著者
武 秀忠 正山 征洋 Xiuzhong WU Yukihiro SHOYAMA
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 = Nagasaki International University Review (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.139-146, 2021-03

COVID-19 が中国で確認され全世界へと蔓延し現在に至っている。中国では傷寒雑病論に収載される小柴胡湯、大青竜湯、五苓散を組み合わせ、21種の生薬を配合した新処方、“清肺排毒湯”が創出された。本処方は214名の患者に対して、90%以上の総有効率が見られ、そのうち60%以上の患者は臨床症状と画像診断で著しく改善され、30%の患者の症状は安定し重症化には至らなかった。清肺排毒湯を解析すると発熱・咳・インフルエンザ等に有効な麻黄、桂皮、杏仁、甘草を配合する麻黄湯が浮かび上がった。そこで麻黄湯の論文調査を行った結果、麻黄湯の有効性が明らかとなり、特に縮合型タンニンの抗ウイルス作用が強いことが判明した。アユルベーダで用いられてきた穿心蓮も麻黄湯同様な作用が認められ、広範囲の疾病に使われてきた。論文調査を行った結果、臨床的に抗ウイルス作用が明らかとなり、その活性成分はアンドログラフォリド類であった。これらの結果から麻黄湯加穿心蓮が COVID-19 に有効であろうとの結論に至った。
著者
乾 伸雄 品野 勇治 小谷 善行
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.92(2004-MPS-051), pp.5-8, 2004-09-13

本論文では、しりとり全体に含まれる文字数を最長とする文字数最大しりとり問題をネットワークフロー問題としてモデル化し、LPベースの分枝限定法による解法および実験結果について述べる。単語数を最大にする最長しりとり問題に対して、問題を記述するための変数が最大単語長に比例して多くなる特徴を持つ。実験は実際の辞書に含まれる単語について行った。実験の結果、最長しりとり問題と同じく文字数最大しりとり問題は現実的な時間で解ける問題であることがわかった。
著者
田浦 俊春
出版者
事業構想大学院大学
雑誌
事業構想研究 = Journal of Project Design (ISSN:24336696)
巻号頁・発行日
no.2, pp.23-29, 2019-03-30

革新的な事業やプロダクトを構想するためには,いわゆる知識に加えて,「思想」が重要な役割を果たすと考えられる。その実,「設計思想」という言葉が広く用いられている。しかしながら,その定義や内容は明らかではない。そこで,本稿では,「設計思想とはなにか」について議論する。はじめに,「なぜ設計には思想が必要か」提起をし,「設計思想とはどのようなものなのか」,続いて「設計思想の課題は何か」という問いについて,事例を参照しながら考えていく。
著者
出口 幸子 白井 克彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.642-649, 2001-03-15

筆者らは箏曲の楽譜データベースを実現するために,箏曲の旋律分析を行っており,その基礎として必要な音律と音階を規定することができたので報告する.箏曲の音律と音階を規定する文書は存在しないが,中国雅楽,中国俗楽,日本雅楽を経て箏曲に至っている.本研究では,箏曲譜から作成した楽譜情報ファイルの分析から箏曲の音律と音階を規定できることを示し,かつ中国雅楽の理論を適用できることを示した.本研究の目的は情報処理における対象領域の構造の規定であるので,明確に定義されている中国雅楽の理論を用いて検討した.音律については,楽譜情報から連続する2音の音程を抽出し,半音と全音が出現する音高が限定していることから,半音が生じる2音間の音程を $x$,生じない音程を $y$,および全音の音程を $xy$ として1オクターブ中の各音間の音程を決定した.これより,1オクターブ中の12音の具体的な周波数比を求めた.また,このように規定した音律が,中国雅楽の音律である十二律の理論に適合することを確認した.音階については,中国雅楽の音階である七音音階,および十二律と七音音階を対応付ける均の概念を用いて,箏曲の音階と均を理論的に定義した.一方,楽譜情報ファイルを調弦の変化する点で分割し,各音高の出現頻度より,均の存在を確認して,調弦と均との対応を考察し,また,七音音階であることを確認した.
著者
原田 昌博 Masahiro HARADA
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 = Research bulletin of Naruto University of Education (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.215-244, 2020-03-10

Das Ziel dieser Abhandlung ist es, die Sachlage der politischen Kneipen in Berlin am Anfang der 1930er Jahren aufzuklären, die als der Ausgangspunkt der politischen Gewalt funktionierten. Dabei lege ich den Schwerpunkt besonders auf den inneren Zustand und die verschiedenen Funktionen der politischen Kneipen, das Verhalten ihrer Schankwirte, die Beziehungen zwischen den politischen Kneipen und ihren Umgebungen und das polizeiliche Vorgehen. Die politischen Kneipen in der Weimarer Republik übernahmen die Tradition der Kneipenkultur der sozialdemokratischen Arbeiterbewegung, die in der letzten Hälfte des Deutschen Reiches entstand. Deshalb kann man unter dem Gesichtspunkt der Verbindung der Kneipen mit Politik auf eine Kontinuität von dem Kaiserreich zu der Weimarer Republik hinweisen. In der Weimarer Zeit hatte allerdings nicht nur die SPD, sondern auch die KPD und die NSDAP, also die nach dem Ersten Weltkrieg gegründeten Massenparteien, eigene Kneipen/Lokale errichtet, sodass sich die Kneipenkultur politisch polarisierten und diese Tendenz am Ende der Weimarer Republik viel größer wurde. Auf der anderen Seite hatten die politischen Kneipen im Kaiserreich als „Versteck“ funktioniert, damit man der Beaufsichtigung und der Unterdrückung der Obrigkeiten entkommen konnte, während in der Weimarer Zeit sie zum „Gefechtsstand“ im Arbeiterviertel für Überfälle auf den Gegner oder die Propaganda auf den Straßen geworden waren. Die politischen Kneipen, die öfter in der Umgebung aneinander anstoßen, waren zweifellos ein symbolisches Dasein für den politischen Alltag in der Endphase der Weimarer Republik, der durch die politische Gewalt wie Zusammenstöße und Überfälle auf der Straße charakterisiert war. Alles in allem war in der Weimarer Zeit die Beziehung der Kneipen mit der Politik sehr kompliziert geworden, da zusätzlich zum „vertikalen“ Gegensatz im Kaiserreich zwischen den Obrigkeiten und den Arbeiter der „horizontale“ Gegensatz zwischen den politischen Parteien hinzukam.
著者
矢萩 一樹 宮崎 浩一
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.46, no.SIG10(TOM12), pp.158-171, 2005-06-15

オプションの市場価格が理論価格より割高である場合には,オプションを売却してデルタヘッジを行えば理論上は確実に収益があがるはずであるが,実際には損失が発生することがある.本研究では,そのメカニズムを解明するために,デルタヘッジの効率性に着目したシミュレーションモデルを提案した後,実データに基づいて本モデルを利用した検証を行う.デルタヘッジを行う際に使用するデルタの算出には,実現したボラティリティ,各時点のインプライド・ボラティリティ,GARCH ボラティリティの3 種類を用いることで,これらのボラティリティがデルタヘッジに与える効率性の違いを比較した.また,分析をより現実的なものとするため,デルタヘッジにおける株式の売買コストを考慮したうえで,ヘッジ頻度を変えた分析からデルタヘッジの効率性とヘッジコストとのトレードオフを確認した.実験結果から,各時点のインプライド・ボラティリティおよびGARCH ボラティリティを直接利用するだけでは,デルタヘッジの効率性はきわめて低いことが分かった.ただし,現実のボラティリティをある程度正しく予測することができたならば,取引回数を10 回程度以上行うことで理論どおりに収益をあげることができるのが確認できた.また,ヘッジコストとヘッジの効率性に関するトレードオフは存在し,ヘッジ間隔が長くなるにつれて売買コストが低下する影響が強く現れる結果となった.
著者
並川 宏彦 Hirohiko Namikawa
雑誌
桃山学院大学総合研究所紀要 = ST.ANDREW'S UNIVERSITY BULLETIN OF THE RESEARCH INSTITUTE (ISSN:1346048X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.101-131, 2004-07-01

A world heritage “IRONBRIDGE GORGE” is introduced from the point of view of the industrial heritage. Some key remnants in “IRONBRIDGE GORGE” have been restored as the Ironbridge Gorge Museums. The production of iron using coke as a fuel and the construction of Iron Bridge were first accomplished in the world. The value that they should be preserved is very high. The ironmasters of the IRONBRIDGE GORGE started making iron products of many differente kinds. They came to play an important role in technology for the development of the English Industrial Revolution. It is understood that a great influence was brought to the society. The Victorian town is a Open Air Museum. It has a mine, blast furnaces, factories and stores recreating life and landscape in Victorian age. The China Museum, Tile Museum and Clay Tabacco Pipe Museum are local industrial museums. They have a long history and the uniqueness of the their products.
著者
上野 貴弘 森 慎太郎 大橋 正良
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.129-130, 2019-02-28

情報化社会の発展によって,携帯電話,PCなどのメディアデバイスが広く行き渡っている.それに伴い, twitterやLINE等ソーシャルメディアを利用して誹謗中傷が行われるなど,メディアリテラシーの問題が発生している. 本研究ではソーシャルメディアにおける書き込みをもとに,嫉妬感情の表現の検出を試みる.提案方式は,あらかじめ嫉妬感情だと判断した言葉を設定し,Pythonを用いてソーシャルメディアの書き込みから抽出するものである。抽出データから書き込みが嫉妬感情に基づいているか,その妥当性を判定する.
著者
笹田 耕一
雑誌
第52回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.145-152, 2011-01-07

プログラミング言語Rubyはスレッドプログラミングをサポートする。スレッド処理機構を実現するため、Ruby1.8処理系はユーザレベルスレッドを独自に実装していたが、我々は最新のRuby1.9処理系において、OSなどが提供するネイティブスレッドを用いる方式で実装した。具体的には、POSIX Tthread (Pthread)と Windowsスレッドに対応している。しかし、このRuby1.9処理系のスレッド実装は次のような問題点がある。(1)タイマスレッドが定期的に監視を行うため、CPUを低消費電力状態に保つことができない(2)複数CPUでのCPU利用権の放棄がうまくいかない。我々はこれらの問題に対して、(1)タイマスレッドの改善(2)CPU利用権の受け渡し方式の変更、を行うことで問題点を解決し、スレッド実装を改善した。本稿では既存のRuby処理系でのスレッド実装について述べ、問題点をまとめ、この改善手法について述べる。そして、改善後のRuby処理系の性能について評価した結果を示す。
著者
中川 裕志
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:21888906)
巻号頁・発行日
vol.2021-DPS-188, no.11, pp.1-6, 2021-09-02

死後の個人データの扱いは個人の尊厳の維持,あるいは生前の意思にできるだけ沿うことが重要である.この観点から,本報告では故人に永遠の生命をディジタルな形で与える不死のディジタル人格に関して,そのビジネス化あるは商業利用の実情を述べる.故人の顔画像の福笑いのような行き過ぎた,あるいはエンターテイメント化した故人の個人データのビジネス化などにみられる問題点を指摘して,故人の個人データのビジネス化のあるべき姿を模索する.
著者
三枝 優一 古井 陽之助 速水 治夫
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.6(2007-DBS-141), pp.77-82, 2007-01-26

辞書を用いる形態素解析においては,時代の流れと共に現われ変遷していく口語表現・省略表現・若者言葉等の新語を速やかに辞書に取り入れることで解析精度を高められると期待できる.そこで本研究では,Web上のblogを中心とした文書集合を字種別に切り分け新語候補とし,それらの出現頻度を既に辞書に登録されている語のそれと照合し評価することにより,新語を抽出する手法を提案する.実験では,カタカナのみ,あるいは漢字のみで構成される新語は,複合語を含め80%以上の精度で抽出することができた.また,出現頻度の低い新語についても一部抽出することができた.今後の課題としては,収集した新語の動的な品詞同定と,新語を辞書に取り入れることによる形態素解析精度向上の検証が挙げられる.