著者
中村 晃 萩原 信衛
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1392-1394, 1961-10-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
6
被引用文献数
10

シクロオクタテトラエンとシクロペンタジエニル・コバルト・ジカルボニルの反応により,褐色結晶としてシクロペンタジェニル・コバルト・シクロオクタテトラエン(I)が得られ,その赤外および NMR スペクトルにより,Iは平面状でない 8 員環を持つことが結論された。I を水添する と2 モル当量の水素を吸収して橙色結晶(II)となる。このものは, 1,5-シクロオクタジエンとシクロペンタジエニル・コパルト・ジカルボニルの反応でも得られるのでシクロペンタジエニル・コバルト・1,5-シクロオクタジェンである。1,3,5-シクロオクタトリエンからも同様な反応で褐色結晶(III)が得られ,このものは本添するとやはり, II に変化した。I,II およびIIIは結晶状態では空気中かなり安定であった。
著者
中村 晃士
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

精神科通院患者73名(F3およびF4圏)の1年後および2年後の追跡調査を行い、64名の基礎データ(職場内での心理的負荷、職場外での心理的負荷、GHQ-30[精神の健康度]、NEO-FFI[人格傾向]、MPS[完全主義傾向]、自尊感情評価尺度など)を収集することが出来た。復職出来るかどうかに対しては、職場以外の心理的負荷、同調性が影響していることが分かり、また家族のサポートが大事であることが分かった。
著者
木村 龍治 坪木 和久 中村 晃三 新野 宏 浅井 冨雄
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1994

本課題の重要な実績として、梅雨期の集中豪雨をもたらしたメソ降水系のリトリ-バルと数値実験を行ないその構造と維持機構を明らかにしたことと、関東平野の豪雨をもたらしたレインバンドの発生機構を明らかにしたことが挙げられる。1988年7月に実施された梅雨末期集中豪雨の特別観測期間中、梅雨前線に伴ったレインバンドが九州を通過し、その内部の風と降水のデータがドップラーレーダーのデュアルモード観測により得られた。このデータにリトリ-バル法を適用することによりレインバンドの熱力学的構造を調べ、維持機構を明らかにした。これにより対流圏中層から入り込む乾燥空気がメソβ降水系を形成維持する上において重要であった。またこの結果を2次元の非静力学モデルを用いて数値実験により検証したところ、この結果を支持する結果が得られた。さらに3次元の数値モデルを用いて降水系を再現し、その詳細な構造を明らかにした。関東平野において発生したメソ降水系のデータ収集とその解析を行なった。1992年4月22日、温帯低気圧の通過に伴い関東平野で細長いメソスケールの降雨帯が発生した。その主な特徴は、弧状の連続した壁雲の急速な発達により降雨帯が形成された点で、他の例に見られるような多くの孤立対流セルの並んだ降雨帯とは異なるものであった。この降雨帯は、それ自身に比べてはるかに広く弱い降雨域の南端に発達したもので、Bluesteinand Jain(1985)の分類では"embedded-areal-type"に属するものであった。最終年度には、メソ降水系の中でも特に梅雨前線に伴うメソβスケールの降水系について、平成8年6月27日から7月12日まで、北緯30度46.8分、東経130度16.4分に位置する鹿児島県三島村硫黄島で観測を行った。この観測期間中には気象研究所、名古屋大学大気水圏科学研究所、九州大学理学部、通信総合研究所など他の研究期間も同時に観測をしており、結果として大規模な観測網を展開したことになった。これらの研究機関の間ではワークショップを開きデータ交換も行なわれた。
著者
森 英恭 小森 政嗣 藤崎 雅史 中村 晃二 安芸 雅史 桑原 守正 藤崎 伸太 藤崎 大整 米満 伸久
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.711-716, 2009-09-28

症例は57歳,男性.腎硬化症に伴う末期腎不全にて2000年5月に血液透析が導入された.2008年1月,経過観察中のCTにて左腎に造影効果のある嚢胞性腫瘤を認め,後天性嚢胞腎に発生した腎癌の可能性が高いと診断し,同年2月22日,後腹膜鏡下左腎摘除術を施行した.摘出組織の病理診断はAcquired cystic disease-associated eosinophilic renal cell tumorであり,その組織学的特徴は大型の好酸性細胞が充実性に増殖し,シュウ酸カルシウムの沈着を認めるという従来の腎癌の組織分類に当てはまらないものであった.
著者
新野 宏 伊賀 啓太 中村 晃三 鈴木 修 石部 勝
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

水平格子間隔70m、鉛直方向45層、領域サイズ66.4km×66.4km×15.1kmの非静水圧準圧縮系のメソ数値モデルを用いて、1977年にアメリカ・オクラホマ州のデル・シティで発生した竜巻の環境場の高層観測デーダを水平一様に与えたところ、スーパーセル型積乱雲とこれに伴う竜巻の現実的な再現に成功した。積乱雲が発生して50分が経つと、水平風の鉛直シアと積乱雲の上昇気流との相互作用で高度2km付近に気圧の低下が生じ、この層の下で上昇流が強化される。これに伴って、60分頃になると高度1.2km付近で、水平渦度の立ち上げとその引き伸ばしにより下層のメソサイクロンが形成され、この回転場により1.2km付近での気圧降下が起こって、更に下層の上昇流を加速し、高度1kmでは40m/を越える上昇流が形成される。一方、地表面付近にはストームの降水域から流れ出す冷気流と周辺から吹き込む暖湿な気流のぶつかるガスト・フロントが形成されているが、ガスト・フロント上の水平シアに伴う鉛直渦度が丁度この強い下層の上昇流の下に来て引き伸ばされることによって竜巻が発生することが明らかとなった。このことは、スーパーセルに伴う竜巻が、定性的にはlandspoutと呼ばれる局地前線に伴う竜巻に似た機構で発生することを示している。本研究では、この他、日本付近の積乱雲を含むメソスケール対流の環境場を記述する環境パラメータの気候学的調査、竜巻ないしはダウンバーストと思われる突風被害をもたらした亜熱帯低気圧の構造とライフサイクルの解析、激しい積乱雲を生ずることの多い梅雨期のメソαスケール低気圧の力学の解析も行なった。
著者
中村 晃士
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

精神科通院患者73名、一般就労者は232名から基礎データ(職場内での心理的負荷、職場外での心理的負荷、GHQ-30[精神の健康度]、NEO-FFI[人格傾向]、MPS[完全主義傾向]、自尊感情評価尺度など)を収集することが出来た。休職の背景には、休職者の完全主義傾向、神経症的な性格が大きく影響していること、女性就労者では上司との関係が影響していることが明らかとなった。
著者
鹿庭 正昭 小嶋 茂雄 中村 晃忠
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
衛生化学 (ISSN:0013273X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.391-398, 1981-12-31
被引用文献数
2 1

It has been recognized that lead poisoning in children in the United States is mainly caused by lead containing paints. In order to clarify whether children in Japan are safe from lead poisoning or not, we investigated lead contents in paints, paints covering pencils, wax crayons, water colors, and those in paint scrapings collected from the buildings of the National Institute of Hygienic Sciences and from its members' houses by the modified A.O.A.C. method. Consequently, considerable numbers of samples containing more than 0.06% of lead, which is the regulatory limit in the United States, were found : 10/31 in paints, 3/49 in paints covering pencils, 0/55 in wax crayons, 3/54 in water colors, and 19/68 in paint scrapings collected. From those analytical data, it was clarified that children in Japan are not always safe from lead poisoning and the further investigation should be undertaken to obtain more exact information.