著者
岡田 雅彦 中村 雄二 古田 博文 斉間 恵樹 松尾 史朗 岸本 道太 埴岡 啓介 浅野 正英 由谷 親夫
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.20, no.7, pp.881-886, 1988

著明な右室の拡張を呈し右心不全に慢性腎不全を合併して死亡した1剖検例につき,生前の諸検査所見および剖検所見から右室の障害を主徴とする拡張型心筋症の症例と考えられたので報告する.症例は67歳女性で全身浮腫を主訴として入院.入院時現症にて全身浮腫,腹水の他に心聴診上三尖弁領域に全収縮期雑音を聴取.胸部X線上心拡大を,また心エコー図にて右房,右室の著明な拡大を認めたが左室の拡大はなく左室壁運動も正常であった.右心カテーテル検査では右房,右室圧の上昇を認めたが肺動脈は正常,また左右短絡所見は得られなかった.これらの所見から右心不全の原因として孤立性三尖弁閉鎖不全および右室異形成症が疑われたが,剖検所見からいずれも否定された.剖検所見は,右室は著明なびまん性拡張を示し左室の拡張はなく,心筋組織所見上は左室に比して右室により高度なびまん性病変を認めた.拡張型心筋症の病態は一般に左室の拡張と収縮障害を主徴とするものと考えられているが,左室の障害が軽度ないしほとんど存在せずに高度の右室の障害を示す拡張型心筋症の報告例も本邦および海外において散見され,自験例を含めて右室型拡張型心筋症と考えるべき症例がまれに存在するものと思われる.
著者
林 建二郎 宍戸 俊英 菅田 明子 中村 雄 板谷 直 原 秀彦 多武保 光宏 桶川 隆嗣 東原 英二 奴田原 紀久
出版者
日本泌尿器内視鏡学会
雑誌
Japanese Journal of Endourology (ISSN:21861889)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.137-141, 2015 (Released:2015-05-27)
参考文献数
10

【目的】高齢者におけるホルミウムレーザー前立腺核出術(holmium laser enucleation of the prostate:HoLEP)の治療成績を若年者の成績と比較検討した. 【対象と方法】2005年12月から2010年5月の期間にHoLEPを施行した患者168例を後期高齢者とされる75歳以上51例の群と74歳以下117例の群にわけ,自覚症状の変化や尿流動態および合併症を比較検討した. 【結果】両群でともに有意な自覚症状の改善,尿流動態の改善が認められた(p<0.001).合併症は74歳以下の群で一過性尿閉5例(4.3%),精巣上体炎5例(4.3%),後出血4例(3.4%)を認め75歳以上の群より多かった.両群間で術後のヘモグロビン減少や輸血率,尿失禁の合併に有意差はなかった. 【結語】HoLEPは高齢者の前立腺肥大症に対し,比較的侵襲の少ない有用な術式と考えられた.
著者
中村 雄彦 中村 元一
出版者
科学評論社
雑誌
アレルギ-科 (ISSN:13417584)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.368-373, 2005-10
著者
中村 雄彦
出版者
医学書院
雑誌
臨床皮膚科 (ISSN:00214973)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.p65-68, 1977-01
被引用文献数
1
著者
中村 雄二郎
出版者
建築史学会
雑誌
建築史学 (ISSN:02892839)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.76-92, 1990 (Released:2018-09-13)
著者
澤田 樹一郎 中村 雄治 松尾 彰
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.61, no.485, pp.117-125, 1996-07-30 (Released:2017-01-31)
参考文献数
19
被引用文献数
3 3

The optimum elastic and plastic design methods of plane rigid frames have been proposed in many previous studies. But, they have not dealt with the ootimum design problem considering elastic constraints and plastic constraints simultaneously. In this paper, first, the limit analysis method is presented considering the axial force-bending moment interaction vield condition. Next, the optimum design method is suggested, in which the minimum weight design of a structure is obtained under the simultaneous constraints of elastic stresses, elastic story drift angles, plastic faqilure load factors and the strength ratios of column-to-beam. And, solving the optimum plastic design problem of a portal frame and the optimum elastic and plastic design problem of a 12 story frame, It is confirmed that this method gives the optimum design solution.

1 0 0 0 共通感覚論

著者
中村雄二郎著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2000
著者
矢儀 真也 中村 雄一 山内 利宏
雑誌
コンピュータシステム・シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.84-94, 2011-11-23

SELinux のセキュリティポリシは設定が難しいため,汎用的なポリシを利用することが多い.しかし,汎用的なポリシは,個々のシステムに必要のない権限を許可している可能性がある.また,ポリシが占有するメモリ使用量が多く,組み込み機器には適していない.これらの問題への対処として,不要なポリシを自動で検出し,削減する手法を提案する.提案手法は,SELinux が出力するログを利用して不要なポリシを検出する.また,システム管理者にポリシの修正を提案し,システムのセキュリティを向上させ,ポリシのメモリ使用量を削減できる.本論文では,SELinux のポリシの問題点と対処方法を示し,設計と評価について報告する.
著者
畠山 貴充 平野 幸助 中村 雄太 藤澤 彰宏 土屋 貴司 山口 達也 千田 有一 吉村 達也
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.851, pp.16-00531-16-00531, 2017 (Released:2017-07-25)
参考文献数
21

In the present paper, development of an automatic spinach harvester is discussed. Our research group has been developing a prototype harvester and many filed tests have been successfully executed. The field test results show that spinach can be picked up automatically without being grasped after their roots being cut at specified position in soil. The harvester equips two degrees of freedom control units, such as the arm length control unit and the arm angle control unit, for controlling a root-cutting blade which follows the specified path under the ground. In the present paper, modeling and control design for the arm length control is discussed. First, a control design model is developed by several system identification techniques. Next, an I-PD controller is designed by the robust control design procedure. Control performance is verified by numerical simulations and field tests.
著者
友松 雄一郎 芳野 純治 乾 和郎 若林 貴夫 奥嶋 一武 小林 隆 三好 広尚 中村 雄太 神谷 直樹 三浦 正剛
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.178-184, 2007-02-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
39
被引用文献数
4

大腸憩室出血の特徴を,特に抗血栓薬に着目して検討した.2002年7月~2005年11月までに下部消化管出血にて大腸内視鏡検査を実施した332例のうち,大腸憩室出血と診断されたのは32例(9.6%)であった.大腸憩室出血は65歳以上の高齢者が90.6%と大部分を占めた.出血部位は左側結腸78.1%,右側結腸21.9%,出血形態は凝血塊付着81.3%,湧出性出血15.6%,噴出性出血3.1%であった.憩室は多発93.8%,単発6.2%であった.輸血を必要としない軽症は81.3%,内視鏡治療の必要がなかったものが81.3%と大部分を占めた.抗血栓薬の内服率は50%(16/32)と他の下部消化管出血をきたした疾患に比べて高値であった.大腸憩室出血例の半数は抗血栓薬を内服しており,高齢者が大部分を占めることから,大腸憩室を有する高齢者への抗血栓薬投与は出血の主な誘因の一つと考えられた.

1 0 0 0 OA 生命と技術

著者
中村 雄二郎
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.64-67, 1995-01-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
4
著者
中村 雄一 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング
巻号頁・発行日
vol.109, no.461, pp.467-472, 2010-03-02

フィードフォワードネットワークを適当に構築すれば,与えられた連続関数を十分な精度で近似できることが関数近似定理として証明されている.しかし,この定理では関数を近似した場合の具体的な構造についての情報は扱われていない.本報告では,近似対象となる関数を多項式に限定し,それを近似する3層ネットワークのーつの具体的な構造を求める.ネットワークの構造はシステムパラメータで決定する.活性化関数が十分に滑らかな場合,システムパラメータは活性化関数のテイラー展開および行列演算から系統的に導かれる.提案方法から得られる3層ネットワーク構造は,学習則に対しても有効な情報を与えるものと期待できる.
著者
川田 順造 SOW Moussa DEMBELE Mama SANOGO Klena KASSIBO Breh 中村 雄祐 楠本 彩乃 足立 和隆 坂井 信三 芦沢 玖美 応地 利明 MOUSSA Sow MAMADI Dembele KLENA Sanogo BREHIMA Kassibo SKLENA SANOG ISSAKA BAGAY SAMBA DIALLO BREHIMA KASS 田中 哲也
出版者
東京外国語大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1992

平成5年度は、8年間続けたこの国際学術研究の最終年度にあたり、これまでの研究の方法、組織、内容、成果等について、全般的な総括・反省を行なうとともに、第4巻目の報告書を、これまでと同様、フランス語で作成することに充てられた。報告書をフランス語で作成するのは、第一に研究の成果を、研究対象国であるマリをはじめ西アフリカに多いフランス語圏の人々に還元するためである。第二に、フランス語という、アフリカ研究において長い歴史と蓄積のある国の言語であり、同時に広い国際的通用力を、とくにアフリカ研究の分野でもつ言語で発表することにより、国際的な場での研究者の批判・教示を得、また国際学界への貢献を意図するからである。幸い、この2つの目的はこれまでの3巻の反応をみても、十分に達せられたと思われる。研究分担者であるマリ人研究者も、彼らの公用語であるフランス語で研究成果を刊行し、それがマリをはじめアフリカのフランス語圏の人々、および世界のフランス語を理解する研究者にひろく読まれることに満足し、この面での日本の研究協力に感謝している。他方、フランスをはじめとする世界の研究者からの、この研究報告に対する反応は大きく、巻を重ねるにつれて、送付希望の申込みが、諸国の研究者や研究機関から寄せられている。国際的アフリカ研究誌として伝統のあるフランスの『アフリカニスト雑誌』に第1巻の書評が載ったのをはじめ、学会、論文などでの言及や引用は枚挙にいとまがない。研究の方法、組織については、研究条件等の著しく異なる日本とマリでの共同研究という困難にもかかわらず、マリ側の研究分担者が共同研究の意義をよく理解し、日本人研究者との研究上の協力、便宜供与、成果の共同討議(現地で)、報告書執筆において、誠意をもって協力してくれたことは幸いであった。ただ、マリ国の研究所のコンピューター、ワープロ等の設備の不十分さや故障、郵便事故等に加えて、1991年春の政変に伴なう暴動で研究所の図書や資料、備品が盗難や破壊の被害を受け、この報告書のために準備しておいた貴重な調査資料(録音テープや写真、フィールドノート等)もかなりのものが失なわれて、折角の調査の成果が報告書に十分生かせなかったものもあるのは残念である。それにもかかわらず、マリの研究分担者は、学問的良心に忠実に、内容の充実した報告書を寄せてくれた。1991年の政変の被害で、その年秋締切りの第3巻に報告書を寄せることができなかった、クレナ・サノゴ、ママディ・ダンベレの2人の考古学者は、その欠落を償うべきであるという義務感から、共同の力作レポート1篇のほかに、各自の単独執筆の1篇をそれぞれ寄稿し、報告書全体の広さと厚みを増してくれた。その他の研究者の、調査成果のまとめについては、計画通りないしは、当初の計画をはるかに上まわるもの(例えば、応地利明氏の、熱帯乾燥地の雑穀農業についての、広汎かつ独創的なレポートなど)である。昨年度の現地調査の結果、予定されていた報告書のほか、川田は研究代表者として、8年間の共同研究全体を展望する論考として、「サヘルとスワヒリ」と題する、東西アフリカのアフリカ=アラブ文化の大規模な接触地帯の比較を行なう報告をまとめた。これは川田が年来アフリカ学会等の学会でも発表してきたものの、今回の調査成果をふまえた総括であるが、当研究が対象とする地域である「サヘル」(アラビア語の「緑」「岸」)と東アフリカの「スワヒリ」(「サヘル」の複数形)との対比は、国際学会の視野でもはじめての試みである。また、研究分担者芦沢等によって実施された身体技法と身体特徴についての計測に基づく実証的な研究は、アフリカでの現地調査における文化人類学と自然人類学の共同調査の試みとして、第3巻につづくものであるが、文化を自然の関係を探求する新しい試みとして、予備的な発表を行なった学会(1993年10月日本人類学会・日本民族学会連合大学での楠本等の報告)でも注目されている。その他、坂井、中村、カッシ-ボ、ソ-等の研究分担者も、それぞれの分担課題についての精緻な現地調査に基づく報告をまとめ、独創的な貢献を行なっている。