著者
近藤 康生 ステース グレナス
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.67-76, 1995-03-31
被引用文献数
6

トヘロアはニュージーランドの開放海岸潮間帯に密集層を形成して生息するチドリマスオガイ科の大型二枚貝である。オークランド北西のムリワイ海岸でその生息位置, 方位, 運動能力を観察した。多くの個体は, 殻を海岸線と平行, または背縁を海側に向けている。これらの殻の向きは, 波に洗い出された貝が引き波に流されながら再びもぐる向きと一致しており, 最も開放的な海岸の潮間帯に適応したトヘロアが, 頻繁に洗い出されているという事実とよく合う。トヘロアは, Stanley(1970)の潜入速度の指標値で, 2-11を示し, 急速潜没二枚貝であることが確かめられた。幼貝の指標値は特に大きく, 二枚貝の中で最もすばやくもぐるナミノコガイ科の値と同程度に達する。一方, 底質にもぐる深さは, 平均的な殻サイズ10cmの個体で約10cmであり, 開放海岸潮間帯の二枚貝としては例外的と言えるほど深い。物理的に不安的な生息場所である浅海砂泥底の内生二枚貝に普通に認められる適応型は, 底質に浅くもぐりながら洗い出されてもすばやくもぐる能力を発達させるものと, 洗い出される危険をほとんど回避できるほど深くもぐるかわりに再潜入能力を放棄するものの二つであるが, トヘロアは両者の折衷した特異な適応を示している。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケーション (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.597, pp.74-76, 2013-10-01

ついにNTTドコモがiPhoneの発売を開始した。9月20日発売のiPhone 5c/5sは、ドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの3社が同一機種を販売するという従来にない事態となった。これまでのMNP(モバイル番号ポータビリティー)偏重の市場にパラダイムシフトが生まれ、…
著者
橘 省吾 浦川 聖太郎 吉川 真 中村 良介 石黒 正晃
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.4-13, 2013-03-25

地球外始原物質(より古い情報を記憶する物質)の科学は私たちの太陽系の歴史を銀河の歴史と実証的につなげる唯一の手段である.「はやぶさ」「はやぶさ2」の探査天体よりさらに始原的な情報が残されている可能性が高く,また来る10年に往復探査が可能な天体である107P/Wilson-Harrington(彗星/小惑星遷移天体)へのサンプルリターン探査を提案する.本探査計画は惑星物質科学の進展のみならず,太陽系初期につくられる揮発性物質を多く含む小天体の物理的特性を明らかにできる探査であり,惑星形成論においても大きな貢献をなすものである.
著者
西川 幸利 大津 隆行
出版者
社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.72, no.8, pp.1836-1841, 1969
被引用文献数
16

α-およびβ-置換アセチルアセトンを合成し,その銅(II)キレートによるメタクリル酸メチルの重合を,60℃,塊状で行なった。α-位にメチルおよびフェニル基を導入した場合には,重合活性は増大し,またフェニル置換体についてはつぎのような順であった:<I>p</I>-CH<SUB>3</SUB>O><I>p</I>-H><I>p</I>-CH<SUB>3</SUB>><I>p</I>-Cl。一方,β位に置換基を導入した場合には,つぎの順であった:C<SUB>2</SUB>H<SUB>5</SUB>O>CH<SUB>3</SUB>>C<SUB>6</SUB>H<SUB>5</SUB>。このような重合活性におよぼす置換基の効果は,主として置換基のI効果と生成リガンドラジカルの安定性によって理解された。<BR>また,これらキレートによる開始機構をさらに明らかにするためにアセト酢酸エチル銅(II)キレート([Cu(eacac)2])によるスチレンの重合(60℃)を動力学的に研究した。ベンゼン中では重合速度(<I>R</I>p)は次式で表わされた:<I>R</I>p=k[Cu(eacac)<SUB>2</SUB>]<SUP>0.5</SUP>[St]<SUP>1.9</SUP>。<BR>ベンゼン以外の他の溶媒を用いた場合には,<I>R</I>pに対するみかけのモノマー次数は1.3から2.4まで変化した。このことは,開始過程においてキレートとモノマーあるいは溶媒との間での錯体形成が重要であることを示している。得られた置換基効果ならびに動力学的結果から,金属キレートによるビニル重合の開始機構について考察した。
著者
前田 英仁 菅原 雅信
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.328, pp.66-69, 2003-05

1961年9月19日、香川県生まれ。86年9月、アパレル企業の株式会社エイジェンスを設立。2001年11月、株式会社はなまるを設立し、代表取締役就任。◆——「まんまるはなまるうどん」は急成長チェーンとして注目の的ですが、都会でも讃岐うどんがこれだけ受け入れられると考えていましたか。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1455, pp.136-138, 2008-09-01

食文化が異国で浸透していく過程を目の当たりにし、感慨にふけっていたのは前田英仁、46歳。低価格のセルフサービス式うどんチェーン「はなまるうどん」で讃岐うどんブームを巻き起こした人物である。 「やっぱり俺は立ち上げ屋だ」 前田の目は、生気に満ちていた。 「ウドンヤサン」はMIBという会社が経営する。2006年12月の設立時の社長は前田の妻であるナージェジダ。
著者
髙橋 昂也 前田 幸嗣
出版者
九州大学大学院農学研究院
雑誌
九州大学大学院農学研究院学芸雑誌 (ISSN:13470159)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.27-38, 2015-02

日豪EPAが2014年4月に大筋合意に至り,豪州産牛肉については,セーフガードを設定した上で,冷凍牛肉の関税率は19.5%,冷蔵牛肉の関税率は23.5%まで,それぞれ段階的に引き下げられることが決定した。また,現在,わが国が参加している環太平洋経済連携協定(TPP)交渉では,日米の協議において,牛肉の関税水準およびセーフガードが争点の1つとなっている。以上のようにわが国では現在,関税削減などによる国産牛肉生産への影響が懸念されているところである。そこで,本稿では,わが国における牛肉の貿易自由化に関する計量経済研究のサーベイを行い,牛肉の貿易自由化の影響を計量経済学的に分析する際の課題を明らかにする。
著者
マルハン ラジェシュクマール 原 邦彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.83, no.11, pp.979-989, 2000-11-25
被引用文献数
1

ワイドギャップ半導体であるSiCは, 高速のスイッチング用途における低損失パワー素子として性能向上がなされてきている.SiCのスイッチ素子が実現されれば, モータドライブシステムや高電圧直流送電において, 大きな変革をもたらすであろう.本論文では, 最近のSiCーMOSFETの構造とプロセス技術の進展を述べ, 蓄積層の大きなチャネル移動度を利用するノーマリオフ型エピチャネルトランジスタ設計の考え方を述べる.更にSiC結晶の高品質化からキーデバイスプロセスまで, パワーデバイス開発の取組みについても議論する.