から、農業、炭鉱、日雇、公務員への転職が見られ、無職となった者もあった。深海村の公務員の引揚げについては、個別の事例を挙げて明らかにした。公務員は優先的に「再就職」されるよう考慮されたが、全員が「再就職」できたわけではなく、郵便局員と教員は同じ職に「再就職」したが、役場吏員の「再就職」は1名だけであった。学校は、教員の「再就職」先としてだけでなく、「小使」や「学校事務員」として転職した者もみられ、引揚者の受入先としても大きな役割を果たした。
著者
藤田 久一
出版者
関西大学法学会
雑誌
關西大學法學論集 (ISSN:0437648X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3-5, pp.481-520, 1986-12-10

本浪章市教授還暦記念論文集
著者
扎西 才譲 Tsering Tashi
出版者
学習院大学東洋文化研究所
雑誌
東洋文化研究 = Journal of Asian cultures (ISSN:13449850)
巻号頁・発行日
no.13, pp.592-575, 2011-03-31

使役文可分力宜接干預型,同接干預型,非干預型三秤。本文岡述了日,藏培中的同接干預型使役文的吋恣。当“冠程性劫洞”充当使役文凋沼吋,爾和悟言都表示‘友生放任’和‘遊行放任’,后鎮“ておく/~‘xi zhak”吋則表示‘控制中的遊行放任’;当“瞬同性劫洞”充当型胃悟吋,后鎮“ておく/~‘ ?堰@zhak”オ能表示‘控制中的送行放任’。 安多藏濡中表示‘放任’的最典型的句型是“假定型使役文”,日梧中不存在逮科句型。当“Lt程性劫洞”充当“假定型使役文”凋活吋表示‘炭生放任’,如后躾“~‘xi zhak”表示‘控制中的送行放任’;“瞬1司性劫洞”充当潤培吋表示‘炭生放任’,如后鎮“~‘xi zhak”表示‘控制中的遊行放任’和‘控制中的結果鑑鍍放任’。
著者
赤間 脩人
出版者
茨城大学大学院人文科学研究科
雑誌
茨城大学人文科学研究
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-17, 2011-02-28

アリストテレスが論じた愛(philia )について、それが何を意味するものだったのかを検討する。アリストテレスが愛において中心的に論じているのは自己愛である。その自己愛の理論をエゴイズムとの相違から検討することによって、最も優れて自己といえるものとは何かを明らかにした。それは自己の理性的部分である。自己を愛するとは理性(logos )を重視し、それが告げるように、あるべき仕方で行為することである。アリストテレスの愛は、現代ではその代替となるものが見られない程日常的で普遍的なものである。その本質が理性の重視にあるのならば、現代においても十分に顧みるべき価値のあるものである。
著者
藤崎 亜由子 廣瀬 聡弥
出版者
奈良教育大学次世代教員養成センター
雑誌
次世代教員養成センター研究紀要 = Bulletin of Teacher Education Center for the Future Generation (ISSN:21893039)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.85-94, 2022-03-31

本論では、保育内容の領域「環境」の中で身近な自然(動植物)との関わりに焦点を当て、特に自然と関わる際にその促進要因とも阻害要因ともなる虫に注目した。まず、幼稚園教育要領等に示された「幼児教育において育みたい資質・能力」と領域「環境」の「ねらい」を踏まえて、保育者を目指す学生及び保育者が身に着けてほしい知識、技能及び態度を明らかにした。その上で、虫に注目する意義やその教育的活用の方法について整理し、虫との関わりを通して自然や生命の豊かさを実感し、生物多様性への関心と関わりを醸成する保育を目指し、その担い手となる学生に伝えるべき内容を含んだ実践プログラムを提案した。最後に提案した実践プログラムを授業として実施した上で、受講生からの感想を質的に分析し今後の課題を探った。