著者
中村 有希 四倉 寛子 加藤 雅彦 中田 淳 田中 啓治 林 宏光
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学医学会雑誌 (ISSN:13498975)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.25-29, 2007 (Released:2007-03-23)
参考文献数
16
被引用文献数
1

Adult autosomal dominant polycystic kidney disease (ADPKD) is a common hereditary disorder responsible for 8% to 10% of cases of end-stage chronic renal failure. The extrarenal complications of ADPKD kidney include cardiovascular disorders (such as mitral valve prolapse syndrome, bicuspid aortic valve, aortic coarctation, aortic aneurysm, and aortic dissection), intracranial aneurysms, diverticulum of colon, hepatic cysts, inguinal hernia, and urinary calculus. Acute aortic dissection (AAD) associated with ADPKD is life-threatening. There are few reports of ADPKD with AAD. To the best of our knowledge, only 9 cases have been found, including at autopsy, in Japan. We have treated 121 patients with AAD in the last 5 years, and 3 of these 121 patients also had ADPKD in the intensive care unit of Nippon Medical School. We report clinical features of cases of ADPKD with AAD on the basis of 12 cases, including 9 previously reported cases and our 3 cases. AAD requires urgent antihypertensive therapy, which often aggravates renal function. Priority should be given to antihypertensive therapy in emergent cases. In fact, 2 of our patients required hemodialysis owing to antihypertensive therapy for AAD. Close cooperation between cardiologists and nephrologists is essential.
著者
深瀬 徹 中村 有加里
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.10-14, 2021-03-25 (Released:2022-03-25)
参考文献数
10

2017年6月に東京都内の住宅地の民家において大型の昆虫の生息を認めた。3個体を捕獲して外部形態を観察した結果,本来はマダガスカルに生息するGromphadorhina属ゴキブリの雌1個体と雄2個体であった。これらの3個体を1年にわたって飼育し,2世代を得た。また,同年7月から本家屋の内部と外部に粘着シートを用いたゴキブリ駆除器を設置したところ,9月までに家屋内と屋外でそれぞれ4個体,計8個体を捕獲したが,それ以降は2019年12月に至るまで本種は認められなくなり,完全に駆除されたか,あるいは2017-2018年の冬期に低温のために死滅したことが示された。Gromphadorhina属ゴキブリは,日本においてペット用,または爬虫類等のペットの餌用として広く飼育および繁殖が行われており,そうした飼育場からの逸出あるいは意図的な遺棄があり,それがこの民家に侵入したものと推察した。熱帯に生息するゴキブリ類が日本に定着しうるかは明らかではないが,保温性の高い住環境にあっては,それらの食性を満たす餌が存在する場合には定着の可能性もあると考えるべきであり,外国産ゴキブリの逸走や遺棄を防止するための啓発が必要である。
著者
中村 有希 原科 幸爾
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.35, no.Special_Issue, pp.234-240, 2016-11-20 (Released:2017-11-20)
参考文献数
8

Animal damage to agriculture, forestry, and human has been serious problem in rural areas in Japan. In Iwate Prefecture, apple wastes abandoned near mountain attract wildlife such as Japanese black bear to human settlements. To assess the feasibility of apple waste use as livestock feed in order to reduce a factor attracting wildlife to settlements, hearing investigations and questionnaire surveys were conducted to apple and pig farmers. The results showed it is feasible to use the apples as supplementary feed under certain conditions such as small-scale pig farm with a distance of less than about 15 km from apple farm.
著者
中村 有里 松見 淳子
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.54-58, 2010-01-30 (Released:2017-06-28)
被引用文献数
1

研究の目的行動的コーチングがハンドボールの7mスローにおけるシュートフォームの改善に及ぼす効果を検討した。研究計画ABAデザインを用いて行った。参加者ハンドボール部に所属する女子大学生3名であった。介入的シュート場面と通常シュート場面の2場面を設けた。シュートフォームを12項目の下位スキルに課題分析したチェックリストを用い、行動的コーチングとしてシュートフォームの教示、モデリング、行動リハーサル、パフォーマンスフィードバックを行った。行動の指標シュートフォーム下位スキルの正反応率であった。結果的シュート場面及び通常シュート場面共に参加者全てのシュートフォーム正反応率は上昇した。考察行動的コーチングはハンドボールのシュートフォームの改善に有効であることが示唆された。シュート成功本数については一貫した向上が見られなかった。
著者
中村 有利子
出版者
日本刑法学会
雑誌
刑法雑誌 (ISSN:00220191)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.30-41, 2013-03-10 (Released:2020-11-05)
著者
竹内 裕紀 岩本 整 中村 有紀 河地 茂行 島津 元秀 畝崎 榮 平野 俊彦
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.7-22, 2015 (Released:2015-09-10)
参考文献数
59

Corticosteroids or steroids are useful drug in clinical renal transplantation because of multiple effects in immunosuppression. There are not a few renal transplant recipients who need steroid therapy, although various new immunosuppressive drugs have developed. However, steroid dosage should be kept as low as possible and preferably withdrawn, because adverse effects of steroids are the most problematical in immunosuppressive drugs. The individual difference of efficacy and adverse effects of steroids depends on pharmacodynamics factor. We have been tried to resolve the dual nature of steroid therapy by steroid sensitivities test using peripheral blood mononuclear cell(PBMC). We clarified significant relationship in steroid sensitivity and clinical outcome, relative immunosuppressive efficacy of steroid, availability of methylprednisolone as immunosuppressive drug, utility for selecting patients who can sustain steroid withdrawal, and pharmacodynamic interaction of calcineurin inhibitors and steroids. We describe here not only results of pharmacodynamic research of steroid sensitivity test, but also comprehensive issues, i. e., history of steroid therapy in renal transplantation, action mechanism of steroid and factor of individual difference of steroid sensitivity, pharmacokinetics of steroid, suppression of hypothalamic-pituitary-adrenal system and immune system, adverse effects of steroid, and practice toward optimal steroid therapy for individual renal recipients.
著者
山本 紗織 寺谷 望 中村 有美香 渡辺 成美 林 延徳 竹内 勇剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.176, pp.31-36, 2012-08-11
参考文献数
11

一般に普及しているビデオチャットシステムを利用した遠隔コミュニケーション環境では,多人数での対話参加者間の視線によるインタラクションを成り立たせることができない.そのため,話者によるアドレッシングや次話者への発話権の円滑な交替が困難となり,多人数対話機能はほとんど利用されていない.このような問題に対して,申請者は視線による自然な発話アドレッシングとセレクトを明示化した多人数ビデオチャットシステムPtolemaeusを開発し,このシステムによって実現できた視線によるインタラクションが円滑な遠隔多人数対話を実現できる可能性を実証した.
著者
日高 豊彦 日高 亨彦 中村 有伽 清水 英城
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.276-284, 2019-12-31 (Released:2020-01-30)
参考文献数
46

審美領域においてインプラント治療が患者の満足を得られるためには,歯冠修復と同様に辺縁歯肉と歯間乳頭の位置,およびその長期的安定が求められる.これらを確立するためにはインプラント埋入部位に必要な骨(硬組織)と軟組織を確保することが重要である.生体には固有差があるが,一般的にはインプラントとアバットメントが同径の場合インプラントの頰舌(唇口蓋)側2mm以上,プラットフォーム・スイッチングの場合1.5mm以上の骨を確保し,どちらのデザインのものでもインプラントと天然歯間に1.5mm以上,インプラントとインプラント間に3mm以上の骨を確保すべきであろう.インプラント周囲の軟組織の高さは4mm程度必要と思われるため,インプラント埋入の深さはインプラントとアバットメントが同径の場合辺縁歯肉より3mm程度根尖側方向,プラットフォーム・スイッチングの場合4mm程度根尖側方向に埋入すべきではないかと多くの文献から示唆される.頰舌(唇口蓋)的軟組織の厚みは2mm程度必要だと思われる.上部構造の形態は頰舌(唇口蓋)軟組織の厚みを確保するため,歯肉縁下で凹状に,隣接形態は歯の修復と同様にハーフ・ポンティック・テクニックが応用できる.組織が不足する場合はその造成を行わなければならないが,審美性の長期予後を考えると骨の造成には遅延吸収性または,非吸収性の骨補塡材を用い,軟組織に関しては自家移植による造成が長く維持される.
著者
曽我 芳枝 平工 志穂 中村 有紀
出版者
東京女子大学論集編集委員会
雑誌
東京女子大学紀要論集. 科学部門報告 = Science reports of Tokyo Woman's Christian University (ISSN:03864006)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.1987-1999, 2015

Today it is normal for women to partake in sports or exercise. This paper will firstly describe the current status of women in sport and exercise and its significance, using the actual practice and the current status of physical education at a woman's high school, Tokyo Woman's Christian University. Following this, the paper will investigate the background behind how Tetsu Yasui (1870–1945), the teacher who brought the fundamentals of physical education to the University, but was not a specialist in physical education, emphasized its importance in education, as well as looking into the history of physical education for women in Japan and how it has played such a big role to date. Lastly, the paper will aim to provide possible considerations for the future of physical education at the university.Sport and exercise is an effective method of supporting the health of the body and the mind, however the tendency for women to drop out of exercise between junior and senior high school is quite prominent, with nearly half of all students feeling out of touch with exercise once they graduate university. From the results of the study, it was found that the same problem has arisen for the students Tokyo Woman's Christian University.Yasui claims that "if physical education is not thorough enough, we cannot produce women with admirable qualities", and Tokyo Woman's Christian University has a history of keeping that ideology in mind, having placed a heavy importance on physical education in women from the opening of the school up until now. It is thought by the research group that they continue to combine further research and improvements to raise awareness of the social role that sport and exercise has for students in maintaining a healthy body and mind as well as forming solidarity with others, in the hope of guiding students to develop a broad view of the world while creating good relationships among people.今日では,女性がスポーツや運動をすることは当たり前のこととして捉えられるようになった.本稿では,まず女性におけるスポーツ・運動参加の現状と意義を述べ,女性の高等教育機関である東京女子大学の学生の実践及び身体教育の実態を述べる.そして同大学の体育の基礎を築いた安井てつ(1870–1945)が,体育の専門家ではないにも拘わらず教育活動において体育を重視するに至った経緯を調査し,同時に日本の女子体育史上,如何に大きな役割を果たしたかについて探っていく.併せて同大学におけるこれからの体育のあり方について考察することを目的とした.スポーツ・運動は心身の健康を維持するための有効な手段であるが,女性は中学校期から高校期にかけて運動をしなくなる傾向が顕著で,大学を終えると半数近くが運動と疎遠になる.東京女子大学の学生についても同様の事が調査の結果,課題として浮かび上がった.安井は「体育が充分に行き届かなければ,立派な品性ある女子を作ることはできない」との考えであったが,東京女子大学は開学以来今日までその理念を尊重すべく女性の身体教育を重要視してきた歴史がある.研究グループは今後も更に研究・改善を重ね,学生にスポーツ・運動実践を通して心身の健康や他者との連帯を図るという社会的役割を認識させ,良好な人間関係を築くとともに世界を見渡せる広い視野を養うよう導いていきたいと考える.
著者
中村 有光 柳町 昭夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.169-176, 1963

プリント巻線モータの過負荷使用を考慮すると, 駆動素子としてSCRがトランジスタより適切であることを示し, 流通角制御の場合におきる駆動特性の劣化は速度帰還, とくに逆起電力ゲート帰還によって改善できることを一般的に明らかにした.これにもとついて出力95WのPM-488形モータを駆動できるSCRサーボ増幅器を試作した結果, 良好な性能を得ることができた.
著者
中村 有光
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.901-904, 1979

中国の放送事情については, あまり知られていなかったが, 今年2月, NHKの技術関係代表団が中央広播事業局の招待を受けて訪中し, 中央テレビ局をはじめ各地の放送局や放送関係工場を視察して, 現状を把握し, 交流を深めることができた.今後の日中交流の促進のため, その一端を紹介するものである.
著者
中村 有吾 高橋 唯 仙頭 杏美 和田 庫治
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

室戸ジオパークは、2008年に日本ジオパークに認定されてから、今年で満10年となる。2018年には、今後10年間の活動計画(マスタープラン)を策定し、今後のジオパーク活動を推進する上で主要な活動場所となるサイトおよび拠点施設を見直し、新たに指定することになる。その際、2015年のGGN再審査による指摘事項(Recommendation)に対応するため、次の条件を満たすサイトを設定する:内陸のサイトを増やす、地質サイトとそれ以外(生態・文化)をわける、自然の家展望台などツーリストの関心を引く施設も活用する、構造地質学的要素(断層など)をとりいれる、施設や道を「サイト」としてはいけない。ただし、大前提として、室戸ジオパークのテーマ(「海と陸が出会い 新しい大地が誕生する最前線」)およびそこから派生するジオストーリーに沿った地点を、サイトとして設定する。新たなサイト設定には、従来「ジオサイト」として活用してきた地点を再定義するとともに、市民から要望のあったサイトでテーマとの関連するものを新たにサイトとして定義した。そのほか、専門員による野外調査・文献調査に基づいて、室戸ジオパークに分布する主要な地層(Formationレベル。場合によってはMemberレベル)や地形(海成段丘や海食地形など)は代表的な地点をサイトとして認定する。その際なるべく、室戸半島の東海岸・西海岸でそれぞれ認定する。その結果、51のジオサイト、10のエコサイト、17のカルチュラルサイトを「サイト」として、また、展示施設や展望台などの10施設を「拠点施設」として、設定した。
著者
住吉 孝明 中村 有沙 南原 拓弥 村上 将登
出版者
関西大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

ムスカリン受容体は副交感神経を活性化する神経伝達物質アセチルコリンの受容体である。ムスカリン受容体にはM1-M5の5つのサブタイプがあり、M1受容体の活性化が認知機能を向上させる効果がある。本研究は、作動性と拮抗性を併せ持ち、適度にM1受容体を活性化する部分作動薬を創製し、副作用を低減した新たな精神神経疾患治療薬になりうる化合物を見出すことを目的とする。M1受容体およびM4受容体の両方を作動する化合物の構造を種々変換した結果、ムスカリンM1受容体選択的部分作動性を示す化合物を見出した。これらの化合物はアルツハイマー病等の精神神経疾患の改善薬への応用が期待できる。
著者
桂田 浩一 中村 有作 山田 真 山田 博文 小林 聡 新田 恒雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2681-2689, 2003-11-15
被引用文献数
17

本論文ではマルチモーダルインタラクション(MMI)記述言語XISLを提案する.XISLの目標は,(1) MMIで必要とされるモダリティの利用方法・対話の制御を記述可能にすること,(2)モダリティの拡張性を高めることである.これらを実現するために,XISLでは,(1) VoiceXML,SMILといった従来言語を参考に,モダリティの利用方法および対話制御の諸概念や命令を導入し,(2)入出力モダリティに関する記述に自由度を持たせている.本論文ではXISLの概略を説明するとともに,PC上に実装したXISLの実行システム,およびプロトタイプとして試作したオンラインショッピングアプリケーションについて述べる.またXISLを他の言語と比較することにより,XISLのMMI記述言語としての特徴を明らかにする.This paper provides a multimodal interaction (MMI) description languageXISL. XISL aims to be a language satisfying the following conditions: (1) it has enough power to describe MMI scenarios, (2) it has extensibility of input/output modalities. For this purpose, (1) XISL prepares a lot of commands and structures used in previous languages such as VoiceXMLand SMIL,and (2) XISL has flexibility of describing input/output modalities. In this paper, we outline the specification of XISL, and show its interpreter and an application implemented on PC. Moreover, we clarify advantages of XISL by comparing it with other MMI description languages.