著者
濵口 正人 木村 暢夫 天下井 清
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.79-87, 1995-11 (Released:2011-07-07)

わが国のまき網漁業はいわし漁業を主体としたあぐり網を改良したものに、アメリカ式巾着網漁法を取り入れ普及した漁法である。その中でも特に大中型まき網漁業は船団操業形態をとっており、一船団は網船、魚探船、灯船(集魚灯の使用が禁止されている海域もある)、運搬船(2~3隻)からなっている。このことから、他の漁法に比べ操業形態も特殊で、投網時に網船は旋回しながら40トン前後の漁具を海中に投下、揚網時には魚探船による裏漕ぎにより網なりを良くすると同時に、網船に大きな傾斜モーメントを与える鐶締め時の片舷への大傾斜を抑制している。さらに、漁獲物を運搬船に積載する場合は、係留索で網船と運搬船を張り合わせると同時に、両船が接近しないように魚探船と灯船でそれぞれを裏漕ぎする必要がある。このため、操業中には波浪や風だけではなく、さまざまな外力によるモーメントが網船に作用している。そこで本研究では、135GT型まき網漁船(網船)の投網から揚船までの一操業中における動揺特性に関し、実船実験を実施し基礎的な解析を行い、さらに、前報の魚群探索中の動揺特性と比較検討を行ったのでその結果について報告する。
著者
指村 奈穂子 池田 明彦 井出 雄二
雑誌
東京大学農学部演習林報告 (ISSN:03716007)
巻号頁・発行日
no.123, pp.33-51, 2010-07 (Released:2011-07-26)

絶滅危惧植物ユビソヤナギの保全方法の検討資料とするため、ユビソヤナギの潜在生育域を推定し、その結果を踏査により検証した。推定は東北地方から中部地方にかけての地域において、気候、地形、地質などの環境要因に基づきGISを用いておこなった。また、過去の生育域を地史的な気候変動との関係から推定し、現在の分布への影響を考察した。ユビソヤナギの既知生育地は、温量指数60.1〜85.5、積雪深80cm以上、TPI値-3〜0、河床勾配0.1%〜6.3%、集水域に占める花崗岩系と第三紀層の合計地質割合61.7%以上の範囲内に分布していたため、これらの条件が対象地域内の河川において重なる範囲を潜在生育区間と推定した。その結果248区間が選択され、既知生育地のほとんどはこれらの区間に含まれていた。このうち54区間を踏査し、新たに7区間にユビソヤナギの生育を確認した。このことから本推定の確からしさが証明された。また、ユビソヤナギの過去の生育可能域は、最終氷期最盛期(約20,000年前)には日本海側の丘陵地2ヶ所ほどに、縄文海進期(約6,000年前)には脊梁山脈沿いの狭い地域に限定されていたと推定された。なおこれらの地域から離れた場所には、先に推定された潜在生育区間であっても現在ユビソヤナギの生育は認められなかった。ユビソヤナギの潜在生育区間は、温度や積雪、地形、地質などの制限により非常に限定的であり、個体群の維持や分布地の拡大は容易ではない。同時に、その地質地形的特徴から、治山・砂防ダム、貯水ダムが作られやすいと考えられた。そのため、未知のユビソヤナギの生育地を早急に発見し、現在分布している河川において適切な保全対策をとることが緊急の課題であると考えられた。
著者
八重樫博志
出版者
[農林省東北農業試験場]
巻号頁・発行日
no.63, pp.49-125, 1981 (Released:2011-09-30)
著者
齋藤 寿広 壽 和夫 澤村 豊 阿部 和幸 寺井 理治 正田 守幸 高田 教臣 佐藤 義彦 平林 利郎 佐藤 明彦 西端 豊英 樫村 芳記 小園 照雄 福田 博之 木原 武士 鈴木 勝征 内田 誠
出版者
農業技術研究機構果樹研究所
巻号頁・発行日
pp.1-9, 2009 (Released:2011-05-24)

1. ‘ぽろたん’は、1991年に農林水産省果樹試験場(現農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所)において‘550-40’に‘丹沢’を交雑し、育成した実生から選抜した渋皮剥皮性が優れる早生のニホングリ品種である。1999年に一次選抜し、2000年からクリ第6回系統適応性検定試験に供試した。その結果2006年10月4日付で‘ぽろたん’と命名され、‘くり農林8号’として登録、公表された。2007年10月22日付けで種苗法に基づき第15658号として品種登録された。2. 樹勢はやや強く、樹姿はやや直立である。枝梢は密に発生し、太く、長い。雌花の着生は多く、結果性はやや多い。果実の成熟期は育成地では9月上~中旬で‘国見’と同時期である。3. きゅう果は扁球形で‘国見’と同程度の大きさで、果実の側果側面の形は帯円三角形、横面は尖円形である。平均果重は30g程度で‘国見’より若干小さいが、‘丹沢’よりやや大きく、揃いは中程度である。双子果の発生はやや多く、裂果の発生は少ない。果実の比重は‘丹沢’や‘国見’より高く、肉質はやや粉質である。果肉は黄色で甘味、香気ともに‘丹沢’や‘国見’より多く、食味は良好である。環境条件により、虫害果が多発する場合がある。蒸しグリでの渋皮剥皮性は易であり、焼きグリにした場合、チュウゴクグリ程度に容易に剥皮出来る。4. 試作を検討した関東地方以西の産地で特性を発揮できるが、東北地方での適応性は不明である。ニホングリで唯一渋皮剥皮性が優れる品種であり、家庭での消費増大はもとよりニホングリの新規加工需要の創出等多方面での利用が期待される。
著者
松岡 正信
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.694-696, 2008 (Released:2011-01-28)

重要栽培漁業対象魚種における鼻孔隔皮欠損の出現状況を把握する一環として、胎生魚3種の人工稚魚について検討した。メバルの鼻孔隔皮欠損率は80.0%であり、他に前鼻孔の欠損が0.9%みられた。クロソイの鼻孔隔皮欠損率は33.3%であった。カサゴについては4つの種苗生産機関の稚魚を観察した結果、10.0%、38.3%、69.0%および70.5%と種苗生産機関によって大きく異なっていた。本結果から、メバルおよびカサゴについては鼻孔隔皮欠損を放流種苗の標識として用いられる可能性が示唆された。
著者
中川 雅弘
出版者
水産総合研究センター
巻号頁・発行日
no.25, pp.223-287, 2008 (Released:2011-03-05)

1 0 0 0 OA 阿波国藍作法

著者
吉川 祐輝
出版者
農商務省農事試驗場
雑誌
農事試驗場特別報告
巻号頁・発行日
no.2, pp.1-45, 1898-05 (Released:2011-09-30)
著者
宮尾 誠 山本 昭
出版者
新潟県内水面水産試験場
巻号頁・発行日
no.11, pp.55-61, 1984 (Released:2013-10-08)

スジエビ養殖において、放養密度がスジエビの成長等にどのような影響を与えるかを調査するために、面積5m2の試験池3面に1区1,200尾、2区600尾、3区300の稚エビを放養し、成長等の比較試験を実施した。1. 夏期の高水温期に1区の給餌率が、2区および3区よりも約1.5%低くかった。2. 歩留率は、夏期の高水温期に大量斃死がみられた。1区を除いて、90%以上の高率であった。3. 平均体重および平均総体長は、放養密度の高い試験区ほど小さかった。4. 平均体重と平均総体長の関係は、3試験区とも同じであった。5. 増重倍率は、放養密度の高い試験区ほど小さかった。6. 餌料効率は、3試験区とも50%以上の高率であった。7. 1m2当りの生産量は、放養密度の高い試験区ほど大きかった。
著者
高久 宏佑 畑谷 和海
出版者
水産増殖談話会
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.13-18, 2008 (Released:2011-01-13)
著者
東尾 久雄 廣野 久子 佐藤 文生 徳田 進一 浦上 敦子
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.3-7, 2011-01 (Released:2012-12-06)

イチゴ果実の着色は供試した白色蛍光ランプ,食肉展示用蛍光ランプのいずれを照射しでも着色し始めた果実の着色を促進した。その着色促進には,UVのみならず可視光線も関与していた。また,UVの作用は処理する果実熟度で大きく異なり,着色し始めた果実ではアントシアニン合成に促進的に作用し,着色が果実表面の1/2程度およびそれ以上に進むと抑制的に作用することが推察された。一方,イチゴ未熟果実の着色促進に有効なUV強度は供試した蛍光ランプのUV領域の総放射エネルギー量より,0.14W・m-2程度で十分と思われた。
著者
小川 和夫
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.586-598, 2010-07 (Released:2011-05-27)
著者
長沢 栄史 下野 義人 本郷 次雄
出版者
日本きのこセンター菌蕈研究所
雑誌
財団法人日本きのこセンター菌蕈研究所研究報告 = Reports of the Tottori Mycological Institute (ISSN:03888266)
巻号頁・発行日
no.38, pp.6-13, 2000-12 (Released:2011-03-05)

従来日本から未記録であったモエギタケ科のきのこ,Hypholoma tuberosum Redhead & Kroeger(キンカクイチメガサ/菌核市女傘:新称)の日本における発生について報告した.本種は1987年にカナダ,バンクーバー産の標本に基づいて新種記載された比較的新しい種類であるが,Hypholoma(=Naematoloma)クリタケ属において菌核を形成する点を著しい特徴とする.カナダからの報告以後は,オーストラリアおよびベルギーから報告されているのみであった.菌核は地中に形成され,褐色で不規則に歪み,大きさは通常10-30×10-25×10-20mm.子実体は一つの菌核から1-5個生じ,比較的小形.かさは径2-4cm位,黄土色~帯褐橙色で湿時やや粘性を帯びる.柄はつばを欠き,傘より淡色で細長く,菌核が土に深く埋っているときは基部が根状に長く伸びる.胞子紋は暗紫褐色.胞子は楕円形で発芽孔を有し,大きさ8.5-12×5-6.5μm(平均10×5.5μm).日本では秋,芝生,畑,公園内の植木の下,あるいは花壇などに発生し,鳥取県(鳥取市),京都府(京都市),大阪府(高槻市)および新潟県(上越市)で発見されている.国内における生態および分布の状況から推察して,本菌は恐らく外国からの移入種であり,また,国内に広く分布しているのではないかと考えられる.