著者
松永 美希 中村 菜々子 三浦 正江 原田 ゆきの
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.88.15223, (Released:2017-05-10)
参考文献数
30
被引用文献数
4

“Reality shock” is defined as the discrepancy between an individual’s expectations established prior to joining to an organization and their perceptions after becoming a member of the organization. The purpose of this study was to develop a scale to measure factors leading to reality shock in first-year teachers, and to confirm its reliability and validity. A scale was developed based on factors leading to realty shock, and a survey was conducted on 219 first-year teachers (90 men, 129 women, mean age 25.18 years). Structure analysis based on factor analysis revealed that this scale consisted of four factors; “inter-personal relations in the workplace”, “lack of experience”, “relationship with students or parents”, and “pressure at work”. Given that high scores of the scale were associated with negative changes in perceptions of work, we showed that the scale was concurrently valid. Multiple regression analysis showed that realty shock significantly influenced stress responses, and that it had particular positive effects on anxiety and depression. Future studies will need to elucidate factors that buffer the effects of reality shock, and develop interventions to prevent worsening mental health in first-year teachers.
著者
三浦周行 著
出版者
有斐閣
巻号頁・発行日
1900
著者
三浦 勲 国友 二治夫
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.59, pp.1-12, 1990-07-17

わが国では毎年約4万点の図書が出版され、これの目録作成、受発注のため図書情報システムもサービスされている。しかしながら、現行の各システムに用いられている書誌データベースは、ユーザである読書人、図書館員が選書、購入に必要な図書の目次・要旨などの内容情報がなく、貴重な社会の文化資源の周知の欠如と、情報資源活用の機会損失を起こしている。このため、書店・取次店が中心となって、世界の出版界でも類例のない新刊図書案内情報データベース「BOOK」を1986年より構築を開始し、オンライン、CD?ROMなどの電子情報サービスはもとより、本の年鑑「ブックページ」を印刷出版し、公共の利用に供している。About 40,000 books are published every year in Japan, and we use the services of a book data system for making a catalogue of these books and for receiving and placing orders. However, the book database currently used for each system lacks information on the contents such as table of contents and a summary needed by readers and librarians to make up their minds which to buy and to select. This fact is resulting in a lack of the valuable opportunities to acquire well-known cultural assets in our society, and in the loss of resources. Therefore, leading bookstore and wholesalers started in 1986 the production of a unique database. "BOOK" carrying information on newly issued books. This does not only gives us electronic information services such as ON-LINE, CD-ROM, but also prints and issues a book almanac, 'Book Page' for public use.
著者
三浦 綾希子
出版者
中京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

フィリピン系ニューカマー第2世代とその母親たちに対するインタビュー調査を行った。対象者たちには2010年より断続的にインタビュー調査を行っており、今回の調査もその延長上にある。青年期へ突入した対象者たちのインタビューからは、フィリピン人母との関係性が成長するにつれて変化していることが分かった。特に、男女交際等について母親から干渉されることが多くなっており、それに対して反発する者もいれば、うまく交渉しつつやり過ごしている者もおり、その対応の仕方にはバリエーションが見られた。しかし、いずれの場合も母親と娘たちは親密な親子関係を築いており、フィリピン社会の特徴とされる「家族中心主義」が維持されている様相が見て取れた。また、コミュニティ内の人間関係が母親たちの娘への干渉を強める動機にもなっていることも明らかとなった。母親たちはコミュニティ内で早期に妊娠した者たちのことを念頭におき、娘たちが同様のことをしないよう、厳しく管理する。一方で娘たちは、コミュニティ内のメンバーと自らをうまく差異化することによって母親からの干渉にうまく対応しようとしていた。思春期以降、特に女性たちは親から性行動に対する干渉を受けることが海外の先行研究でも明らかにされているが、類似の傾向が日本でも見て取れた。ただし、日本の場合、両親というよりも母親からの干渉が強いことが特徴的であり、国際結婚家庭が多い日本の状況を反映したものであるといえそうである。
著者
三浦 和 川村 哲史 北澤 寿基 佐野 航基 山田 純平 山本 幸太郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】5本指ソックスはそれを履くことで足底面積の増加による支持面の拡大や,荷重点の偏移による小趾荷重が認められている1)。しかし,この先行研究は静的立位時の変化を対象とするものであり,5本指ソックス着用による動作時の効果についての報告は少ない。また,筋疲労に対する効果については認められていない2)。そこでバランス機能の面から5本指ソックスの有効性について検討した。【方法】対象者は健常成人18名(男性9名,女性9名,平均年齢20.9±1.3歳)とした。1)アンケート調査測定前に利き足(ボールを蹴る側),スポーツ歴(種類,期間),5本指ソックス着用の有無を聴取した。2)計測環境本研究では5本指ソックスの継続的着用によるバランス能力への影響を検討する為,2週間の着用期間を設け,初日,7日目,14日目の計3日間に計測を行った。また。普通ソックスとの比較のため,初日に普通ソックス着用での計測を行った。(1)重心動揺計(ANIMA社製G-6100)を使用し,左右下肢の片脚立位時の足圧中心の軌跡を計測した。肢位は遊脚側股関節膝関節90°屈曲位,上肢下垂位とし,測定時間は30秒とし,左右各1回ずつ計測を行った。(2)footscan<sup>®</sup>.entry level USB7 system Version(RSscan International)を使用し自由歩行時の足圧中心の軌跡を計測した。助走距離は測定区間の前後3mとした。また,計測距離は2mとし,計測は2回行った。(3)Functional Reach Test(以下FRT)では前方・側方リーチを測定した。測定順序は各方向をランダムに設定した。測定にはファンクショナルリーチ測定器(オージー技研社製)を使用し,それぞれ3回ずつ測定を行った。3)データ分析(1)重心動揺においては総軌跡長,外周面積,X方向動揺平均中心変位,Y方向動揺平均中心変位の値を左右2回分の平均値で検討を行った。X方向動揺平均中心変位においては外側への偏移を検討する為,左側の測定値に-を掛けた値を使用した。(2)footscanにおいては各測定から左右1足ずつ抽出し,外側方向に最大となる点のX軸座標を記録し,2回分,計4歩分の平均値で検討した。(3)FRTにおいては前方,側方リーチの平均値で検討した。統計学的処理として一元配置分散分析後に多重比較Bounferroni法を用いた(p<0.05)。【結果】普通ソックスと5本指ソックス着用初日,普通ソックスと5本指ソックス着用14日目との比較において総軌跡長に有意な減少が認められた(p<0.05)。しかし,それ以外の群間,測定項目において有意差は認められなかった。【考察】普通ソックスと比較し5本指初日の総軌跡長において有意差が見られたことから,5本指ソックスの静的バランス能力への即時効果が示された。しかし,約7日間で普通ソックスでの結果に回帰し,14日目以降で再びバランス能力の向上が示された。この結果は初日においては5本指ソックスの着用により足指の可動性が向上し,静的バランス能力に影響が出たと考える。また,7日目においては日常生活を5本指ソックスで送ることにより,筋活動量が増大し,筋疲労が生じやすい状態となったため,普通ソックスと同等の結果となったと考える。さらに継続して着用することで5本指ソックス着用に対する慣れが生じ,筋活動量が低下し静的バランス能力の改善が生じたと考える。先行研究において静的バランス能力の指標である総軌跡長や足趾筋力,また動的バランス能力の指標であるTimed Up and Go Testとは互いに有意な相関が見られている3)。このことから,今回の実験で5本指ソックス着用により,静的バランス・動的バランスの両者において向上していることが考えられ,5本指ソックスの着用は転倒リスクの軽減に効果があることが示唆された。FRTに関しては年齢と身長に有意な相関があり,柔軟性など他の身体機能や他のバランス指標とは異なった要素で独立した指標であることが報告されている3)ため,今回の実験では有意差は認められなかったと考えられる。本研究の被験者はバランス能力が良好な健常成人を対象とし研究を行った。そのため,バランス能力の向上がわずかであり,総軌跡長以外の指標において有意差が出ない状態であった。今後はバランス能力が低下している高齢者なども対象とし研究を行う必要があると考える。また,今回は期間の都合上,14日間の計測となった。しかし,14日間以上の着用での効果も考えられるため,さらなる着用期間を設け研究を行う必要があると考える。【理学療法学研究としての意義】日常的に簡易に利用可能な5本指ソックスに着目した研究であり,疾患をもつ対象者への応用も容易に行える有用な研究結果であると考える。
著者
三浦 季子
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.75-81, 2017-03-31 (Released:2017-03-31)
参考文献数
56

近年,熱帯地域では,森林から農地への転換によって表層土壌が失われ,土壌の劣化が深刻化している。土壌微生物は物質循環などの土壌の生態系機能を担っていることから,環境変化や人為的攪乱に対する土壌微生物群集の変動を理解することは重要である。しかしながら,農業活動が土壌微生物群集にどのような影響を与えているのか明らかにされていない点が多い。本解説では,耕起や施肥などの農業活動が土壌微生物群集に与える影響に関する既存研究をまとめ,熱帯地域における持続可能な農業活動のための研究の方向性について議論したい。
著者
三浦 友三 馬渕 勉 東村 稔
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of pesticide science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.219-240, 2003-05

ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)は日本農薬(株)によって創製され、実用化されたプロトポルフィリノーゲン酸化酵素(Protox)阻害型除草剤である。本化合物はコムギに対して高い安全性を示すと共に広範囲の広葉雑草に対して10g a.i./ha前後の低薬量で極めて高い除草活性を示す。特にコムギ栽培における難防除雑草の一つであるヤエムグラ(Galium aparine)に卓効を示す。ピラフルフェンエチルは日本ではムギ用除草剤として、エコパートフロアブルの商品名で1999年に農薬登録の許可を得て販売を開始した。また同時に果樹園の下草防除や非農耕地の非選択性除草剤として、グリホサートトリメシウム塩との混合剤であるサンダーボルトの販売も開始した。さらに、2001年バレイショ枯凋剤として、デシカン乳剤の販売を開始した。これらは海外においても14か国で登録・上市され、数か国で開発途上にある。本稿では、ピラフルフェンエチルの創出の経緯、工業的製造法、構造活性相関、除草活性、作用機構、各種毒性試験結果について概要を述べる。
著者
三浦 弘志 堂脇 昌一 菊永 裕行 熊井 浩一郎
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.161-165, 2015-01-31 (Released:2015-05-13)
参考文献数
19

症例:82歳,女性。腹痛持続で当院緊急搬送され,ショック状態・貧血を認め,腹部CTで肝外側区域の肝細胞癌破裂と血性腹水貯留の診断でTranscatheter Arterial Embolization(以下,TAE)施行し止血を行った。高齢と本人が二期的治療を望まない理由で保存的観察となった。その後肝細胞癌は縮小傾向で腫瘍マーカーも低下し,当院での経過観察上4年4ヵ月再発なく5年7ヵ月生存している。肝細胞癌破裂においてはTAEでの初回止血と二期的手術との併用により生存率向上が得られるという報告が多いが,今回TAEのみで止血に成功し二期的治療を行わず腫瘍退縮が得られている1例を経験した。
著者
三浦 公亮
出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.44, no.Supplement, pp.88-91, 2006-09-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
2
著者
三浦 雅弘
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.27-58, 1988

1. 「抽象」と「一般化」2. ロックにおける「抽象観念」3. バークリの批判4. バークリの提案とその解釈 (1) 言語と観念 : 「記号的表示」の理論 (2) バークリの語用論的アスペクト (3) バークリ批判の検討5. バークリにおける「抽象」 (1) 「抽象」能力の容認 (2) 容認の帰結 (3) 「抽象」の実相6. バークリの「普遍論争」へのコミットメント7. 回顧と展望Generally we regard both Locke and Berkeley as "nominalists". But correctly speaking, they should be called "nominalistic realists", because they restrict what exists to what is particular, and yet admit that predications extending beyond some original paradigm specimens may be valid. But Berkeley blames Locke bitterly for "abstract or general ideas", which are, according to Locke, the bonds between particular things that exist and the names they are to be ranked under. His attack on Locke results from two theoretical bases, one of which is his ontology and the other is his theory of "signification". On the latter we should pay attention to his pragmatic point of view. Though Berkeley rejects "abstract ideas" in the Lockean sense, he doesn't necessarily deny our ability to abstract. I suppose the abstraction level he rejects is not "abstraction" but "generalization" to be exact. And, with Berkeley, the epistemological condition that precedes the ability to abstract within the limits of his permission and "general ideas" in the Berkeleian sense, is our ability to perceive "likeness" between particulars, in my opinion.
著者
高橋 百合子 三浦 正江
出版者
公益財団法人 パブリックヘルスリサーチセンター
雑誌
ストレス科学研究 (ISSN:13419986)
巻号頁・発行日
pp.2016003, (Released:2016-12-10)
参考文献数
20

In this study, we focused on self-control from two aspects, from a behavior tendency, self-restraint and self-release. With university students as subjects, we developed new scales to measure them.By factor analysis, a Self-Restraint Control Scale consisted of “Pro-social and pro-goal self-restraint” and “Restraint of desire and impulse,” while a Self-Release Control Scale consisted of “Active distraction and rest” and “regulation of over impulse-restraint.” The internal consistency was (α = .68-.75, α = .81-.83), and the test-retest reliability was (r = .68-.80, r = .70-.75); constant reliability was indicated. Moreover, by the correlation with former measures, constant validity was indicated.From this study, the behavioral content included in the self-control was clarified, and the viewpoint helpful for understanding the self-control was demonstrated.