著者
池田 和臣 中村 健太郎 丸島 和洋 ストーンマン ジャック 西村 慎太郎 小山 順子 大友 一雄
出版者
人間文化研究機構国文学研究資料館
雑誌
国文研ニューズ = NIJL News (ISSN:18831931)
巻号頁・発行日
no.44, pp.1-16, 2016-08-01

●メッセージ断簡零墨の価値と異分野融合研究●研究ノート中世の短冊資料の諸問題――新収の短冊手鑑「筆陳」を中心として――●大坂夏の陣と「乱取り」――真田信繁娘阿梅の行方――●ブリガム・ヤング大学所蔵のブルーニング・コレクションとその調査●トピックス「平成27年9月関東・東北豪雨」における常磐市役所被災公文書の保全●UCBにて初めて「古典籍ワークショップ」を開催――三井写本コレクション調査とともに――●連続講座「くずし字で読む『百人一首』」●『近世大名のアーカイブズ資源研究』とアーカイブズ活動●<国文学研究資料館展示室より>特設コーナーにご注目を!●平成28年度国文学研究資料館「古典の日」講演会●第40回国際日本文学研究集会●総合研究大学院大学の近況
著者
豊田 秀樹 川端 一光 中村 健太郎 片平 秀貴
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.101-110, 2007 (Released:2007-05-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1 1

This study proposes the adoption of a neural network as an alternative to logistic regression analysis, which is conventionally used to estimate the propensity score (Rosenbaum & Rubin, 1983). Moreover, covariates that are frequently obscured are presented.Considering the response pattern to a mail survey by random sampling as a criterion, we examined how is the response pattern to a Web survey by purposive selection rectified using the propensity score. The propensity score was estimated using the subjects' demographic variables as covariates.The results of adopting a neural network were compared with those of the logistic regression analysis. As a result, the accuracy of bias reduction by the threelayer neural networks was found to be greater than that by the logistic regression analysis.In addition, detailed contents of the covariates were presented, and a decision tree was produced to examine the influence of covariates on allocation of the subjects to survey forms.
著者
芦田 欣也 中村 健太郎
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.22-26, 2023-02-15 (Released:2023-03-15)
参考文献数
12

牛乳由来のホエイタンパク質は消化吸収が早く,分岐鎖アミノ酸などの必須アミノ酸を豊富に含むことから栄養学的に優れたタンパク質源である.近年,われわれはホエイタンパク質およびその加水分解ペプチドが抗炎症効果を有することを見い出した.そこでこのホエイタンパク質の栄養学的優位性と生体調節作用に着目し,ホエイペプチド配合流動食MHN‐02を開発し,その有用性をさまざまな病態モデルにより評価してきた.その中で,MHN‐02はインドメタシン誘発ラット小腸障害モデルにおいて,腸間膜リンパ節および肝臓へのバクテリアルトランスロケーションを抑制することを明らかにし,その効果はMHN‐02の小腸粘膜の保護作用が関連することを組織学的解析から示した.さらにこのような腸管保護作用を有するMHN‐02は抗がん剤5‐フルオロウラシルの副作用である下痢の発生を遅延させ,体重を維持することも明らかにした.以上のことからホエイペプチドを配合したMHN‐02は優れた栄養組成と腸管機能の維持を通して,各種病態において治療に伴う副作用を軽減し,栄養状態を維持することによって,治療効果の向上に貢献することが期待できる.
著者
中川 貴史 中村 健太郎 笠岡 祐二 村田 将光 西村 健二 瀬崎 和典 野田 誠 鈴木 文男
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.SUPPL.3, pp.S3_28-S3_33, 2011 (Released:2012-12-05)
参考文献数
4

持続する上室性頻拍においてP波とQRS波の出現タイミングは一定であり, 通常その関係が変化することはない. 頻拍中, 陰性P波の出現時相が, さまざまに変化したため, P波がQRS波に重なり, QRS波高が減少した房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)の稀な1例を経験したので報告する.症例は71歳, 女性. 月に1~2回の頻拍発作を認め入院. 心臓電気生理学的検査よりAVNRTと診断された. 入院前に記録された頻拍時の心電図では, 頻拍周期540~440ms, QRS波の直後に深い陰性P波を認めた. 頻拍周期の短縮に伴い逆行性P波は早い時相に移動し, QRS波形を変形させた. 軽度の前方移動ではS波を, より高度の前方移動ではQ波を, 中等度の前方移動ではS波とQ波を同時に形成し, QRS波形をさまざまに変形させた. QRS波高も同時に減少したが(陥没現象), 陰性P波の“重なり”効果によると推察された.
著者
中村 健太郎 中川 貴史 笠岡 祐二 村田 将光 西村 健二 瀬崎 和典 野田 誠 速水 紀幸 村川 裕二 鈴木 文男
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.SUPPL.3, pp.S3_117-S3_122, 2012 (Released:2013-09-25)
参考文献数
9

われわれは,冠静脈洞(CS)pacingによる反時計回転(ccw)型心房粗動(AFL)の誘発時に,右房峡部領域において一方向性伝導ブロックの出現がみられることを報告してきた.他方,頻度の稀なclockwise(cw)型AFLの誘発機転は十分には検討されていない.今回cw-AFLが誘発された症例においてその誘発様式を検討した.症例:心房粗細動を有する80歳,男性.CS近位部~三尖弁輪周囲に20極電極カテーテル(先端A1,極間5mm)を留置し,低位外側右房(A19-20電極)より頻回pacingを行って峡部の伝導様式を検討した.周期250msにおけるpacingの際,pacing部位近接部を起源とする反復性心房興奮(RAR1+RAR2+RAR3波)が誘発された.3発のRAR波はおのおのCS開口部領域にて分裂電位を形成し,Wenckebach型伝導遅延を示しながら峡部をccw方向に伝導した.3発目のRAR3波の伝導の際,CS開口部領域における伝導遅延が十分となり,cw方向に反転するmicro-reentry性 echo-wave が同領域に出現した(U-turn現象).出現したecho-waveは,そのままcw方向に三尖弁輪周囲を旋回し,cw-AFLへと移行した.
著者
加藤 珠理 松本 麻子 勝木 俊雄 岩本 宏二郎 中村 健太郎 石尾 将吾 向井 譲 吉丸 博志
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第125回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.303, 2014 (Released:2014-07-16)

‘枝垂桜’は野生のサクラであるエドヒガンから生じた突然変異体であると考えられ、筆者らが行ったこれまでの研究成果においても、その可能性は支持されている。現在、‘枝垂桜’には複数の系統が存在するが、それらの起源は原種であるエドヒガンから、一回だけ生じた変異個体に由来するものか、それとも、独立に生じたいくつかの変異個体に由来するものかはわかっていない。また、原種である野生のエドヒガンについても、どの地域のエドヒガンがもとになって、‘枝垂桜’が生じたのかについてはわかっていない。この研究では、‘枝垂桜’の起源に関する様々な疑問を解決するために、‘枝垂桜’とその原種であるエドヒガンの関係を集団遺伝学的手法に基づいて評価し、考えられうる可能性を示したいと思う。研究材料としては、全国各地から収集され、多摩森林科学園で保存・管理されている‘枝垂桜’を用いた。比較のために用いるエドヒガンは複数の地域からサンプリングした集団を用いた。SSRマーカーを用いたDNA分析により、‘枝垂桜’とエドヒガン集団の遺伝構造について比較解析を行っており、本発表ではその結果について報告する。
著者
中村 健太
出版者
The Health Care Science Institute
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.19-37, 2007

医薬・バイオ分野では,大学や公的研究機関の役割が重要である。本稿前半では,TLO法や日本版バイ・ドール法など公的部門に対して導入されたプロパテント政策が,バイオ特許の価値に如何なる影響を与えたかを検討し,特許を介した産学間技術移転の可能性を探った。分析によれば,これらの政策は,大学研究者が自らを出願人として「重要な」研究成果を特許化するように促してはいない。一方,公的研究機関が出願人である特許については,政策導入以降,その価値を高めつつあることが確認できた。すなわち,公的部門を対象としたプロパテント政策は,公的研究機関の研究者と大学に属する研究者の出願性向に対して,異なる影響を与えていると示唆される。後半では,産学連携が活発に行われている米国の事例を対象として,研究提携契約の特徴を検討した。大学から企業へは排他的ライセンス,或いは,排他的ライセンスを前提としたオプションが企業へ与えられることが多い。研究契約には,権利の帰属や特許化の決定主体,特許の維持管理費用の負担など様々な契約項目が存在する。通常,企業・大学共に個々の事項について,最大限の権利獲得を目指すため,両者の利害は一致せず,機会主義的行動も起こりかねない。しかし,成果の排他的ライセンスを所与とすることで,両者は利害の一致を見るため,個別の契約事項に関する交渉は容易であり,研究提携全体としての取引費用は節約される可能性がある。ただし,リサーチツール問題などで象徴的に語られるように,こうした契約形態による技術移転が常に社会的に望ましい効果を持つとは限らない点は十分に留意する必要がある。
著者
中村 健太郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.100-106, 2015-05-01 (Released:2015-05-01)

日本音響学会は1936年発足以来,「音」に関するあらゆる分野の学術交流の場として,学会誌・論文誌の発行,研究発表会や研究会,技術講習会の開催などを進めている。現在,約4,300名の会員が活発な活動を行っている。本稿では,学会誌での論文発行,研究発表会などを中心に,日本音響学会における学術情報発信の現状を紹介し,その課題について述べる。和文誌には和文論文に加えて解説記事や特集記事を毎号掲載している。英文誌も35年以上発行しており,J-STAGEにおいてオープンアクセスで公開している。本稿では,論文発行などの研究情報の発信状況と課題について概説する。
著者
豊田 秀樹 中村 健太郎 大橋 洸太郎 秋山 隆
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.304-316, 2019
被引用文献数
1

<p> 本研究では,大学における授業評価アンケートについて,学生が授業において最重要視する知見は何かを明らかにする方法として,一問一答形式を用いた自由記述による意見収集に着目した。</p><p> ここでの一問一答形式とは,全員がそれぞれ最初に1つ挙げる評価,印象に焦点を当て,これを知見と呼び,自由記述型授業評価データにおいて得られる主要な知見を得る方式を指している。この際における知見の得られ方の寡占的(支配的)な程度を,ジップ分布の母数によって表現した。また,ジップ分布から算出される累積確率を用いて,観測された印象の飽和度について,特定の飽和度を達成するために必要な異なる要素(評価,印象)の数と併せて結果を示した。分析には,教授者が想定しないような意見の回答に対応するため,要素数を無限とする場合と,あらかじめ決まった要素から回答するそれぞれの場合に対応したジップ分布を用いた計算結果を示した。実際の講義の評価データの分析を通じ,本方法によって,自由記述による授業評価で得られる知見に対し,少ない特定の知見が全体の中で支配的であるのか,それとも印象,評価が定まらず,多様な知見が散見されているのかについて,客観的な指標に基づく考察が可能となることが示された。</p>
著者
長内 宏之 鈴木 文男 中川 貴史 中村 健太郎 瀬崎 和典 中島 義仁 浅野 博 味岡 正純 酒井 和好
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.46, no.SUPPL.3, pp.S3_54-S3_60, 2014 (Released:2015-10-26)
参考文献数
6

はじめに : 電気生理検査 (EPS) にて高度心房内ブロック (Ⅱ度~Ⅲ度ブロック) の出現を認めることは極めて稀である. 今回われわれは心房粗動 (AFL) 時に高度心房内ブロックの出現を認め, さらにブロックの出現に伴う心房波間隔の延長時に心房波高が著明に増大するという稀な所見を呈した症例を経験した. 症例 : 通常型AFL症例 (83歳男性) の電気生理検査時, 冠静脈洞 (CS) 入口部領域に3峰性電位 (a+b+c電位) の形成を認めた. AFL (周期220~230ms) に対し周期170~200msにてCS pacing (S1~S20刺激) を施行し, 3峰性電位の反応を検討した. 周期180msのentrainment刺激の際, 第Ⅱ度心房内ブロック (Wenckebach型及び2 : 1ブロック) が出現しS4・S6刺激にてc電位の脱落を見た (この所見よりc電位はAFL回路には含まれない “袋小路電位” と診断された). c波高は, c電位脱落に伴うc-c間隔の延長度合いに比例して増大し, 先行c-c間隔が最長となった際のS7刺激由来のc波が最大波高を示した. 考察 : 本症例においてCS入口部領域で観察されたc電位はAFL回路に接続するdead-end pathwayにて記録された “袋小路電位” である可能性が強く示唆された. c波高は “先行c-c間隔” の延長 (=徐拍化) に比例して増大したが, ①徐拍化に伴う同期的興奮の可能な心房筋容量の増加, ②異方向性伝導の関与, などの機序が推察された.
著者
山本 司将 中村 健太郎 山口 雄一郎 松浦 尚志
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.135-142, 2019 (Released:2019-05-02)
参考文献数
11

目的:本研究の目的は超高速MRI装置を用いて咀嚼運動時における顎関節部の撮像を行い,咀嚼運動時における下顎頭と関節円板の動態を読影するとともに,下顎頭および関節円板が移動した距離を測定できるかどうかを分析することである.材料と方法:被験者は健常有歯顎者の成人男性歯科医師1名とし,高速撮像が可能なMRI装置を用いて,顎関節部の習慣性開閉口運動ならびに被験食品(ガムとカマボコ)の咀嚼運動について撮像を行った.撮像によって得られたDICOMデータからDICOMビューア上で顎関節部の動態を読影し,下顎頭と関節円板の移動距離を計測した.考察:顎関節部を超高速MRI装置で撮像を行うことで,従来行われてきた顎関節の形態や開閉口運動の読影のみではなく,咀嚼運動時における下顎頭と関節円板の運動(顎関節部の動態)を読影することができた.結果として咀嚼運動時における下顎頭と関節円板の移動距離を計測することが可能であり,その移動距離がわずかであることがわかった.結論:咀嚼運動時の顎関節を超高速MRI装置で連続撮像することで下顎頭と関節円板の運動(顎関節部の動態)を読影することができ,同時に下顎頭と関節円板の移動距離を計測することが可能となった.
著者
中村 健太 村木 正芳 中津 賢治
出版者
一般社団法人 日本トライボロジー学会
雑誌
トライボロジスト (ISSN:09151168)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.220-228, 2021-03-15 (Released:2021-03-15)
参考文献数
14

Influence of alkyl group of primary zinc dialkyldithiophosphate (ZDDP) on the friction and wear properties was studied using two different kinds of ZDDPs under the boundary lubrication condition with a pin-on-disk type tribotester. A coefficient of friction (COF) was determined under the following three operating conditions: the constant condition, the step-load condition and the variable-speed condition. COF of linear-alkyl ZDDP showed lower value than that of branched-alkyl ZDDP under all these conditions. Nano-friction force of the tribofilm obtained in the constant condition test was measured by means of an atomic force microscope. Meanwhile, nano-friction force ratio of the branched type to the linear type was almost same as COF ratio. It was suggested that macro-scale frictional behaviour was governed by nano-scale mutual interaction of tribofilms. On the other hand, the wear scar diameter decreased with increasing ZDDP concentration. From the energy dispersive X-ray spectroscopy analysis, the wear scar diameter was inversely correlated with phosphorus concentration on the worn surface. These results suggested that COF depended on mechanical properties of top layer of tribofilm while wear resistance depended on the thickness of base layer of tribofilm containing polyphosphate.
著者
中村 健太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.42, pp.15-20, 2001-05-08
参考文献数
6
被引用文献数
9

空中強力超音波の音圧を光学的に測定する方法について検討した。空中超音波は疎密波であるので媒質である空気に密度変化を生じているが、これを光の屈折率変化を介して測定する。まず、音圧と空気の屈折率変化の関係を導き、この屈折率変化がレーザドップラ振動計で定量的に検出可能であることを示す。次に、呼吸振動する円環内の定在波音揚とピストン振動面から放射される進行波音揚の両方について、本方式による音圧測定を試みる。その結果、定量的な音圧測定が可能であること、走査型レーザドップラ振動計を利用することで、2次元分布が容易に測定できることを示す。
著者
豊田 秀樹 中村 健太郎 大橋 洸太郎 秋山 隆
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.304-316, 2019-12-30 (Released:2020-01-24)
参考文献数
15
被引用文献数
1

本研究では,大学における授業評価アンケートについて,学生が授業において最重要視する知見は何かを明らかにする方法として,一問一答形式を用いた自由記述による意見収集に着目した。 ここでの一問一答形式とは,全員がそれぞれ最初に1つ挙げる評価,印象に焦点を当て,これを知見と呼び,自由記述型授業評価データにおいて得られる主要な知見を得る方式を指している。この際における知見の得られ方の寡占的(支配的)な程度を,ジップ分布の母数によって表現した。また,ジップ分布から算出される累積確率を用いて,観測された印象の飽和度について,特定の飽和度を達成するために必要な異なる要素(評価,印象)の数と併せて結果を示した。分析には,教授者が想定しないような意見の回答に対応するため,要素数を無限とする場合と,あらかじめ決まった要素から回答するそれぞれの場合に対応したジップ分布を用いた計算結果を示した。実際の講義の評価データの分析を通じ,本方法によって,自由記述による授業評価で得られる知見に対し,少ない特定の知見が全体の中で支配的であるのか,それとも印象,評価が定まらず,多様な知見が散見されているのかについて,客観的な指標に基づく考察が可能となることが示された。
著者
村木 正芳 中村 健太 鈴木 真 瀬上 高博 山本 賢二
出版者
一般社団法人 日本トライボロジー学会
雑誌
トライボロジスト (ISSN:09151168)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.507-514, 2014-08-15 (Released:2018-02-23)
参考文献数
11

Tribological performances of the oils containing polylaurylacrylates with and without hydroxyethyl group were studied under elastohydrodynamic lubrication (EHL), partial EHL and the boundary lubrication conditions. The base oil was polyalphaolefin and the viscosity of polymer solutions and the concentration of polymer was adjusted at the same level. Under the partial elastohydrodynamic contacts using a ball-on-disk type tribometer, polylaurylacrylatehydroxyethylacrylate (PLA/HEA) showed a greater oil film thickness while lower traction coefficient at low rolling speeds than polylaurylacrylate (PLA). This can be interpreted that adsorption of hydroxyethyl group of PLA/HEA reduced traction under the partial EHL condition. Under the boundary lubrication conditions using a pin-on-disk type tribometer, PLA/HEA exhibited the flat friction-velocity relation while PLA showed a large negative gradient of friction-velocity relation. Finally, PLA/HEA was superior to PLA in terms of the antiwear properties with a reciprocating friction tester. It is inferred that these better performances of PLA/HEA under the boundary lubrication conditions were brought about by formation of a tribofilm based on reaction of hydroxyethyl group and the sliding surface.
著者
根岸 哲 武田 邦宣 中川 寛子 善如 悠介 島並 良 鞠山 尚子 池田 千鶴 泉水 文雄 和久井 理子 川濱 昇 柳川 隆 水野 倫理 中村 健太 川島 富士雄 前田 健 井畑 陽平 手嶋 豊
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

1 海外調査(i)和久井・池田が、欧州諸国において、競争・情報通信当局及び競争法の研究者との間で、特にプラットフォームと競争法の関係につき、相互の意見交換と実務と研究動向の調査を行い、(ii)川島が、北京社会科学院・上海交通大学での長期研究により、科研に係る全般的な論点に係わり、中国独禁法の研究者との相互の意見交換と中国独禁法の対応状況の調査研究を行った。2 研究会、ワークショップ等(i)医薬品・機器規制の競争に及ぼす影響及び先発医薬品・後発医薬品間の競争に係る問題を解明するべく、外資系医薬品企業の2人の法務部長弁護士とのヒアリング・研究会及びSokol米国フロリダ大学教授との研究会を通じ、日米における現状と課題を把握し、(ii)競争法と知的財産権の関係を検討するべく、仁ラボ代表鶴原稔也氏との研究会及びCheng香港大学准教授との研究会「特許・イノベーションと競争法」・「不争条項」を通じ、現状と課題の把握し、(iii)日中米欧の研究者・実務家が参加した国際ワークショップ「企業結合規制の先端的問題-プラットフォーム・ビジネスとイノベーション時代の諸課題」を開催し、企業結合規制の先端的問題の把握に努め、(iv)世界的プラットフォーム事業者アマゾンの最恵国待遇条項の競争上の問題につき、アマゾン側担当の平山賢太郎弁護士との研究会を通じて、研究を深めた。3 シンポジウム(i)日本の研究者・実務家によるシンポジウム「景品表示法の実現手段の多様性-独禁法の視点も含めて」、(ii)日中米欧の研究者・実務家が参加した公正取引委員会競争政策研究センター主催の大阪国際シンポジウム「デジタル・エコノミーの進展と競争政策-IoT、データ、プラットフォーム・ビジネスと法-」に本科研チームが共催者として参加し、国際的な動向把握とともに日本の状況につき発信を行った。
著者
根田 遼太 井上 純大 中村 健太郎 堀 隆博 渡辺 晋二
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.126, 2015

2011年3月に発生した東日本大震災の津波被害を受けた東松島市沿岸部(宅地、畑地等)を対象に、被害後3年半経過した植生及び土壌状況(化学性、物理性)の調査を行ったので報告する。東松島市沿岸部8箇所において周辺域の植生を調査し、長谷川式土壌貫入計を用いた土壌硬度の測定及び0-10cm、10-20cm、20-30cmの深さごとの土壌化学性(pH、電気伝導度、C/N比、土壌塩類)を測定した。<br> 調査地の植生は、木本種の出現はほぼニセアカシアのみであり、草本種ではセイタカアワダチソウなどの外来種が優占した。ニセアカシアの樹齢は3年であったため、津波被害直後に成立した可能性が高い。土壌硬度は植物生育に概ね良好な値を示したが、化学性は一部で土壌塩類、pH、C/N比などが植物生育にとって異常値を示した。津波被害を受けた沿岸部は3年半経過した現在でも海水の塩の影響が残っていると見られる場所が存在し、土壌改良および適切な植生誘導がなければ、旺盛な繁殖力と塩類堆積土壌への適応性の高さによりニセアカシアの優占する景観となる可能性が高いと考えられた。沿岸部の正確な植生動態の予測には、今後の詳細かつ広域な調査が必要である。
著者
阿部 敦子 池田 隆徳 柚須 悟 中村 健太郎 石黒 晴久 塚田 雄大 信太 研二 宮山 和彦 加地 英生 四倉 正之 吉野 秀朗
出版者
The Japanese Society of Electrocardiology
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.54-61, 2005

症例は28歳男性.生来健康.突然死の家族歴あり, 残業が続いていた週の朝, 起床後に突然倒れ意識消失となる.救急隊が到着した時の心電図で心室細動が記録されたため, 直ちに電気的除細動が行われ, 当院に搬送された.12誘導心電図では下壁・左側壁誘導でJ波がみられ, そのJ波は日内・日差変動を示した.心拍変動解析では迷走神経活動が夜間~早朝で著しく亢進していた.冠攣縮性狭心症を除外するため, 右冠動脈にアセチルコリンを少量負荷したところ, ST-T変化を伴うことなく突然に房室ブロツクが誘発され, その直後に心室細動が発症した.電気的除細動が頻回に行われたが, 心室細動は停止と再発を繰り返し, 35分後にようやく洞調律を維持した.その10日後に除細動器の植込み術を予定したが, その当日の早朝に再び心室細動が頻発し, 約3時間の心肺蘇生と電気的除細動に反応することなく院内突然死に至った.剖検では心臓に器質的異常は認められなかった, 下壁・左側壁誘導で記録されたJ波と迷走神経活動の亢進が, 心室細動の発現に関与した異型Brugada症候群症例と考えられた.