著者
中尾 鷹詔 久保田 智規 吉田 英司
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2020-OS-148, no.7, pp.1-6, 2020-02-20

近年,動画データの増大が著しく,どのようにサーバやクラウドに転送・蓄積するかが課題となっている.また,ディープラーニング技術の進化に伴い AI による画像解析の需要が高まっている.そこで,我々は動画像を解析可能かつより小さなデータサイズに符号化する手法を研究している.本稿では物体検出手法の一つである YOLOv3 を対象として,AI が物体を検出するのに必要な領域を解析し,不要な領域のみ画質を劣化させる高効率な動画像符号化方式を提案する.本手法を用いることで,人が解析することを想定した符号化方式と比べて圧縮率と検出率が向上することを確認した.
著者
石野 光則 竹村 昭宣 加藤 重彦 安日 智 北原 辰郎 新関 武史 山内 聡 池野 栄一郎 久保田 功
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.1601-1606, 2014 (Released:2015-12-15)
参考文献数
7

症例は44歳女性. 2013年7月下旬より感冒症状あり近医にて処方を受けたが, その後に労作時の呼吸苦と動悸症状が出現し当院を受診した. 心電図で頻脈性心房細動とST上昇を認め, 心エコー図で全周性の壁肥厚と心嚢液の貯留を認めた. 採血では甲状腺機能亢進症が認められ, 急性心筋心膜炎にバセドウ病を背景とした頻脈性心房細動が合併した心不全と判断し治療を開始した. 経過中に好酸球の上昇を認め, 薬剤性を疑い薬剤を中止したが, 1週間後に呼吸苦が増悪した. 好酸球増多症と心エコー図で心肥大と心嚢液貯留の改善を認めなかったため心筋生検を施行した. 病理像では好酸球の浸潤を認め好酸球性心筋炎と診断し, ステロイド投与を開始したところ心不全症状は速やかに改善し, 胸部単純X線写真・心エコー図・採血でも改善を得られた. 薬剤による反応が原因と考えられた急性好酸球性心筋炎に対して, 心不全治療に抵抗を示したが, ステロイド療法により著明な改善を得られた症例を経験したので報告する.
著者
川畑 貴裕 久保野 茂 伊藤 正俊 松田 洋平 秋宗 秀俊
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2019-06-26

4He(アルファ粒子)が2つのアルファ粒子を逐次捕獲して12Cを合成するトリプルアルファ反応は、宇宙における元素合成過程において最も重要な反応のひとつである。しかし、高温あるいは高密度な極端環境下におけるトリプルアルファ反応率には、既知の値に比べ数倍から100倍も増大する可能性が指摘されており、大きな問題となっていた。本申請課題では、・逆運動学条件下における12Cからのアルファ非弾性散乱の測定・新しいアクティブ標的を用いた12Cからの中性子非弾性散乱の測定により、極端環境下におけるトリプルアルファ反応率を決定し、宇宙における元素合成過程を明らかにすることを目指す。
著者
日下 隆 安田 真之 久保井 徹 小久保 謙一 小谷野 耕佑 岡田 仁 三木 崇範 岩瀬 孝志 上野 正樹 中村 信嗣 岡崎 薫 小林 弘祐
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

新生児低酸素性虚血性脳症の動物モデルとして、新生仔豚を対象に負荷時の脳血液量を指標とした低酸素負荷を行い、低体温療法、ラジカルスカベンジャー(エダラボン)と低体温併用療法の効果、および水素ガス吸入療法の安全性の検討を行った。その結果、無治療の蘇生後24時間での脳血液量増加と低振幅脳波持続時間は正の相関を示したが、低体温療法では負の相関を示した。また低体温療法と併用療法は無治療と比較し、大脳皮質および白質障害は少なかったが、低体温療法のみと併用療法は中枢組織障害の差異は認めなかった。さらに水素ガス吸入は、体・脳循環、脳波及び血液ガスへの影響がなく、その使用上の安全性が確認された。
著者
明神 千穂 安藤 真美 伊藤 知子 大塚 憲一 久保 加織 露口 小百合 中平 真由巳 原 知子 水野 千恵 村上 恵 和田 珠子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成23年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.80, 2011 (Released:2011-08-30)

【目的】中学校、高等学校の家庭科担当教員に調理実習の現状について実態調査を著者らが行ったところ、揚げ調理を実施している中学校、高等学校はともに20%で、授業時間数の減少や補助者の問題などが関係し減少傾向にあることが分かった1)。そこで、油の処理も含めた揚げ調理の一連の操作を学ぶことができる教材の開発が必要であると考えた。本研究では、まず天ぷらを取り上げ、生活体験レベルが異なる生徒にも対応可能な教育媒体としてリーフレットを作成した。多くの教育現場で活用してもらうため、このリーフレットを高校家庭科担当教員へ送付し、揚げ調理の実施状況およびリーフレットの評価についてアンケート調査を行った。 【方法】<リーフレット> 天ぷらの作り方について、油の種類・必要な調理器具・食材の準備・衣の作り方・油の温度管理・揚げ操作・油の処理方法までをカラーのイラストと写真を用いて説明した。<アンケート調査> 2010年8月に近畿二府四県の高等学校家庭科教員を対象とした郵送法による質問紙調査を行った。有効回答数は110部、回収率42.3%であった。 【結果】揚げ調理の実施状況では「天ぷらを作ったことがある」は15%であった。リーフレットに関しては「内容、説明、写真、デザイン」は高い評価を得られた。また、「補助教材として使いやすい」、「高校生の天ぷらについての理解が深まる」、「授業の資料として活用したい」と答えたのがそれぞれ76%、88%、78%となり高い評価が得られた。リーフレットへの評価は高いが、学生への配布希望は34%だった。今後は実際に授業で用いた際の生徒からの評価も検討を予定している。 1)日調科誌, 41, 196 (2008)
著者
下村 欣也 久保 亮一
出版者
一般社団法人 日本医療・病院管理学会
雑誌
日本医療・病院管理学会誌 (ISSN:1882594X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.129-136, 2011 (Released:2011-09-16)
参考文献数
21
被引用文献数
1

本論文は,独立行政法人国立病院機構の財務諸表データを用いながら,黒字病院グループ(N=57)と赤字病院グループ(N=44)におけるコスト構造に差があるのかどうかを定量的に分析した。その結果,(1)保険査定・(2)給与費・(3)材料費・(4)診療材料費・(8)設備関係費・(9)減価償却費・(10)経費・(11)支払利息の項目で2グループ間に差があることが明らかになった。本論文の示唆として以下の点を上げることができる。第1に,定量的な分析手段を用いて,病院経営におけるコスト効率の重要性を検証していることである。第2に,黒字病院と赤字病院の境界線を分かつ可能性のある費用項目を具体的に明示したことである。第3に,病院経営においてコスト集中戦略が有効である可能性をデータ分析により示したことである。
著者
久保木 秀夫
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = National Institure of Japanese Literature (ISSN:03873447)
巻号頁・発行日
no.31, pp.171-192, 2005-02-28

国文学研究資料館蔵の伝藤原為家筆歌集断簡は、有吉保氏によって現存するいずれの系統とも異なる『道真集』と指摘された伝冷泉為相筆断簡(MOA美術館蔵手鑑『翰墨城』所収)のツレである。書写年代は鎌倉時代後期頃。ほかに個人蔵のもう一葉のツレが知られる。記載歌はすべて他文献にも見出されるが、断簡独自の内容もあり、他文献からの単なる抜粋などではなさそうである。従来『新古今集』ほかの出典となった道真の家集の存在が想定されており、あるいは当該断簡はそれに該当するかもしれない。また藤原定家自筆『集目録』記載「菅家」との関連も注目される。The National Institute of Japanese Literature collects a fragmentary manuscript of the collection of 31-syllable Japanese poems. This material may correspond to "Michizane Shu" which became the source of "Shin Kokin Waka Shu" and has been lost now.
著者
小久保 錦一
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.850, pp.28-30, 2020-01
著者
黒林 淑子 河野 恵美 森光 康次郎 久保田 紀久枝
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.156, 2005 (Released:2005-12-08)

目的 セロリはコンソメスープを調製する際、よく用いられる香味野菜のひとつである。セロリは目的とする風味により、葉・茎部が使い分けられることがある。本研究ではセロリの部位別の香気組成を調べ、それらがスープ風味に与える影響を検証し、調理における使い分けの意義付けを試みた。方法 セロリの葉・茎部はそれぞれ水系で加熱後、水相をエーテル抽出し、SAFE(Solvent Assisted Flavor Evaporation)蒸留装置を用い揮発性成分を捕集し、GC、GC/MS、GC/O測定に供し、成分の分析を行った。一方、動物性素材のみでチキンブロスを調製し、水蒸気蒸留法により得られたセロリの葉・茎部の煮熟香気を添加し、その風味について官能評価を行った。結果 セロリ香気を加えたチキンブロスは添加前に比べ、大きく風味が改善された。その際、葉と茎では風味改善効果の特性に若干違いが認められた。セロリ特徴香に関与する主要成分として3-butylphthalide (1)、Sedanenolide (2)、Sedanolide (3)などのフタライド類が同定されたが、葉中には茎に比べ、特にSedanolideが多く見出された。フタライド(1)および(2)を単独でブロスに加えた場合の効果を評価したところ、種類により風味に与える影響が異なっていた。このことから葉と茎におけるフタライド類の組成の違いが、出来上がったスープの風味の差に影響を及ぼすのではないかと考察された。
著者
田村 正樹 中 優希 久保 有紀 渕上 健
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1149, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】複視とは,脳血管障害などが原因で物体が二重に見える症状である。物体の見えにくさから日常生活動作(以下,ADL)に支障をきたすが,具体的なリハビリテーション介入に関する知見は少ない。今回,複視を呈した症例に対して,自動車運転の獲得を目標にレーザーポインターやミラーを用いた眼球運動課題を考案し介入したことで退院後に目標達成に至ったため,報告する。【方法】症例は59歳,男性。診断名はクモ膜下出血と右視床梗塞。発症2週後の眼科受診で右外転神経麻痺と診断された。発症4週目に当院入院となり,入院当初から運動麻痺や感覚障害は認められず,ADLは歩行で自立していた。その他の所見として,Berg Balance Scaleは56/56点,Mini Mental State Examinationは30/30点,Trail Making TestはPart-A36秒,Part-B81秒であった。職業は内装業であり,復職と自動車運転の獲得を希望されていた。発症9週目で内装業に必要な動作が獲得できたため,眼球運動課題を開始した。このときの眼球運動所見は,peripersonal spaceの物体を正中から右側に20cm以上,左側に30cm以上追視した際に複視が出現し,10分程度で眼精疲労が確認された。さらに,personal spaceからextrapersonal spaceへの切り替えを多方向に行うと,複視により3分程度で気分不良が確認された。複視は右側のextrapersonal spaceへの追視の際に著明であった。眼球運動課題はレーザーポインターを用いたポインティング課題,ミラーを用いた識別課題を方向や距離,速度,実施時間を考慮して行った。レーザーポインターを用いたポインティング課題では前方と側方の安全確認と信号の認識を想定し,頭頸部回旋運動を取り入れてレーザーの照射部位を追視するように教示して実施した。ミラーを用いた識別課題ではバックミラーとサイドミラーに映った自動車の認識を想定し,各3方向のミラーに映った対象の詳細や距離について正答を尋ねた。【結果】発症11週後には,peripersonal spaceにある物体の追視では正中から左右ともに35cmまで複視が出現せず可能となった。peripersonal spaceでの眼球運動は40分程度,personal spaceからextrapersonal spaceへの切り替えを多方向に行う眼球運動では30分程度問題なく行えるようになった。発症12週目に自宅退院となり,最終的には自動車運転の獲得に至った。【結論】本症例は右外転神経麻痺による両眼球の共同運動障害により複視が生じていた。personal spaceからextrapersonal spaceへの切り替えを多方向に行うレーザーポインターやミラーを用いた眼球運動課題を組み合わせることにより,複視の改善に至ったと考える。
著者
久保 倫子
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.1-19, 2010 (Released:2018-01-19)
参考文献数
41
被引用文献数
4 6

Numerous attempts have been made by Japanese geographers to study condominiums. The condominium supply began in the central areas of Tokyo in the late 1950s as a form of luxury residences. After the 1970s, the condominium supply began to extend into the suburbs, and within a short period of time, many people began living in condominiums.Since the late 1990s, the condominium supply has increased rapidly in the central areas of metropolitan regions and many local cities in Japan. In addition, the growth of suburban cores such as Makuhari and the increased condominium supply in suburban cores became remarkable phenomena. In recent years, the importance of residential areas in suburban neighborhoods has changed in the metropolitan regions.This study aims to clarify the decision-making processes involved in the residential choices of condominium residents, on the basis of a case study of Makuhari Bay Town, a new condominium district developed after the late 1990s. Among 130 households that participated in the interview surveys, data from 112 households that were living in resident-owned condominiums were used in the analysis.Most of the residents indicated that they had spent their entire lives in the suburbs and therefore preferred newly developed areas. In addition, some of the young families preferred to live close to their parents, while some parents moved into second-hand or rented houses in Makuhari Bay Town.The residents evaluated Makuhari Bay Town as a pleasant neighborhood. Hence about 20 percent of the residents choose to remain in Makuhari Bay Town when they decided to move to a new residence. The decision-making patterns of the residents were different from that reflected by the classical decision-making model. That is, most of the households sought homes in famous residential districts although they were not familiar with the areas. Some residents visited housing parks as a kind of recreational activity, and upon finding a residence that they liked, decided to purchase it and move into the neighborhood. The characteristics of the residential form and the prosperous residential conditions of Makuhari Bay Town facilitated these decision-making patterns. Few residents used the Internet to search for houses. However, they did use the Internet to familiarize themselves with new areas, particularly to learn about the lifestyles of the district and the reputation of the elementary schools.