著者
橋本 順光
出版者
帝京平成大学
雑誌
帝京平成大学紀要 (ISSN:13415182)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.17-26, 1999-06-30

デフォーの『コンソリデイター』(1705)よ従来, 三つの観点から研究されてきた。第一に, 月世界旅行記に仮託した政治パンフレットとみなす解釈。第二に, 古代と現代とのどちらの学芸が優れているかをめぐる当時の新旧論争に注目し現代派を擁護したとする解釈。第三に, 作中の中国の記述を取り上げ, 同時代の中国崇拝を風刺しだとする解釈。本稿は, 論じられることの少なかった新旧論争における中国評価に注目することで, これら三解釈を統合しようとする試みである。古代派の代表テンプルは中国を文明の起源と考え, その政治体制と高度な学芸を賛美した。それに対して現代派ウォットンは, ギリシアを近代ヨーロッパ科学の起源とし中国を停滞した専制国家と批判した。それを踏まえて, 『コンソリデイター』では, 学芸の起源を求めてヨーロッパから中国そして月世界へと旅し最後にはその月世界もヨーロッパに出来していたという円環が描かれる。ここでは, 現代派に基づいて中国崇拝を批判しつつも, 起源をめぐる新旧論争自体が風刺されているのである。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1099, pp.32-34, 2013-01-07

フランスの小説家であるジュール・ベルヌ(Jules Verne)が、SF小説「月世界旅行」で宇宙旅行を描いたのが1865年。小説の主人公は巨大な大砲によって発射される砲弾型の宇宙船に乗って月面近くまで到達した。それから約100年後の1961年、旧ソビエト連邦のYuri Gagarin氏が宇宙からの帰還を果たし、有人宇宙飛行の時代は幕を開けた。
著者
本間 精一 近岡 裕
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.730, pp.124-126, 2015-07

ほんま・せいいち:1963年、東京農工大学工業化学科卒業、三菱ガス化学(当時 三菱江戸川化学)入社。ポリカーボネート樹脂の応用研究や技術サービスなどを担当する。1989年、プラスチックセンターを設立し、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性PPE(ポリフ…
著者
山口 初代 大湾 明美 佐久川 政吉 田場 由紀 榮口 咲 大川 嶺子 糸数 仁美 坂東 瑠美 前泊 博美 Yamaguchi Hatsuyo Ohwan Akemi Sakugawa Masayoshi Taba Yuki Eiguchi Saki Okawa Mineko Itokazu Hitomi Bando Rumi Maedomari Hiromi 沖縄県立看護大学 いけま福祉支援センター
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.15, pp.43-51, 2014-03

[目的]男性高齢者の新たな介護予防の支援方法を見出すために、A島の民泊事業に参加している男性高齢者の当事者の誇りから"生きがい就労"の実態とニーズを把握することである。[方法]研究協力者は、A島の民泊事業に参加している男性高齢者4名である。方法は、民泊事業の就労内容と就労のニーズの語りから、キーセンテンスを抽出し、辻らの生きがい就労のコンセプトである[働きたいときに無理なく楽しく働ける]、[現役時代に培ってきた能力・経験が活かせる]、 [高齢者の就労が地域の課題解決の貢献につながる]に照らして帰納的に分析した。[結果]生きがい就労の実態は、辻らの生きがい就労のコンセプト[働きたいときに無理なく楽しく働ける]、 [現役時代に培ってきた能力・経験が活かせる]、[高齢者の就労が地域の課題解決の貢献につながる]を包含し、[共生の理解に貢献する]の新たなコンセプトが導かれた。生きがい就労のニーズは、民泊事業を《島の産業として組織的に取り組みたい》、《食事サービスの質を向上させたい》、《老い(身体機能)に合わせて民泊がしたい》であった。[結論]A島の民泊事業は、男性高齢者の生きがい就労につながっていた。生きがい就労のコンセプトに[共生の理解に貢献する]が加わっていた。男性高齢者は、地域の課題解決の主役としての役割が発揮できる存在であることを示唆していた。介護予防のために生きがい就労を推進するという新たな介護予防の支援方法が必要であると考えた。
著者
牲川 波都季
出版者
秋田大学国際交流センター
巻号頁・発行日
no.3, pp.53-82, 2014-03-01

本稿は,2009年度から実施してきた農家民泊事業について,目的・概要を詳細に示すとともに,アンケート結果等に基づきその成果を検証しようとするものである。 これにより本事業の意義と現在の到達点,残る課題を示す。 また,予算の出所などを含めた実際的な資料を提供することで,他機関が同様の取り組みを始めようとする際にも役立つ内容とする。
著者
北星堂
出版者
北星堂
雑誌
新英語 : The Student's Journal, An Illustrated Monthly Magazine of Life and Progress
巻号頁・発行日
vol.6, no.6, pp.129-155, 1922-06-01

184mm x 257mm
著者
名井 康人 大鶴 祥介 宮本 照雄 米田 俊之 大重 豊実 西野 功 鈴木 文雄 田中 正明 友田 利正 奥田 滝夫 小泉 寿男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.18, no.80, pp.79-84, 1994-12-16

人間の視覚特性に適合した新方式の液晶プロジェクタを開発した。これは、テレビ映像信号の輝度、色信号を処理して輝度画像、色画像を別個の液晶パネルで再生した後、光学的に重畳させることによりカラー映像を得るものである。人の目は輝度画像の解像能力に比較して、色画像に対する解像能力が低いため、色画像用として解像度の低い液晶パネルが使用でき、実用的なプロジェクタが低価格で実現できる。プロジェクタ光学系として偏光ビームスプリッタによる光源光の分離、合成を行う方式を採用し、対角1.3インチの小さなパネルを用いて、中心照度600ルクス(40インチ換算)の高い値が得られた。
著者
千葉 恒彦 小森田賢史 横田 英俊
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.163-173, 2010-01-15
被引用文献数
1

近年,移動体ネットワークを構成する要素として,フェムトセルやピコセルなどの携帯電話の小型基地局が注目されている.フェムトセルは,高層ビルや地下など広域基地局からの電波が十分に到達しないエリアに配置し,通信エリアを拡充するために用いられるが,その他のメリットとして,少数ユーザで専有的に無線帯域を利用することによる通信容量の増加や移動体アクセスネットワークの負荷軽減などもあげられる.通信エリア拡充のため,オフィス内にフェムトセルを複数配置した場合,ユーザが移動しながらデータ通信を継続するためには,フェムトセル間のハンドオフ技術が要求される.とりわけVoIPなどのリアルタイムアプリケーションでは,フェムトセル間の高速なハンドオフ技術が重要な課題となる.本論文では,複数のプロトコル実装にともなうフェムトセルの負荷増大を軽減し,かつフェムトセル間ハンドオフを実現するプロキシMOBIKE方式について提案し,実装評価によりその有効性を検証する.Recently, small base station such as femtocell and picocell are drawing attention as new components of wireless access networks. These small base stations are used not only to expand the wireless area in a high-rise building or basement, where the signal strength from macrocell base stations is not often strong enough, but also to increase bandwidth capacity for IP data communication and reduce the load on the core network. If multiple femtocells are deployed in an office building to expand the wireless area, a handoff mechanism between femtocells is required to support the continuity of IP data communication. Especially, real-time applications such as VoIP require a seamless handoff mechanism. In this paper, we propose Proxy MOBIKE mechanisms that can realize an efficient handoff between femtocells and mitigate the complexity of femtocell implementation resulting from supporting multiple protocols. We also implement our proposed mechanism to verify and compare their effectiveness.
著者
吉永 壮介
出版者
慶應義塾大学藝文学会
雑誌
藝文研究 (ISSN:04351630)
巻号頁・発行日
vol.104, pp.37-54, 2013-06

一、序言二、毛宗崗本に現れる「笑」の回数と傾向について三、笑いを許された人々-司馬懿、陸遜、司馬昭四、毛宗崗本の描く「笑い」のディテール五、龐統の諧謔に関する補説六、結語
著者
青柳 悦子
出版者
筑波大学文藝・言語学系
雑誌
文藝言語研究 文藝篇 (ISSN:03877523)
巻号頁・発行日
no.48, pp.35-108, 2005

『千夜一夜』(『アラビアン・ナイト』)の物語は,童話や映画,アニメーションなどさまざまなジャンルで無数の作品を生み出している.たとえば絵本や漫画で「シンドバードの冒険」や「アラジン」の物語に慣れ親しんだものが,『千夜一夜』の原作 ...
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1095, pp.69-75, 2012-11-12

アーティストや企業、個人などが、手軽にライブ動画をインターネットで配信できる環境が整ってきた。その市場に向けて、数万〜10万円程度で購入できるHD対応のカメラや配信機器を製品化する動きが相次いでいる。これは、ライブ動画配信が従来のテレビのチャンネルと同様の役割を果たすようになる過程の一つだ。従来の高額な業務用映像機器にも影響を与えつつある。
著者
梶原 幹弘
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.201-206, 1983-06-25
被引用文献数
2

異なる相対高での正形数λ_<0.1h>, λ_<0.3h>, λ_<0.5h>, λ_<0.7h>の変化を検討した。各正形数は, それに対応した相対幹曲線の回転体体積によって定まる。異なる年齢での二つの相対幹曲線を比較してみると, 基準とした直径の相対高の上と下とでは, どの場合でもそれらの相対半径の大小関係が逆転している。このために生ずる相殺作用が, 両者の正形数の差異を弱めることになる。このような効果は, 正形数の種類によって異なる。76年生のヒノキの例では, λ_<0.3h>で最も大きく, λ_<0.5h>でも起こったが, λ_<0.1h>やλ_<0.7h>ではほとんど認められなかった。これが, λ_<0.3h>やλ_<0.5h>, とくにλ_<0.3h>がλ_<0.1h>やλ_<0.7h>にくらべて相対幹形の変化の影響を受けがたい原因である。相対幹形の変化が大きい比較的若い年齢においても, λ_<0.3h>の変化はわずかであった。一方, この間にλ_<0.1h>は増加, λ_<0.5h>とλ_<0.7h>は減少を示した。その後, 相対幹形が安定するにつれて, いずれの正形数もほぼ一定となることがわかった。
著者
松村 外志張
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.129-142, 2005-04-10
参考文献数
25
被引用文献数
2