著者
安藤 昭 赤谷 隆一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D (ISSN:18806058)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.233-241, 2007 (Released:2007-06-20)
参考文献数
21
被引用文献数
2

本研究は,コオロギ等昆虫の発音を刺激とする場合の日本人とアングロサクソン系欧米人の音の評価とその意味について比較検討したものである.分析の結果,比較的馴染みのない刺激音であるアングロサクソン系欧米人においては,昆虫の種によって“騒音”を想起させる聴覚反応または“自然風景”を想起させる視聴覚反応として処理され評価は低い.一方,馴染み深い刺激である日本人においては,昆虫の種にかかわらず“原風景”を想起させる視聴覚反応として処理され,総じて評価が高いことが明らかとなった.本研究によって,特定の地域や場所の基調音がどのように形成されていくかを解明する新たな手掛かりを得た.
著者
安藤 昭 佐々木 栄洋 赤谷 隆一 三浦 剛史
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.639, pp.1-11, 2000-01-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
20
被引用文献数
4 1

今日, 我が国の津波防災に関する研究は, 国際的にも高い評価を受けている. しかし, それぞれの研究成果は, 関連性がないままになっており, これまでに講じられてきた津波防災対策を全般的にオーソライズし, 評価する体制は十分とはいえない.そこで, 本研究では, 津波常襲地域である岩手県沿岸域14市町村を対象に, 津波被害史, 津波対策史, 被災復興史という3つの観点から津波防災に関する情報を収集し, 津波防災に関するデータベースを構築した. そして, データベースにおいて制約, 結合といったデータ操作による分析を行い, 津波防災の変遷を明らかにし, 岩手県沿岸域における津波防災上の共通課題を探索した.
著者
三冨 敬太 佐藤 優介 阿部 菜々子 佐藤 尋宣 藤井 賢二 安藤 昭太 山田 悠平
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第68回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.276, 2021 (Released:2022-02-23)

インクルーシブデザインは重要度が増しているが、障害のある人とない人が共感を得ながらコミュニケーションを進めることは簡単ではない。現状のインクルーシブデザインのデザインプロセスでは、コミュニケーションの齟齬が発生する可能性を残している。そのため、本研究では、障害のある人とない人が共感を得て円滑なコミュニケーションを行うことができる介入を加えた、デザインプロセスを提示した。具体的には、インクルーシブデザインのデザインプロセスをベースに、共創型対話のアプローチを組み込んだ、Valuable Designプロセスを提示する。また、本デザインプロセスをもとにデザインしたコンセプトの提示を行いフィードバックを得た結果、本デザインプロセスを通じて、障害の有無を超えたメンバーで新規性の高い価値を顕在化できる可能性が示唆されたと考えられる。
著者
山内 忠平 高橋 弘 安藤 昭弘 今石 延子 野村 達次
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.31-38, 1967-04-30 (Released:2010-12-09)
参考文献数
20
被引用文献数
3 3

低温 (10℃) , 常温 (25℃) , および高温 (35℃) 環境に暴露したICR-JCLマウスを用いて, Pentobar-bital, Adrenalin, Acetylcholineの致死作用に対する環境温度の影響について検索した。また, 各温度下で上述の薬物を投与したときの心電図, 心拍数, 呼吸数, 血圧, および体温の経時的変化を観察した。1.Pentobarbita1の作用は低温下でもっとも強く現われ, 常温, 高温の順で弱くなった。Pentobarbital50mg/kg以上の投与により, 心拍数と呼吸数が減少し, 血圧と体温は下降した。これらの変化は低温下で強く, 投与後約45分で死亡した。高温下の変化は軽度であった。2.Adrenalineの作用は低温下で強く, 高温, 常温の順に弱くなった。Adrenalin6mg/kgの投与により心拍数の減少, 呼吸数と血圧の―過性の増加, 体温の下降が認められた。この変化は高温下では急激に起こり, 投与後10~15分で死亡した。3.Acetylcholineの作用は高温下で強く, 低温, 常温の順に弱くなった。Acetylcholine140mg/kgの投与により不整脈が発現し, 心拍数と血圧は一過性に減少した。呼吸数と体温は漸減した。この変化は高温下で強く現われ, そのまゝ死亡した。低温下では一時減少してから, 少しく回復し, 以後徐々に減少した。4.以上の結果は, 低温もしくは高温に暴露された動物の生理機能の変化と, 薬物投与による生体の反応とが同時に作用していると考えられ, 実験に当って, 一定の環境温度に設定することの重要性を示唆した。
著者
安藤 昭代 赤木 啓子
出版者
東海学園女子短期大学
雑誌
東海学園女子短期大学紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
no.21, pp.p1-12, 1986-07

学校の調理実習で学習した計量器を, 家庭の主婦がどのように活用しているか, 計量器の所持と使用の実態およびその実態の背景にある要因について, アンケー卜調査を行ない検討した。計量器は「はかり・計量カップ・計量スプーン・温度計」の4種類とし, 名古屋市内に居住する主婦を対象として調査した。結果を要約すると次のようである。1.計量器の所持率は「はかり・カップ・スプーン」が比較的高く, 使用率はいずれの計量器においても所持率よりも低い。2.職業別にみると, いずれの計量器においても所持率・使用率ともに主婦専業が比較的高い。3.最終学歴別では, 4種類の計量器において所持率・使用率ともに短大が比較的高く, 中学一が比較的低い。4.好む家事の順位別では, 料理を第1位とした者に「はかり・スプーン」の使用率が高い。5.家庭調理における食生活観では, 手作りの食事を家族に食べさせたいと言う者の使用率がいずれの計量器においても比較的高い。6.学校時代に計量器の使用経験の有る者は, 無い者よりも4種類の計量器の所持率・使用率ともに極めて高い。7.家族と外食する者は, しない者よりもいずれの計量器においても使用率は比較的高い。8.家族構成および1日の総調理時間などの家庭における食生活形態においては, 4種類の計量器の所持率・使用率ともに有意差は認められない。
著者
安藤 昭代 赤木 啓子
出版者
東海学園女子短期大学
雑誌
東海学園女子短期大学紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
no.22, pp.p1-15, 1987-07

家庭の主婦の調理用計量器の使用実態と彼女たちの学校時代における計量器学習経験との間にどのような関連があるかを, アンケート調査を行なって検討した。調査した計量器は, 「はかり・計量カップ・計量スプーン・温度計」の4種類である。1)学校時代に多く使用された計量器は, 「はかり・カップ・スプーン」であり, 「温度計」は少ない。2)学校時代に使用経験の有る者は, 無い者よりも各計量器の所持率・使用率ともに高い。[table]3)学校時代に使用経験の有る者は, 使用のきっかけとして「学校で習った」ことを挙げる者がかなりある。4)学校時代に使用経験の有る者は, 無い者よりも計量器の使い方を学んだことは「役に立っている」と評価する者が多い。5)学校時代に使用経験の有る者および無い者の半数以上が, 家庭科で計量器の使い方を教える方がよいと思っている。6)学校時代の計量器の使用経験が比較的長い者ほど, 計量器の所持率・使用率ともに高く, 計量器使用のきっかけとして「学校で習った」ことを挙げ, また計量器の使い方を学んだことは「役に立っている」と評価する傾向にある。
著者
本間 運隆 神野 雅宏 佐藤 孝二 安藤 昭弘
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.8, pp.348-352, 1968 (Released:2008-03-10)
参考文献数
6
被引用文献数
3

Imperfect and perfect albino Japanese quail, originating from a commercial breeder in Toyohashi, were subjected to genetical analysis. The imperfect albinism is caused by a simple sex-linked recessive gene (sw) that appears to be homologous to the al gene assigned for albino mutants by LAUBER4) and SITTMANN et al.6)Growth of the imperfect albinos was not inferior to that of the wild-type when the albinos were raised in a box protected from sudden temperature decline. Bilateral eye defects (cheesy cataracts) are common in aged imperfect albinos, but this condition does not seem to affect reproductive performance.The perfect albino sire mated to imperfect albino dams resulted in only dark progeny indicating that perfect albinism is a genetically distinct character from imperfect albinism. The high mortality in the progeny of perfect albino is caused by certain lethal factor associated with the perfect albinism.Unusual retardation of growth was observed in female double mutants carrying Y1) and swgenes. After 2 weeks of age, identification of the genotype of such albino mutants was possible by examination of the pattern and intensity of the ghost barring character.
著者
鹿住 祐子 大友 幸二 高橋 光良 御手洗 聡 菅原 勇 和泉 純子 安藤 昭子 長谷川 秀浩
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.437-441, 2004-07-15 (Released:2011-05-24)
参考文献数
12
被引用文献数
2

[目的] 同定困難であったMycobacterium skinskuenseの細菌学的解析を行った。 [対象と方法] 37歳女性, 右下肢皮膚潰瘍より分離された抗酸菌 (被検株753) とM.marinum (ATCC927), M.ulcmns (ATCC19423), M.skinskuense (ATCC33728) をDDH, 16SrRNA法, rpoB法, 薬剤感受性試験, 生化学的・生物学的検査を用いて比較した。 [結果] DDH法によって上記の4株はM.marinumとして判定されたが, 遺伝子配列の検索方法 (16SrRNA法・rpoB法) ではこの被検株 (753) が3菌種のうち, いずれであるかを決定できなかった。しかし, 16S rRNA法の中のPortaelsらの方法によってこの3菌種を分類することが可能であった。この方法によって被検株 (753) はM.skinskuenseと同定された。薬剤感受性試験と生化学的・生物学的性状検査においても被検株はM.skinskuenseと同定された。 [考察] DDHにてM.msrinumと同定された抗酸菌で, 発育条件が28℃ 培養で2週間かかり, 暗所培養にて黄色のコロニーを形成するScotochromogenであった場合, 塩基配列レベルの検査と従来法の実施が必要である。
著者
安藤 昭代 岸野 すき江 松井 澄子 清水 恵子
出版者
東海学園大学
雑誌
紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.19-32, 1974-06-30

1)バナナ・みかん・りんごの個々の果汁の色の経時的変化, 果汁の加熱による色の変化, 三者のミックスジュースを作成する場合の搾汁順序による色の相違, pulpを除去した果汁としないものとの色の相違並びに経時的変化を検討した。2)個々のジュースの色は, 時間の経過に従って, バナナ・みかん・りんごの何れも褐変した。3)加熱果汁は未加熱果汁に比較して, 単独・混合試料の何れの果汁においても褐変が著るしい。4)三者の搾汁順序による色を比較すると, 同時混合搾汁が最も褐変が少く, 色が安定である。順次に搾汁する場合は, みかんを最初に搾る方法が褐変をいくらか防止する。5)生ジュースのごとくpulp混合の果汁は, pulpを除去した果汁に比較して褐変が少ない。
著者
齋藤 政則 篠山 浩文 齋藤 明広 篠山 浩文 安藤 昭一 シノヤマ ヒロフミ 齋藤 明広 Akihiro Saito サイトウ アキヒロ 知久 和寛 Kazuhiro Chiku チク カズヒロ 安藤 昭一 Akikazu Ando アンドウ アキカズ
出版者
千葉大学園芸学部
雑誌
食と緑の科学 (ISSN:18808824)
巻号頁・発行日
no.64, pp.35-41, 2010-03

市販されている各種糸状菌由来の糖質分解酵素剤に注目し、加水分解活性が弱く配糖化活性が強い酵素の有無を調べ、その精製を試みた。その結果、Trichoderma sp.由来の市販キシラン分解酵素剤に、キシランのみを基質とした場合、その加水分解活性がないにも関わらず、キシランとカテコール共存下ではキシランを分解しカテコールを配糖化する酵素が認められた。本酵素は分子量約73,000の単量体で機能するものであり、20残基のN末端アミノ酸配列は既知のキシラナーゼと相同性が認められなかった。これらの諸性質から本酵素は新規であることが示唆された。至適pHと至適温度はそれぞれ4.0と40℃であった。
著者
安藤 昭一
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

1 Bacillus circulans MH-K1キトサナーゼの立体構造の解明本キトサナーゼの遺伝子を大量発現系に組み込んで生産・精製した酵素を用いて結晶化実験を行なった結果、硫安を沈澱剤として用いたときに直方体の結晶が得られた。その空間群はP21212でユニットセル・パラメーターはa=57.7,b=43.3,c=128.0Aであった。このnative結晶の解析を進めると同時に重金属置換体の取得を試みた結果白金の置換体が最も解析に良好であった。この置換体を用いてMAD法により回折データを取得し解析を行なった所、3.0Aの解像度で電子密度地図が得られた。現在α-helixの特定が可能となり、β-sheetの特定を行なっている。これにnative結晶の電子密度地図を重ねて精密化してゆく予定である。2 部位特異性変異による変異キトサナーゼの生産と触媒アミノ酸の特定MH-K1キトサナーゼの触媒アミノ酸部位を一次構造の保存性とリゾチームとの相同性から推定し、そのアミノ酸を改変した変異体酵素を生産させ酵素活性を測定した。合計10個のアミノ酸の改変を行なった結果、37番目のGluと55番目のAspが触媒アミノ酸として可能性が高い事が示された。また52番目のAspが触媒活性に関与しているらしい。3 その他の由来のキトサナーゼのクローニング等Nocardioides sp. K-01株のキトサナーゼ遺伝子のクローニングを試みた結果、部位遺伝子が取れた。これと蛋白から決定された一次構造により、本キトサナーゼの一次構造が決定された。
著者
安藤 昭代 山本 富子
出版者
東海学園大学
雑誌
紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.57-68, 1968-07-20

同一条件産出の鶏卵300個を5区分,即ち湿脱脂綿入りポリエチレン袋貯蔵(A区分), ポリエチレン袋(湿脱脂綿なし)貯蔵(B区分), 市販用人工樹脂製卵ケース貯蔵(C区分), 露出貯蔵(D区分), 無洗糠露出貯蔵(E区分)に分けた。これらの鶏卵を4週間(1967年7月12日〜8月9日)電気冷蔵庫内に貯蔵し,その間の重量変化, PH, Yolk Index並びにAlbumen Indexの測定実験を行ったところ,次の結果が得られた。(1)卵の重量減少率A区分は貯蔵期間を通じて,ほとんど重量変化は認められなかった。B区分はA区分に次いで減少率は低く,C区分,E区分と続き,D区分が最も減少率は高かった。(2)卵白のPH各区分とも実験第1日目の8.82より,貯蔵日数の経過に従ってわずかながらPH値が上昇した。4週間後のPH値はA区分が最低で,次いでB, E, D区分の順に高く,C区分が最高であった。しかしながら各区分におけるPH値の差は,A区分とC区分においてさえ0.2であり,大きい差異は認められなかった。(3)Yolk Index 各区分とも,貯蔵期間を通じてほとんど変化は認められなかった。各区分間における差もほとんど認められず,標準値を保持し続けた。(4)Albumen Index 各区分とも,貯蔵日数の経過に従ってA.I.は低下した。貯蔵期間を通じてA区分が最も低下の程度が少く,次いでE, C, D, B区分の順に低下した。E区分はD区分よりも概して低下せず,貯蔵期間後半においてはA区分に劣らぬ数値を示した。本研究に御校閲をたまわりました本学山田民雄教授に厚く感謝いたしますと共に,本実験にあたり,終始協力を得ました本学研修生,加藤裕子氏に深く感謝いたします。