2 0 0 0 OA 脳波操縦士

著者
蘭郁二郎 作
出版者
文学書房
巻号頁・発行日
1942
著者
嶋崎 東子
出版者
旭川大学保健福祉学部
雑誌
旭川大学保健福祉学部研究紀要 = The journal of Faculty of Health and Welfare Science, Asahikawa University (ISSN:18837247)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.37-44, 2018-03-31

少子高齢化,世帯規模の縮小が進むなか,「無縁」や「社会的孤立」,「孤独」といったことが社会問題化するとともに,高齢者をはじめとした大人の居場所づくりが課題とされるようになってきた。本稿においては,それらの概念とこれまで私が経験してきた都市を中心とした高齢者の生活調査で得られた知見とを結び付け,都市高齢者にとっての居場所や居場所づくりの意味を問い直すことが目的である。先行研究の中には,楽しめて気軽に交流できる場を「居場所」と捉えるものがみられる。もちろん,そのような居心地の良い場所としての「居場所」も必要であろう。しかし,要介護者や超高齢でない限りは,自らが関わって作っていく,自身の役割があり,他者に必要とされるような「居場所」も必要ではないだろうか。生活と生活空間の一部を共にする住まい方であるコレクティブハウジングや「ひろば」という共用空間を持ち,お茶や活動をしながら交流したり,自発的に助け合いのシステムを構築したりしていた高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)での居住者のあり方から,そのように考察した。
著者
永岡 直充 今田 健
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48100802, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】大殿筋下部線維(以下,LGM)は歩行時における立脚初期の屈曲モーメントを制御し,同筋上部線維(以下,UGM)は中殿筋(以下,GMM)と共に立脚中期の骨盤落下を制御する筋として重要視されている。機能的に異なる作用を持つ大殿筋に対し,UGMの筋力強化を意識した股関節伸展外転運動を側臥位にて実施(以下,股関節外転位運動)している。本研究では,股関節外転位運動を伴う大殿筋筋力強化エクササイズ(以下,エクササイズ)を行い,UGM,LGMの筋活動を計測し,従来用いられている同筋の強化を目的とした異なるエクササイズとの比較を表面筋電図(以下,EMG)を用いて検討した。【方法】対象は,健常成人男性4例(年齢28.8±3.7歳,身長173.3±7.3cm,体重61.5±1.6kg,BMI20.6±1.3 kg/m2)であった。エクササイズ時に右側のUGM,LGM,GMMの筋活動を無線筋電計km-818MT(メディエリアサポート社)にて計測した。エクササイズは,腹臥位での股関節伸展運動(以下,腹臥位運動),片脚ブリッジ,股間節外転位運動,レッグプレス,フォワード・ランジの5通りとした。腹臥位運動は骨盤を固定した腹臥位にて,股関節伸展15°で膝窩から抵抗を加え2秒間保持した。片脚ブリッジは腕と左下肢を組んだ臥位にて,下肢90°屈曲,股関節内外転0°の肢位から体幹と大腿長軸が平行になるまで臀部を拳上し2秒間保持した。股関節外転位運動は膝関節90°屈曲位で固定した側臥位にて,足底をセラピストの骨盤に当てた。大腿骨に対し直角に抵抗を加えつつ,股関節屈曲,内転,内旋位から伸展,外転運動を股関節屈曲20°から-20°の範囲で行った。レッグプレスはシート角40°に設定したレッグプレスマシンに座り,下肢90°屈曲位から膝関節伸展0°まで伸展した。負荷量は1RMの60%とした。フォワード・ランジは両手を頭の後ろで組んだ立位にて,下肢90°屈曲位になるよう右下肢を踏み出し,2秒間保持した。運動回数は10回とし,運動開始から終了までの積分筋電図と最大随意筋力(以下,MVC)より相対筋電図(以下,%IEMG)を求めた。Tukeyの多重比較検を用いて5通りの%IEMGを筋ごとに比較した。独立変数は5通りのエクササイズ,従属変数は筋ごとの%IEMGとした。有意水準は1%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】ヘルシンキ宣言に従い,研究の目的,方法について説明し,研究の理解と同意が得られた上で実施した。参加は任意であり同意後もいつでも中断可能であること,それによる不利益を一切被らないこと,収集したデータは厳守されることを説明した。【結果】UGMでは股関節外転位運動,腹臥位運動,レッグプレス,フォワード・ランジ,片脚ブリッジの順に,LGMでは腹臥位運動,股関節外転位運動,レッグプレス,片脚ブリッジ,フォワード・ランジの順に,GMMでは股関節外転位運動,腹臥位運動,フォワード・ランジ,レッグプレス,片脚ブリッジの順に高い筋活動を示した。各筋(UGM/LGM/GMM)の%IEMGについて,腹臥位運動では62.7±14.9/68.4±13.5/38.9±29.1%,股関節外転位運動では84.7±41.6/61.5±26.5/54.1±48.9%であり,UGMにおいて股関節外転位運動は腹臥位運動に対し有意に高い値を示した(p<0.01)。さらに腹臥位運動と股関節外転位運動は,その他のエクササイズに対して有意に高い値を示した(p<0.01)。【考察】股関節外転位運動と腹臥位運動の3筋の%IEMGは同等の値を示し,その他のエクササイズとの比較において有意差を認めた。大殿筋は股関節伸展外転方向で最大の筋活動が発揮され,次いで伸展方向,外転方向の順に高い値を示すとの報告がある。股関節伸展と外転運動を組み合わせた股関節外転位運動においてUGMは高値を示したと考えた。一方,腹臥位運動は大殿筋本来の働きに即した抗重力肢位で行う運動として,UGM,LGMは共に高値を示した。この2つのエクササイズにおいて,UGMとLGMに対する負荷強度はMVCの60%を超えており,大殿筋の筋力強化を意識した運動として有効な方法と言える。さらに股関節外転位運動は,UGMに対し80%を超える負荷強度となり,UGM強化に特化したエクササイズである可能性が示唆された。臨床において,体幹および股関節術による禁忌肢位や片麻痺,円背など身体機能の変化に伴い,腹臥位を設定することが困難な場合が多い。本研究の結果から,患者の設定可能な姿勢に対応できるエクササイズ肢位の選択の幅が広がり,治療プログラム立案の一助になると考えた。【理学療法学研究としての意義】大殿筋は移動動作に重要な筋であり,幾多の筋力強化肢位が考案されてきた。今回の報告より,臨床で実施される代表的なエクササイズと股関節外転位運動について,EMGを用いて定量的に確認できた。股関節外転位運動は大殿筋の最大の筋活動を引き出しやすい肢位として,治療手段の1つとなり得ると考えた。
著者
平塚 乃梨 渡邉 修 井上 正雄
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.A3P2048-A3P2048, 2009

【はじめに】従来の脳血流評価にはfMRIやPETが利用されてきたが,近年,低拘束性,安全性が高い,身体活動の制限が少ない,頻回の計測が可能な機器として,近赤外光分光法(near infra-red spectroscopy :NIRS)が注目されている.本研究では習熟度の異なる3名の被験者が100マス計算を行っている際の脳血流増加部位の相違について,NIRSを用いて前頭前野および頭頂側頭葉の血流変化の比較を行った.<BR>【対象と方法】対象は100マス計算に熟練した健常な右利きの小学生,100マス計算を練習している左利きの小学生,100マス計算未経験の右利き成人男性それぞれ1名とした.測定には近赤外光イメージング装置NIRstation OMM-3000シリーズ(島津製作所製)を用いた.血流測定部位は,国際10-20法に基づき決定し,前頭部測定のために21箇所,頭頂側頭部測定のため40箇所を測定した.実験は,始めに対象を閉眼・安静とし,NIRS信号が定常状態になった時点から15秒間の脳血流を測定した(前レスト).次に,100マス計算を30秒間実施した際の脳血流を測定した(タスク).その後,再度15秒間の閉眼・安静時の脳血流を測定した(後レスト).上記の行程を1セットとし,連続して2セット実施した.実験には小学生が日常学校にて使用しているパソコンソフトを用い,数字の打ち込みは利き手にてテンキーを,非利き手にてenterキーを使用した.なお,実験は説明と同意を得て実施し,倫理的配慮に基づきデータを取り扱った.<BR>【結果と考察】100マス計算施行中の脳血流の増加は,未経験成人では左前頭前野が,練習している小学生は両側前頭前野が,一方,熟練した小学生では前頭前野での血流の増加はあまりみられず,頭頂側頭葉(右側優位)で血流の増加を見た.以上より,未経験成人における左前頭前野の血流増加は,計算や数字などの操作によるワーキングメモリの負荷が主因と考えられた.一方,練習している小学生では,両側前頭前野での血流が著明に増加したが,パソコン上での100マス計算の習熟過程において,数字や計算を空間的に捉えていることの反映ではないかと考えられた.さらに,熟練した小学生では両側前頭前野の血流増加はほとんどみられず,むしろ頭頂側頭葉(右側優位)で血流増加をみた.これは,学習の初期過程における前頭前野の役割および習熟による頭頂連合野の役割(習熟動作の固定)を示唆するのではないか推察された.<BR>【まとめ】100マス計算の習熟度の異なる3名について,100マス計算施行中の脳血流変化をNIRSを用いて比較した.その結果,新規学習においては前頭前野が活動し,習熟に伴い活動は,頭頂側頭葉へとシフトしていくことが示唆された.しかし本推論は,3例のみの比較に留まるので,今後例数を増やしてさらに検討をしていく必要がある.
著者
高平 一成
出版者
関西鍼灸大学
雑誌
関西鍼灸短期大学年報 (ISSN:09129545)
巻号頁・発行日
vol.15, 2000-09-30

日本と朝鮮の文化交流は古く,伝統医学においてもそれは例外ではなかった。朝鮮の伝統医学は日本のそれに根本的に大きな影響を与えている。にもかかわらず,日本では朝鮮伝統医学が中国伝統医学に比べ,とかく看過される傾向がある。その為か本邦における朝鮮の伝統医学に関する研究や著述は中国のそれに比べて,はるかに少なく,結果として日本の伝統医学の成立そのものを見過ごすことになりかねない。このような観点で筆者は韓国の漢方病院を訪ね,当地で伝統医療の一端を担う「四象医学」というものに興味を引かれた。そこで先程の傾向等を踏まえを鍼灸医学の立場からこの四象医学を考察するに至った。四象医学には中国医学では見られない,道数的な特微か随所に見られる。例えば「三才説」の天・地・人に「世」が加えられている事や,喜・怒・哀・楽の自律により運命が開かれると説いている事などである。また「四象」という語は『周易』からの借用と見られ,「心」を中央に,肺脾肝腎を四隅に配置する点に周易的な考え方が認められる。四象説の「四」は,従来の四体液説等が構成要素として「四」という数を扱っているのとは異なり,概念的枠組みを示すものであると考えられる。一方,五行説は両方の枠組み(概念的枠組みと構成要素の枠組み)の性格を合わせ持っている。五行説と四象説の臓腑間の相互関係に対する考え方はほぼ等しいと見なせる。五行説の金克木と土克水はそれぞれ,四象説における「肺と肝」「脾と腎」の相対関係に相当する。また感情と臓腑の関係では,怒か肝に影響を及ぼすという点が唯一両者に一致し,このことは「怒傷肝」の信憑性の高さを物語っているのであろう。ただし四象説には相生・相克という考え方は見られない。全般的に四象説は鍼灸の基本的考え方と大きな相違はないが,四象説では経絡の変動を各々の経絡に細分化する必要はないとする等,鍼灸の証の立て方を簡素化して臨床治療に役立てようとした。かといって経絡を否定しているわけでもない。むしろ鍼灸に対しては肯定的で,後世の熱心な医者にその研究を委ねている。
著者
檜山 英三 原田 隆範 兒島 正人
出版者
一般社団法人 日本質量分析学会
雑誌
Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan (ISSN:13408097)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.33-37, 2020-04-01 (Released:2020-04-15)
参考文献数
2

Circulating tumor cell (CTC) has improved the study of cancer disease as it represents a noninvasive biopsy that can be used as prognostic and prediction biomarkers as well as for future molecular diagnosis as an accurate selection of molecular targets and effective drugs. As tumor heterogeneity exists in neuroblastoma (NBL), we aimed to evaluate lipid-metabolomic molecular profile as well as genetic profiles at the single cell level of CTC for better understanding the heterogeneity and malignant grade of NBL. For attempt of CTC analysis in NBL patients, we have isolated single-CTCs and then performed direct trapping of a single cell within a nanospray tip followed by super-sonication after the addition of ionization solvent for metabolomics analysis. And we also performed genomic aberrations and expressions using next-generation sequencing after whole genome/transcriptome amplifications (WGA/WTA). In the NBL-CTCs, metabolomic analysis detected catechol amine metabolites, which are specific to NBL, and drugs included in the patient’s course of therapy in addition to vital molecules such as amino acids. In genomic analysis, the average amount of amplified DNA was 19.0 µg, and the percentage of reads mapped to any targeted region relative to all reads mapped to the reference was 66.5–98.9%. The concordance rates of CTC and tumor mutations were 49–80%. The genomic expression analysis in CTC showed the activation of cancer metastatic, neurogenic, stem cell signaling pathway genes. This “direct single-cell analysis method” seems to be useful for direct and wide range genomic and molecular marker detection in NBL-CTC, for evaluating heterogeneity of NBL tumor at diagnosis as well as during treatments. This method will be applicable for selection of effective drugs and evaluation of treatment efficacy in future.
著者
藤崎 亜由子 麻生 武 飯島 貴子 島内 武 亀山 秀郎 藤崎 憲治
出版者
兵庫教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、虫と出会うことの教育的意義を深く探求し、「園庭の虫あそび図鑑」の作成や「保育者養成教材の開発」という実践的成果へと結実させることを目的とした。結果、「Web版の園庭の虫遊び図鑑」を作成し、運用を開始した。図鑑には園庭で撮影した300種を超える虫を掲載した。また、関西地区の保育者や学生(保育者養成校)へのアンケート調査の結果も反映させ、生物学的な網羅性ではなく園庭という身近な環境に生息し、親しみやすい虫を優先的に記載した。さらに「虫あそびの教育的意義」について理論的にまとめるとともに、幼稚園での観察調査を通じて子どもたちの虫捕り遊びの中での動きとコミュニケーションを分析した。

2 0 0 0 OA 新法須知

著者
細川潤次郎 (十洲) 編
出版者
響泉書屋
巻号頁・発行日
1869

2 0 0 0 OA 広島市水道誌

著者
広島市 編
出版者
広島市
巻号頁・発行日
vol.[本編], 1931
著者
田中 健太 金澤 秀知 新井 哲平 栄永 道子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.488, pp.59-64, 2005-12-17
参考文献数
7
被引用文献数
3

学習者それぞれの学習意欲に合ったe-Learning教材で学習することの効果を検討した。学習意欲検査の結果によって2グループに分けられた被験者群を、さらにその意欲のタイプと合う教材で学習する群と合わない教材で学習する群に割り当てて学習させ、成績や学習を放棄(ドロップアウト)する割合を比較した。その結果、テストの得点やドロップアウト数において、自分に合った教材で学習した群が、そうでない群に比べてよい結果を収めた。そのことから、e-Learning学習においても、ひとりひとりの個性を重視した柔軟な教材を用いることの有効性が示唆された。