著者
福田 智子 穂満 建等 フクダ トモコ ホマン ケント Fukuda Tomoko Homan Kento
出版者
同志社大学文化情報学会
雑誌
文化情報学 (ISSN:18808603)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.10-22, 2015-11

資料紹介同志社大学文化情報学部蔵無名歌集(仮称『いろは和歌集』)は、和歌を句頭の文字によって、いろは順に分類・配列した歌集である。本稿では、歌頭が「の」「く」「や」「ま」「け」「ふ」「こ」「え」「て」の歌、計180首について、『新編国歌大観』を対象に他出歌集を検した。その結果、『古今集』『新古今集』などの勅撰集歌だけでなく、『拾玉集』などの六家集(秋篠月清集・長秋詠藻・山家集・拾玉集・拾遺愚草・壬二抄)に採られている歌が多く見られ、また、『伊勢物語』『源氏物語』の物語和歌が採られているといった、前稿までと同様の傾向が看取された。出典未詳歌は6首ある。そのうち「け」の歌2首は連続しており、また、「え」「て」の歌はそれぞれ歌群末尾に配されている。なお、異文傍書の中には、出典と目される歌集において、当該歌の近くに配されている他の歌の句を、目移りにより誤って記したと推定される箇所がある。異文を記入する際に、出典歌集を参看していた可能性が指摘される。
著者
水野 篤 西 裕太郎 山添 正博 小松 一貴 浅野 拓 増田 慶太 新沼 廣幸 丹羽 公一郎
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.1083-1089, 2014

背景 : 過去に抗凝固薬における内服薬種類変更に伴うアドヒアランスの変化をみた研究はない. 今回心房細動患者における抗凝固薬のアドヒアランスを薬剤変更前後でアンケート調査にて確認した.  方法 : 心房細動において, 抗凝固薬を内服している患者のうち, リバーロキサバンに変更した患者全例を対象とした. リバーロキサバン開始時と次回約3カ月後の外来時にアドヒアランスに関するアンケートを行った.  結果 : 対象患者は40人 (平均年齢70.1歳, 男性7割). 変更前の抗凝固薬はアスピリン1人 (2.5%), ダビガトラン30人 (75%), ワルファリンが9人 (22.5%) であった. アンケート結果では, 開始前にも32.5%の患者が内服し忘れたことがあり, 3カ月の間に2.47±4.0回内服忘れることがあるということであった. 変更後のアンケート結果では3カ月間での薬を飲まなかった回数/日数のみ1.1±2.2回と有意に低下していた (p=0.008). アスピリン・ワルファリン群では有意に変化せず (p=0.285), ダビガトランからの変更群でのみ有意に3カ月間での薬を飲まなかった回数は改善した (p=0.018). 内服回数が2回以上の群では2.1回±3.6回から1.0±1.6回まで減少傾向を認めるものの, 有意差はなく (p=0.066), 内服回数が1回の群2.9±4.5回から1.2±2.6回に有意に減少した (p=0.046).  結論 : リバーロキサバン変更により内服を忘れる回数は有意に減少し, アドヒアランスによい影響を及ぼすと考えられた. さらにその効果は特にすべての内服薬を含めた服用回数が1回のものに顕著であると考えられる.
著者
浅木 尚実
出版者
淑徳大学短期大学部
雑誌
淑徳短期大学研究紀要 (ISSN:02886758)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.37-49, 2016-02-25

OECDの提言により、国際的に幼児教育の質的向上が注目を浴びている。我が国でも「子ども・子育て関連三法」が施行され(2015年4月)、今後益々子育てを含む幼児教育の質的向上が求められる時代に入った。幼児期の「遊び」は、「幼稚園教育要領」や「保育所保育指針」でも保育内容の中心的課題となっている。本論では、北欧スウェーデンの幼児教育を取り上げ、幼児教育・保育における「遊び」と質的向上との関連を考察した。
著者
小板橋 太郎 原 隆 白石 武志
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1659, pp.10-15, 2012-09-24

米国時間の9月12日、米アップルが発表した新型スマートフォン(高機能携帯電話)の「iPhone 5」。北米では14日にアップルのウェブサイトで予約受け付けが始まると、1週間後の21日を予定していた出荷予定日がわずか1時間余りで「2〜3週間後」にずれた。 早くも初回出荷分の予約をさばいた模様だ。
著者
安藤 りか
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集. 社会科学篇 = Journal of Nagoya Gakuin University (ISSN:03850048)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.133-147, 2015

本論では,取り組み開始から十数年となった大学におけるキャリア教育に対して,近年提出されている種々の批判を整理し,それらの批判の対象となっているキャリア教育の現実との照合・確認をおこない,そこに見られる課題の検討を試みた。その結果,第1に,批判の中核である「心理主義的傾向」と「対象と範囲の無限定性」については,批判が妥当であることを確認した。第2に,「対象と範囲の無限定性」の問題が,キャリアcareerの語義に起因する教育内容の無限定性の問題にとどまらず,教員の専門性の問題とも深く関わっていることを見出した。最後に今後のキャリア研究の課題を示した。
著者
石山 賢 渡邉 千之
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.331-343, 1994

リムルステスト〔血中エンドトキシン(Et)検出法〕が,1970年LevinとBangによって発表されて以来4半世紀を経過した。本法は,検体がタンパクを含まない溶液の場合には何ら問題がなく,鋭敏度や特異性の検討も詳しく行われて満足のいく検査であることが確かめられた。しかし,ヒトの血漿が検体である場合には,血漿中のリムルス反応阻害物質のためにうまくいかない。阻害物質としては,lysateの活性化を直接干渉ないし阻害する血液中の凝固因子や諸酵素,Etに親和性をもちEtと結合してEtの活性を抑制するようなcarrierタンパクであるHDL, apolipoprotein,あるいはIgM, IgGなどが考えられている。この反応阻害物質,干渉物質を排除する技法として,従来から種々考案されてきた。クロロフォルムによる抽出法,血漿の希釈および加熱法,弱酸による除タンパク法などが代表的であるが,いずれも少しずつ欠陥がある。今日わが国では,岩永らによって開発された合成発色基質を用いる定量法が普及し臨床検査として定着しつつある。しかし本法とて反応阻害に関しては同じである。血漿の前処理法としては主として過塩素酸処理法を用いるよう推奨されているが,これではタンパクと結合したEtが沈澱するために実際に血中に存在するEtの大部分が測定されないことになり,実測値としてはいわば水面に現れた氷山の一角のみをみているに過ぎないというおそれがある。この点を克服するために,酸によって生じた沈澱を再溶解する方法,全血を用いる方法,血中からEtをクロマトグラフィーによって抽出するなど種々試みられているが,未だ満足すべき技法の確立に至っていない。本稿では,リムルステストの原理を解説し,現行の技法の問題点を考察して得られる実測値の吟味を行った。
著者
辻 陽
出版者
近畿大学法学会
雑誌
近畿大学法学 (ISSN:09164537)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.289-336, 2010-12