著者
筒井 淳也
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.572-588, 2013

本稿では, ポスト工業化社会における排他的親密性の現状と行く末について, おもに経験的研究の成果に依拠しつつ論じている. 戦後の工業化と経済発展に伴う男性稼ぎ手夫婦の段階を経て, 現在女性の再労働力化が進んでいる. おもな先進社会のなかでも各国ごとにバラつきがあるとはいえ, 女性の所得水準が全体的に上昇していくなかで見られるのは, カップル関係の衰退ではなく維持である. しかしその内実には, 同棲の広がりに代表される深刻な変化が生じている. この変化について, 関係性は外部の社会的要因から自由になっていくのか, 持続的関係は衰退するのか, 排他性は弱まっていくのかという3点について, おもに同棲についての欧米社会における実証研究を手がかりとしつつ検討を行った. さらに, 男女の経済状態が均等化するなかで, 人々が自発的に関係構築をするための生活条件が整備されていくと, 関係性やそれから得られる満足は自発的選択の結果として理解されていくのか, という問いを立て, 必ずしも自己責任論が徹底されるとは限らないこと, しかし親密な関係性を首尾よく構築できないことに対して公的な補償が充てられることは考えにくいことを論じた. 他方で日本社会はこういった生活条件が整備されつつある段階であり, 関係性の実践が男女で非対称的な経済的条件にいまだに強く拘束されている段階である, といえる.
著者
上野大輔 阿原正弥 酒光真理 松田結希 濱川礼
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.871-872, 2013-03-06

本稿は画像から逆遠近トリックアートを作成するシステムについて述べる。 近年、トリックアート展は全国各地で開催されている。 トリックアートには様々な種類があり、その代表的なものの一つとしてストリートトリックアートがあげられる。これは錯視と遠近法を利用し、路上に風景やキャラクターを描き、実際とは異なる空間を演出したり、物体があるように見せたりするものである。 しかし、トリックアートの作成には膨大な時間がかかる。本システムでは入力された画像の対象物を抽出し、影を付加したものに透視投影変換を行うことでストリートトリックアートやその他の逆遠近トリックアートの作成を行う。
著者
宮田 伸弘 松田 巌 守川 春雲 平原 徹 ダンジェロ マリー 長谷川 修司
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学講演大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, pp.21-21, 2005

Si表面上のAgは、理想的な界面構造として基礎物理特性の研究が数多く進められてきた。しかしその中で、Si(111)表面に1/3原子層ほど吸着させたSi(111)-3x1/6x1-Ag表面はまだ十分な研究がされているとは言い難い。最近になって、この表面は100K以下の温度でc(12x2)相に相転移することが報告された。今発表では、このc(12x2)相の初めてのSTM観察の報告を行い、その実験結果から、3x1-6x1-c(12x2)相転移の機構に関する考察を行う。
著者
野宮 謙吾 越川 茂樹
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.53, pp.452-453, 2006-06-20

In the Okayama Prefecture Soja city, the culture in the region was established in being familiarized with people and bringing up the culture of sports and to contribute to the depth or more and city planning, "NPO Kibi sport kingdom" was established. The mission and the vision of the Kibi sport kingdom were settled on by a joint research with Okayama Prefectural University. And, it was assumed that the visual identity was settled on to advance the image-making of the organization and strategic use was attempted.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.133, pp.37-40, 2008-11

10月15日、医薬品卸業界第4位の東邦薬品は、医薬品の開発支援などを営む富士バイオメディックスから、薬局子会社の富士ファミリーファーマシーを買収した。富士バイオは、14日に民事再生を申し立てて事実上倒産したため、医療機関や患者への影響を避けるべく、事業の継続を最優先して東邦薬品への売却に踏み切ったという。
著者
山本 隆儀 須貝 恵美 仁井田 貴之
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.787-799, 1996-03-15
被引用文献数
3 2

裂果感受性の異なるリンゴ15品種およびオウトウ8品種を用いて, 果実の最終果径 (横径と縦径) に対する果径の日平均変化率などの果実肥大特性を調査し,これらと可視亀裂量による裂果感受性との間の関係を調査した. さらに果実肥大特性と収穫期の果皮の物理性および肉眼では確認することのできない微細亀裂量との間の関係についても調査した.<BR>1.リンゴでは開花後約1ヵ月の横径の平均日変化率と裂果感受性の4指標 (CI, MDR, MDLおよびMDR+MDL) との間に正の有意な相関が認められた.また, 横径と縦径の変化率の差としての横方向への肥大の歪みの程度, あるいは肥大の非円滑性の程度と裂果感受性との間にも正の有意な相関が認められた.<BR>2.オウトウでは縦状の平均亀裂密度と横方向の果径の変化率, あるいは横方向への歪みの程度との間に高い正の有意な相関が認められた.<BR>3.リンゴでは横方向の果径の変化率, 横方向の歪みの程度および肥大の非円滑性の程度と収穫期の果皮の強度との間に負の相関が認められた. また, リンゴとオウトウの両者において, これらと果皮の縦方向の伸び長との問に正の相関が認められた.<BR>4.両樹種で上記の肥大の歪みや円滑でない肥大は微細亀裂量を増大させた.