著者
清水 まり恵 中村 淳子 内野 郁代 津久井 和夫 佐竹 正博 中村 榮一 柏瀬 貢一 田中 秀則 植木 純一 峯元 睦子 市原 孝浩 菅原 直子 栗田 裕子 中島 文明
出版者
日本組織適合性学会
雑誌
日本組織適合性学会誌 (ISSN:21869995)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.11-19, 2003

<p>我々は日常, HLA-A, B, C検査に血清学的検査法とDNAタイピング法を, HLA-DRB1検査にDNAタイピング法をそれぞれ実施している. DNAタイピング法としてはPCR-microtiter plate hybridization(PCR-MPH)法とPCR-single-strand conformation polymorphism(PCR-SSCP)法を通常用いている. これらのタイピングで, HLA抗原型またはHLAアリルが確定できなかった場合に, sequencing based typing(SBT)法によりHLAアリルの確認を行なっている. SBT法で新対立遺伝子を含むヘテロ接合体が検出された場合は, 新対立遺伝子を含む一方の染色体の遺伝子領域を増幅し, その塩基配列の決定を行なった. それらのアリルのうち, 7種類がWHO HLA命名委員会によりそれぞれ公認, 命名された(A*0259, A*020107, B*5609, B*5131, B*5205, DRB1*1444, DRB1*1445). A*0259は, A*020101と比較して第2エクソンに位置する塩基125のGがAに置換することにより, コドン18のGlyがSerに変異していた.</p>
著者
鈴木 克洋 中村 文彦 大塚 慈雨 正井 克俊 伊藤 勇太 杉浦 裕太 杉本 麻樹
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.379-389, 2017

<p>The head-mounted displays (HMD) allow people to enjoy immersive VR experience. A virtual avatar can be the representative of a user in the virtual environment. However, the expression of the virtual avatar with a HMD user is constrained. A major problem of wearing an HMD is that a large portion of one's face is occluded, making facial recognition difficult in an HMD-based virtual environment. To overcome this problem, we propose a facial expression mapping technology using retro-reflective photoelectric sensors. The sensors attached inside the HMD measures the distance between sensors and a face. The distance values of five basic facial expressions (Neutral, Happy, Angry, Surprised, and Sad) are used for training the neural network to estimate the facial expression of a user. Our system can also reproduce facial expression change in real-time through an existing avatar by using regression.</p>
著者
中村 俊 小柴 満美子
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.39-43, 2011 (Released:2017-02-16)
参考文献数
19

社会性行動は個体間の感覚運動的相互作用によって発達する。我々は社会的きずなの形成を神経行動学的に解析し,その分子的基盤を解明することを目指して動物モデル(家禽ヒヨコおよびマーモセット)を開発した。まず社会性行動を統合的・定量的に解析するための行動テスト法を確立し,テスト中の身体動画像から得られたパラメータの多変量解析により行動の質を評価する方法を開発した。ついで,社会的きずなの形成には,社会的相互作用が特に有効な時期(臨界期,高感受性期)が存在することを明らかにした。この時期に相互作用を体験しない個体におけるセロトニン,ノルアドレナリン作動性神経系の賦活効果を検討したところ,SSRI/SNRI が有効であったが,同時に臨界期後の社会性行動の“トレーニング”が必須であった。この結果は,本モデルが発達障害や他の精神疾患における社会性行動障害の病態モデルとして有効であることを示唆している。
著者
鈴木 優也 福島 隆男 岩澤 貴宏 中村 元 七澤 繁樹 牧野 邦比古
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.274-278, 2019 (Released:2019-05-28)
参考文献数
19
被引用文献数
2

O-157による溶血性尿毒素症候群(hemolytic uremic syndrome; HUS),急性脳症は小児に好発し成人での発症は稀である.今回成人女性で急性脳症を発症し後遺症なく回復した1例を経験した.症例は24歳女性.腹痛,下痢で発症し,便からO-157と志賀毒素が検出された.第6病日にHUS,第11病日に急性脳症を発症した.一時人工呼吸管理となったが,ステロイドパルス療法,血漿交換療法(plasma exchange; PE)を行い第53病日に後遺症なく退院した.成人女性は男性よりも志賀毒素の受容体となるGb3の発現率が高く高リスクと考えられる.治療としては炎症性サイトカインを抑制するステロイドパルス療法とPEの有効性が示唆され,積極的に施行を考慮すべきと考える.
著者
栄田 敏之 中村 任 奥村 勝彦 栃尾 信治 長田 俊治
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.594-598, 2002-12-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
7
被引用文献数
3 3

Dissolution tests of acetaminophen filled into the gelatin capsules (SHIONOGI QUALICAPS, Japan) and hydroxypropylmethylcellulose (HPMC) capsules (SHIONOGI QUALICAPS, Japan) were performed after the cap-sules were stored under conditions of 30°C/60%RH for one year, 40°C/75%RH for 6 months, or 60°C for one week. The Japanese Pharmacopoeia 1st fluid, acetic acid buffer (pH4.0), Japanese Pharmacopoeia 2nd fluid and purified water were used as dissolution media. The dissolution profiles of the gelatin capsules changed significantly in comparison to those of the initial profiles after the capsules were stored at 40°C/75%RH for 6 months or 60°C for one week. On the other hand, no delay in dissolution was observed for the HPMC capsules.Dissolution tests were additionally conduced using three commercially available HPMC capsules (SHIONOGI QUALICAPS, Japan ; CAPSUGEL, USA ; SHOGHUN, Korea), and the dissolution profiles of the HPMC capsules of SHIONOGI QUALICAPS were thus found to be independent of the dissolution medium, while the others showed different dissolution profiles depending on the dissolution medium.
著者
宇賀神 裕美 池内 寛子 櫛田 映子 荒山 麻子 阿久津 里美 江花 裕子 間庭 昭雄 阿江 竜介 中村 好一
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.311-316, 2019 (Released:2019-05-28)
参考文献数
11

精神科医療が入院中心から地域社会へと移行の流れがあり、精神科疾患患者の高齢化も伴い、生活習慣病のリスクの割合が高い精神科疾患患者が地域の中でQOLの高い生活を維持するためには、食生活サポートが必要である。本研究では2014年に実施した「栃木県内精神科病院における栄養食事指導に関する調査」を基礎資料とし、総合病院精神科受診の75人と単科精神科病院受診の367人の精神科疾患患者について解析し比較を行った。総合病院精神科では摂食障害の指導の状況が見られ、指導状況では終了(転院・退院)が見られた。転院先、退院後でも継続的な支援の受け皿の必要性が考えられた。 単科精神科病院では、統合失調症患者への栄養食事指導、指導状況では中断、継続が見られた。指導効果の改善に向けて継続指導の必要性が考えられた。
著者
高柳 理早 山田 安彦 河野 真理子 中村 均 佐藤 均 伊賀 立二
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.489-494, 2002-10-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

The new Good Clinical Practice (GCP) guidelines, which were based on ICH-GCP, were enforced in Japan in April 1997. These guidelines recommend that pharmacists play the role of managers of investigational drugs and also as cooperators (clinical research coordinator) in the performance of clinical trials. In this study, we carried out a survey of the attitude of the new graduate pharmacists (the group of graduates in the 1998 fiscal year and a group of graduates in the 1999 fiscal year) on clinical trials. After the first questionnaire, we lectured the students on GCP and performed clinical trials, and then the second questionnaire was conducted two months later. The group of graduates in the 1999 fiscal year had more opportunities to come in contact with information on clinical trials than the group in the 1998 fiscal year. Both groups knew that new GCP guidelines had been established, but they did not understand the details. Some of them had a negative impression concerning clinical trials. The lectures improved their knowledge and impression on the practice of clinical trials. After the lecture, over 90% of them thought that pharmacists should manage investigational drugs and provide information on these drugs for the rational practice of clinical trials. Furthermore, in 60% or more of the students, an improvement in the consciousness of evaluating the safety and efficacy of investigational drugs regarding the pharmacist's role was found.
著者
中村 やよい 橋本 樹範 松尾 美貴
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2007年度秋季
巻号頁・発行日
pp.223-228, 2007-09-20 (Released:2017-06-08)

弊社ではISO9001を取得し,プロセス改善の取組みを行なってきたが,多様なシステム開発を行う会社として,以下の課題があった.(1)『標準プロセス』とその改善の重要性の理解が進まず,現場に浸透していない.(2)ISO9001での要求事項は抽象的かつ汎用的なため,開発現場の具体的な活動への展開が難しい.(3)開発内容が多岐に渡るため,開発プロセスの標準化が難しい.このため,開発にフォーカスしたプロセス改善手法であるCMMI(レべル3)のフレームワークを活用し,以下の取組みを行なうこととした.(1)トップダウンによる現場へのプロセス改善意識と知識の普及(2)CMMIフレームワークを用いての,開発にフォーカスした『標準プロセス』の構築(3)CMMIのテーラリングの概念を用いての各種開発プロセスの統合活動の結果,ISO/CMMIを統合した『標準プロセス(QMS)]を構築し,また,CMMIレべル3を達成している(2007年3月)今後,このQMSを成長させつつレべル4,5を目指した改善活動を進めていく.
著者
渡辺智美 中村亮太 上林憲行
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.695-696, 2013-03-06

面接対策のための書籍はあるが, 面接者に良印象を与える話速の具体的数値や, 悪印象を与えてしまう音声フィラーの頻出等, 言語情報以外のコミュニケーション法に関する記載は少ない. 本研究では面接者が重視する受験者の話し方を構成する要素を明らかにするために, 本学で開講された模擬面接官養成講座の受講生を面接者とした模擬面接を実施した. その中で面接者による声の大きさ・話速・音声フィラー・繰り返し・沈黙の項目に対する4段階主観評価, 音声フィラー・繰り返し・沈黙の頻出数, 内容も含む面接印象評価の取得と, 逐語記録実施による話速分析を行った. その結果, 話速と声の大きさが面接者の印象評価に影響を与えていることが示唆された.
著者
小岩井 馨 武見 ゆかり 林 芙美 緒方 裕光 坂口 景子 嶋田 雅子 川畑 輝子 野藤 悠 中村 正和
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.13-28, 2019-02-28 (Released:2019-02-28)
参考文献数
51
被引用文献数
1

目的:効果的な減塩対策のためには食塩摂取源を把握する必要がある.食塩摂取源を食品群で把握するだけでなく,家庭内・家庭外由来かを特定し,さらに疾病の指摘の有無別に食塩摂取源の特徴を検討することとした.方法:平成29年神奈川県真鶴町の特定健診受診者を対象とした横断研究を行った.3日間の食事調査により出現した食品や料理を食品群別・加工度別に分類後,家庭内・家庭外(菓子・嗜好飲料・中食,外食)に整理した.その後,食事記録日数の不足者等を除外した213名を対象に,3日間の平均食塩摂取量に占める各々の食塩摂取量の割合(以下,「食塩摂取割合」)を算出した.さらに,循環器疾患の指摘または降圧剤の使用有無別(以下,「循環器疾患の有無別」)に食塩摂取割合を比較した.結果:食品群別の食塩摂取割合が最も高い食品は,男女とも調味料(約60%)であり,このうち,約75%が家庭内,約25%が家庭外であった.循環器疾患の有無別では,中食からの食塩摂取割合は男性の有り群は26.8%と,無し群14.3%に比べ,有意に高かった(p=0.029).結論:地域在住特定健診受診者では,家庭で使用する際の調味料からの食塩摂取割合が高いこと,男性の循環器疾患有りの者は中食の食塩摂取割合が高いことが示された.減塩対策を検討する上で,家庭内・家庭外の視点を取り入れること,男性では中食への減塩対策も必要であることが示唆された.
著者
廣野 哲 中村 宏 朴 泰祐 中澤 喜三郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.10, pp.1850-1858, 1996-10-15
参考文献数
9
被引用文献数
1

大規模科学技術計算においては データ参照に時間的局所性が少ないためにキヤッシュが有効に働かない. このような計算においても高い実効性能を達成する擬似ベクトルプロセッサPVP-SWを我々は提案している. また データがランダムに参照され データ参照に空間的局所性も少ないリストベクトル処理においてもPVP-SWは有効であることが過去に報告されている. しかし 過去の報告では リストベクトルの内容に重複がないことが保証された場合のリストベクトル処理についてのみ論じている. 本論文では このような保証がなく 従来のべクトル型スーパーコンピュータではベクトル化できない一般のリストベクトル処理においてもPVP-SWが効率良く処理を行えることを示す. 計算機シミュレーションによる性能評価結果より PVP-SWが高い実効性能を達成することが確認できた.In large scientific/engineering applications, data caches do not work effectively because of little temporal locality. We have proposed "Pseudo Vector Processor based on Slide-Windowed Registers (PVP-SW)" for these applications. This processor realizes high performance even in list vector processing which has little spatial locality due to random data accesses. However, previous reports assumed that none of the list vector data is the same. In this paper, we focus on more general list vector computation without this assumption. Such list vector computation can not be vectorized in ordinary vector supercomputers. We show that PVP-SW is also effective even in such list Vector processing. Performance evaluation reveals that PVP-SW achieves high performance even in general list vector processing.
著者
金丸 裕之 松岡 恭二 中村 進 広瀬 謙次 佐藤 文明 玉ノ井 宗誠 平塚 保正
出版者
日本暖地畜産学会
雑誌
西日本畜産学会報 (ISSN:09143459)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.57-60, 1994-07-20 (Released:2010-08-25)
参考文献数
4

黒毛和種×ホルスタイン種 (以下F1と記す) 雌牛を10頭導入し2産取り肥育を前提にF1雌牛による泌乳能力についてホルスタイン種と同様の飼養管理のもとに試験を実施した。分娩後はNRC飼料標準 (1978版) に従い粗飼料としてトウモロコシサイレージおよびイタリアンサイレージをベースに混合飼料 (以下TMRと記す) を朝, 夕の2回給与した。乳質検査は1ケ月に1回の割合で行った。結果は次の通りである。1.初産次の8頭の平均乳量は1522.5kg, 最も多かったのは, 搾乳日数244日で3475.0kgであった。乳質の平均は乳脂肪率4.12%, 乳蛋白質率3.45%, 乳糖率4.81%, 無脂固形分率9.33%であった。2.2産次の平均乳量は2063.2kgで最も多かったのは搾乳日数391日で6149.5kg, 乳質の平均は乳脂肪率4.48%, 乳蛋白質率3.34%, 乳糖率4.62%, 無脂固形分率9.07%と大分県牛乳取引基準よりも高い値を示した。3.搾乳量1000kgを基準に群分けすると, 低乳量群は初産次3頭, 2産次3頭, 高乳量群は初産次5頭, 2産次6頭であった。低乳量群の初産次3頭の平均は搾乳日数55.3日, 総乳量410.5kg, 1日当たりの乳量7.1kgで, 2産次3頭の平均は搾乳日数30.3日, 総乳量278.2kg, 1日当たりの乳量8.5kgであった。これに対して, 高乳量群の初産次5頭の平均は搾乳日数179.0日, 総乳量2189.7kg, 1日当たりの乳量11.7kgで。2産次6頭の平均は搾乳日数207.8日, 総乳量2955.7kg, 1日当たりの搾乳量13.9kgであった。