著者
土井 賢治
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.971-973, 2018-10-15

深層学習の画像識別分野への適用事例として,ラーメン二郎の画像から提供店舗を識別するモデルを作成した際の具体的な作業項目や勘所を紹介する.学習データの収集および分類工程においては, クローラーで収集した画像に対するクレンジング処理について重点的に解説する.モデルの学習においては, モデルの識別精度向上につながる各種手法(ファインチューニング, データ拡張,モデルアンサンブル)について重点的に解説する.学習したモデルの評価においては, モデルの各種評価指標の解説および, 作成したモデルの具体的な識別精度を提示する.
著者
服部 正嗣 本田 一郎 松下 英信 小林 大介 大河内 治 坪井 賢治
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.2229-2234, 2008 (Released:2009-03-05)
参考文献数
16
被引用文献数
4 7 6

症例は22歳,女性.平成18年8月過食による急性胃拡張の診断で入院し保存的治療にて軽快・退院した.10月再び過食後に腹痛・嘔気が出現して当院を受診し急性胃拡張の診断にて入院となった.経鼻胃管挿入にて減圧をはかるも腹痛軽快せず.同日深夜,ショック状態となり挿管呼吸管理,カテコラミン大量投与による循環管理を開始した.CTで腹水とfree air,腹腔穿刺で混濁腹水を認め,緊急手術を施行した.胃は広範に壊死・破裂しており,腹腔内に多量の壊死物質と食物残渣を認めた.脾臓にも壊死を認め,胃全摘術・脾摘出術・腹腔洗浄ドレナージ術を行った.術中もショック状態が続き,術後,DIC・多臓器不全の状態となった.持続血液濾過・血液製剤大量投与などの加療にもかかわらず,術後26時間で死亡した.複雑な家庭環境でのストレスが誘因とされる過食による急性胃拡張が原因で胃壊死・破裂をきたした症例を経験したので報告する.
著者
服部 正嗣 本田 一郎 松下 英信 小林 大介 大河内 治 坪井 賢治
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.2229-2234, 2008
被引用文献数
7

症例は22歳,女性.平成18年8月過食による急性胃拡張の診断で入院し保存的治療にて軽快・退院した.10月再び過食後に腹痛・嘔気が出現して当院を受診し急性胃拡張の診断にて入院となった.経鼻胃管挿入にて減圧をはかるも腹痛軽快せず.同日深夜,ショック状態となり挿管呼吸管理,カテコラミン大量投与による循環管理を開始した.CTで腹水とfree air,腹腔穿刺で混濁腹水を認め,緊急手術を施行した.胃は広範に壊死・破裂しており,腹腔内に多量の壊死物質と食物残渣を認めた.脾臓にも壊死を認め,胃全摘術・脾摘出術・腹腔洗浄ドレナージ術を行った.術中もショック状態が続き,術後,DIC・多臓器不全の状態となった.持続血液濾過・血液製剤大量投与などの加療にもかかわらず,術後26時間で死亡した.複雑な家庭環境でのストレスが誘因とされる過食による急性胃拡張が原因で胃壊死・破裂をきたした症例を経験したので報告する.
著者
野口 栄太郎 今井 賢治 角谷 英治 川喜田 健司
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.466-491, 2001-08-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
143
被引用文献数
1 1

「内臓痛と消化器疾患や各種消化器症状に対する鍼灸治療」にテーマを絞り、その研究の現状について基礎・臨床の両面から検討を加えた。今回、検討の対象としたものは、NIHの会議でも検討された関係分野の欧文文献と、データベースや手作業によって網羅的に集められた和文文献、および一部の中文文献である。これまでの研究の歴史と研究の現状を簡潔に各テーマごとに網羅的にまとめた。「内臓痛に対する鍼灸刺激の効果について」は、内臓痛に関する鍼灸の効果について、基礎医学的研究と臨床研究が紹介され、さらに、直腸伸展刺激を用いた内臓痛モデル動物における鍼の効果と視床内側下核との関連についての実験成績を総説した。「消化機能に対する鍼灸刺激の効果」については、唾液分泌、胃運動、胃酸分泌、小腸運動に対する、鍼灸刺激の作用機序に関する研究について総説した。「消化器症状に対する鍼灸治療の効果」については、消化器疾患および消化器愁訴に対する鍼灸治療の研究の歴史と現状を網羅し、臨床研究における胃電図の有用性についても併せて総説した。
著者
土井 賢治 田頭 茂明 藤田 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.420, pp.139-144, 2006-12-07

分散ハッシュテーブル(Distributed Hash Table: DHT)は,P2Pシステムにおいてネットワーク上に遍在する資源に対して効率的なアクセスを実現する手法のひとつとして高い注目を集めている.しかし,DHTにはP2Pオーバーレイネットワーク上のピア間の隣接関係が物理ネットワークにおけるノードの"近接性"には無関係に決められているという問題がある.本稿では,ピアがDHTに参加する際の手続きにおいて物理ネットワークにおけるノード間の近接性の全体的な関係を考慮できる手法を用いることで,ノードの近接性を考慮したP2P DHTの構築手法を提案する.提案手法の有効性はシミュレーションにより評価される.
著者
塩見 真由美 今井 賢治 咲田 雅一
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.71-80, 2003-02-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
26
被引用文献数
2 1

嘔気を主症状とするmotion sicknessを人為的に引き起こし、内関 (PC6) への鍼刺激がその症状の程度と出現率を改善させるかどうかを検討した。健常人36名を対象とし、無作為に対照群 (nd2) と置鍼群 (n=12) 、鍼通電群 (n=12) の3群に分類し、optokinetic drumを用いてmotion sicknessを誘発した。motion sicknessの評価には、自覚症状に関するスコアー (SSMS) とvisual analogue scale を用いるとともに、客観的な指標として胃電図をドラムの回転前・回転中・回転後各15分、計45分間にわたり記録した。また、置鍼群、鍼通電群ではdrum回転中に内関穴に鍼刺激を行った。置鍼群では、motion sickness に伴う胃電図の異常波形の出現が抑制され、他群に比べ早期に正常波形へと回復した。また、嘔気の出現率とその程度についても、置鍼群では対照群に比して低い傾向を認めた。内関穴に対する置鍼刺激は、胃電図の異常波形の出現を抑制し、嘔気などを中心とするmotion sickness 症状の緩和に有効であることが示された。
著者
尾崎 昭弘 今井 賢治 伊藤 和憲 向野 義人 白石 武昌 石崎 直人 竹田 太郎
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.779-792, 2006-11-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
39
被引用文献数
1

「耳鍼に関するこれまでの研究の展開」を主テーマとしてセミナーを行った。セミナーでは、近年の国内外の耳鍼の展開、作用機序や臨床効果のレビューを行い、知見を総括した。耳鍼による肥満の基礎研究では、耳介と視床下部-自律神経系の関連、耳鍼を受ける側の状態の違いに起因する個人差などが紹介された。さらに、作用機序では耳介の鍼刺激により白色脂肪組織 (WAT) に発現したレプチンが、末梢と中枢の両者に存在するレプチン受容体 (Ob-R) に結合して、摂食を抑制することなどが紹介された。耳鍼の臨床効果については、肥満に関する欧米の知見を中心に紹介された。しかし、欧米の論文のレビューでは共通した治療方法、評価指標などが乏しかったため、総合的な結論を下すには至らなかった。鎮痛効果や薬物依存では、臨床効果が期待されたが、禁煙では否定的であった。
著者
藤井 賢治
出版者
The Japanese Society for the History of Economic Thought
雑誌
経済学史学会年報 (ISSN:04534786)
巻号頁・発行日
vol.38, no.38, pp.134-145, 2000 (Released:2010-08-05)
参考文献数
35

The Chicago School has changed since Knight's time. Though the modern Chicago School puts an emphasis solely on the positivistic aspect of economics, Knight emphasizes the ethical aspect of economics at the same time. This change corresponds to that of liberalism in Chicago.Putting evaluation of these changes aside, we try to understand why and how Knight thought ethics and economics are inseparable. We find his basic vision of a society to be consisting of problem-solvers. For a person trying to find out what he or she really wants, freedom is needed, not to get the best, but to have a chance to try. Therefore economic activities consist of two interrelated parts: seeking better values and satisfying wants. Correspondingly two kinds of freedom must clearly be distinguished. One is freedom as an end in itself, and the other is freedom as an instrument. Of course, freedom as an end in itself can only be defended on ethical grounds.Similarly, scientific activities can be understood as consisting of two parts: seeking “better truth” and getting useful results. According to Knight, defining truth is also a matter of value judgment.Thus, economics is value-loaded in two meanings. One is that the behavior of seeking better values, i. e., freedom as an end in itself, is value-loaded. The other is that truth, which economics as one branch of science explores, is value-loaded.
著者
鈴木 明宏 茂庭 優貴 石井 賢治 藤原 誠助 永富 良一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.849, pp.16-00450-16-00450, 2017 (Released:2017-05-25)
参考文献数
10

Amount of daily physical activity is strongly associated with the prevalence of lifestyle-associated diseases, and thus maintaining a certain level of physical activity is recommended. Amount of physical activity, namely energy expenditure, is commonly estimated from linear regression analysis of oxygen uptake during steady-state exercise of different intensities. Short-duration exercise, mainly walking lasting less than 3 minutes, has been reported to account for over 90% of the daily energy expenditure of healthy adults. The estimation of energy expenditure by ACSM Metabolic Equations used well, however, is based on steady-state exercise of more than 5 minutes, and energy consumption of shorter duration exercise is not commonly considered. Oxygen consumption remains elevated for some period of time after exercise. Then, the estimation of energy expenditure for short duration exercise must include excess post-exercise oxygen consumption (EPOC). The amount of EPOC change in duration exercise. Therefore, we attempted to elucidate the energy expenditure for VO2 kinetics. Ten healthy participants aged 19-54 y walked and ran for 1, 3 and 5 minutes on a treadmill at constant speed. Oxygen consumption during and post-exercise was measured using a portable gas analyzer in breath-by-breath mode. A best-fit exponential equation to estimate oxygen consumption from exercise duration and walking speed was generated. The root mean square (RMS) of estimate equations was calculated using Leave-one-out cross validation. The RMS(1.44~2.14 ml/kg/min) was lower, and the results of the Bland-Altman analysis revealed neither fixed nor proportional bias with the exception of the decent walking and running. An equation for the estimation of oxygen consumption at shorter durations of exercise was successfully generated. Accumulation of additional data may further improve the equation.
著者
吉元 授 田口 玲奈 今井 賢治 北小路 博司
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.406-415, 2009 (Released:2010-01-20)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

【目的】三陰交穴への円皮鍼治療が月経痛に及ぼす影響について検討した。 また、治療効果に影響を及ぼす背景因子についても検討を行った。【方法】対象は月経痛を有する女子大学生51名とした。 研究期間は9ヶ月間とし、無治療期間(a)、治療期間、無治療期間(b) の各々3ヶ月間を設定した。治療効果は月経痛重症度分類と服薬錠数の変化、治療期間終了時の痛み評価 (軽減、不変、増悪) で判定した。 さらに、治療効果に影響を及ぼす背景因子については神経症傾向(Cornel medical index: CMI)及び月経随伴症状 (Menstrual distress questionnaire: MDQ) 等との関連性を調査した。【考察】本治療は月経痛の緩和に有効であると考えられたが、その効果は精神的な要因や月経痛以外の痛みに影響されやすい可能性が示唆された。
著者
山下 仁 形井 秀一 江川 雅人 石崎 直人 宮本 俊和 楳田 高士 今井 賢治
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.2-15, 2007-02-01 (Released:2008-05-23)
参考文献数
31

より安全な鍼灸臨床を目指すためのアイデアを、ワークショップ参加者とともに考えることにした。当委員会が今回提示したテーマと各委員により提供された情報は、次のとおりである :1. 鍼の抜き忘れの防止 1) 防止法の工夫 2) インシデント報告システムの効果2. より清潔な押し手 1) 指サック・グローブ使用の長所と短所 2) 鍼体に触れない刺鍼法の試みの変遷 3) クリーンニードル開発の現状討論時間は十分でなかったものの、参加者からいくつかの貴重なアイデアをいただいた。また、新しく開発されたクリーンニードルに対する反響が大きかった。刺鍼に関するこのような新しい器具や手法が従来の伝統的な鍼灸臨床に浸透してゆく際の様々な影響についても討論してゆく必要があると思われる。今後さらに各関連施設や鍼灸院あるいは業団体など各方面からのアイデアや意見を集約していきたい。
著者
藤井 賢治
出版者
The Japanese Society for the History of Economic Thought
雑誌
経済学史学会年報 (ISSN:04534786)
巻号頁・発行日
vol.33, no.33, pp.79-89, 1995 (Released:2010-08-05)
参考文献数
28

This paper examines how the economics of Marshall was pushed out of the mainstream of economics after his death.We firstly try to comfirm that the compatibility problem between competition and increasing returns was the main concern of Marshall from the early days of his career up to his Principles. Three new analytical tools he introduced into the Principles were intended to answer this problem. These are the distinction between internal and external economics, the period analysis, and the representative firm. The vision of the market as an organic system, we contend, is the key to understanding these three tools.Because economists at the early stage of institutionalization of the profession were eager to secure reliable analytical methods, the assessment of the economics of Marshall centered around the consistency of his analytical tools with the partial equilibrium method. Consequently, not enough attention was paid to the vision underlying his analytical tools. The same logic explains the gradual displacement of partial equilibrium method by general equilibrium method which started shortly after the assessment of Marshall by the Cambridge economists during the 1930s.
著者
緒方 さつき 森松 嘉孝 幸崎 弥之助 工藤 昌尚 田尻 守拡 井 賢治 渡邉 健次郎
出版者
日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.99-103, 2006-03-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
9

症例は42歳の男性。400ccの自動二輪車運転中に左側の駐車場から無灯火で出てきた普通車の右側面に衝突し,当院へ搬送された。来院時,呼吸は腹式呼吸で,両上下肢の知覚が消失し,両上下肢で徒手筋力テスト0であった。病的反射の出現は認めなかったが,肛門反射が完全に消失していた。重症の下位頸髄損傷を疑うも,頸椎単純X線,頭部CT,頸髄・胸髄・腰髄MRI検査にて異常所見は認めなかった。その後,6年前の急性一過性精神病性障害の既往が判明し,転換性障害の診断にて入院となった。徐々に症状の改善がみられ,リハビリテーション目的にて第13病日に他院へ転院となった。救急の現場において,症状と検査所見が一致しない事例をみた場合,精神病性障害である可能性に留意すべきである。
著者
篠原 大侑 岡田 岬 久島 達也 今井 賢治
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.266-272, 2019 (Released:2020-07-13)
参考文献数
16

【目的】今回、 膝痛および頚肩部痛を訴え、 さらに様々な不定愁訴を示す患者に対して鍼治療を行った。 胃膨満感と胃痛を中心とした消化器症状を強く訴えるようになったため、 胃電図による病態の把握と治療効果の確認を行ったところ、 治療後に症状の軽減とともに胃電図の正常波成分の増加を認めたため報告する。 【症例】73歳の女性。 身長は148.0cm。 体重は51.0kg。 初診時の愁訴は膝痛および頚肩部痛、 不安感であった。 24診目に胃膨満感および胃痛が第一愁訴となり、 全般的消化器症状評価 (Gastrointestinal Symptom Rating Scale; GSRS) は、 36点であった。 胃電図の計測は、 治療前後で各15分間行った。 鍼治療は30診目より左右の足三里 (ST36)、 豊隆 (ST40) に置鍼10分を行った。 【結果】鍼治療後の胃電図の正常波形を占める割合が71%と大きく増加しており、 power spectrumは明らかな安定とpowerの増大を伴っていた。 GSRSを確認したところ点数の減少を認め、 症状の改善を得た。 【考察】今回、 鍼治療により胃電図の正常波成分のpowerが増大した。 これは胃運動の亢進を意味しており、 いわゆる体性-内臓反射による迷走神経の興奮から、 胃電図の変化が得られたと考えられる。 さらに、 この胃電図の所見を患者に説明したところ、 安心を得て、 臨床症状の改善と治療継続のモチベーション向上に繋がった症例であった。 【結語】胃膨満感および胃痛を訴える患者に対して鍼治療を行ったところ、 胃電図の正常波成分のpowerが増大し、 さらに臨床症状の改善が得られた。
著者
筒井 賢治
出版者
日本西洋古典学会
雑誌
西洋古典学研究 (ISSN:04479114)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.121-129, 1996-03-15 (Released:2017-05-23)

Marcion, a Christian heretic in the second century A. D., is known as a docetist. This is closely related with the widely-accepted assumption that he used a special term, phantasma, with regard to the body of Jesus Christ. Admittedly, there is an exclusive connection between Marcion and the term phantasma. On the one hand, we know nobody else among his contemporaries who referred to the body of Jesus by this term. On the other hand, a number of Early Church Fathers speak of Marcion's phantasma so frequently that it is virtually impossible to deny that he has actually used the term for Jesus Christ. And Tertullian, by far the most important source of information about Marcion/Marcionites, knew two interpretations of phantasma : (a)vision, an noncorporeal entity that can be seen and heard, but cannot be touched ; (b)something comparable to the body of the angels who appeared to Abraham and Lot and associated with them just like normal human beings(cf. Gen 18-19). This juxtaposition of two essentially different interpretations indicates clearly that the term phantasma itself, at least, was not an invention by Tertullian, but a special word actually used by Marcion himself. However, if we investigate Marcion's own texts, i. e. his canon(Evangelium, Apostolicum) and Antitheses, we come to an unexpected conclusion : Nowhere can we find a clearly and directly docetic element in them, as far as reliable textual reconstruction is possible. On the contrary, there are a lot of "nondocetic" passages which show that Jesus undoubtedly had a tangible body(which contradicts the meaning(a) of phantasma ; see below). The word phantasma itself does not appear anywhere apart from Evangelium (Lk)24 : 37. In this verse, according to Tertullian, Marcion's text reads phantasma (cf. also Adamantius/Rufinus) instead of pneuma. But we should not accept this report without qualification. First, it is not a literal quotation. Tertullian may well have employed an anti-Marcionite cliche here, as he often does. Secondly, Jesus' disciples, who think he is a "phantasma", are not praised but scolded by Jesus himself in the following verses. Further, this reading destroys the contextual relation with v. 39, where pneuma is undoubtedly retained in Marcion's text. Last but not the least, this Jesus is the so-called resurrected one, not the proper subject of docetism. For these various reasons, we cannot consider this verse to be sufficient evidence for Marcion's phantasma-docetism. We must conclude, therefore, that neither docetism nor the term phantasma is clearly to be found in Marcion's own texts. To explain this contradiction, we must introduce the perspective of chronological development in Marcion : His phantasma-docetism belongs to his "pre-canonical" times. Although the "post-canonical" Marcion did not positively use the term any longer, the polemical cliche against it remained in use on the side of the orthodox church. As regards the two meanings of phantasma attested in Tertullian(see above), (a)must certainly be older than(b). (b)appears to be an alternative, ad hoc explanation given by the post-canonical Marcion or more probably Marcionites, who wanted to remove the discrepancy between their canon and the phantasma-docetism. in the meaning(a). A relationship in the reverse order, i. e. a development from(b)to(a), is hardly imaginable. As a matter of course, it does not necessarily mean that(a)was the original meaning in which Marcion used the term phantasma. This remains an open to debate. Our argument is based on the assumption of a critical change in Marcion. "Critical change" does not mean here a conversion from one definite, ready-made system of belief to another. Rather, it is creation of a new paradigm, which is usually preceded by a long, chaotic period of preparation. There is no doubt that the pre-canonical(View PDF for the rest of the abstract.)
著者
大河内 治 丹羽 由紀子 小林 大介 坪井 賢治 加藤 伸幸 本田 一郎
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.687-691, 2007-03-25 (Released:2008-08-08)
参考文献数
20

症例は24歳, 女性. 17歳時に両側卵巣成熟奇形腫にて腫瘍摘出術を施行された. 手術時に腫瘍に被膜破綻を認めた. 今回, 右背部痛を認め腹部CT検査で肝腫瘍を指摘され入院となった. 施行された腫瘍マーカーは全て正常値であった. 腹部造影CTおよび腹部MR画像上, 右横隔膜下および肝下面に脂肪成分および石灰化を伴う嚢胞状腫瘍を認めた. 血管造影検査では圧排所見のみであった. 卵巣奇形腫の腹膜播種性転移を疑い開腹術を施行した. 手術所見では腫瘍は肝に付着して圧排性に発育しており腫瘍摘出術を施行した. 病理組織学的に成熟奇形腫と診断された. 成熟奇形腫の播種巣が三胚葉成分全てから構成されることは稀であるうえ, その組織型が成熟型を呈するという極めて興味ある症例を経験した.